朝霞市内循環バス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
朝霞市内循環バス「わくわく号」の西武バス所属車 (A7-114) 朝霞市内循環バス「わくわく号」の西武バス所属車 (A7-114)
朝霞市内循環バス「わくわく号」の西武バス所属車 (A7-114)

朝霞市内循環バス(あさかしないじゅんかんバス)は、埼玉県朝霞市を走るコミュニティバスである。

1994年(平成6年)7月21日[1][2]に「朝霞市内循環バス」として運行開始し、2004年(平成16年)10月1日の路線再編時に公募によって「わくわく号」の愛称が与えられた。2023年(令和5年)8月現在は西武バス新座営業所東武バスウエスト新座営業事務所国際興業バス西浦和営業所の3社が運行を受託している。

沿革[編集]

運行開始まで[編集]

朝霞市内循環バスは1990年代前半に運行を開始したコミュニティバスで、首都圏でも早い時期の開業である。多数存在する埼玉県内のコミュニティバスの運行を受託している3社にとっても最初期、とりわけ国際興業バスにとっては初のコミュニティバスの運行受託で、朝霞市のコミュニティバスに対する意欲的な取り組みは2000年代前後に多数の路線が誕生した県内のコミュニティバスの嚆矢ともなった。国際興業バスではこれ以降、浦和市日高市と続く[3][4]ほか、西武バスでは1991年(平成3年)の旧・練馬区シャトルバス(現・みどりバス)に続く2番目、埼玉県内では初の運行受託である。東武バスは運行開始当初が東武鉄道の直営で、1989年(平成元年)の岩槻市公共施設循環バス(さいたま市への合併により路線廃止)、1993年(平成5年)の和光市無料循環バス以降は県内で多数の無料福祉バスやコミュニティバスを受託しているが、この朝霞市内循環バスも最初期の一つにあたる[5][6]

運行開始直前当時の朝霞市内はいわゆる幹線道路が多くなく、従来の一般路線バスが運行されている地域以外は「交通空白地帯」が多く存在した。その後、沿線の宅地化が進みベッドタウンとして市の人口が増え、駅前の放置自転車が問題視されたこともあって交通空白地帯の住民が最寄り駅や市役所へ向かう際の便宜を図ろうと、市がコミュニティバスの運行を計画した。市は朝霞市内に路線網を持つ東武鉄道(東武バス)・西武バス国際興業バスの3社へ運行委託を依頼して承認され、1994年(平成6年)7月21日に「朝霞市内循環バス」の運行が開始された[1][7]。路線網は温水プール温浴施設トレーニングジムなどを備えた市営の総合健康増進施設「朝霞市健康増進センター わくわくどーむ」を中心として広げ、後年に公募を経て採用された「わくわく号」という愛称もそれに因んで命名された。開業時の運賃は1区間170円で、2区間以上では190円(いずれも大人運賃)で現金または専用の紙式回数券が使用可能な後払い方式だった。

運行形態と車両の変化[編集]

2代目の車両(西武バス)(A3-950)

朝霞市内循環バスは順調に利用者が増え、その度に路線の経路変更や車両の代替などで様々な手が加えられていく。開業当初に3社で用意された車両は車種がいずれも異なっていたが、全車が2003年(平成15年)頃に代替時期を迎え、経路も路線網の拡大などで朝霞市内を一巡する形となり、運賃も初乗り170円の一般路線バスに準じた多区間制運賃へ変更された。

初代の車両は3社とも2003年(平成15年)10月1日に代替された。2代目の車両は小型ノンステップバス「日野・レインボーHR」が導入された。この車両は環境に配慮したCNG車となり、ここで車種が3社で統一された。導入からちょうど1年後の2004年(平成16年)10月1日に路線再編が行われ、武蔵野線北朝霞駅と宮戸地区を巡回する「宮戸線」、北朝霞駅から内間木地区を結ぶ「内間木線」が追加され、4路線となった。この際に朝霞市内循環バスの愛称が公募の結果「わくわく号」に決まり、前年に導入された2代目専用車には新デザインの専用ラッピングが施された。

