東京地下鉄10000系電車

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東京地下鉄10000系電車
前面ゴールド帯がない10000系第21編成(2009年6月6日、新木場車両基地にて撮影)
前面ゴールド帯がない10000系第21編成
(2009年6月6日、新木場車両基地にて撮影)
編成 10両 (5M5T)
8両 (4M4T)
起動加速度 3.3 km/h/s
営業最高速度 80 km/h(有楽町線・副都心線)
100 km/h(東上線)
105 km/h(西武線)
設計最高速度 120 km/h
減速度 3.5 km/h/s(常用最大)
5.0(資料により4.5)km/h/s(非常)
編成定員 1,518名・うち座席定員522名
(いずれも10両編成)
車両定員 先頭車143(座席48)人
中間車154(座席54または51)人
全長 20,000mm
(先頭車は20,470mm)
全幅 2,800mm
全高 4,045mm
(パンタグラフ付車両は4,080mm)
編成質量 294.8t(10両編成)
車両質量 最小 24.2t
最大 34.2t
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式
主電動機 かご形三相誘導電動機
出力 165kW(1基あたり)
編成出力 3,300kW (10両編成・5M5T)
歯車比 87:14 (6.21)
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御
駆動装置 WN平行カルダン駆動
台車 モノリンク式ボルスタ付台車 FS-777形
ブレーキ方式 ATC連動回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ純電気ブレーキ
保安装置 車内信号式ATCATO
東武形・西武形ATS
製造メーカー 日立製作所

東京地下鉄10000系電車(とうきょうちかてつ10000けいでんしゃ)は、2006年平成18年)9月1日有楽町線で営業運転を開始した東京地下鉄通勤形電車帝都高速度交通営団から東京地下鉄へ移行後、初の新系列車両である。

目次

[編集] 概要

本系列は、2008年平成20年)6月14日に開業した副都心線における運行本数増に対応するため、また有楽町線用の7000系を副都心線対応改造時の予備車を確保するため、さらに同系列の置き換え用(代替新造)として製造された。

車体構造は、2004年(平成16年)度に落成した東西線05系13次車をベースにした日立製作所製のアルミ合金ダブルスキン構造車体 (A-train) で製造されたが、今までよりも軽量になっている。同系列同様に「快適性の向上」、「車体強度の向上」「コストダウンとメンテナンス容易化」、「火災対策の強化」をコンセプトにしている。

車体材質は廃車時のリサイクル性を考慮して単一の合金を使用する「モノアロイ化」を実施している(本系列ではアルミ合金)。また、衝突事故時の安全性を考慮して側構体と妻構体の接合部分を三角形の断面としている。連結間の転落防止幌は灰色1枚形状である。

大邱地下鉄放火事件を教訓に、不燃、難燃性の一層の強化や、樹脂部品の溶融滴下と有毒ガスの発生防止など、構造や材質の見直しが図られたほか、隣接する車両の状況を判断しやすい貫通路の大型ガラスや、消火器非常コックの所在がわかりやすい車内見付けとなっている。

当初の報道では、2007年(平成19年)度までに10両編成20本(200両)が日立製作所で製造される予定だった。その後、一部専門誌の記事では11本(110両)を追加製造し、10両編成31本(310両)となることが発表されていた[1]。さらにその後、2009年3月に発行された「東京地下鉄道副都心線建設史」(東京地下鉄発行)では新たに50両を追加製造し、最終的に10両編成36本(360両)の陣容となることが記載されている。また、価格は1編成10両で約12億円である。

落成時は有楽町線に先行投入して使用していたが、当初より副都心線におけるワンマン運転に対応するため、ATO運転による自動列車運転機能、ホームドアを使用したワンマン運転対応に対応するための各機器を搭載している。

また、副都心線は10両編成と8両編成で運転されており、10両編成より中間車を2両抜き、8両編成での運用を可能としている。これは第01 - 05編成の10500形・10600形車両間および10700形・10800車両間は分割作業が容易な廻り子式密着連結器を採用している。しかし、その以外の編成間は分割する必要性がないことから、すべて半永久連結器を使用している[2]

