杉靖三郎

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文化実業社『新婦人』より、1965年

杉 靖三郎(すぎ やすさぶろう、1906年1月6日 - 2002年5月29日)は、日本生理学者、性評論家翻訳家医師医学博士東京帝国大学・1940年)。

文部省国民精神文化研究所文化部主任、東京教育大学専修大学教授。旧姓は渡辺

人物[編集]

大阪府堺市生まれ。第二高等学校卒業。1928年、東京帝国大学医学部卒業。橋田邦彦の下で電気生理学を専攻。1940年、「筋負傷電位の電源の座に関する研究」にて東京帝国大学医学博士[1]

日本的科学に賛同し1941年国民精神文化研究所文化部主任。1947年3月 - 1951年8月 公職追放。1946年 - 1951年『医学書院』編集長、1952年 - 1969年東京教育大学教授、1956年『人間の科学』で毎日出版文化賞受賞。1966年定年退官、1969年 - 1976年 専修大学文学部教授。

戦後、公職追放になったが、ハンス・セリエストレス学説を紹介し、セックス評論、大衆医学知識の領域で活躍した。日本医師会学術委員長を務めた(1951年 - 1983年)[2]

親族[編集]

父・渡辺元吉は日本銀行行員。

朝日新聞記者でクイズ番組のレギュラー回答者としても活躍した渡辺紳一郎は兄[3]杉晴夫は子供。

著書[編集]

  • 『生命と科学』(目黒書店) 1941
  • 『科学と伝統』(培風館) 1942
  • 『科学のふるさと』(畝傍書房) 1943
  • 『科学と学道』(目黒書店) 1944
  • 生理学』(学術書院) 1948
  • 『科学の宿命』(白鯨書房) 1949
  • 『生理読本』(実業教科書) 1950
  • 『生活体』(学術書院) 1950
  • 『ナースのための医学用語集』(医学書院、ナーセス・ライブラリ) 1951
  • 『ナースのための医療器具器械図説』(医学書院、ナーセス・ライブラリ) 1951
  • 『あなたの生活と健康』(日本教文社、教文新書) 1955
  • 『四十からの健康 若返りと長生の医学』(実業之日本社) 1955
  • 『健康な生き方』(大泉書店) 1956
  • 『季節とからだ』(河出新書) 1956
  • 『医学の玉手箱』(アソカ書房) 1956
  • 『四季の医学』(毎日新聞社) 1956
  • 『ビジネスマンの健康 若々しく働くための医学』(実業之日本社) 1957
  • 『ストレス養生訓 中年は26から』(保健同人社) 1957
  • 『長生きの国を行く』(東峰書房) 1957
  • 『ビジネスガールの健康』(実業之日本社) 1958
  • 『新養生訓』(東都書房) 1958
  • 『健康の科学』(修道社) 1958
  • 『間違いだらけの衛生』正・続(実業之日本社) 1958 - 1962
  • 『受験生と健康』(培風館) 1958
  • 『女体のうちそと』(六興出版) 1959
  • 『サラリーマンの健康読本 人生を楽しむための医学』(新風社) 1959
  • 『完全なる夫婦』(有紀書房) 1959
  • 『家族みんなの健康』(室町パブリシティー) 1960
  • 『365日の快適な生き方』(青春出版社、青春新書) 1960
  • 『完全なる生き方』(青春出版社) 1960
  • 『現代の禅 科学する心』(普通社) 1960
  • 『女性というもの106章』(青春出版社) 1960
  • 『女性に贈る私の生理学』(衣食住出版) 1960
  • 『完全なる性愛』(有紀書房) 1961
  • 『生きるための考え方』(有紀書房) 1961
  • 『これだけは心得よ』(青春出版社、青春新書) 1961
  • 『百歳の青年を約束する本 新版養生訓』(全社連広報出版部) 1962
  • 『疲れすぎの医学』(日本事務能率協会) 1963
  • 『四十からの健康』(実業之日本社、実日新書) 1964
  • 『現代を健康に生きぬくには』(日本教文社) 1965
  • 『英才教育 間違いだらけの教育』(潮文社) 1967
  • 『中年期白書 意欲的生活のための健康管理のすべて』(修道社) 1967
  • 『これでバテない 仕事に最大の敵を退治する』(大和書房、ペンギン・ブックス) 1968
  • 『暮しの中の養生法』(いわしや中山本舗出版部) 1968.2
  • 『スタミナを強くする本 仕事の疲労を吹き飛ばす』(大和書房) 1969
  • 『健康の総点検』(実業之日本社、実日新書) 1970
  • 『まちがいだらけの健康法』(実業之日本社、実日新書) 1970
  • 『生命・健康の本質』(創元社) 1971
  • 『現代っ子養生訓 まちがいだらけの親子健康法』(三晃書房) 1972
  • 『新説養生訓 強い精神力と輝かしい肉体のために』(産報、サンポウブックス) 1972
  • 『頭のいい健康の知恵 現代を生きる健康法』(三晃書房) 1973
  • 『ゴルフと健康』(産報) 1974
  • 『働き盛りの健康法』(実業之日本社、実日新書) 1974
  • 『光と熱の健康読本 附・赤外線健康法』(六興出版) 1976
  • 『夜明けの人 杉田玄白』(徳間書店) 1976
  • 『杉靖三郎の知的SEX論』(地産出版) 1977.5
  • 『ストレス養生法』(PHP研究所) 1977.11
  • 『健康の赤信号 あなたの心身を安全運転しよう』(実業之日本社、実日新書) 1978.5
  • 杉靖三郎著作選」全6巻(春秋社) 1981 - 1982
  • 『杉靖三郎の現代養生訓』(ダイヤモンド社) 1981.2、のち知的生き方文庫
  • 『若さを保つ健康学』(広済堂出版) 1981.9
  • 『いちばん無理のない減量法』(現代ブック社) 1984.8

