東京スター銀行

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株式会社東京スター銀行
The Tokyo Star Bank, Limited
種類 株式会社
市場情報
東証1部 8384 2005年10月25日 - 2008年7月27日
略称 TSB
本社所在地 日本の旗 日本
107-8480
東京都港区赤坂一丁目6番16号
設立 2001年6月11日
業種 銀行業
事業内容 銀行業
代表者 代表執行役頭取CEO
入江優
資本金 260億円
(2013年3月31日現在)
発行済株式総数 普通株式 70万株
優先株式 20万株
(2013年3月31日現在)
純利益 単体:24億73百万円
連結:45億4百万円
(2013年3月31日現在)
純資産 単体:966億55百万円
連結:1,035億78百万円
(2013年3月31日現在)
総資産 単体:2兆4,006億69百万円
連結:2兆3,934億36百万円
(2013年3月31日現在)
従業員数 単体:1,198人
連結:1,256人
(2013年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 中国信託商業銀行 100%
(2014年6月5日現在)
主要子会社 株式会社TSBキャピタル
TSB債権管理回収株式会社
株式会社TSBストラテジックパートナーズ
株式会社東京スター・ビジネス・ファイナンス
関係する人物 江丙坤(取締役会長)
(2014年6月5日就任)
外部リンク 東京スター銀行 公式サイト
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東京スター銀行のデータ
英名 The Tokyo Star Bank, Limited
統一金融機関コード 0526
SWIFTコード TSBKJPJT
店舗数 国内31
(2013年3月31日現在)
貸出金残高 1兆5,172億69百万円
(2013年3月31日現在)
預金残高 2兆1,326億24百万円
(2013年3月31日現在)
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株式会社東京スター銀行(とうきょうスターぎんこう、英称:The Tokyo Star Bank, Limited)は、東京都港区赤坂に本店を置く第二地方銀行である。

概要[編集]

1999年(平成11年)6月に経営破綻した第二地方銀行である株式会社東京相和銀行の営業を譲り受けることを目的として新たに免許を受けた銀行であり、2001年(平成13年)に東京相和銀行から譲受して営業を開始。社団法人第二地方銀行協会の加盟資格にある「会員から営業を譲り受ける目的で新たに免許を受けた銀行」として現存している唯一の銀行である[† 1]

日本初24時間稼働のATMとテレホンバンキングなどで認知された東京相和銀行の一部店舗を大幅改装、または新規出店による「ファイナンシャル・ラウンジ」という新型店舗を全国主要都市を中心に順次展開し、高利回りの円定期預金、預金連動型住宅ローンカードローン外貨預金投資信託年金保険など新生銀行と似通いながらもリテールに特化したサービスの提供で業容を拡大している。

当初はアメリカバイアウトファンド企業であるローンスターが組成したベルギー籍の株式合資会社形態のファンド[† 2]を通じて筆頭株主として積極的な支援を行い、東京信用組合・東京中央信用組合・千葉県商工信用組合・中部銀行の営業の全て若しくは一部を譲り受け、東京スター銀行に継承させた他、西友ノンバンク1990年代からの多額の不良債権により破綻状態であった(西友の経営不振とそれに伴うセゾングループ解体の元凶ともされる)「東京シティファイナンス (TCF)」グループ3社、りそなショックに伴うリストラ策でりそなグループの「総合住宅ローン」を買収。これを統合し「TSBキャピタル」となった。

なお、旧長銀系の不動産担保融資大手のファーストクレジット (FC) は、同じローンスター傘下として同行と提携関係にあったが、ローンスターが2006年(平成18年)12月にFCの全株式を住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)へ譲渡したため、FCはローンスターの傘下を離れた。FCは現在、三井住友トラスト・グループの一員として、同社と提携関係にある。

2007年(平成19年)12月、国内資本の投資ファンド会社であるアドバンテッジ パートナーズ(AP)が東京スター銀行の買収を発表。APが組成したケイマン諸島籍の4つの特別目的会社形態の投資ファンド[† 3]を通じて同行の株式1株あたり36万円で株式公開買い付け (TOB) を実施すると発表した。ローンスターがTOBに応じ、更に定款変更による全部取得条項付与によりアドバンテッジ パートナーズのファンドが東京スター銀行を完全子会社化する事とした。これに伴い、東京スター銀行は2008年(平成20年)7月27日付けで東京証券取引所を上場廃止になった[1]