わくわく号は2017年(平成29年)10月1日に大規模な路線再編とダイヤ改正が行われた。朝霞市の検討委員会がまとめた「運行見直し方針[8]」によるもので、同時にCNG車の老朽化による車両の代替と車両デザインの変更も行われた。見直しのための調査したところ、乗客の主目的は鉄道駅のアクセスであることと、わくわくどーむの利用者の大半が自家用車での来館(わくわくどーむは200台が収容可能な無料駐車場がある[9])であることから、運行開始当初のわくわくどーむを中心とした路線網を再考するに至った[8]。その結果、膝折・溝沼線および内間木線のわくわくどーむ乗り入れが終了となった[8]。その一方で市民からは増便を求める声も多いことから利用者が低迷している区間に大鉈を振るい、輸送力が逼迫している区間を増便してサービス向上を図る方針が決まった[8]。利便性の低下と利用者減少が続く内間木線については幹線路線と支線路線に分割して幹線を減便させ、それを補う支線路線を新設して社会実験を開始した[8]。その結果、2018年(平成30年)5月16日に経路変更とダイヤ改正を実施した。根岸台線・内間木線(幹線系路線)では同年1月1日に移転・新築したTMGあさか医療センター(旧・朝霞台中央総合病院)への乗り入れを開始し[10]し、内間木線(循環路線)の社会実験では、利用者の低迷を受けて経路変更および減便が実施された(後述)。

2023年7月1日に運賃が改定され、大人180円・小児90円、障害者手帳提示の場合は大人90円・小児50円に変更された[11]

年表[編集]

7月21日 - 「朝霞市内循環バス」として、わくわくどーむ発着および朝霞市役所発着の循環2路線で運行を開始。
2月 - 膝折・溝沼経由を浄水場裏を迂回する経路へ変更する。
10月1日 - 2代目の専用車両(日野・レインボーHRのCNG車)が導入され、初代車両が引退。
10月1日 - 大規模ダイヤ改正によって宮戸線・内間木線が新設されて4路線となる。愛称が公募により「わくわく号」となり、車両に専用ラッピングが施工される。
月日不明 - 多区間運賃から均一運賃(大人150円・小児80円)に変更。
4月1日 - 乗継券(大人50円、小児30円)による乗継制度が開始。
4月1日 - 市内在住の障害者へ無料特別乗車証の交付を開始。
4月1日 - 3種類の障害者手帳割引を開始し、市外在住の障害者に対する半額乗車証の交付を終了。
3月1日 - 朝霞市より循環バスの運行見直し方針が提言され、わくわくどーむへの乗り入れ路線の変更方針が示される。
10月1日 - 路線再編および3代目の専用車両(日野・ポンチョ)が導入される。膝折・溝沼線および内間木線のわくわくどーむ乗り入れが終了し、内間木線は減便と同時に循環系統を新設してワンボックスカー使用による社会実験を開始。
12月1日 - 膝折・溝沼線および根岸台線の車両の登録番号がオリンピックナンバーに変更される。
5月 - 内間木線(幹線系統)に新車を導入し、2代目車両が全車引退する。
5月16日 - ダイヤ改正を実施し、内間木線・根岸台線でTMGあさか医療センターへの乗り入れ開始。
7月1日 - 運賃が大人180円・小児90円に改定される[11]
7月24日 - 膝折・溝沼線、根岸台線、宮戸線にバスロケーションシステムを導入[12]。なお内間木線については、国際興業の一般路線と同様のシステムが以前より稼働している。

現行路線[編集]

「わくわく号」は全路線がJR武蔵野線北朝霞駅を発着するが、隣接する東武東上線朝霞台駅も利用可能である。朝霞駅よりも北朝霞駅へのアクセスを重視しているのは、JR武蔵野線と東武東上線の両方の需要を満たすためである。路線解説における停留所は主要箇所のみ記載し、停留所番号は記載しない。

膝折・溝沼線[編集]

