東京都交通局10-300形電車
| 東京都交通局 10-300形・10-300R形 |
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京王線に乗り入れる10-300形
(2006年5月6日 / 下高井戸) |
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| 編成 | 8両編成・10両編成 |
| 営業最高速度 | 都営新宿線内75km/h 京王線内110 km/h |
| 設計最高速度 | 120 km/h |
| 起動加速度 | 3.3 km/h/s |
| 減速度 | 4.0 km/h/s(常用最大) 4.5 km/h/s(非常) |
| 編成定員 | ・定員はいずれも10-300形 8両編成1,162(座席408)人 10両編成1,456(座席516) |
| 車両定員 | 先頭車136(座席45)人 中間車148(座席54)人 車いすスペース設置中間車149(座席51)人 |
| 全長 | 先頭車20,150mm 中間車20,000 mm |
| 全幅 | 2,770 mm |
| 全高 | 4,085 mm |
| 編成質量 | ・いずれも10-300形8両編成225.9t 10両編成278.8t |
| 車両質量 | 23.8 - 30.1t |
| 軌間 | 1,372 mm |
| 電気方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) |
| 主電動機 | かご形三相誘導電動機(10-300形) 直流直巻電動機(10-300R形) |
| 主電動機出力 | 95kW(10-300形) 165kW(10-300R形) |
| 歯車比 | 99:14=7.07(10-300形) 85:16=5.31(10-300R形) |
| 駆動装置 | TD平行カルダン(10-300形) WN平行カルダン(10-300R形) |
| 制御装置 | VVVFインバータ制御(10-300形) 電機子チョッパ制御(10-300R形) |
| 制動方式 | 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ 10-300形のみ純電気ブレーキ機能付き |
| 保安装置 | D-ATC(JR型) 京王ATC |
| 製造メーカー | 東急車輛製造 東日本旅客鉄道(JR東日本)新津車両製作所 |
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この表について
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東京都交通局10-300形電車(とうきょうとこうつうきょく10-300がたでんしゃ)は、東京都交通局(都営地下鉄)新宿線で使用される通勤形電車。東京都交通局の公式発表等では形式名を「いちまんさんびゃくがた」と読む。
本項では、先頭車のみ製造された10-300R形電車(10-300Rがたでんしゃ)についても記述する。国土交通省内における書類上でも同様に10-300形・10-300R形とそれぞれ個別に記されている。
目次 |
概要 [編集]
新宿線開業時から使用している10-000形は、セミステンレス車両である初期車の登場から25年(試作車では30年)以上が経過し、車体の老朽化が進んでいた[1]。本形式はその置き換え用として、また2005年(平成17年)5月14日に行われたATCと列車無線の更新に対応するために製造された車両で、2005年(平成17年)5月から2006年(平成18年)7月にかけて10-000形セミステンレス車と同数の108両が新製された[1]。
通勤形電車として標準的な全長20m級・4扉車体の基本設計は、軽量ステンレス製構体や列車情報管理装置 (TIMS) の採用など、東日本旅客鉄道(JR東日本)のE231系で採用された設計技術をベースにしており、開発・製造コストの抑制を図っている[1]。新宿線の車両限界に合わせて車体幅が狭いほかは類似した印象の外観を持つが、先頭部はオリジナルのデザインを採用している[2] 。
本形式は「ライフサイクルコスト低減」と「人と環境にやさしい車両」をコンセプトに設計した[1]。また、車体材料には基本的にリサイクル可能な材料を採用しているほか、車内ではバリアフリーに配慮した設備を有している[1]。
なお、本形式は8両編成すべてが新造車の10-300形と、先頭車両のみ新造車で中間車は既存の10-000形である10-300R形の2つに大別される[1]。Rは、改修するRepair、改造するReconstructionなどの頭文字に由来する[1]。
製造メーカーは大部分が東急車輛製造であるが、2006年(平成18年)製造の10-450 - 10-470Fの中間車18両はJR東日本の新津車両製作所で落成した[3] 。
