東急2000系電車
| 東急2000系電車 | |
|---|---|
| 編成 | 10両編成 |
| 起動加速度 | 3.3 km/h/s |
| 営業最高速度 | 東急線内110km/h 半蔵門線内80 km/h |
| 設計最高速度 | 120 km/h |
| 減速度 | 3.5 km/h/s(常用最大) 4.5 km/h/s(非常) |
| 編成定員 | 1,412(座席522)人 |
| 車両定員 | 先頭車130(座席48)人 中間車144(座席54または51)人 |
| 全長 | 20,000 mm |
| 全幅 | 2,800 mm |
| 全高 | 4,035mm パンタ付車両4,050 mm |
| 編成質量 | 312.4t |
| 車両質量 | 26.2 - 34.7t |
| 軌間 | 1,067 mm |
| 電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
| 主電動機 | かご形三相誘導電動機 170kW |
| 歯車比 | 99:14(7.07) |
| 制御装置 | GTO-VVVFインバータ制御 1C8M制御 |
| 駆動装置 | TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式 |
| 台車 | ボルスタレス台車 TS-1010・TS-1011 |
| ブレーキ方式 | ATC連動回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ |
| 保安装置 | 東急形・東京メトロATC |
| 製造メーカー | 東急車輛製造 |
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この表について
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東急2000系電車(とうきゅう2000けいでんしゃ)は、1992年(平成4年)3月31日に営業運転を開始した東京急行電鉄の通勤形電車である。
目次 |
[編集] 概要
田園都市線の輸送力増強のため、1992年(平成4年)から1993年(平成5年)にかけて10両編成3本が東急車輛製造で製造された。
1986年(昭和61年)に登場した9000系をベースに設計・製造している。基本的には同系の設計を踏襲しつつも帝都高速度交通営団(現・東京地下鉄)半蔵門線乗り入れへの対応、客室内の改良、乗り心地の向上などが図られた。また、設計に当たっては「より良い居住性」「運転操作性の向上」「省エネルギー化」「保守性の改善」などの9000系からの基本理念に加え「人にやさしい車両」を目指している。
1992年に第1・2編成が田園都市線に投入され、1993年2月には第3編成が8両編成で東横線に暫定投入された。第3編成はその後、同年11月に中間車2両が落成したため、10両編成化の上で田園都市線に転属した。
田園都市線での運用は2003年(平成15年)3月19日から開始された3者相互直通運転(田園都市線・半蔵門線・東武線)以前は、他に田園都市線に所属している8500系や5000系などと共通運用であったが、3者相互直通運転開始以降は東武線への乗り入れ対応機器などは搭載せず、同線には直通しない運用に充当されているため、営業運転区間は最大でも中央林間駅から半蔵門線押上駅までの運用となる。これは、本系列は8500系や5000系と比べ編成数が3本と極端に少なく、東武線内における乗務員教習の手間の問題から東武線乗り入れ編成から除外されたことによる。なお、東武線乗り入れ非対応編成は8500系にも僅かながら存在する。東武線乗り入れ非対応編成には、その旨を示すため前面非常扉の窓に「K」のマークを貼付している。
東急では1999年(平成11年)ごろまで車両寿命を40年から50年程度とする方針の下で車両の更新を行っていたため、東急における旅客営業用電車の製造は、2000系の導入後、1999年(平成11年)に登場した3000系まで途絶えることになった。その後、車両施策が従来より短い寿命で車両を取り替える方針に転換され、2002年(平成14年)から5000系が田園都市線の車両取り替え用ならびに輸送力増強用として導入されている。
[編集] 車体
9000系とほぼ同様のステンレス鋼製20m級軽量車体の4扉車である。そのため、外見はほとんど同系と同じである。これは車両設計費の低減や構体・扉・窓などの部材を共通化することで予備品の低減、さらに運転時・検修時の取り扱い作業の標準化・統一を図る目的である[1] 。前面と側面には東急のコーポレートカラーである赤色のラインカラーを巻く。
前面は非常口貫通式としており、地下鉄線内での非常用の梯子が設置してある。当初は小形であったが、後年に大形のものへと交換した。2005年(平成17年)1月に3編成すべてに補助排障器(スカート)を装着した。
行先表示器は、第1編成 (2001F) と第2編成 (2002F) は幕式であり、第3編成 (2003F) は3色LED式(落成から営業運転開始までは他編成同様幕式)であったが、第3編成は2005年(平成17年)に、第1・第2編成は翌年に5000系列と同じフルカラーLED式に交換された。なお、第3編成については表示スペースが大きいながら8500系と同じ寸法で種別表示部分が小さく表示され、後に交換された第1・第2編成は表示スペースに適した大きな表示方式となり、さらにその後第3編成もこれに交換された。