  • 北朝霞駅前 - 産業文化センター入口 - 朝霞厚生病院 - 溝沼老人福祉センター - 幸町一丁目 - 膝折市民センター入口 - 末無川 - 朝霞駅南口 - 朝霞市役所 - 朝霞税務署前 - 市民会館

朝霞市南西部を大回りする循環路線で、北朝霞駅と黒目川沿いの膝折・溝沼地区および朝霞駅を結ぶ。西武バス新座営業所による運行でラインカラーはピンクである。「朝霞市内循環バス」運行開始当初の経路をほぼ踏襲しているが、この路線に限らず他路線においても朝霞駅前の整備工事によって駅前ロータリーへの乗り入れが可能となり、利便性が飛躍的に向上している。以前はわくわくどーむへ乗り入れていたが、前述のように2017年(平成29年)10月1日のダイヤ改正で北朝霞駅前 - 市民会館間の運行に短縮され、北朝霞駅前 - わくわくどーむ間が廃止された。2019年(令和元年)8月19日、「朝霞警察署前」停留所が「幸町三丁目交差点」に改称された[13]。かつて、経路ごとに運行会社が分担されていなかった時代は膝折・溝沼線の北朝霞駅終着便の一部が、北朝霞駅で根岸台線の初発便になっていた。

根岸台線[編集]

  • 朝霞市役所 - 朝霞駅東口 - 根岸台八丁目 - TMGあさか医療センター - 朝霞市斎場 - 産業文化センター入口 - 北朝霞駅前 - 浄水場入口 - 農産物直売所 - わくわくどーむ
  • 朝霞市役所 → 朝霞駅東口 → 根岸台八丁目 → TMGあさか医療センター → 朝霞市斎場 → 産業文化センター入口 → 北朝霞駅前

朝霞駅から朝霞市南東部に位置する根岸台地区を経て北朝霞駅を結ぶ路線で、ラインカラーはブルーである。こちらも運行開始時の経路をほぼ踏襲している。東武バスウエスト新座営業事務所による運行で、早朝1便は北朝霞駅止まりの区間便であるほか、北朝霞駅前 - わくわくどーむ間は宮戸線との並行区間である。2017年(平成29年)10月1日の路線再編で停留所へのナンバリングが開始された際には、北朝霞駅前が起点となるように付番されたために根岸台線では実際の運行方向とナンバリングが逆になっている。2018年(平成30年)5月16日のダイヤ改正で内間木線(幹線)と共にTMGあさか医療センター(旧・朝霞台中央総合病院)への乗り入れを開始した[10]

宮戸線(循環)[編集]

  • 北朝霞駅前 → 北朝霞公民館 → 朝志ヶ丘四丁目 → 宮戸三丁目 → 内間木支所 → わくわくどーむ → 農産物直売所 → 浄水場入口 → 北朝霞駅前
  • 北朝霞駅前 → 浄水場入口 → 農産物直売所 → わくわくどーむ → 内間木支所 → 宮戸三丁目 → 朝志ヶ丘四丁目 → 北朝霞公民館 → 北朝霞駅前

朝霞市北部の宮戸地区を結ぶ循環路線で、ラインカラーはパープルである。従来の一般路線バスが進入できない狭隘路線で、そこからの北朝霞駅および朝霞台駅へのアクセスを担っている。わくわくどーむ - 北朝霞駅前間は根岸台線との並行区間で、東武バスウエスト新座営業事務所が運行を担当する。

内間木線[編集]

  • 朝103:北朝霞駅前 - 産業文化センター入口 - 朝霞市斎場 - TMGあさか医療センター - 花の木 - 内間木公民館前 - 上内間木三在 - 丸沼 - 内間木公園