本項では、東京都交通局が監修した資料(交友社「鉄道ファン」2006年1月号・2009年3月号)に基づき、編成表記は本八幡方先頭車の表記を、編成番号は第31編成から記載する。
形式別解説 [編集]
10-300形 [編集]
第37 - 48編成(編成表記は10-370 - 10-480F)の8両編成12本(96両)が製造され、8両すべてが新造車両で構成される編成である[1]。車体の帯は新宿線のラインカラーであるリーフグリーン(黄緑色)の太帯を基本として、ダークブルー(紺色)の細帯の2色が配される[1]。
最初の第37編成は2004年(平成16年)11月に搬入されたが、従来のATC方式では誘導障害の関係から運転できず、営業運転開始までは終電後に保安装置を切り換えて夜間に性能試験を実施してきた[3]。その後、2005年(平成17年)5月14日に新宿線がD-ATCに切り換えられ、乗務員訓練後の5月21日から営業運転が開始された[3] 。
車体、走行機器をはじめ、機構面ではE231系と同様のものを使用している部分が多い[4]。ただし、勾配の多い地下鉄を走る関係で、電動車 (M) 付随車 (T) の構成(MT比)は8両編成では5M3T、10両編成では6M4Tと電動車の比率が高められている[1]。
制御方式はE231系500・800番台と同等の三菱電機製3レベルIGBT素子によるVVVFインバータ制御を採用した[5][6] 。制御装置外観形状はE231系通勤形が搭載するSC60形タイプと同じである[6]。回生ブレーキのほか、純電気ブレーキ機能も有する。また一定速度以上の走行時にマスコンハンドルを「P4」位置から「P2」位置にすると定速運転となる。主電動機は東洋電機製造製のTIM-10形(出力95kW、端子電圧1,100V、電流68A、定格回転数2,350rpm)で、名称は異なるもののE231系などのMT73形と同一である[6][6]。
台車もE231系用のDT61・TR246形をベースに開発した軸梁式ボルスタレス台車である[5][6]。ただし、新宿線の軌間にあわせて1,372mm用としたほか、軸距は10-000形と同じ2,200mmとされている点が異なる[6]。電動車はTS-1029形(交通局形式T-10B形)・付随車と先頭車の連結面寄りはTS-1030形(T-10C形)を使用し、先頭車の前面用には駐車ブレーキを装備したTS-1030A形(T-10D形)が使用される[5]。
基礎ブレーキは、電動車が片押し式踏面ブレーキ、付随車が片押し踏面併用のディスクブレーキとしている[5]。また、これらの台車は今後の京王線での高速運転を考慮してヨーダンパが設置可能な構造としている[7] 。
補助電源装置は富士電機製のIGBT素子を使用した静止形インバータ (SIV・三相交流440V出力・容量210kVA) を編成で2台搭載し、電動空気圧縮機 (CP) はクノールブレムゼ社製の都営地下鉄では初めてのスクリュー式を採用し、編成で2台搭載する[6]。蓄電池は両先頭車に搭載する。パンタグラフは都営地下鉄で初めてシングルアーム形を採用し、末尾1と7の車両に2台、末尾5の車両に1台搭載した(10両編成では末尾1と5と7の車両に2台)。パンタグラフはE231系で使用されているPS33B形に似た形状であるが、バネカバーやイコライザー取り付け枠の形状などが異なるものである[2]。
E231系と同様に列車情報管理装置 (TIMS) を搭載している[5]。これにより各機器のインタフェースを行うことで車両間配線や艤装の簡略化、車両の軽量化を図っている[5]。乗務員支援機能としては出庫点検機能の自動化、また月検査の各試験項目をTIMSによる自動点検機能を設けている[4]。
運転台にはTIMSモニタ表示器を設置するが、JR車と異なり京王線で使用するTNS装置モニタ表示器も搭載しており、ATC導入前は前後駅の発着時刻はTIMSモニタ画面ではなく隣接のTNS装置モニタ画面に表示されていた。(その後、ATC化に伴い使用停止となった。)画面上での号車番号は車両番号の一の位の数字と一致しており、将来の10両化を見据えて3番目と4番目が欠けた状態になっていた。(一部編成では埋められた。)
ただし、現在のTNS装置モニタ画面は京王ATC表示灯の設置改造で移設されている(後述)。また、10-370F以外のTNS装置モニタ画面はモノクロタイプであるが、これは廃車になった10-000形の初期編成から京王形ATS等とともに転用されたためである。
前面・側面にはLED式の種別行先表示器を設置している。書体は前面の運行番号表示器も含めてゴシック体である。側面の行先表示器は70km/hを超えると自動的に消灯する。