[編集] 外観

前面デザインは営団地下鉄から東京地下鉄となって初の新形式車両であることを意識し、営団地下鉄初の新形式車両として設計された丸ノ内線用の300形・400形・500形モチーフにしたものである[2]。前面左右の前照灯尾灯は鍵穴形状として300形などの灯具をイメージしている。前照灯はHID式である。また、5000系以来となる中央設置の貫通扉を有し、プラグドア構造の非常口とした。運転台のスペースを広く取ってあるため、室内側の非常扉(乗務員室扉)は進行方向右側にオフセットしており、通路は運転室内を斜めに通り抜ける。この正面貫通形状は事故等で救援車両を連結した際、スムーズに列車間の通り抜けを可能とすることを考慮したものである。

前面形状は、新味とノスタルジーが共存する、大きく丸みを帯びたラウンド形状としており、フロントウインドシールドは曲面ガラス構成で、いずれのガラス上部にも遮光フィルムが貼られている。下部には丸みを帯びたスカートが設置されている。

警笛については東京地下鉄で初の新系列車両であることの意義を込め、営団1000形など、銀座線の旧型車に装備されていたトロンボーン笛(ホイッスル)を採用した。ホイッスルは日本各地の路面電車にも採用例が多いが、ホーン(ラッパ)とは異なるややかすれた音色の笛と、最新デザインの大型通勤形車両との組み合わせは稀有な例となっている。

金帯のある第1編成 金帯のない第21編成
金帯のある第1編成
金帯のない第21編成

車体ラインカラーは副都心線のラインカラーである茶色をベースとしている(写真参照)。なお、第05編成以降は前面の金帯が省略されている。

側面窓上のシンボルマークはプレート状取り付けに戻った[3]。正面窓左上のシンボルマークは第01 - 第12編成の各編成には貼付されているが、第13編成以降の編成は省略された(後述)。側面の車両番号表記は客室側窓の横に、文字の形に切り出された銀色のものが設置されている。

[編集] 室内

[編集] 運転台

10000系の運転台。ATOを使用したワンマン運転に対応している

乗務員室は居住性確保のために線路方向に2,160mm確保されている。室内はアイボリー色、天井は客室よりも低い。運転台は黒色・灰色の配色で、有楽町線を定期運転する車両としては初めてワンハンドル式マスター・コントローラー[4]およびデッドマン装置を採用した。半蔵門線用の08系などと同様にノッチ位置表示灯が設置されており、ATCによる制動の場合もブレーキ位置表示となる。

速度計は近年の他系列と同様に白地で、電照可能な120km/h表示のものである。副都心線においてATOによるワンマン運転を行うため、南北線用の9000系と同じく運転士用のドア開閉ボタン・乗降促進スイッチやATO出発ボタン、ワンマン・ツーマン切り替えスイッチなどがある。また、上部にはホーム監視モニターが設置されている。

計器盤右側には車両情報管理装置(TIS)のモニター画面があり、機器の動作確認やサービス機器の操作に加え、各種メニュー放送・表示の設定機能や前灯点滅[5]機能などが追加されている。車掌スイッチは電気保持式(リレー式)で押しボタン式としている。また、西武線内における戸閉3/4締切回路電磁鎖錠システム対応の乗務員室扉が設置されている。

客室と乗務員室間の仕切り壁窓は3か所で、客室側から見て左から順に大窓、中央ではなくやや右側に寄っている乗務員室仕切扉と縦に細長い窓である。このうち乗務員室仕切扉は着色ガラスとしている。遮光幕は、運転席背後の大窓と仕切扉部分に設置している。

[編集] 客室内装

その後の変更点の詳細は次項目を参照のこと。

蛍光灯や空調ダクトの配置を工夫することで、本系列の天井の高さは07系より185mm高い2,415mmとなった。空調ダクトは側に寄せており、中央部のみが高い凸形となっている。また、この天井部には枕木方向に補助送風機(ラインデリア)が先頭車7台・中間車8台設置されている。このラインデリア取り付け部の側面はステンレスの鏡面仕上げ材を使用し、天井部を貫通しているかのようなデザインとしている。

照明は特徴的な設置方法で、天井高さの変わる切り替え部の垂直面に設置された(写真参照)。第04編成までは当初天井の凹みの中に埋まっているような形態で設置されていたが、照度分布の改善のため、2006年(平成18年)11月 - 12月に全編成がスペーサーを用い、現在の状態に変更された。