国際興業バス西浦和営業所が運行を担当しており、ラインカラーはグリーンである。公式ホームページでは「朝103」の系統番号が付与されているが、実際の運行車両には表示されない。内間木線の開業当初は朝霞市北東部の内間木地区を循環運行する路線だったが、大回り経路のために距離が長く、駅への速達性が損なわれていたことと1~2時間に1便という本数の少なさにより利便性が高いとは言えなかった[8]。内間木公園は、国際興業バス「内間木」と同じ位置にあり、折り返し設備を共用している。以前は「湯~ぐうじょう」という名称だったが「内間木」に変更された[14]。内間木公園には市営の温浴施設「朝霞市憩いの湯 湯~ぐうじょう」が存在したが2006年(平成18年)4月に営業休止となり[15]、2013年(平成25年)に閉鎖された[16]。施設閉鎖後も停留所名称は長らくそのままだったが、実態に合わせて変更された。

2017年(平成29年)10月1日の路線再編によって上記の幹線系統および内間木公園を発着する循環路線(支線系統)に分割され、幹線系統はわくわくどーむへの乗り入れを終了し、循環路線については8人乗りのワンボックスカーによる無料運行の社会実験として暫定的に運行が開始された[17][18]。車両は無料運行のために自家用登録の白ナンバーで銀色一色の車両に「市内循環バス内間木線 循環系路線」の文字と「ぽぽたん」のイラストが描かれ、内間木線のラインカラーであるグリーンのステッカーを付けて運行していた[19]。この社会実験では幹線系統の北朝霞駅 - 内間木公園間において一般路線バス用の車両1台で1時間に2便の便数を確保して約15分で結び、循環の支線路線では幹線系統を補完するものとしてワンボックスカー1台で高頻度の便数を確保し、起終点とした内間木公園を接続点として北朝霞駅へのアクセスを確保する「二段構え」の役割分担が図られた[8][17][18]2018年(平成30年)5月16日のダイヤ改正では根岸台線と共にTMGあさか医療センター(旧・朝霞台中央総合病院)への乗り入れを開始した[10]が、同時に支線系統は利用者の低迷を受けて経路変更と減便が行われた。

支線系統はその後、同年6月16日に地元説明会を行い、このまま利用者の低迷が続けば社会実験を期限を待たずに中止せざるを得ないことに町内会役員らが合意し、同年8月に社会実験の継続可否を審議することとした。その結果、利用者回復が見込めないとして9月をもって社会実験を終了することが決定された。路線開設によって内間木公園停留所にパークアンドバスライドの試みとして設置された交通結節点[17][18]としての無料駐車場・駐輪場の利用は、朝霞市の土地活用方針が決定するまで暫定的に継続し、内間木地区を含む公共交通空白地区の改善は2019年度以降に改めて行い、持続可能な市内循環バスへの見直しを検討することとした[17][18]

廃止・休止路線[編集]

  • わくわくどーむ - 宮戸交番前 - 北朝霞駅 - 溝沼三丁目 - 末無川 - 朝霞市役所 - 朝霞駅北口 - 根岸台八丁目 - 北朝霞駅 - 宮戸交番前 - わくわくどーむ
  • 朝霞市役所 - 朝霞駅北口 - 根岸台八丁目 - 北朝霞駅 - 宮戸交番前 - わくわくどーむ - 宮戸交番前 - 北朝霞駅 - 溝沼三丁目 - 末無川 - 朝霞市役所
上記2路線は運行開始当初に設定された循環路線で、ダイヤ改正を経て経路変更が実施された。
  • 膝折・溝沼線:朝霞市役所 - 市民会館 - 朝霞税務署前 - 朝霞駅南口 - 第四中学校入口 - 朝霞警察署 - 末無川 - 溝沼三丁目 - 産業文化センター入口 - 北朝霞駅前 - 浄水場入口 - わくわくどーむ
  • 膝折・溝沼線:朝霞市役所 - 市民会館 - 朝霞税務署前 - 朝霞駅南口 - 第四中学校入口 - 朝霞警察署 - 末無川 - 溝沼三丁目 - 産業文化センター入口 - 北朝霞駅前
2017年(平成29年)10月1日のダイヤ改正で北朝霞駅前 - わくわくどーむ間が廃止された。
  • 根岸台線:朝霞市役所 - 朝霞駅東口 - 根岸台八丁目 - 産業文化センター入口 - 北朝霞駅前 - 浄水場入口 - わくわくどーむ
  • 根岸台線:北朝霞駅前 → 産業文化センター入口 → 根岸台八丁目 → 朝霞駅東口 → 朝霞市役所
  • 宮戸線:北朝霞駅前 → 朝志ヶ丘四丁目 → 宮戸三丁目 → わくわくどーむ → 浄水場入口 → 北朝霞駅前
  • 宮戸線:北朝霞駅前 → 浄水場入口 → わくわくどーむ → 宮戸三丁目 → 朝志ヶ丘四丁目 → 北朝霞駅前
  • 内間木線:北朝霞駅前 - 浄水場入口 - わくわくどーむ - 博物館前 - 新盛橋 - 上内間木 - 丸沼 - 内間木公園
  • 内間木線:内間木公園 → 丸沼 → 釜口 → 障害者ふれあいセンター入口 → 中通 → 内間木公園(社会実験)
  • 内間木線:内間木公園 → 中通 → 障害者ふれあいセンター入口 → 釜口 → 丸沼 → 内間木公園(社会実験)
2017年(平成29年)10月1日のダイヤ改正で内間木線が分割され、わくわくどーむへの乗り入れを終了し、内間木公園発着の循環路線を支線として無料運行の社会実験を行った。利用者低迷によって2018年(平成30年)9月に実験を終了した。