この前面の表示器の横には急行標識灯があり、優等列車として運転される際に点灯していたが、2002年(平成14年)4月より使用が停止され、前述のフルカラーLED化の際に撤去し、その部分は塞がれた。3号車にあたるデハ2200形の妻面と床下には半蔵門線用の誘導無線アンテナと無線送受信機本体を搭載している。また、後年に車両間転落防止幌が設置された。
冷房装置は1000系1006F以降と同一の東芝製で11.6kW(10,000kcal/h)容量のRPU-2214C形を1車あたり4台搭載しているが、2台をまとめて1つのキセに収めることにより、見ばえの向上とパンタグラフ搭載車と非搭載車での配置の共通化を図った。冷房制御方式は1000系で実績のあるインバータによる能力可変制御を採用し、快適性の向上を図っている。
[編集] 内装
第1・第2編成のの3・9号車以外の客室内装は9000系とほぼ同じ内装である。ただし、冷房ダクトを用いた冷風拡散方式や網棚の端を延長して物を載せやすくした形状などは1000系に準拠したものとなっている。また、従来客室壁に取り付けていた消火器は収納キセに収めるように変更した。
客室はすべてロングシート(1人の掛け幅は440mm)配置である。各車上り側に優先席がある(クハ2000形は下り側)。天井補助送風機としてラインデリアを設置しているが、田園都市線の混雑に配慮して先頭車に9台、中間車に10台と9000系よりも多くしてある。
1992年製の1次車の3・9号車では「快適な空間づくり」を目指して在来各系列では見られなかったアイデアを試験的に施している。これは今後の通勤電車の内装のモデルケースとしての意味合いもある[1]。
- 上り寄り車端部に車椅子スペースを設置。
- 7人掛けロングシートを3+4人に区分し、仕切部にスタンションポール(縦握り棒)を新設。形状は2両で異なる(下の写真も参照)。
- 座席は赤と黄色ベースの柄付きモケットを採用(3号車はストライプ、9号車は花柄)。
- ドア間の7人掛けロングシート下部の蹴込み板を後退させ、足下のスペースを拡大(車端部の3人掛け部は大形のまま)。
- カーテンに東急沿線の名所である横浜ベイブリッジ・渋谷109・旧田園調布駅舎をデザイン。
- 新しいデザイン(三角形の窓を縦に2枚配置)の貫通扉を採用。
- 禁煙表示と消火器表示などの車内表示をピクトグラム化。
これらの試みは2次車以降で一部改良の上、全面的に採用した。なお、試作した座席モケットとカーテンは経年により汚れが目立つことが判明したため、後年に従来車と同じ無地のものへ交換された。
座席部の縦握り棒は1次車では3号車(2201号と2202号)に写真1の形態を、9号車(2401号と2402号)には写真2の形態を採用した。試行の結果、2003Fでは写真2の形態が採用された。本系列で採用した花柄座席モケットやスタンションポール(縦握り棒)は、同時期に室内更新工事を実施していた7600系や8000系においても採用された。
2次車である第3編成は、東横線において運用していた際、車椅子スペースは編成の3・7号車、座席モケットは渋谷方から奇数号車が花柄、偶数号車がストライプとされた。その後、田園都市線への転属の際、新たに増備されたサハ2703はストライプ、サハ2803が花柄となり、10両編成におけるモケットの順番が不規則となった。
落成時から自動放送装置を搭載しているが、田園都市線だけでなく乗り入れ先の半蔵門線でも自動放送を実施している。ただし、半蔵門線内は英語放送の設定はない。側面に車外スピーカーを搭載し、車掌の操作で当時の営団と同じ仕様の「扉が閉まります。ご注意ください」という乗降促進放送を流すことができる。
2003年(平成15年)10月から2004年(平成16年)3月にかけて、側入口の鴨居部にLED式の2段式旅客案内表示器とドア開閉を予告する表示灯を千鳥配置で設置した。ともにドアチャイム用のスピーカーを内蔵している。また、優先席のつり革は後年にオレンジ色で三角形のものに交換されている。
[編集] 乗務員室
乗務員室についても乗務員が取り扱う機器を統一するため、9000系と基本的に大きな変更はない。本系列では左側の壁に半蔵門線用の誘導無線の送受話器がある。乗務員室内アイボリー色、運転台計器盤はつや消し茶色のカラースキームを採用している。主幹制御器はT字形ワンハンドルマスコン(デッドマン装置)付である。フロントガラスの日除けにはロール式のカーテンが設置してある。また、後年に非常扉部にもカーテンが追加された。
乗務員室仕切りは前面窓と同じ配置で仕切窓が3枚あり、そのうち客室から見て左側2枚の窓には下降式遮光板が設置してある。
車掌スイッチは当初は機械式であったが、2007年(平成19年)に間接制御式(リレー式)に交換された。
[編集] 諸元
GTO素子を用いた日立製作所製VVVFインバータ制御装置(VF-HR-132形)を採用し、京王電鉄の8000系や西武鉄道の6000系などと類似の仕様であり、1台の制御器で2両分8個のモーターを制御する1C8M制御方式である。
主電動機はTKM-92形かご形三相誘導電動機(出力170kW、端子電圧1,100V、電流115A、周波数64Hz、回転数1,860rpm)である。9000系での運用実績を活かしてか、粘着性能が高く空転はほとんど見られない。
ブレーキ装置はATCと連動したHRA(ハイ-レスポンス-アナログ)方式であり、回生ブレーキを併用したアナログ指令式の全電気指令式空気ブレーキである。ブレーキ制御には遅れ込め制御を併用している。