連結間貫通扉は片開き式で傾斜式だが、東京地下鉄の車両で初の全面ガラスドアが採用された。貫通ガラス扉は900mm幅として、さらに両側200mmもガラス構造させることで見た目には1,300mmのガラス張り構造として車両間の見通しを向上させた。中央には縦じま模様を入れることで乗客がぶつからないように配慮している。

室内の色調は側方向、乗務員室仕切の化粧板は明るいシルバー系、連結面妻面は明るい木目調の色調である。第19・20編成では袖仕切りの色が濃くなっているが、第21編成以降は戻されている。中央天井部はシルバー系、側天井にあたる空調ダクト部はホワイトの色である。床材は明るいオレンジ系で統一されている。

本形式では車内の号車札・戸閉コック・非常通報器・消火器札などの表記類に蓄光性のシールを採用した。これは何らかの理由で車内が暗くなっても表示の確認ができるよう考慮したものである。また、この蓄光シール表記は、後にほかの東京地下鉄全車両も同様のものへ交換した。

座席はオレンジ色の表地であり、1人分の掛け幅が460mmの片持ち式(セパレートタイプ)である。優先席付近は青色の表地として一般席とは区別している。編成中の2号車と9号車には車椅子スペースを設けている。側窓は車端部が固定窓、ドア間の2連窓は開閉可能な下降窓である。いずれも遮光用カーテン付としている。

目新しい点としては、アルミ型押し材を切削加工した支持枠に強化ガラスの底板をはめ込んだ荷物棚と大型のアルミキャスト製の座席袖仕切りがある。このほか、ドア上部のLCDのキセもアルミ型押し材で構成されており、リサイクル性に難のあるFRPの使用を廃している。また、燃焼時の溶融滴下や有毒ガスの発生源となる塩化ビニールも使用されていない。

つり手棒は従来車両とは異なり、ドア間線路方向のものは端部が曲がって天井に向かっているものである。天井との支持部分は溝のような部分の中に入っている。なお、天井から出て荷棚に至るポールは4本あり、7人掛け座席の場合、そのまま下に下りてスタンションポールになっているもの[6]のほか、荷棚の高さで止まっているものが1本ある。

ドア脇のつかみ部分は05系13次車と同様に独立した手すりではなく側扉の枠が伸びているものである。これらつかみ棒の接続にもアルミ型押し材が使われている。

つり革のつり輪形状は従来通り三角形で、ベルトは塩化ビニールの被覆を廃したナイロン製となり、枕木方向に2列設置され、優先席付近のものは製造当初からオレンジ色のものが使われている。

第12編成からは竣工時から各客用ドアに「1号車 1番ドア」などと表記されたステッカーが貼付されている。これは01系02系・9000系などでも貼付されており、2009年3月までに7000系と、本系列の第01編成 - 第11編成にも貼付された。なお、運用の関係で8両編成になる可能性がある編成については、10両編成用、8両編成用の両方の種類のステッカーが貼付されている。

側扉窓の支持方式は、6000系7000系8000系の一部の改造車に類似するもので、ガラスは単板ガラスを使用している。

ドアチャイムは、東日本旅客鉄道(JR東日本)のE231系などと同じ3打式に変更された。また、戸閉力弱め機構も装備する。これはドア閉扉後、一定時間は戸閉力をを弱めるもので、乗客や荷物が挟まった場合でも容易に引き抜けるようにしたものである。第05編成以降の編成はドアチャイム用スピーカーのカバーの形状が変更されている。

[編集] 製造次車の違い

下記に製造次ごとの大まかな違いを以下のとおりである[2]。(詳細は本文参照。)

1次車(第01 - 04編成)

このグループは有楽町線で運用されていた07系車両が副都心線におけるホームドアに対応できないことから、その置き換え用として製造された。その後、07系は東西線に転属し、同線の5000系を全廃させた。

このグループでは2次車以降で搭載されるATO装置の搭載、戸閉力弱め制御機能、戸閉3/4締切回路車内表示器2画面のうち 左側の広告用画面などを準備工事のみとしていた。このため、後にこれら機器の設置工事が実施されることになった。