自動放送音声は、日本語が加藤純子、英語がジーン・ウィルソン によるものである。車外放送用に乗車促進チャイムを搭載する。登場当初は電子音のベルだったが、その後チャイムに変更された。ドアチャイム[8]付きの車内案内表示器は各ドア上に設置されている。ドアエンジンにはE231系と同タイプの電気式のスクリュー軸駆動式を採用している[5]。
車椅子スペースは先頭車両と同車両から2両目(車両末尾-0,1,8,9)に設置されており、編成では4か所となる[5]。車両間の貫通扉は都営地下鉄では初めて傾斜式戸閉機構とされた。
10-300R形 [編集]
導入コストの低減および経年の浅い中間車の有効活用のため、東京都交通局は第31 - 36編成については当初6両だった10-000形第01 - 18編成の8両化の際に増備された1986年(昭和61年)製の14両および1988年(昭和63年)製の22両のオールステンレス車(すべて中間電動車)を更新改造し、先頭車のみ保安装置の更新のため交換するという手法を採用した。10-300R形とはその先頭車12両(車両番号は10-310 - 10-360と10-319 - 10-369)のことを指す。
基本的な車体構造は10-300形先頭車とほぼ同じである。台車は10-300形と同様の軸梁式ボルスタレス台車で、先頭部は駐車ブレーキ付きのTS-1030形(T-10C形)、連結面は異なるTS-1030B形(T-10E形)を使用している。
10-300形との最大の違いは、10-000形と編成を組成するため、内部のメカニズムを10-000形7・8次車(10-250F - 10-280F)と同様としたことである[5]。。そのため、行先表示・運行番号設定器や空気式のドアエンジン、ドアチャイム、自動放送機器など従来車と同様の機器を採用して互換性を持たせている[5]。。運転室ではスイッチと表示灯が10-300形より多くなっているほか、TIMSモニタ画面は搭載されず、フルカラーTNS装置モニタ画面のみが搭載されている。車内案内表示器も10-000形7・8次車と同様に千鳥配置で設置され、車椅子スペースも両先頭車のみに設置されている。
ただし、10-000形の低圧補助回路は三相交流200Vであるが、10-300R形の補助回路には三相交流440Vを使用するため、昇圧変圧器を設置している[7]。これにより、10-300形の電気品を使用可能とし、部品の共通化を図っている[7]。
暫定編成 [編集]
10-300R形は前述通り10-000形のうち経年の低い中間車で構成されるが、この中間車は6両編成の8両化に際して増備されたため、1編成あたり2両しかなかった。つまり、10-300R形1編成を組むのに10-000形は3編成が必要になる。また10-300形はATC更新までは営業運転に就けないため、編成を組もうとすると編成不足になる。そこで、ATCの更新や10-300形の増備までの間、まず先頭車両のみを新造車両に置き換え、残り6両はそのままとする暫定編成を組んで営業運転に就いていた。この間の暫定編成は以下の通りで、10-300形より一足早い2005年1月20日から営業運転を開始した[9]。
- 10-310F:10-010Fの中間車6両を組み込み
- 10-320F:10-070F(以下、同上)
- 10-330F:10-080F
- 10-340F:10-160F
- 10-350F:10-180F
- 10-360F:10-060F
正規編成化 [編集]
ATCの更新に伴い10-300形が営業運転に就き、編成に余裕が出たため、暫定編成を解いて当初の通り経年の低い中間車を組み込む正規編成化が行われた。新たに組み込まれた中間車は車体修繕と主制御器の更新修繕、火災対策に対応した改修工事を実施した[10]。これに合わせて車両番号は10-300番台に改番されている。
- 補助電源装置である静止形インバータ (SIV) の新設 (10-3x2・10-3x6・三相交流200V出力・容量210kVA)
- パンタグラフの1基化 (10-3x5)
- つり革を先頭車と同一のものに統一
- 先頭車と同様の車内案内表示器を千鳥配置で新設
- 車内スピーカーの更新と車外スピーカーの新設
- 種別表示器を塞ぎ、行先表示器を拡大し種別・行先一体表示のLED式への変更(東京メトロ7000系に似たスタイル)
- 車内の化粧板は基本的に交換されていないが、火災対策として床敷物を塩化ビニル材からゴム素材に変更し、また天井の一部については更新した。また、戸当たりゴムが黒に変わっている。
なお、先頭車は側面ラインカラー帯がシール(ドア部分には貼られていない)だが、中間車についてはビス止めしたプレート(ドア部分にもラインカラーあり)のままになっている。
正規編成化の時期は以下の通り。
10-300形と10-300R形との共通点と相違点 [編集]
共通点 [編集]
外観 [編集]
