東急7000系電車 (2代)
| 東急7000系電車 | |
|---|---|
多摩川線を走る7000系
(2008年5月17日 / 沼部 - 鵜の木) |
|
| 編成 | 3両編成7本(21両) |
| 起動加速度 | 3.3 km/h/s |
| 営業最高速度 | 池上線85km/h 東急多摩川線80 km/h |
| 設計最高速度 | 120 km/h |
| 減速度 | 3.5 km/h/s(常用最大) 4.5 km/h/s(非常) |
| 編成定員 | 378(座席133)人 |
| 車両定員 | 先頭車122人 中間車134人 |
| 全長 | 先頭車18,100mm 中間車18,000 mm |
| 全幅 | 2,800 mm |
| 全高 | 4,050 mm |
| 車体長 | 先頭車17,700mm 中間車17,500 mm |
| 車体高 | 3,640 mm |
| 編成質量 | 92.1t |
| 車両質量 | デハ7100形 (Mc) 31.2t デハ7200形 (M) 34.1t クハ7300形 (Tc) 26.8t |
| 軌間 | 1067 mm |
| 電気方式 | 直流1,500V (架空電車線方式) |
| モーター出力 | 190kW |
| 主電動機 | TKM-99A形かご形三相誘導電動機(定格出力190kW/端子電圧1,100V、電流128A、周波数62Hz、定格回転数1,825rpm) |
| 編成出力 | 1,520kW |
| 歯車比 | 87:14 (6.21) |
| 制御装置 | 東芝製VVVFインバータ制御 (IGBT素子、静止形インバータ兼用デュアルモード) |
| 駆動装置 | TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式 |
| ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ、全電気ブレーキ、保安ブレーキ |
| 保安装置 | 東急形ATS、ATC-P、TASC |
| 製造メーカー | 東急車輛製造 |
|
この表について
|
|
東急7000系電車(とうきゅう7000けいでんしゃ)は、2007年(平成19年)12月25日に営業運転を開始した東京急行電鉄の通勤形電車。
目次 |
[編集] 概要
本系列は、池上線・東急多摩川線(以下本項では「多摩川線」と表記する)用として5000系列をベースに設計された18m級・片側3扉の軽量ステンレス車である。
東急で7000系を名乗る系列はこれで2代目になるため、「新7000系」と呼ばれることもある。
2007年と2008年にそれぞれ3両編成2本(6両)が導入された。当初の計画では2011年(平成23年)度までに3両編成17本(51両)が増備され、池上・多摩川線用の在来車の一部を置き換える予定であるが、2011年度までに落成したのは3両編成7本(21両)である。
5000系列や後に登場した6000系と同様に、主要機器の二重化を図っている。
[編集] 車体
基本的には、5000系列と共通の部材を使用したステンレス製である。同系列と異なるのは、前記したように18m級・片側3扉とされた点と、先頭車前面形状は非常用貫通扉を運転室から見て右側にオフセット配置された流線型を採用した点である。車体のカラースキームは無塗装の外板に緑の濃淡のデザインを施しており、屋根部分に絶縁体として塗装される塗料も緑色とされた。床面の高さはレール面から1,130mmであり、レール面から1,100mmのプラットホームとの段差を縮減している。乗務員室の非常用はしごは操作しやすいように小型化された。
冷房装置は集中式を各車の屋根上に1基搭載する。冷房能力は61.05kW (52,500kcal/h) で、電熱ヒーターを組み込んだことで除湿や冬期の暖房も可能としている。
前面および側面の行先表示器はLED式で、表示は日本語と英語の交互表示である。書体は池上・多摩川線用の車両では初めてゴシック体が採用された。なお、前面の表示器は「池上線」「多摩川線」のように路線名表示も行い、3種類の表示がなされる。
[編集] 車内