ただし、第04編成だけはATO装置のソフトウェアの開発のため、ATO装置を本搭載し、約1年かけてATO装置の各種試験を行った。

2次車(第05 - 20編成)

1次車の設計時には先頭車のデザインに、有楽町線のラインカラーの金色帯を入れる案と、入れない2種類の案が提案された。1次車は前者のデザイン採用したが、2次車以降は後者のデザインを採用した。

車内の照度向上のため、蛍光灯位置を変更した。また、車内案内表示器は2画面搭載を実施した。ドアエンジンに戸閉力弱め機能を搭載、また戸閉3/4締切回路を搭載した。

当初より保安装置にATO装置を搭載。第13編成以降は貼り替えの作業の省力化やデザインの観点から試験的に先頭車前面のMマークを省略した。

3次車(第21・22編成)

出入口クツズリ部に識別帯を設置。これは視覚障害者が車両とホームの段差を認識しやすいようにとの目的からである。識別帯はアルミ形材に視認性や滑り止め効果のある特殊セラミックを貼り付けた形材を、出入口部にあるクツズリ部に取り付けた構造である。

さらに車内7人掛け座席部の荷棚高さを18mm、車端部は33mm低くしたものとした。また、優先席部のつり革は80mm低くし、使いやすさの向上を図った。車両間貫通引き戸は傾斜式から08系と同じくドアクローザー式に戻された。

4次車(第23・27編成)

客用ドア上部にドア開閉表示灯を設置。側扉脇の手すりを縦面一体形から独立した手すりに変更された。また、優先席部の袖仕切部にある握り棒を黄色のゴム加工品に変更した。初期車で採用した座席は乗客より「座り心地が硬い」との意見が多かったことから、背ズリおよび、座布団形状を変更し、座り心地を向上させた。また、従来の編成も背ズリの交換を実施した。

コストダウンのため、ATC装置やATS装置の一部を7000系の廃車発生品より流用している。このため、ATCとATSが一体箱から個別な箱の構成となった.

[編集] 搭載機器

基本的な性能・主電動機出力・歯車比は05系の第34編成以降と同様である。主制御装置はIGBT素子を使用した三菱電機IPM方式のVVVFインバータ制御方式である。また、センサレスベクトル制御による純電気ブレーキに対応している。制御方式は1C4M1群/2群制御方式としている[7]

パンタグラフはシングルアーム式で、05系13次車の3基搭載から再び5基搭載に増加された。台車は、安全性向上や保守の簡易化のため、ボルスタレス台車の採用を取り止め、モノリンク構造のボルスタ付き台車を採用した。基礎ブレーキはユニットブレーキ式である。05系13次車同様に細かな床下機器類は「共通機器箱」と呼ばれる1つの箱に集約されている。

電動空気圧縮機(CP)は三菱電機製で、東京地下鉄の車両で初のスクロール式が採用された。この装置は従来の露出形から起動装置やアフタクーラー、除湿装置などの周辺機器も含めて1台の箱に集約されており、低騒音化や保守の容易化が図れるものとなっている。

補助電源装置である静止形インバータ(SIV)東芝製の出力240kVA品を編成で2台搭載した。出力電圧は三相交流440Vとしている。故障時における延長給電[8]のため、10600形には受給電箱を搭載している。

冷房装置は日立製作所製で集中式の能力58.0kW(50,000kcal/h)品が搭載されている。なお、2008年度増備車では形状が変更された。いずれも形状は従来車両とは異なる。

保安装置は東京地下鉄線内におけるATC装置と乗り入れ先である東武東上線・西武線用のATS装置を搭載する。 [9]さらに副都心線におけるATO装置を搭載する。また、両先頭車には戸閉制御切換装置を搭載している。

搭載機器の写真

[編集] 旅客への情報提供

[編集] 車外の旅客へ

行先表示器と種別表示器は明朝体の3色LEDである。前面には行先表示器と運行番号表示・種別表示器が別々である。種別・運行表示器は一体化しているが、運行表示が左側に寄っているのは右側にローマ字併記の種別を表示するためである。側面表示器では東武50000系列と同様に号車表示も行っている。行先表示は運転台のTISモニター画面から設定する。