先頭車の前面はステンレスの骨組構成で、これをFRP成形品で覆う構造である[1]。前面FRP成形品は、シルバー塗装とすることで車体との一体感を持たせているほか、側面にはアクセントとして16本のビード成形ラインを入れた[4][2] 。地下鉄線内における非常口(プラグドア)は車掌台側にオフセットさせ、運転席からの広い視界を確保している[1]。フロントガラスは横方向に大きく曲線をとり、さらに後退角をつけている[2]。ヘッドライトは上部へ2灯まとめ、前面識別帯の下に尾灯と識別灯(急行灯)をスリット状にして配置した[2]。
車体断面は台形形状としており、台枠上部から屋根に向かって内側に傾斜させ、上部にある雨樋を車両限界内に納める構造としている[1]。さらに床面高さをは1,130mmと従来車両よりも低くし、車椅子での出入りを考慮して客用ドア下部のクツズリ部にスロープ(傾斜)をつけている[1]。
下部には角ばった形状のスカートがある。連結器は密着式で、電気連結器を設置している[11] 。電気連結器は非常時に救援編成を連結した際にブレーキ(常用・非常・保安)と合図ブザーの引き通しを行うためのものである[11] 。
側面の客用ドアの間隔は、両先頭車の運転席寄りとその隣が3,500mm、それ以外が3,520mmと、東急5000系5102F以降の編成と同じ構成となった。先頭車の最前部ドアとその次のドアの間の窓はピラーがなく、片側は7人掛け座席、もう片側のこの部分には4人掛け座席と車椅子スペースがある。なお、この部分(座席最前部)の蛍光灯は短いものとなっている。
冷房装置は、三菱電機製の集中式の能力48.84kW(42,000kcal/h)を搭載する[4]。装置はE231系近郊タイプや常磐快速線0番台後期車が搭載するAU725A-G3形と同等のものである[2]。
乗務員室 [編集]
乗務員室内はライトグレーの色調としている。室内奥行きは1,910mmとやや広めに確保した。運転台は、10-000形や京王電鉄の各系列に合わせて両手で操作するタイプのデッドマン装置付T字型ワンハンドルマスコンを採用した(力行1 - 4・常用ブレーキ1 - 7段・非常)[5]。
正面計器盤は黒に近い灰色、操作卓面は明るい灰色であり、計器盤のメーターや表示灯などの配置もE231系に準じている。速度計は白地で140km/h表示である。左壁には列車無線操作器と電圧計・電流計を設置する。フロントガラスの日除けにはプラ製の遮光パネルを使用している。右端に設置した非常扉前には緊急時の脱出用梯子が設置されている。
京王線のATC化実施に伴い、本形式にも対応改造工事が順次施工されている。ATC車上装置の更新や運転台では京王ATC表示灯類の新設を行い、計器盤に設置されていたTNS装置モニタ画面は運転台背面壁に移設された[3]。
乗務員室と客室の仕切りは、運転台背面は非常救出口、中央に大窓があるが、右端の乗務員室扉の窓は開閉可能な四角い窓であり、またこの部分にも遮光幕が設置されている点はE231系と異なる。
客室内装 [編集]
内装のカラースキームはグリーンを基調として、「シンプルかつモダン」なイメージと外観デザインとの調和を図っている[1]。内装は基本的にE231系がベースだが、韓国・大邱地下鉄放火事件を踏まえた火災対策の強化とし、てE231系ではFRP材を使用していた内装部材(天井冷風用ダクト、側窓キセ、袖仕切板、消火器箱)は、金属製(アルミニウム)とした[4]。
E231系と共通化を図った内装部材は座席、側窓ユニット、客用ドア、荷棚、つり手棒受け(つり手ブラケット)などである[4]。客室化粧板は側・天井などが艶消しのライトグリーン、床敷物は暗い灰色としている[3]。床敷物は火災発生時に有毒ガスが発生しないゴム材を使用しているが、ゴム材自体が滑りにくいため、出入口部の滑り止め加工を省略している[7]。
客用ドアはステンレス無塗装品、ドアガラスの支持は接着式である。ドア上の鴨居点検カバーもグリーンで、車内案内表示器と下に広告枠、左側にドア開放コックが一体になったものである。車内案内表示器はJR東日本E231系と同じ1行タイプのものを採用したが、相鉄10000系(2次車以降)のものと同様にスクロール表示が可能である。京王線内でも次駅停車表示が可能になっている。
座席はすべてロングシートで、表地は模様入り濃緑色の片持式バケットシートを採用している[1]。1人分の掛け幅はいずれも450mm確保されている。座席端部には大形の仕切り板が設置されている。荷棚はステンレスパイプによる構成として、またスタンションポールは7人掛け座席部に2本ずつ設置している。なお、優先席部の座席は青色の表地である。
| 形式 | 先頭車 | 中間車 | 中間車 (車椅子スペース付) |
|---|---|---|---|
| 10-300形 | 136人 (座席45人) |
148人 (座席54人) |
149人 (座席51人) |
| 10-300R形 | 136人 (座席45人) |
140人 (座席58人) |