APは買収資金の一部を新生銀行・あおぞら銀行・地方銀行などとローンスターからの融資で賄い、傘下のファンドが保有する東京スター銀行の株式配当を返済資金の原資とする契約であったとされた[2]。しかし世界金融危機の影響で赤字決算が続き配当が低迷したことで、ファンドは利払いするメドが立たなくなり、2011年(平成23年)1月にAPは買収資金を融資した銀行団へ債務不履行を通告した[3]。このため、ローンスター・新生銀行を始めとする融資先が組成した特別目的会社「シャイニング・スター合同会社」と「アライド・ホールディングス合同会社」がAPの所有する投資ファンド全株式を取得[4]し、結果的に最大の融資元であったローンスターが再度筆頭株主になった。

2013年7月、台湾大手の中国信託商業銀行がほぼすべての株式を520億円で買収することで主要株主と大筋で合意したと日本経済新聞等が報じ[5][6]、同年10月31日正式に発表した[7][8]2014年6月2日、買収について中国信託商業銀が、金融庁から同日付で認可を得た[9][10]

沿革[編集]

店舗[編集]

2009年(平成21年)6月現在東京都北海道宮城県神奈川県埼玉県千葉県愛知県大阪府広島県福岡県と基本的に特別区または政令指定都市のある都道府県に支店がある。

  • 伊豆大島(東京都大島町)に大島支店が存在していた。人口が8500人程の大島町に存在していた理由として、中部銀行大島支店が存在し、譲渡時に島内唯一の第二地方銀行であった(都市銀行ではみずほ銀行の出張所が存在する。地銀は所在しない)ことからしばらくは引き継がれたが、後に2009年(平成21年)6月19日の営業をもって窓口・ATMともに廃止された。業務継承店は本店営業部(本店ファイナンシャル・ラウンジ)となった[14]

ATMについて[編集]

東京スター銀行のATM

営業上の特色として、自行ATMによる提携金融機関のキャッシュカードの取扱手数料を一律無料(ゆうちょ銀行を除く)としている点が挙げられる。ただしこれは、手数料を徴収しないのではなく、通常は顧客(利用者)と提携行に対して折半して請求される手数料を提携行へのみ請求することで実現しているものである[15][16]

この「利用者手数料無料」のビジネスモデルはATM機器業界第3位の富士通フロンテックを傘下に持つ富士通の提案によるもので[16]、ATM管理を全て富士通にアウトソーシング(完全外部委託)することで運営コストを低減することで実現しており、富士通にとってもATMのアウトソーシングソリューションを宣伝する格好の材料と見込んでいたと報じられている[16]

この施策について、自行ATMの利用者を増やすことで提携行から徴収する手数料をATMの運営費用に充てる東京スター銀行の手法に不満を持った三菱東京UFJ銀行 (BTMU) が2008年(平成20年)11月4日より東京スター銀行との間のATM・CDオンライン提携契約を解約する事態となり、東京スター銀行のATMではBTMUのキャッシュカードが利用できなくなった[17]。このBTMUの方針に対して、逆に東京スター銀行は、BTMUがMICSの規約に違反しているとして、BTMUに対してATM・CD提携の再開と損害賠償を求める訴訟を提起する事態となっている[18]。BTMUとの訴訟は、一審の東京地方裁判所(福井章代裁判長)ではBTMU側が東京スター側に支払う銀行間手数料が著しく不均衡であったこと、銀行間手数料引き下げについて2年以上協議が行われた上での解約であることから「(BTMUの措置は)不誠実な対応とは言えず解約は有効」として東京スター銀行の請求を棄却する判決が下され[19]、東京スター銀行が東京高等裁判所に控訴していたが、2011年12月21日にATM提携再開に向けた協議を開始することなどを骨子とした和解が成立し、控訴を取り下げている[20]

2006年からサークルKサンクスとの提携によりコンビニATM「ゼロバンク」(ゼロバンクも東京スター銀行と同様に取扱手数料が特徴)を展開していたが、同行側が契約更新を行わなかったことに伴って、2012年の7月から12月にかけて順次撤去され、BankTimeへリプレースされた[21]。また、2014年1月には、店舗内ATMを全機富士通のFACT-V X200(従来は、FACT-V model 10)へリプレースを行った[22]

