杉浦ひとみ
杉浦 ひとみ(すぎうら ひとみ、1956年6月10日 - )は、奈良県生まれ、愛知県岡崎市育ちの弁護士、日本女子大学の非常勤講師。東京都文京区在住。
弁護士として子供、障害者、犯罪被害者、女性など社会的弱者の人権分野に重きを置いた訴訟を手がけ、2007年の参議院選挙東京都選挙区候補者として社民党から出馬した。出馬する動機は、憲法9条を守り、改憲の動きに歯止めをかけるため、何とかしたいと説明している。
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[編集] 概要
愛知県立岡崎高等学校を経て、中央大学法学部法律学科を1979年に卒業。結婚ののち、子供の問題を扱うために法曹を目指す。出産後、子供を育てながら39歳で司法試験に合格し[1]、1999年に東京弁護士会(東弁)で弁護士登録して弁護士活動を開始。
以来、いじめ・体罰・虐待や少年事件、少年法改正、障害者、犯罪被害者などの社会的弱者、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) 、ドメスティックバイオレンス・セクシャルハラスメント・性暴力の問題や訴訟を重点的に取り組み、東弁の人権擁護委員会副委員長、日弁連人権擁護委員会副委員長などを歴任。また、NGO「軍隊を捨てた国コスタリカに学び平和をつくる会」(略称: コスタリカに学ぶ会)で事務局長を務めている。
佐世保小6女児同級生殺害事件を機に、触法少年の更生情報を公開すべきかの議論が広がっていたころ、『毎日新聞』の企画「闘論 加害少年情報の公開」[2]のインタビューに応え、重大な触法少年事件の更生情報を積極的に公開すべきだとする元家庭裁判所判事・井垣康弘[3]の意見と並ぶコラムで杉浦の意見が掲載された。更生情報公開の是非について杉浦は、厚生労働省や社会の議論や認識の不足を指摘し慎重論を展開。興味本位の更生情報は社会の公益にならず、加害少年の社会復帰を阻むとともに一生付いて回るレッテルとなるため「公表の必要はない」と明言した。被害者遺族や世論の求めに応える形で安易に開示すべきでなく、情報を開示する厚生労働省、児童相談所などの機関が、法律・心理学・精神医学その他の専門家らの参加する研究会などを開いて論議を深め、開示の是非を慎重に検討すべきだと述べている。
2011年2月、父親が後見人となったことで成年被後見人が選挙権を失ったのは重大な権利侵害であるとして裁判を起こした。またブログで「傍聴席から裁判官に正しい判断をするように訴えてください。傍聴によって裁判は雰囲気も流れも変わります。」と傍聴者を募っている[4]。
所属する弁護士事務所は、文京区本郷の東京アドヴォカシー法律事務所。共著書に『ハンドブック 市民の道具箱』がある。趣味は山歩き、油絵、仏彫、ヨットなど。夫、息子との3人家族。
自らのブログにおいて、ニュースサイトのニュースを、リンクを張ることなく無断で、カットアンドペーストして貼り付ける著作権に抵触する行為(一部のみの場合もある)をしばしば行っている。2009年に、朝日新聞の記事を東京新聞の記事であると表記してカットアンドペーストで公開した際に、朝日新聞社知的財産センターから抗議を受け、3月20日からブログを閉鎖し、4月8日にかけて修正作業に追われたが、カットアンドペーストで公開した部分を削除したのみで、なぜそのようになったかなどは一切ふれなかった[5]。2010年9月22日、毎日新聞の記事をカットアンドペーストで公開した際には、「この記事を書くときに参考に見ていたニュース記事が、末尾に残ったままで掲載してしまった」と釈明している[6]。
[編集] 2007年参議院選挙
社会民主党(社民党)東京都連合常任幹事会は2007年1月18日、同年7月に予定される参議院東京都選挙区で、杉浦を同党公認予定候補として擁立を決定[1]。同連合は翌19日にこれを発表し、同日、党首・福島瑞穂、衆議院議員・保坂展人の同席のもと[7]、東京都庁記者クラブにおいて記者会見を行ない、「司法の場ではなく直接政策にかかわれる場で、自分を役立てたいと思った。憲法改正の動きに対して何とかしなければならないとの思いだ」と述べ[8]、同時に「経済の格差が教育の格差につながり、機会、結果の格差につながっている。このような社会は許されない」、と政府・安倍内閣を批判している。
上部団体である社民党・全国連合常任幹事会は同月25日、同連合の公認決定を承認した[7]。
同連合の公式サイト[9]に、杉浦は公認について、出馬の第一の動機として東京空襲犠牲者遺族会[10]が提起する集団訴訟弁護団の一員でもある自らの立場を説明しつつ、悲惨な戦争を起こす改憲の動きに抗するため、「憲法を守りたい」と表明する一文[11]を寄せた。同文でさらに、子供のいじめ・非行・虐待の問題について社会福祉士の拡充など児童福祉の充実が必要だと説き、女性の問題についても、思っていることを声に出せるような、自身を大切にできる社会を目指す視点を失わないように取り組みたい、と自らの擁立・公認受け入れに対し抱負を述べている。