車椅子スペース部には車椅子固定用のロープと手すり、非常通報器がある[1]。この非常通報器は乗務員と相互通話可能なもので、各車2台を設置する。連結面にある貫通扉はステンレス無塗装で、各車片側のみに設置している。コストダウンの観点から妻面窓は廃止している。各車妻面左上には号車札・禁煙札・製造所表記・車両番号表記などをE231系と同じ1枚のシールにまとめたものを貼り付けている。
側窓は先頭車の運転台直後と車端部が固定窓、それ以外のドア間の窓は片側が開閉可能な窓である。ガラスは濃色グリーン色の紫外線 (UV) カット・熱線吸収ガラスを使用しており、カーテンの設置を省略している[1]。
天井中央には補助送風機としてラインデリアが先頭車に5台、中間車に6台設置してあり、この部分のみ整風板がある。また、同じ中央列に車内放送用スピーカーを先頭車に7台、中間車に8台設けている。
つり革は座席前では床面高さ1,610mmを基本としながら、一部は100mm低い1,510mmとした[12] 。吊り輪形状は三角形でいずれもカラーは基本的に灰色である。2006年初頭から優先席付近がオレンジ色に交換されている。
- 車内写真
2013年1月から10-420Fで車内照明をLED方式に変更している この際、座席仕切り板も交換されている
相違点 [編集]
- 帯の配色の違い
- 10-300形…青(運転室まで)の下に太い黄緑、さらに青が下に入る。
- 10-300R形…青(運転室まで)の下に細い黄緑で、既存の10-000形中間車に揃える。
- 走行機器の違い
- 10-300形…E231系500・800番台とほぼ同じ。
- 10-300R形…10-000形と同じ。
- ドアチャイム音の違い
- 10-300形…E231系500・800番台と同じ。
(10-300形 ドアチャイム) - 10-300R形…10-000形7・8次車と同じ。
- 10-300形…E231系500・800番台と同じ。
- 自動放送(都営線内のみで行う)、LED案内表示器内容などの違い
- 10-300形…自動放送の内容は10-300R形や10-000形後期車と同一であるが声優が異なる。LED式車内表示器による列車種別・行先・次駅案内は導入当初より新宿線と京王線内の両方で行われている。新宿線内と京王線内では若干表示が違う。
- 10-300R形…10-000形7・8次車と同様の自動放送やLED式車内表示器による列車種別・行先・次駅案内が行われている。LED表示器については京王線内は当初列車の種別・行先だけのスクロール表示であったが、10-310Fは2006年7月19日より、他の編成についても10-320Fの同年9月8日の更新を皮切りに、順次京王線内でもこれまでの種別・行先の表示に加えて、次駅表示もするようになった。表示方法は先述の10-300形と類似してはいるものの、やはり若干異なっている。
-
- 具体的に京王線内では、停車中は「この電車は、快速 橋本ゆき For Hashimoto」と新宿線内とあまり変わらないが、始発駅での停車中の表示は「ご乗車ありがとうございます。この電車は、快速 橋本行きです。 For Hashimoto」となっており、走行中は「快速 橋本行きです。次は、仙川です。The next station is Sengawa.」とすべて繰り返し表示される。この表示方法は、後に更新された10-000形の7次車の車内LED表示方法と同様である。
- ドアエンジンの違い
- 10-300形…E231系500・800番台と同じスクリュー軸を利用した安全装置付きの電気式。このため、開閉動作もE231系500・800番台と同じである。
- 10-300R形…10-000形と同じ空気式であるが先頭車のドアは戸閉め弱め機構が付いている。
- 京王線内における新線新宿行の表示の違い
- 10-300形…新線新宿
- 10-300R形…新宿
- このため、10-000形同様、京王線内は急行運転、新宿から先の新宿線内は各駅停車で運転する上り電車「急行 新線新宿行き」には「急行 新宿行き」と表記してあっても京王線新宿方面ではないため、注意が必要である。
- ATCの進路情報表示の違い
- 10-300形…TIMSモニタに表示される。
- 10-300R形…10-000形や京王の車両(京王6000系と京王9000系30番台)と同様に外付けの表示器に表示される。
- 運行番号表示器の書体の違い(そのため、先頭車を見ただけでも識別できる。)
- 10-300形…ゴシック体。
- 10-300R形…10-000形7・8次車と同様の明朝体。文字自体もゴシック体より小さい。
10両編成化 [編集]
2009年末時点では全編成が8両編成だったが、2010年(平成22年)2月22日に発表された東京都交通局次期経営計画「ステップアップ2010」[13]において、2010年度(平成22年度)に新宿線車両のうち4編成が10両編成化されると記載された。
