松久由宇

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松久 由宇まつひさ ゆう1949年4月19日 - )は、北海道置戸町出身の漫画家。本名は松久壽仁[1]で、この名義での作品もあるほか、別名に、クイーン・墓村墓堀人磨湖丈一柳遼太松久鷹人鷹羽遙 などがある。

来歴[編集]

北海道置戸町に生まれる。置戸中学校3年生の頃、村岡栄一が主宰する漫画サークル「奇人クラブ」に参加する。会員には青池保子岡田史子らがいた[1]

北海道浦幌高等学校に進学、高校1年のときに北海道新聞社主催の漫画募集企画に参加し、これがきっかけで同郷の大和和紀に誘われ、高畠敦子(鷹羽あこ)の主催していた漫画サークル「ファンタジック・クラブ」に「磨湖丈一」の筆名で参加[1]。高校3年のとき、同じクラスとなった吾妻日出夫(ひでお)と知り合い、吾妻にプロ漫画家になることを勧める[1][2]

佐藤まさあきのアシスタント公募に応募し、1968年、高校卒業とともに上京し住み込みアシスタントとなる[2][3]も4か月で辞任[1]桑田次郎(のち二郎)のアシスタントに移籍[2]、『大復活』『ミュータント伝』『デスハンター』等の作業に参加する[1]。桑田の仕事量が減少した時期に、井上英沖(すでにベテラン漫画家であったが、仕事が途切れ金に困って桑田のアシスタントになっていた)の紹介で、「ゴルゴ13」のスチールアニメ(1971年4月 - 7月放送)制作に参加している[1]。その後独立。

漫画家デビューの頃から依頼原稿のみを描いており、投稿も持ち込みもしたことがないという[2]

作品リスト[編集]

松久由宇名義[編集]

クイーン・墓村名義[編集]

  • 夢幻機(『劇画アクション』、1972年)

松久壽仁名義[編集]

松久寿仁名義[編集]

松久鷹人名義[編集]

  • 陽美子 全2巻(原作:工藤かずや、リイド社、1984年)
  • I・餓男(アイウエオボーイ)(原作:小池一夫、『COMIC劇画村塾』版、1984 - 1985年連載)

鷹羽遙名義[編集]

  • 魔獣戦士(東京三世社、1988年)
  • SF新古事記 まんが高天原ストーリー(原作:那野比古扶桑社、1989年)
  • 水滸伝 〜天命の誓い〜(脚本:三上修平、光栄、1991年)
  • 絵で見るスキット英会話5 海外旅行(著者:坂巻潤子、アヴィ・ランド-)
  • 100のおもてなし100の言葉―コミック版 旅館接客マニュアル入門(原作:福島規子、柴田書店、正 1994年、続 2000年)
  • グランドスラム(原作:高山芳紀

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 松久由宇 (2020年7月18日). “『私の昭和・青春漫画抄』”. note. 2022年7月16日閲覧。
  2. ^ a b c d 吾妻ひでお「SPECIAL初対談 吾妻ひでお×松久由宇」『ぶらっとバニー 完全版』 2巻、徳間書店〈RYU COMICS〉、2008年3月。ISBN 978-4-19-950068-8 
  3. ^ 吾妻ひでお『地を這う魚 ひでおの青春日記』(角川書店・2009年) p.17

外部リンク[編集]