車外スピーカーを搭載しており、乗務員による車外案内放送や乗降促進放送「ドアが閉まります、ご注意ください」の放送を流すことができる。

なお、副都心線開業前日の2008年(平成20年)6月13日より各駅停車であっても種別表示「各停(Local)」を行うようになった[10]。東武東上線直通の各駅停車は、和光市で表示が「各停」から「普通」に切り替わる(東武車も同様)。同時に直通先の東武東上線・西武池袋線内では行先と号車表示の間に「有楽町線直通」などのサインが表示されるようになったほか、その下には地下鉄線内の種別が分かるように「地下鉄線内各駅停車」(上の直通表示よりは字が小さい)などの表示もされている。地下鉄線内でも同様。

[編集] 車内の旅客へ

車内案内表示器は、従来のLED式から東京地下鉄の車両で初のLCD式を採用した上で客用ドア1か所あたりに2台搭載し、右側のLCDの映像には行先・次の駅と乗り換え案内・所要時間・運行情報などを表示するなど、東急5050系横浜高速鉄道Y500系と同じ構造としている。ただし、2006年(平成18年)9月1日の営業運転当初はは右側のLCDだけを使用し、第04編成までは左側を設置準備スペースとして確保した状態で投入したが、同年10月から2008年1月にかけて左側にも設置され、同時にドアエンジンも第05編成以降とほぼ同一仕様に交換された。なお、2007年に製造された第05編成からは左側にも設置された状態で落成した。

表示内容やレイアウト、デザインは他社で採用されているものとほぼ同一であるが、駅ナンバリング[11]の表示にも対応している。

なお、乗り入れ先となる東武東上線西武有楽町線・池袋線内では停車駅の設備や目的地までの所要時分など詳細な項目は表示されない。さらに、従来の車両では「準急」や「快速」の編成で各駅停車の区間に入った場合はそれぞれの種別表示が削除されるようになっていたが、本系列では実施されていない。また、左側のLCDの映像には時折東京地下鉄の乗車券公式サイトなどの広告も展開しているが、乗り入れ先でも同社の広告が表示される。なお副都心線が開業した現在、一般企業の広告を展開し始めた。

自動放送装置を搭載している。南北線と同様に異常時などのメニュー放送機能も搭載されている。乗り入れ先の自動放送は東武東上線内が東武9000系および9050系修繕車と50000系・50070系などと仕様を合わせた女声[12]、西武有楽町線・池袋線内の自動放送も6000系などと仕様を合わせた女声であり、東上線、西武線共に副都心線開業と同時に直通先でも英語放送を行うようになった。詳細は「営団05系電車#民営化以後の自動放送の移り変わり」を参照。 なお、自動放送装置自体は10100形の床下にある共通機器箱内に収納されている。

[編集] 共通車両編成(全線共通)

10000系の編成

新木場渋谷 / 和光市東武東上線森林公園西武池袋線飯能
10100(CT)-10200(M)-10300(Mc)-10400(Tc)-10500(Mc)-10600(Tc)-10700(T)-10800(M)-10900(M)-10000(CT)

  • 凡例
    • CT -(付随制御車
    • Mc - 簡易運転台付き電動車
    • Tc - 簡易運転台付き付随車
    • M - 中間電動車
    • T - 中間付随車

MT比5M5T構成だが、このうち編成中に簡易運転台設置車両が4両存在する。第01 - 第05編成については10400-10500の2両を抜いた8両編成での運行も可能で、副都心線開業時に7000系の副都心線専用8両編成の所定両数が不足したため、実際に副都心線開業当日から最初の4編成(1次車)が暫定的に8両編成での運用が行われており、車体前面の窓の向かって右側のワイパーの下に"8CARS"ステッカーが貼り付けされたアクリル板が置かれている。

編成番号は帝都高速度交通営団(営団地下鉄)時代に多用された独自のものを使用している[13]。南北線用の9000系と同様に新規路線である副都心線開業用の新製車でもあり、同線用としては代替車および増備車ではないため、「0x系」という付番の系列ではない。下3桁の車両番号の付与法は千代田線用の6000系以降の他系列と同様に百位が連結位置(10号車は0)、十位と一位が製造順の番号となっている。