その後、2010年6月1日より都営新宿線で都営車による10両編成の列車を運転するという発表があり[14]、同日より新造中間車2両を組み込んで10両編成となった10-300形が運用を開始した[15]。これは都営新宿線の輸送力増強と混雑緩和を目的としたものである。
当初の10-300形については8両編成(5M3T)で製造されたが、元々10両編成化(6M4T)とすることを想定しており、その際にはM1車(末尾3の車両)とT1車(末尾4の車両)を製造することを計画していた。しかし、実際に10両編成化をするにあたっては以下の問題点があり、この計画を変更することとなった[16]。
- パンタグラフの離線対策
10-300形では車両間をまたぐ「高圧引き通し線」がなく、単独制御のM1車(末尾5の車両)においてはパンタグラフ1台で自車のみに給電をしていたが、10両化時には既存のM1 - M2ユニット同様に2台のパンタグラフからの給電が必要とされた(既存のM1 - M2ユニットは主回路ジャンパー線でユニット間を給電)。
このため、新製する電動車には2台のパンタグラフと自車に加えて、単独制御のM1車(末尾5の車両)にも電源を供給できる構造の車両とした。
- 保守作業時の車両分割
8両編成では保守作業を考慮して8両編成を4両 - 4両間において、容易に分割できる密着連結器構造としている(それ以外は半永久連結器(棒連結器))。
しかし、10両編成の場合には車輪転削時には5両 - 5両に分割することと定期検査入場時には4両 - 2両 - 4両に分割する必要があり、さらに10両編成化にあたっては工期の短縮を求められており従来車両の連結器の改造を不要とさせることされていた。
このため、連結器の都合は密着連結器を使用することで5両 - 5両または6両 - 4両に分割することとなった。(6両は棒連結器を4両 - 2両に切り離す)
- 新製する中間車の仕様
この2つの問題点を解決するために計画を変更して10両編成化が実施された。新たに製作する中間車はT車(末尾3の車両)とM1車(新・末尾5の車両)とされた。
- 新たに製作するT車(末尾3の車両)は既存のT車(末尾6の車両)に相当する付随車である(主要機器非搭載)。
- 新たに製作するM1車(新・末尾5の車両)は自車用の1C4M1群制御のVVVFインバータ装置と離線対策からパンタグラフ2台を搭載している。また、隣接する単独制御のM1車(旧・末尾5の車両→4の車両に改番)に高圧回路を供給するジャンパー連結器を装備している。
- これに合わせて従来の単独制御のM1車(旧・末尾5の車両)は末尾4の車両に改番し、パンタグラフと主開閉器(Main Switch)を撤去し、新たに製作したM1車(新・末尾5の車両)からジャンパー連結器を経由して制御装置に電源を供給する高圧回路の追加改造を実施した。
この10両化用に新製した中間車は、基本的に従来車両とほぼ同一の仕様で製造されている。ただし、ユニバーサルデザインを考慮して車内において以下の点で仕様の見直しが実施されている。
- 座席横袖仕切板を従来車両よりも大形化
- 出入口下部の床敷物を目立つように明確化
編成表 [編集]
- 10-300形(8両編成) 編成表
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本八幡 →
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| 形式 | 10-300形 (9) (Tc2) |
10-300形 (8) (M2) |
10-300形 (7) (M1) |
10-300形 (6) (T) |
10-300形 (5) (M1) |
10-300形 (2) (M2) |
10-300形 (1) (M1) |
10-300形 (0) (Tc1) |
| 搭載機器 | BT | SIV,CP | VVVF | VVVF | SIV,CP | VVVF | BT | |
| 車両重量 | 27.2t | 29.3t | 30.2t | 23.8t | 28.8t | 29.4t | 30.1t | 27.1t |
| 車両番号 | 10-379 10-389 10-399 10-409 10-419 10-429 10-439 10-449 |
10-378 10-388 10-398 10-408 10-418 10-428 10-438 10-448 |
10-377 10-387 10-397 10-407 10-417 10-427 10-437 10-447 |
10-376 10-386 10-396 10-406 10-416 10-426 10-436 10-446 |
10-375 10-385 10-395 10-405 10-415 10-425 10-435 10-445 |