利用方法[編集]

「わくわく号」の運賃および利用方法の詳細は、朝霞市公式ホームページ「朝霞市内循環バスの運賃・利用方法」を参照されたい。

  • 運賃は大人180円・小児90円の均一運賃で、未就学児は無料の前乗り前払い方式。支払いは現金の他、PASMOSuicaなどの交通系ICカード(現金と同額)が利用可能である。
  • 朝霞市役所・北朝霞駅前・わくわくどーむの各停留所で乗継券による「わくわく号」他路線への乗り継ぎサービスを行っている。2017年(平成29年)10月1日より乗継券は無料となった。

障害者割引[編集]

「わくわく号」では2011年(平成23年)4月から、朝霞市内在住の障害者手帳所持者向けに特別乗車証を発行している。これを提示して乗車した場合は運賃が無料となる。

市内在住者
  1. 身体障害者手帳第1種所持者は、特別乗車証と手帳の両方を提示した場合は介助者1名も半額となる。
  2. 精神障害者手帳知的療育手帳の所持者で、特別乗車証に「要介護者」と記載されている場合は介助者1名も半額となる。
市外在住者
  1. 障害者手帳を提示した場合は運賃が半額(ただし小児運賃は端数を切り上げ)となる。現金と交通系ICカードの金額は同額となる。
  2. 乗継券による無料乗り継ぎも利用可能である。
  3. 介助者の取り扱いは、運行を担当するバス会社の一般路線バスに準ずる。

車両[編集]

現行車両[編集]

3代目の車両(西武バス)(A7-114)

2023年(令和5年)現在で使用されている車両は、2017年(平成29年)10月の路線再編時に運行が開始された3代目の車両「日野・ポンチョ」で、日野・レインボーHRCNG車)の老朽化によって導入されたものである。導入に伴いカラーリングも変更され、これまでの3社共通から各社オリジナルのカラーリングへ再度変更された。西武バスはライトピンク、東武バスはライトブルーとパープルのグラデーションで、国際興業バスはライトグリーンが採用された。これによって各社の担当路線のラインカラーと車両の色を一致させている。

ラッピングのデザインは朝霞市内を流れる黒目川と朝霞市の花である「ツツジ」、朝霞市の木である「ケヤキ」[20]をあしらったもので、2017年(平成29年)3月15日に誕生した朝霞市の公式キャラクター「ぽぽたん[21]」が全車両にラッピングされている[22]。「ぽぽたん」は黒目川の辺に咲くタンポポの妖精という設定で、キャラクターの名称は全国公募によって決定された[22]。これによって、西武バスは膝折・溝沼線用の2台に「ぽぽたん」とツツジの花びら、東武バスは根岸台線および宮戸線の3台に「ぽぽたん」と黒目川、国際興業バスは内間木線の1台に「ぽぽたん」とケヤキの葉をデザインした車両で運行している[21][23]