本系列の客室内装は「居心地の良い空間の提供」をコンセプトとしており、カラースキームに木目調のものが採用された。これらには5000系列と共通のペーパーハニカム材にアルミ板と高硬度アートテックやデコラ化粧板を貼り付けた複合材料を使用している。
座席はロングシートを基本とするが、中間車のデハ7200形の車端部は横2+1列配置のボックス式クロスシートが設置されている。ロングシート部の形状や材質は5000系3次車以降と共通であるが、座席表地は緑色系とされている。1人あたりの掛け幅は460mmである。クロスシートの形状は東横線・大井町線用の9000系や世田谷線用の300系とは異なり、東日本旅客鉄道(JR東日本)E231系近郊タイプなどに類似する。
客用ドア間のつり革の位置は床面から1,630mmが基本であるが、ユニバーサルデザインの一環として1580mmのものを3個配置することで小柄な女性や子供、高齢者がつかまりやすいように配慮されている。荷棚は金網構成で、3000系より20mm位置を低くしている。
車椅子スペースはデハ7200形の蒲田寄りに設置されているが、これもユニバーサルデザインの一環として床面から700mmと950mmの位置に手すりを設置し、700mmの位置のものはクッションを巻くことで簡便な椅子や荷物置場としても使用することが可能で、950mmの位置のものはベビーカーの取っ手高さに合わせており、車椅子利用の乗客以外にもベビーカー利用の乗客や立席の乗客に対しても配慮されている。
客室側窓は車端部に固定式を1枚、客用ドア間に下降式のものを2枚配している。窓ガラスは熱線吸収および紫外線・赤外線カットを図っており、5000系列と同様に巻き上げカーテンは省略されている。
客用ドアは5000系6次車と同一仕様で、室内側は化粧板仕上げとされ、窓ガラスは結露防止の観点から複層構造が採用されている。客用ドア開閉の際には5000系列と同じ音のドアチャイムが鳴動するほか、新たに開閉時に赤く点滅するドア開閉表示灯が取り付けられている。車内の非常通報装置は埋め込み形として見付けの向上を図った。
池上線と東急多摩川線はワンマン運転を行っているが、車内で鳴らす発車合図用のベルは、1000系・7600系・7700系とは違い、本系列では東急の駅で使われているものと同じベルが使用されている。
- 車内の詳細写真
客用ドア上部にはTIPによる15インチ液晶ディスプレイを2基設置している。5000系列(5080系の一部を除く)・6000系と同一のレイアウトであり、右側の画面には通常停車駅、乗り換え案内、ドア開閉方向、駅ホーム設備案内などを表示するほか、異常時には運行情報も表示する。左側の画面には東急グループ各社のPR広告を表示するが、本系列では5000系列のように動画広告が流れないので画面上部に「TOQビジョン」ステッカーを貼付していない。なお、2次車の7103F・7104Fではカバーの形状が変更され、同時期登場の5000系7次車(5185F - 5187Fを除く)と同じデザインとなった。
東急の多くの在来車と同様に自動放送装置を搭載しているが、本系列ではアナウンサーが従来の池上・多摩川線の車両の岡本洋子から他線同様の西村文江に変更されている。
運転室はワンマン運転に対応した設計で、運転席は車体中央寄りに配されている。ホーム監視モニタは1000系や7700系などでは前面上部に設置されていたが、本系列では運転台コンソールに設置したことで前方視界の改良を図っている。運転室と客室の仕切窓は5000系列と同じ構成であるが、運転席背後の窓寸法は同系列より縮小されている。運転席背後と仕切扉には遮光ガラスが使用されているほか、遮光幕が設置されている。
[編集] 走行機器など
主回路システムは東芝製低損失トレンチIGBT素子による2レベル方式のVVVFインバータ制御で、回生ブレーキおよび全電気ブレーキ機能を有する。主回路システムと補助電源システムの冗長化を図る目的で、VVVFインバータと静止形インバータ (SIV) を一体化したデュアルモード構成とされ、1基のインバータ装置で4個のかご形三相誘導電動機を制御する1C4M方式2群とSIV1群を1ユニットとして、中間電動車のデハ7200形に搭載される。