10-372 10-382 10-392 10-402 10-412 10-422 10-432 10-442 |
10-371 10-381 10-391 10-401 10-411 10-421 10-431 10-441 |
10-370 10-380 10-390 10-400 10-410 10-420 10-430 10-440 |
- 10-300形(10両編成) 編成表
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← 京王相模原線橋本・新宿
本八幡 →
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||||||||||
| 形式 | 10-300形 (9) (Tc2) |
10-300形 (8) (M2) |
10-300形 (7) (M1) |
10-300形 (6) (T) |
10-300形 (5) (M1) |
10-300形 (4) (M1) |
10-300形 (3) (T) |
10-300形 (2) (M2) |
10-300形 (1) (M1) |
10-300形 (0) (Tc1) |
| 搭載機器 | BT | SIV,CP | VVVF | VVVF | VVVF | SIV,CP | VVVF | BT | ||
| 車両重量 | 27.2t | 29.3t | 30.2t | 23.8t | 29.3t | 28.6t | 23.8t | 29.4t | 30.1t | 27.1t |
| 車両番号 | 10-459 10-469 10-479 10-489 |
10-458 10-468 10-478 10-488 |
10-457 10-467 10-477 10-487 |
10-456 10-466 10-476 10-486 |
10-455 10-465 10-475 10-485 |
10-454 10-464 10-474 10-484 |
10-453 10-463 10-473 10-483 |
10-452 10-462 10-472 10-482 |
10-451 10-461 10-471 10-481 |
10-450 10-460 10-470 10-480 |
- 10-300R形 編成表
|
← 京王相模原線橋本・新宿
本八幡 →
|
||||||||
| 形式 | 10-300R形 (9) (Tc2) |
10-000形 (8) (M2) |
10-000形 (7) (M1) |
10-000形 (6) (M2) |
10-000形 (5) (M1) |
10-000形 (2) (M2) |
10-000形 (1) (M1) |
10-300R形 (0) (Tc1) |
| 搭載機器 | CP | CHOP | SIV,CP,BT | CHOP | SIV,CP,BT | CHOP | ||
| 車両番号 | 10-319 10-329 10-339 10-349 10-359 10-369 |
10-318 10-328 10-338 10-348 10-358 10-368 |
10-317 10-327 10-337 10-347 10-357 10-367 |
10-316 10-326 10-336 10-346 10-356 10-366 |
10-315 10-325 10-335 10-345 10-355 10-365 |
10-312 10-322 10-332 10-342 10-352 10-362 |
10-311 10-321 10-331 10-341 10-351 10-361 |
10-310 10-320 10-330 10-340 10-350 10-360 |
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凡例
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備考
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運用 [編集]