このデザインは東洋大学朝霞キャンパスライフデザイン学部の学生へ依頼し、朝霞市の選定委員会によって決定したもので、同学部人間環境デザイン学科4年生の女子大学生の作品が採用された[21]。しかし、国際興業バスでは2017年(平成29年)の路線再編に合わせての新車導入が間に合わず、2018年(平成30年)5月に新型車両(778号車)が導入されるまでの間は2代目車両の日野・レインボーHR(726号車)の上からライトグリーンの新塗装ラッピングを施して運行していた。この726号車は川口市コミュニティバス「みんななかまバス」で使用していた車両で、CNG車では無かったために最後まで残り、除籍後は秋北バスへ移籍している。

オリンピックナンバープレート[編集]

2017年(平成29年)12月より新型車両のナンバープレートが、2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートに交換され、全車が希望ナンバーで「20-20」を取得している[23]。これは、朝霞市内の陸上自衛隊朝霞訓練場オリンピックの射撃競技会場となったため[23]2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技会場も参照)で、新型車両全6台に特別仕様ナンバープレートが採用され、すでに新型車両を導入済みの膝折・溝沼線(西武バス)2台、根岸台線・宮戸線(東武バス)3台は、同年12月にナンバープレートが交換された。内間木線(国際興業バス)では、2018年5月に代替を予定していた新型車両1台も特別仕様ナンバープレートで導入された[23]

過去の車両[編集]

2代目車両のCNG車(国際興業バス)(736)
膝折・溝沼線を代走する西武バスのリエッセ (A1-725)
初代

1994年(平成6年)7月の運行開始時より使用された初代車両で、各社とも1台ずつが専用車両として導入された。3社とも朝霞市内循環バス専用塗装で「わくわく号」の愛称が付く以前の初代カラーである白地に淡いピンクとグリーンの斜めストライプと、朝霞市の市章[20]にも採用されている羽ばたく飛鳥の絵が描かれていた。ただし、前後2扉のマイクロバスが使用され、3社で車種は統一されていなかった。

2代目

2003年(平成15年)10月1日より使用された2代目専用車で、初代が2003年の自動車排出ガス規制に適合しなくなるため、代替された。この車両から車種が統一された。

導入車両は全車とも朝霞市が購入して保有し、各事業者の営業所に配置された。レインボーHRの7m車のCNG改造車は全国的にも珍しく、当初は注目された。2代目車両も当初は初代カラーで導入され、わくわく号ラッピングに変更されるまでの1年間は初代カラーをまとっていた。2004年(平成16年)10月1日の路線再編によって愛称「わくわく号」が公募により決定し、車両デザインも専用のラッピングが施工された。前面に大きく「わくわく号」の文字が入り、朝霞市の花ツツジ[20]と、市内を流れる黒目川の魚を描いたピンクとブルーの印象的なデザインとなった。同時に停留所のデザインも変更され、新デザインの「わくわく号」車両が描かれたものとなった。

専用車の故障や検査時には、各事業者の一般路線カラーの小型車(日野・リエッセ)が代走することもあったが、この場合は車体に「わくわく号」のマグネットを付けて運用していた。代走車としては、西武バスでは日産ディーゼル・スペースランナーRM、国際興業バスではいすゞ・エルガミオなどの中型車が使用されることもあった。

脚注[編集]

