杏仁

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杏仁として使用されるのは仁(画像下)の部分である

杏仁漢方薬の薬味として使うときは「きょうにん」、菓子などに使うときは「あんにん」と発音)は、アンズの種子の中にある仁(さね)を取り出したものである。

概要[編集]

苦みの強い苦杏仁(くきょうにん, Prunus maximowiczii)と、甘みのある甜杏仁(てんきょうにん)があり、前者は薬用に、後者は杏仁豆腐(あんにんどうふ)、アマレットなどの材料として用いられている。ここでは生薬としての杏仁について説明する。なお、「あんにん」という読み方は、南京上海あたりのもので、明治以降に盛んになった支那料理(中国料理)で、大衆的になったものである。

杏仁は、三国時代3世紀)頃に編纂されたもっとも古い漢方薬書である『傷寒論』にあり、麻黄湯、大青竜湯などの重要な処方に配剤されている大切な薬味である。漢方では、麻黄と組んで用いられ、鎮咳剤・去痰剤として多く用いられている。

古くから「毒のある薬味」とされており、分量を慎重に決めるようにといわれていた。現在では、アミグダリンがわずかに含まれていることがわかっている。

なお,現代中国語では、杏仁はアーモンドの漢訳語でもある。実際、アーモンドとアンズは、植物としては近縁種である。