なお、号車番号は副都心線が開業した当初は新木場・渋谷寄りの10100形を1号車としていたが、駅構内の案内での号車番号変更に併せ、後に和光市寄りの10000形を1号車とするよう変更された。

[編集] 運行区間

2008年(平成20年)6月14日現在の運用範囲は次の通りである。運用は有楽町線・副都心線とも7000系と共用している。

  • 有楽町線 - 10両編成のみ運用される。
  • 副都心線 - 8両編成・10両編成ともに運用される。
  • 東武東上線 - 定期列車としては10両編成が森林公園まで[14]、8両編成が志木までそれぞれ直通する[15]
  • 西武有楽町線池袋線 - 10両編成が飯能(回送で武蔵丘)まで、8両編成が小手指まで[16]それぞれ直通し、池袋線内は準急快速となる列車もある。また、2007年(平成19年)3月6日の改正から副都心線開業まで西武の運用である「14M」の代替車両として7000系へ貸し出し運用を行う時があったが、2007年(平成19年)11月から本系列も貸し出し運用を行っていた。また、ダイヤの乱れた時は、練馬 - 池袋間も運行される[17]
  • 西武狭山線 - 西武ドームでの野球開催時のみの運用で、定期入線は行っていない。直通運用の間合いで狭山線内の折り返し運用に使用されることもある。

2008年(平成20年)6月13日まで、現在の副都心線小竹向原 - 池袋にあたる有楽町線新線でも運用されていたが、同区間は副都心線の開業によって同線に編入された。また、2012年度には同線渋谷駅経由で東京急行電鉄東横線横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街まで相互乗り入れを行う予定である。

[編集] これまでの歩み

10000系第03編成(2006年8月10日、新木場~辰巳間にて撮影)
綾瀬検車区内を「新木場」表示で入れ換え自走運転中の第01編成(2006年6月4日、公道から撮影)
営業開始記念ヘッドマークを貼付していた当時の10000系第04編成(2006年9月30日、新木場検車区撮影会にて撮影)

2006年(平成18年)5月29日 - 31日に最初の編成である第01編成が山口県下松市日立製作所笠戸事業所から綾瀬検車区まで甲種車両輸送された。その後第02 - 第04編成についても同年8月4日までに同区まで甲種輸送された。同年9月1日に第01編成が有楽町線および東武東上線での営業運転を開始し、数日後に第02編成と第03編成も営業を開始、その後しばらくしてから第04編成も営業を開始した。このうち第01編成は茶色、第02編成は青色の記念ステッカーを先頭車の前面左側に貼付した[18]。この10000系導入を記念して同月30日新木場車両基地で第01編成と07系07-101編成、7000系7101編成を並べた撮影会が行われた。また、12月23日森林公園検修区で開催された東武東上線クリスマスイベントにも第04編成が展示されていた。第04編成までの編成は前述したが、同年末までに蛍光灯の設置位置が変更された。西武線への乗り入れは、導入当初同線での試運転で発生した誘導障害2007年1月にクリアし、同年2月23日から開始している。

2007年(平成19年)は、2月23日 - 25日に第05編成が、3月9日 - 11日に第06編成がそれぞれ甲種車両輸送された。4月 - 11月(6月を除く)は2編成ずつの輸送となり、4月に第07編成と第08編成が、5月に第09編成と第10編成が、7月に第11編成と第12編成が、8月に第13編成と第14編成が、9月に第15編成と第16編成が、10月に第17編成と第18編成が、11月に第19編成と第20編成がそれぞれ輸送された。その後16編成の追加製造をすることが決まり、2008年(平成20年)4月25日 - 27日に第21編成が、同年5月23日 - 25日に第22編成がそれぞれ甲種車両輸送された。ここまでが、副都心線開業時までの必要編成分である。その後第23編成 - 第27編成も甲種車両輸送され、第27編成までが営業運転を開始している。また7000系が副都心線対応改造中はその置き換えで運用している。なお、最終的に10両編成36本(360両)が営業運転を開始する予定である。第23編成以降は有楽町線の7000系(副都心線乗り入れ非対応編成)の置換え用である。

甲種車両輸送は下記のルートで搬入された。

下松駅小田原駅西湘貨物駅大船駅横浜羽沢駅府中本町駅松戸駅綾瀬駅

2007年度日本産業デザイン振興会グッドデザイン賞を受賞した。このため、同年10月31日までの時点で営業運転を行っている編成の先頭車前面にこれを記念したステッカーが貼付されていた。