以上のような経緯で出馬したが、7位で落選した。
[編集] コスタリカに学ぶ会
杉浦は自らが事務局長を勤めている「軍隊を捨てた国コスタリカ[12]に学び平和をつくる会」の活動をしばしばブログでも取り上げている。
2010年7月2日にコスタリカ議会が米国海軍の駐留を認める法案を可決し、米軍が駐留している現状に対する姿勢を問われて「コスタリカの良いところを学ぼう、といっているわけで、〇〇といえばすべてそれに100%みたいな極端な採り方をして批判をされるのは、建設的ではなくただの揚げ足取りのようになってしまうのではないでしょうか」と答えた。また同国内の弁護士ロベルト・サモラにより憲法裁判所に違憲訴訟が提起されていることについて「存在する制度を駆使してあるべき姿に是正できることは、やはり評価すべきだと思っています。」と述べた[13]。なお、ロベルト・サモラによる違憲訴訟はすでに敗訴が確定しており、米軍駐留も延長されている。
[編集] 文献
- 目加田説子(編)『ハンドブック 市民の道具箱』岩波書店、2002年11月、ISBN 4000233726 [14]
[編集] 脚注
- ^ a b 参議院選挙 羽田圭二のブログ: 参議院選挙 [1](2007年1月18日)
- ^ 『毎日新聞』「闘論 加害少年情報の公開」(2006年6月5日。構成・川名壮志)。記事中、杉浦の肩書きは、弁護士および「少年犯罪被害者支援弁護士ネットワーク」世話人。同ネットワーク発足時、杉浦は事務局の役割を務めている(自由法曹団2001年5月権利討論集会特別報告集掲載論稿: 「少年犯罪被害者支援弁護士ネットワーク結成される」 [2])。
- ^ 井垣康弘(いがきやすひろ、1940年 - )は1967年に裁判所任官し、2005年に神戸家庭裁判所で定年退官した弁護士。大阪弁護士会に所属し、豊中市で井垣康弘法律事務所を開設している。大阪「少年問題ネットワーク」など少年犯罪問題に関する団体に所属。著書に『少年裁判官ノオト』(日本評論社)、『裁判所の窓から』(花伝社)がある。
- ^ 成年後見選挙権訴訟 あす第1回裁判傍聴お願い
- ^ 七生養護裁判勝訴しました!~性教育授業への都議の介入は「不当な支配」当該記事へのリンク。問題部分は既にプロバイダ経由での朝日新聞知的財産センターからの全文転載であるとの抗議により削除済みだが、コメントにより朝日新聞の記事を東京新聞の記事であると表記していたこと、当人による「新聞からの引用部分は削除しました」との記述のみ残っており、全文転載との指摘については、これを認めず、引用であると主張している。朝日新聞社知的財産センターは、これに対して「今回は削除をもって、当方記事に対する著作権侵害の状態は解消されたものと考えます。」とコメントしている。尚、文化庁によれば、適切な「引用」と認められるためには、「報道,批評,研究などの引用の目的上「正当な範囲内」であること」「出所の明示(コピー以外はその慣行があるとき)」が必要とされる(著作権テキスト~ 初めて学ぶ人のために ~)。
- ^ 証拠隠滅の疑いで検事逮捕 ~ 誰でも有罪になる恐怖! 当該記事へのリンク。
- ^ a b 保坂展人のどこどこ日記: 社民党、参院東京選挙区に杉浦ひとみさん公認 [3](2007年1月25日。写真あり)
- ^ 『毎日新聞』「参院選・東京選挙区 社民党、杉浦ひとみさんを擁立」 [4](東京地方版、2007年1月20日)
- ^ 社民党東京都連合公式サイト [5]
- ^ 東京空襲犠牲者遺族会公式サイト: [6]
- ^ 社会民主党東京都連合: 参院選東京選挙区予定候補を発表 [7](2007年1月19日)
- ^ コスタリカは常備軍の設置を禁止しているのみで、非常事態には徴兵制を敷き軍隊を組織することができる(コスタリカ共和国憲法第12条)
- ^ 9月25日(土) コスタリカの最新情報を聞く会杉浦 ひとみの瞳 2010年9月22日
- ^ 同書で杉浦が執筆したのは、司法編で「弁護士相談窓口」、「当番弁護士制度」、「法律扶助制度」(法律扶助協会)、「人権救済の申し立て」、生活者編で「ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法」を執筆している。岩波書店: 同書目次 [8]
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 社民党本部
- ブログ『情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士』: 杉浦ひとみさん、教育基本法改悪について話す~社民党候補(2007年1月23日。マルチメディアのリンクあり)