2005年に登場して以来、10-300形・10-300R形は10-000形とともに本八幡 - 新宿 - 笹塚 - 桜上水 - つつじヶ丘間の各駅停車や橋本・京王多摩センター発着の急行・快速・通勤快速に使用されてきたが、2006年9月1日の都営新宿線・京王電鉄ダイヤ改正で相模原線・京王線直通の急行・快速の大半が10両編成での運用に置き換えられたことにより、当時8両編成のみの都営車による運用は本八幡 - 笹塚(一部桜上水・つつじヶ丘)間と精算運転のために京王相模原線内の各駅停車とその出入庫回送を兼ねた早朝・夜間の相模原線直通運用が中心になった。このため、同線では直通急行の大半を京王車が占めるようになったのとは反対に、線内各停の多くを都営車が占めるという、いわば逆転現象が生じた。調布で折り返す際は京王線の車両と同様に新宿方面の3番線で乗客を降車させた後に一旦布田寄りの本線上に列車を回送してから1番線へと転線する。その後、2010年3月19日に行われたダイヤ修正により京王相模原線で日中に運転される列車が10両化されために本形式での線内運用は減少した一方で、京王競馬場線で本形式を含む都営車8両が土曜・休日に運用されるようになり、精算運転は京王競馬場線で行われるようになった。土曜・休日には急行高尾山口行に入る都営車の運用が10両編成・8両編成ともに1本ずつあり、このうち8両編成の運用については折り返しで各停高幡不動行にも使用される。
2010年6月1日からは一部編成が10両編成となったため、京王線・京王相模原線直通の急行など10両編成の運用にも使用されている。
脚注 [編集]
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 交友社「鉄道ファン」2005年5月号新車ガイド「東京都交通局10-300形」100-103頁。
- ^ a b c d e f エリエイ「とれいん」2008年1月号MODELERS FILE「東京都交通局10-300形」44-45頁記事。
- ^ a b c d e 交友社「鉄道ファン」2009年7月号を参照。
- ^ a b c d e f 日本鉄道運転協会「運転協会誌」2005年7月号新型車両プロフィールガイド。
- ^ a b c d e f g h i j k 交友社「鉄道ファン」2005年5月号新車ガイド「東京都交通局10-300形」104-106頁。
- ^ a b c d e f g エリエイ「とれいん」2008年1月号MODELERS FILE「東京都交通局10-300形」46-47頁記事。
- ^ a b c d ネコパブリッシング「レイルマガジン」2005年5月号参照。
- ^ 音色は従来の都営地下鉄の車両の標準的なものといえた、左右で音色が異なるものが2回鳴動するタイプではなく、E231系などと同様な3回鳴動(音色は左右で同一)するタイプのものが採用されている。
- ^ 交友社「鉄道ファン」2005年4月号新車速報「東京都交通局10-300形」74-77頁。
- ^ 交友社「鉄道ファン」2006年1月号参照。
- ^ a b 鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2005年6月号New model「東京都交通局10-300形・10-300R形」記事
- ^ エリエイ「とれいん」2008年1月号MODELERS FILE「東京都交通局10-300形」54頁記事。
- ^ 「東京都交通局経営計画 ステップアップ2010」 (PDF)
- ^ 新宿線車両を一部10両編成化します ~6月1日より順次導入~ 2010年5月26日 東京都交通局
- ^ 10連化された10-300形が営業運転を開始 2010年6月2日 railf.jp
- ^ いずれも日本鉄道車両機械技術協会「R&m」研究と開発「東京都交通局 10-300形車両10両編成化の概要」参照。
参考文献 [編集]
- 交友社「鉄道ファン」
- 2005年5月号 新車ガイド「東京都交通局10-300形」(東京都交通局 車両電気部 車両課)
- 2006年1月号 CAR INFO「東京都交通局10-000形組換え」(資料提供・東京都交通局)
- 2009年7月号 連載公営地下鉄在籍両数ビッグ3「東京都交通局」(梶原 栄 著)
- ネコ・パブリッシング「Rail Magazine」
- 2005年5月号 NEW COMER GUIDE「東京都交通局10-300形」(東京都交通局 車両電気部車両課)
- エリエイ「とれいん」2008年1月号京王線特集内 MODELERS FILE「東京都交通局10-300形」+10-300R形+10-000形
- 日本鉄道運転協会「運転協会誌」2005年7月号新型車両プロフィールガイド「東京都交通局新宿線用10-300形車両の概要」(東京都交通局・大島車両検修場・計画係長 渡辺典秋 著)
- 10両編成化について
- 日本鉄道車両機械技術協会「R&m」
- 2010年10月号研究と開発「東京都交通局 10-300形車両10両編成化の概要」(東京都交通局 車両電気部車両課 笹原英二 著)
関連項目 [編集]
- 東京都交通局10-000形電車
- 京王9000系電車
- JR東日本E231系電車 ベース車。
- 名古屋市交通局3050形電車 本形式と同様に、従来車と新製車を組み合わせた編成がある。
- 通勤・近郊電車の標準仕様ガイドライン
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