共著編著[編集]

  • 『看護史年表 看護史上の人々』(石原明、医学書院、ナーセス・ライブラリ) 1951
  • 『マッサージの仕方』(鳥居敏雄、医学書院、ナーセス・ライブラリ) 1951
  • 『私たちのからだ』(深山幹夫、講談社) 1958
  • 『美しいからだ美しくなる食べもの』(東畑朝子婦人画報社) 1959
  • 『愛の技法』(堀秀彦, ドクトル・チエコ、青春出版社) 1960
  • 『あんま師・はり師・灸師・柔道整復師のための生理』(藤田紀盛、医歯薬出版) 1961
  • 『健康設計』(近藤宏二, 前川峰雄共編、読売新聞社、暮らしの図書室) 1961
  • 『エレガントなSEX 幸福な結婚へのいざない』(編、鎌倉書房) 1963

翻訳[編集]

  • 『杉田玄白日記』(生活社) 1944
  • 『生命の知恵』(アレキシス・カレル大竹健介共訳、日本教文社) 1957
  • 『美しいスタイルと健康美 デビー・ドレイクの美容体操』(竹腰美代子共訳、ベースボール・マガジン社) 1963
  • 『現代生活とストレス』(H・セリエ、法政大学出版局) 1963
  • 『若く見え長生きするには』(ゲイロード・ハウザー、雄鶏社) 1968
  • 養生訓』(貝原益軒、徳間書店) 1968
  • 『ようこそ!更年期 あなたはそれを恐れることはない』(マデリーン・グレイ、雄鶏社) 1969
  • 『健康長寿の鍵 驚異の若返りビタミン』(C・ウェイド、実業之日本社、実日新書) 1971
  • 『健康と病気』(ルネ・デュボス, マヤ・パインズ共著、タイムライフブックス編集部編、タイムライフブックス、ライフ/人間と化学シリーズ) 1978

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 筋負傷電位の電源の座に関する研究 杉靖三郎 東京帝国大学 昭和15年7月15日授与
  2. ^ 泉[2012:329-330]
  3. ^ 渡辺 紳一郎 (わたなべ しんいちろう) 1900年~1978年”. 函館市文化・スポーツ振興財団. 2020年9月6日閲覧。