設置箇所[編集]

東京スター銀行のATMは本店・支店・出張所のほか、前述の提携金融機関利用手数料無料化や、流通系カード会社をはじめとする各金融機関・企業などとの積極的な提携などにより自行が店舗展開していないエリアにも設置され、2012年(平成24年)6月30日現在、三重県滋賀県鳥取県徳島県高知県沖縄県を除く41都道府県の1,967箇所にATMが展開されている[23]

主な商品[編集]

スターワン口座[編集]

資料請求によって開設手続きできる口座は、この口座のみである。決済用預金の扱いは不可。また、貯蓄預金をセットすることもできない。

一つの口座を申し込むことで、総合口座外貨預金インターネットバンキング、テレホンバンキングがすべてセットになっている商品である。

本来は月額1050円の口座維持手数料を徴収する口座だが、手数料は廃止された[24]

貯蓄三昧[編集]

従来型の通帳のある総合口座。普通預金、貯蓄預金、定期預金が1冊の通帳で利用可能。別途申込によって、インターネットバンキングやテレホンバンキングの利用も可能。なお、普通預金は、スターワン口座と異なり決済性預金としての利用も可能。

2013年2月8日を以って、正式に新規の利用が停止となった[25]

バンクベスト[編集]

カードローンなどの他銀行での無担保融資や、クレジットカード消費者金融の無担保ローン・キャッシングの借り換え・一本化(「おまとめ」と表記)に使途を特化した証書貸付(証書ローン)で、「銀行によるおまとめローン」の趨りとなる商品である。2003年(平成15年)から取扱を開始した。

当初は自宅を抵当権(順位は住宅ローン以下)設定する有担保型ローンであったが、2006年(平成18年)頃よりTSBキャピタルの信用保証による無担保融資となったため、自家保有者以外でも申込できるようになった。申込にあたっては、審査の結果次第で融資額が決定される。

スターワン住宅ローン[編集]

日本初の預金連動型住宅ローンであり、普通預金の残高と同額分までのローン残高には金利がかからないのが大きな特徴である[26]。当然、預金残高がローン残高以上ならローン残高は無利息となり、繰上げ返済とほぼ同様の支払利息縮減効果が見込める。

ローン残高が預金残高より多い場合、その預金に対する金利は発生しないが、外貨普通貯金と組み合わせた場合は、ローン残高に関係なく金利を受け取ることが可能。

通常の住宅ローンで繰り上げ返済を行うとローン残高が減少するため、所得税の住宅ローン控除額も減少してしまう。スターワン住宅ローンでは、預金残高分は無利息となるが税務上見かけのローン残高は減少しないため、納税者側にとってかなり都合の良いローンと言える。

このシステムが導入されて特許申請を行って以降、他行からかなりの数の導入希望があったが、東京スター銀行はそれを拒否し、独自性を守った。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 以前はなみはや銀行わかしお銀行などがあったが、すべて合併により消滅若しくは都市銀行に転換(三井住友銀行との逆さ合併)している。
  2. ^ LSF-TS Holdings SCA(エルエスエフティーエス・ホールディングス・エス・シー・エー)、LSF Tokyo Star Holdings SCA(エルエスエフ・トウキョウ・スター・ホールディングス・エス・シー・エイ)
  3. ^ CAYMAN STRATEGIC PARTNERS L.P.(ケイマン・ストラテジック・パートナーズ・エルピー)、JAPAN BANKING INVESTMENT PARTNERS L.P.(ジャパン・バンキング・インベストメント・パートナーズ・エルピー)、TOKYO CAPITAL MANAGEMENT PARTNERS L.P.(トウキョウ・キャピタル・マネジメント・パートナーズ・エルピー)、JAPAN BLUE SKY CAPITAL PARTNERS L.P.(ジャパン・ブルー・スカイ・キャピタル・パートナーズ・エルピー)
  4. ^ a b ただし、ローン関係の取り次ぎなどの取り扱いのみで、預金など現金の取り扱いは行われなかった。いずれも、後に移転、支店に昇格している。

出典[編集]