空気圧縮機 (CP) はレシプロ式低騒音形のHS-20-1形を編成で4台搭載している。補助電源装置は東芝製GTO素子を使用した170kVA出力静止形インバータ(SIV)であり、編成で3台搭載している。集電装置は剛体架線に対応した菱形パンタグラフ(PT44-S-D-M形)であり、9000系と同一品である。
現在の保安装置はいずれも東急線・東京メトロ用のATC装置を搭載している。
[編集] 台車
9000系(試験車を除く)から採用しているボルスタレス台車を基本としているが、円筒形積層ゴム式軸箱支持装置の採用などにより、高速時の乗り心地を向上させた。形式はTS-1010・TS-1011形である。基礎ブレーキは電動車が片押し式踏面ブレーキ、付随車はディスクブレーキとしている。本系列での採用を前に9000系クハ9015号において1991年(平成3年)3月 - 6月にTS-1009台車として実車試験を実施して、採用に問題がないことを確認した。
[編集] 運用
- 全車が長津田検車区に配置され、田園都市線から東京地下鉄半蔵門線への直通運用に使用する。前述の通り東武線には直通できず、2006年(平成18年)3月18日のダイヤ改正から2008年(平成20年)3月27日までは例外を除き平日のみ運用されていた。
- 2008年(平成20年)3月28日のダイヤ改正からは平日ダイヤに加え、約2年ぶりに土曜・休日に東武線非直通運用36K - 38Kが設定されたため、2000系が運用に入ることもあった。また、日中を通して終日運用される38K運行が設定されていた。なお、土休日38K運行は東京メトロ所属の8000系・08系が精算運転のためこの運用に入ることもあった。
- 2009年(平成21年)6月6日のダイヤ改正以降は原則として東武線非直通運用である34K - 44K運用に就く。日中を通して終日運用されるのは44K運行のみであり、3編成とも平日の朝ラッシュ時中心の運用となっている。なお、このダイヤ改正で土休日ダイヤにおける東武線非直通運用は朝と夜のみとされた。
- 第3編成は東横線においてサハ(中間付随車・T)2両を抜いた8両編成で落成し、1993年(平成5年)2月3日より運用を開始した。これは8000系更新に伴う車両不足のためである。同年11月にサハを2両新製して田園都市線に転配されるとともに東急形ATSを撤去した。
[編集] 編成
- 電動車 (M) 6両と付随車 (T) 4両による6M4T構成の10両編成
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← 押上・渋谷
中央林間 →
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製造年 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
| 形式 | クハ2000 (Tc2) |
デハ2250 (M2) |
デハ2200 (M1) |
サハ2700 (T2) |
デハ2350 (M1) |
デハ2300 (M2) |
サハ2800 (T1) |
デハ2450 (M2) |
デハ2400 (M1) |
クハ2100 (Tc1) |
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| 搭載機器 | SIV,CP | CONT | SIV,CP | CONT | CP | SIV,CP | CONT | ||||
| 車号 | 2001 2002 |
2251 2252 |
2201 2202 |
2701 2702 |
2351 2352 |
2301 2302 |
2801 2802 |
2451 2452 |
2401 2402 |
2101 2102 |
1992年 |
| 2003 | 2253 | 2203 | 2703 | 2353 | 2303 | 2803 | 2453 | 2403 | 2103 | 1993年 | |
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- 凡例
- CONT:主制御器(1C8M)、SIV:補助電源装置(静止形インバータ)、CP:空気圧縮機
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[編集] その他
- 1992年夏に開催された東急のスタンプラリーでは、景品として本系列の模型がプレゼントされていた。
[編集] 脚注
[編集] 参考文献
- 渡辺峰男「新車ガイド 東急2000系」『鉄道ファン』1992年5月号(通巻373号)、交友社。
- 尾崎正明「東京急行電鉄2000系」『鉄道ピクトリアル新車年鑑1992年版』1992年10月臨時増刊号(通巻566号)、鉄道図書刊行会。
- 川口雄二「東京急行電鉄2000系電車」『鉄道ピクトリアル』1992年5月号(通巻559号)、鉄道図書刊行会。
- 渡辺峰男「東京急行電鉄 2000系」『電気車の科学』1992年4月号(通巻528号)、電気車研究会。
- 川口雄二「東京急行電鉄2000系について」『レイルマガジン』1992年5月号 、ネコ・パブリッシング。
[編集] 関連項目
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