2008年(平成20年)6月14日に開業した副都心線運用専用8両編成の7000系が不足していることから、2006年に製造された第01編成 - 第04編成は第4車両と第5車両を抜かれて8両編成で運用されていたが、2008年9月に7129編成の改造終了により第04編成が、その数日後に第01編成が、11月に入り7133編成の改造終了によって第02編成がそれぞれ10両編成に戻された。その後第05編成が8両編成に短縮されている。

[編集] 有楽町線における車両の転配について

有楽町線では、2006年(平成18年)9月1日より順次本系列を4本(40両)投入して営業運転を開始した。それに伴い、小竹向原駅と副都心線の各駅で使用するホームドアに対応しない07系第3 - 第6編成を同年度内に東西線に転出させ、同線の5000系を翌2007年3月17日までに淘汰した。2008年中ごろまでは有楽町線の07系は残った2本が在籍し休車扱いとされていたが、2009年(平成21年)3月末までに全編成が東西線に転出している。

[編集] その他

  • 乗り入れ先である東武や西武にも「10000系」の称号を持つ系列が存在しており、重複番号が発生している。
  • 同じ有楽町線で使われている7000系の一部編成は順次帯を黄色から本系列と同一のものに変更するなど本系列と同じタイプの改造を行っている。10両編成は有楽町線・副都心線共用で運用するが、8両に短縮した編成は副都心線専用として運用する。

[編集] 脚注

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  1. ^ 交友社鉄道ファン」2007年12月号および交通新聞社鉄道ダイヤ情報」2008年7月号参照。
  2. ^ a b c 東京地下鉄「東京地下鉄道副都心線建設史」参照。
  3. ^ 05系13次車はステッカーによる貼付。
  4. ^ 両手操作形、力行1~4ノッチ、常用制動1~7段・非常
  5. ^ 異常などで駅間に列車が停止した場合、後部車両の前照灯を点滅させ、後続列車を停止させる列車防護機能。
  6. ^ ドア間1か所あたり袖仕切部と3+4人に分割するものの計3本。
  7. ^ 2群制御用はMAP-178-15V150形・1群制御用MAP-174-15V151形。
  8. ^ 編成中2台のSIVのうち1台が故障した場合、健全なもう1台のSIVから電力を供給する機能。
  9. ^ 両先頭車の床下に「ATC・ATS」として1つの箱に収めている。
  10. ^ これにより、6月13日に限り「各停 新線池袋」の行き先表示が見られた。ただし、副都心線開業準備のためのROM変更により、表示は「各停 池 袋」であった。
  11. ^ 駅名標で表示されているものと書体は異なる。
  12. ^ 当初は7000系・07系と共に東武9050系(登場時)などと仕様を合わせた男声であったが、7000系・07系・東武9050系が「東武東上線をご利用くださいまして~」と案内していたのに対し、当系列では「東武鉄道をご利用くださいまして~」と案内するなど若干の違いがあった。その後、東武9050系は副都心線直通改造に合わせて、7000系と10000系は副都心線開業と同時にそれぞれ現在の女声のものに更新された。
  13. ^ 第05編成なら"5"、ちなみに07系は50番台の番号が付与されている。
  14. ^ ただし、大部分の運用は川越市までである。
  15. ^ 東武東上線の和光市 -池袋間を営業運転で走行したケースは無いが、試運転列車として同区間及び森林公園 - 小川町間、回送列車として和光市 - 上板橋間を走行した記録がある。
  16. ^ ただし、大部分の運用は清瀬までである。
  17. ^ 7000系も同様。種別・行先表示器は「臨時」と表示される。
  18. ^ 第01編成は撮影会後、第02編成は11月頃に撤去された。

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  • 東京地下鉄発行「東京地下鉄道副都心線建設史」
  • 交友社鉄道ファン
    • 2006年9月号 新車ガイド「東京地下鉄10000系」
  • 鉄道ジャーナル社「鉄道ジャーナル
    • 2006年9月号 新型車両プロフィールガイド「東京地下鉄10000系の概要」
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