電動機は3000系・5000系列と同一のTKM-99Aで、定格出力は190kWである。歯車比も電動機回転数を抑制し騒音を低減する観点から87:14 (6.21) とされ、駆動装置にTD継手を採用している点も3000系・5000系列と同一である。
東急では3000系以降、電動車と付随車の構成(MT比)は1:1を標準としているが、本系列では駅間距離が短く、加減速頻度の多い池上・多摩川線で運用されることから、粘着性能確保の観点から2M1Tで構成される。
ブレーキシステムは回生併用電気指令空気式で、遅れ込め制御を有する。
台車は東急車輛製造製の軸梁式軸箱支持ボルスタレス台車で、ホイールベースは2100mmである。基本構造は電動台車 (TS-1019B) ・付随台車 (TS-1020C) とも共通化されており、基礎ブレーキ装置も片押し式ユニットブレーキとされている。
パンタグラフはシングルアーム式で、デハ7200形に2基搭載される。
空気圧縮機は騒音低減を図ったスクロール式で、両先頭車に各1台搭載される。
池上・多摩川線の保安装置は東急形ATS・TASCであるが、長津田車両工場に検査など入場する際はATC区間を経由する必要がある。1000系や7700系などではATC車上装置が搭載されていないためにATC区間の牽引車としてデヤ7200・7290形が必要とされていたが、本系列ではATC車上装置を搭載することにより牽引車を不要とした。なお、ATC装置本体およびTASC装置本体はクハ7300形に搭載、デハ7100形にはATC増幅器を搭載して両先頭車間を制御伝送するシステムである。
[編集] 編成
※個別の編成を指す場合は、五反田・多摩川方のデハ7100形の車両番号を用いて、「7101F」(「F」は編成を意味するFormationの頭文字)のように表記される。
|
蒲田 →
|
製造年 | 置換車両 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 号車 | 1 | 2 | 3 | ||
| 形式 | デハ7100 (Mc) |
デハ7200 (M) |
クハ7300 (Tc) |
||
| 搭載機器 | CP | CONT,SIV | CP | ||
| 車両番号 | 7101 7102 |
7201 7202 |
7301 7302 |
2007年 | |
| 7103 7104 |
7203 7204 |
7303 7304 |
2008年 | ||
| 7105 |
7205 |
7305 |
2009年 | ||
| 7106 |
7206 |
7306 |
2010年 | ||
| 7107 |
7207 |
7307 |
2011年 | ||
-
- 凡例
- CONT:主制御器(1C4M2群)
- SIV:補助電源装置(静止形インバータ)150kVA
- CP:空気圧縮機
[編集] その他
- 2008年1月9日に第2編成 (7102F) が営業運転を開始した頃は、先頭車の前面左上に「池上線・多摩川線 New Face SERIES 7000」と表記されたステッカーが掲出された。また、同時期に第1編成 (7101F) にも「池上線・多摩川線7000系デビュー」と表記されたステッカーが掲出された。
- 2008年度に導入された編成から、貫通扉部分の取っ手の形状が変化している。これは、2007年度に導入された編成の取っ手が持ちにくいとの意見を反映したものである。
- 2008年11月2日に第1編成が、翌11月3日に第4編成 (7104F) が「多摩川アートラインプロジェクト'08」貸切列車として東急多摩川線を走行した。
[編集] 参考文献
- 東京急行電鉄(株)運転車両部 車両課 望月敏明「新車ガイド 東京急行電鉄7000系」『鉄道ファン』2008年2月号(通巻562号)p62 - 69、交友社
- 東京急行電鉄(株)運転車両部 車両課 望月敏明「新型車両プロフィールガイド 東京急行電鉄7000系」『鉄道ジャーナル』2008年2月号(通巻496号)p100 - 103、鉄道ジャーナル社
[編集] 外部リンク
[編集] 関連項目
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||