  1. ^ 東証 上場廃止銘柄一覧、2008年9月28日閲覧。
  2. ^ 東京スター銀行株譲渡の裏でうごめく出資者の意外な思惑ダイヤモンド・オンライン、2011年1月31日)
  3. ^ アドバンテッジ、東京スター銀買収資金の返済不履行かウォールストリートジャーナル日本 電子版、2011年1月23日)
  4. ^ 訂正:東京スター銀行の筆頭株主、ローンスターに=関係筋ロイター、2011年5月25日)
  5. ^ “中国信託、東京スター買収へ収益安定化への軸足が焦点”. 週刊ダイヤモンド. (2013年7月29日). http://diamond.jp/articles/-/39408 2013年11月1日閲覧。 
  6. ^ “台湾大手銀行が東京スター銀行を買収、株主と大筋合意”. J-castニュース. (2013年7月25日). http://www.j-cast.com/2013/07/25180158.html 2013年11月1日閲覧。 
  7. ^ “台湾行が東京スター銀行買収 米ファンドから5百億円”. 共同通信. (2013年10月31日). http://www.47news.jp/CN/201310/CN2013103101002152.html 2013年11月1日閲覧。 
  8. ^ 当行株主の異動に関するお知らせ (PDF)”. 株式会社東京スター銀行 (2013年10月31日). 2013年11月1日閲覧。
  9. ^ “東京スター銀の買収を正式認可 金融庁、台湾大手銀に”. 日本経済新聞. (2014年6月2日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF0200J_S4A600C1EE8000/ 2013年11月1日閲覧。 
  10. ^ 当行株主の異動に関するお知らせ (PDF)”. 株式会社東京スター銀行 (2014年6月5日). 2014年6月6日閲覧。
  11. ^ 東京中央信用組合に対する管理の終了期限の延長について(金融庁ニュースリリース)
  12. ^ “東京スター銀行とサークルKサンクス 「ゼロバンク」ATMサービスの展開で基本合意” (プレスリリース), 株式会社サークルKサンクス, (2006年2月28日), http://www.circleksunkus.jp/company/press/2006/0228_2.html 2012年2月18日閲覧。 
  13. ^ “東京スター銀行を幹事銀行とする関東地区「ゼロバンク」ATMサービスの終了と「バンクタイム」ATMへの変更について” (PDF) (プレスリリース), 株式会社サークルKサンクス, (2012年2月2日), http://www.circleksunkus.jp/system/__upfile__/pressrelease/p10401.pdf 2012年2月18日閲覧。 
  14. ^ 2009年2月25日付リリースより
  15. ^ 三菱東京UFJ銀行、東京スター銀行とのATM契約を解消 - J-CASTニュース2008年9月22日
  16. ^ a b c 富士通が中立を装う真意 - 銀行ATM戦争の陰で、静かに戦略転換 - 日経ビジネス2008年10月27日号pp.15
  17. ^ 株式会社東京スター銀行との間のATM・CDオンライン提携契約の解約について - 三菱東京UFJ銀行公式サイト2008年10月23日
  18. ^ 三菱東京UFJ銀行に対する訴訟の提起について (PDF) - 東京スター銀行ニュースリリース2008年11月11日
  19. ^ ATM訴訟、東京スター銀行敗訴 三菱UFJ側の解約認める - 朝日新聞2011年7月28日
  20. ^ 株式会社三菱東京UFJ銀行との和解について (PDF) - 東京スター銀行ニュースリリース2011年12月21日
  21. ^ “東京スター銀行を幹事銀行とする関東地区「ゼロバンク」ATMサービスの終了と「バンクタイム」ATMへの変更について” (PDF) (プレスリリース), 株式会社サークルKサンクス, (2012年2月2日), http://www.circleksunkus.jp/system/__upfile__/pressrelease/p10401.pdf 2014年4月3日閲覧。 
  22. ^ 東京スター銀行 人と環境に優しい新型ATMを全店舗に配置 (PDF)”. 東京スター銀行 (2014年1月7日). 2014年4月3日閲覧。
  23. ^ 全国に展開するネットワーク (PDF) - 東京スター銀行2012年ディスクロージャー誌
  24. ^ よくある質問より
  25. ^ 商品・サービスの見直しのお知らせ
  26. ^ “チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)住宅優遇政策の追い風に乗り遅れるな!今こそ知りたい住宅ローンの「賢い選び方」”. ダイヤモンドオンライン. (2010年2月5日). http://diamond.jp/articles/-/6733 2014年4月3日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]