  1. ^ a b バスジャパンハンドブックシリーズ S89 東武バス 東野バス』BJエディターズ、2015年9月1日、46頁。 
  2. ^ 東武鉄道社史編纂室編『東武鉄道百年史 沿線とともに歩んだ百年』東武鉄道、1998年(平成10年)9月。
  3. ^ バスジャパンハンドブックシリーズ 33 国際興業 山梨交通』BJエディターズ、2001年4月1日。ISBN 4-7952-7798-2 
  4. ^ 『バスジャパンハンドブックシリーズ R70 国際興業 山梨交通』BJエディターズ、2010年6月1日。ISBN 978-4-434-14587-2 
  5. ^ 『バスジャパンハンドブックシリーズ R52 東武バス』BJエディターズ、2004年4月1日。ISBN 4-434-04072-3 
  6. ^ 『バスジャパンハンドブックシリーズ S89 東武バス 東野バス』BJエディターズ、2015年9月1日。ISBN 978-4-434-20266-7 
  7. ^ 朝霞市議会会議録検索システム 平成6年9月定例会”. ssp.kaigiroku.net. 2023年6月28日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g 朝霞市内循環バス「わくわく号」の運行見直し方針 次世代にわたり市民の暮らしを支えるコミュニティバスを目指して (PDF) 2015年(平成27年)3月、朝霞市内循環バス検討委員会、朝霞市公式サイト
  9. ^ わくわくどーむ(健康増進センター)施設案内 朝霞市公式サイト
  10. ^ a b c 朝霞市循環バス『わくわく号』の乗り入れを開始しました 医療法人社団武蔵野会 TMGあさか医療センター公式サイト「病院からのお知らせ」2018年5月16日、2019年5月29日閲覧。
  11. ^ a b 市内循環バスの運賃を改定します”. 朝霞市. 2023年7月1日閲覧。
  12. ^ 市内循環バスにバスロケーションシステムを導入しました!”. 朝霞市. 2023年7月24日閲覧。
  13. ^ 8月19日 新座営業所管内 停留所名称変更のお知らせ”. 西武バス (2019年8月10日). 2019年8月10日閲覧。
  14. ^ 10/1 戸田市・さいたま市・朝霞市内 停留所名称変更 2015年9月25日、国際興業バス公式サイト、2018年6月24日閲覧。
  15. ^ 平成22年度 市への意見・要望 集計報告書 朝霞市公式サイト
  16. ^ 朝霞市都市計画マスタープラン 第3章 地域別構想 朝霞市公式サイト
  17. ^ a b c d 平成30年度第3回市内循環バス検討委員会「社会実験継続の判断基準の検討」会議資料” (PDF). 朝霞市 (2018年5月28日). 2019年5月29日閲覧。
  18. ^ a b c d 平成30年度第4回市内循環バス検討委員会「内間木線社会実験継続の判断について」 会議資料” (PDF) (2018年8月9日). 2019年5月29日閲覧。
  19. ^ 朝霞市内循環バスの運賃・利用方法”. 朝霞市. 2019年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月29日閲覧。
  20. ^ a b c 市章・市の木・市の花 朝霞市公式サイト
  21. ^ a b c 朝霞市内循環バスがデザインを一新! ぽぽたんのわくわく号に。 地域情報サイト「まいぷれ」朝霞・志木・新座・和光版 2017年9月30日、2019年5月29日閲覧。
  22. ^ a b 朝霞市キャラクター「ぽぽたん」 朝霞市公式サイト 朝霞市シティプロモーション「朝霞市の魅力」2019年5月29日閲覧。
  23. ^ a b c d 「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」を付けた市内循環バスが運行しています 朝霞市公式サイト、2017年12月14日、2019年5月29日閲覧。

参考文献[編集]

  • バスジャパンハンドブックシリーズ 33 国際興業 山梨交通』BJエディターズ、2001年4月1日。ISBN 4-7952-7798-2 
  • 『バスジャパンハンドブックシリーズ R70 国際興業 山梨交通』BJエディターズ、2010年6月1日。ISBN 978-4-434-14587-2 
  • 『バスジャパンハンドブックシリーズ R51 西武バス』BJエディターズ、2004年1月1日。ISBN 4-434-04071-5 
  • 『バスジャパンハンドブックシリーズ S83 西武バス』BJエディターズ、2014年2月1日。ISBN 978-4-434-18845-9 
  • 『バスジャパンハンドブックシリーズ R52 東武バス』BJエディターズ、2004年4月1日。ISBN 4-434-04072-3 
  • 『バスジャパンハンドブックシリーズ S89 東武バス 東野バス』BJエディターズ、2015年9月1日。ISBN 978-4-434-20266-7 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]