暗黒の神話

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暗黒の神話
キッススタジオ・アルバム
リリース 1982年10月13日
録音 1982年7月9月
ジャンル ハードロックヘヴィメタル
時間 38:47
レーベル カサブランカ
プロデュース マイケル・ジェイムス・ジャクソンポール・スタンレージーン・シモンズ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 22位(イギリス[1]、スウェーデン[2]
  • 31位(ノルウェー[3]
  • 34位(オランダ[4]
  • 39位(日本[5]
  • 42位(ドイツ[6]
  • 45位(アメリカ[7]
キッス 年表
キッス・キラーズ
(1982)
暗黒の神話
(1982)
地獄の回想
(1983)
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暗黒の神話』(Creatures of the Night)は1982年キッスが発表した10枚目のオリジナル・スタジオ・アルバムである(メンバー4人のソロ作品、および『キッス・キラーズ』を除く)。

概要[編集]

バブルガム・ポップとも言える『仮面の正体(Unmasked)』(1980年)や、キッス初のコンセプト・アルバム『〜エルダー〜 魔界大決戦(Music from "The Elder")』(1981年)のセールス不振、相次ぐオリジナル・メンバーの脱退などから迷走状態に陥っていたキッスが大胆なヘヴィメタル路線に方向転換してリリースした作品。
1982年にアメリカ以外でリリースされた変則ベスト盤『キッス・キラーズ(Kiss Killers)』(新曲と既発曲の混成アルバム)で、新曲部分のプロデュースを手がけたマイケル・ジェイムス・ジャクソンをプロデューサーに迎え、ジーン・シモンズポール・スタンレーとの共同プロデュースという形で制作された。
発表当初は、陰鬱な楽曲群と耳を突ん裂かんばかりの轟音に評価は分かれ、チャートアクションも最高45位と決して大ヒットとは言えなかった。しかし、次作『地獄の回想(Lick It Up)』での「メーク落とし」で復活し、80年代のヘヴィメタル路線が結果的に大成功を収めたこと、タイトル・ナンバーのほか「勇士の叫び(I Love It Loud)」、「ウォー・マシーン(War Machine)」等、その後の重要なステージ・レパートリーとなる曲を収録していたこともあり、現在では一定の評価を下されている。

オリジナル・メンバーのエース・フレーリーは事実上グループを脱退しており、本作のレコーディングには参加していない。エースの不在を埋めるべく外部ミュージシャンを積極的に起用し、後に正式メンバーとなるヴィニー・ヴィンセントアライヴ2のレコーディングにも参加経験のあるボブ・キューリックらがギターで参加している(エースは、契約上この後もしばらくPVやテレビ番組には出演)。エース脱退の副産物として、キッス史上はじめてジーン、ポールの2人だけでリード・ヴォーカルを担当した作品となった(従来はエース、ピーターのいずれか、もしくは両方の歌う曲が必ず1曲は収められていた)。
バンドは本作から「勇士の叫び(I Love It Loud)」のPVを制作、MTVでも放映された。エリック・カーの巨大戦車型ドラム台を設置し、パイロの炎などキッスのステージの醍醐味を満載したこのPVには、レコーディングには参加していないエースも出演している(4小節のギターソロ部分はポールが演じた)。

本作は1994年5月9日、発表から実に12年近くの歳月を経てゴールドディスクを獲得。
最初にCD化された際のアルバム・カヴァーには、ブルース・キューリック在籍時の素顔のグループ・ショットが使われ、曲順も一部入れ替えられたが、リマスター再発にあたってオリジナルどおりに戻された(ただし、日本盤のタイトルは『暗黒の神話』から『クリーチャーズ・オブ・ザ・ナイト』に変更された)。

この当時のキッスはアメリカ本国や日本での人気が低迷していた一方、オーストラリアヨーロッパブラジルでは大人気を博しており、本作発売に伴うツアーのリオ公演では、約13万人というキッス史上最大の観客動員数を記録した。この様子は部分的にTVでも放送され、DVD「KISSOLOGY」の2巻にも収録されている。ツアーにおけるエースの後任にはヴィニー・ヴィンセントが起用され、アンクを模したメークアップを施し、古代エジプトの戦士というキャラクターでステージを務めた。

収録曲[編集]

  1. 真夜中の使者 - Creatures of the Night [4:01] ★ 作詞/作曲:ポール・スタンレー、アダム・ミッチェル
    • 80~90年代のライブでは「デトロイト・ロック・シティ」に代わって1曲目に演奏されていた。1996年のオリジナルメンバー再結成及び、メイク復活後はライブで演奏されなくなったが、2004年のツアーに2回のみ演奏された。
  2. セイント・アンド・シナー - Saint and Sinner [4:50] ▼ 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、マイケル・ジャップ
  3. キープ・ミー・カミン - Keep Me Comin [4:00] ★ 作詞/作曲:ポール・スタンレー、アダム・ミッチェル
    • 本作発売に伴うツアーの、ごく一部の公演でのみ演奏された。
  4. 地獄のロックンロール - Rock and Roll Hell [4:08] ▼ 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、ブライアン・アダムス、ジム・ヴァランス
    • 本作発売に伴うツアーの、ごく一部の公演でのみ演奏された。
  5. デインジャー - Danger [3:55] ★ 作詞/作曲:ポール・スタンレー、アダム・ミッチェル
  6. 勇士の叫び - I Love It Loud [4:12] ▼ 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、ヴィンセント・キュサーノ(後のヴィニー・ヴィンセント)
    • 全日本プロレスの「殺人魚雷コンビ」のテーマ曲に使用された。現在でもライブで演奏されている人気曲でもあり、2008年に「地獄烈伝」で再録された。
  7. 遥かなる誓い - I Still Love You [6:06] ★ 作詞/作曲:ポール・スタンレー、ヴィンセント・キュサーノ
    • 90年代前半まで演奏されていた他、1989年と2007年のポールのソロツアーでも演奏していた。
  8. キラー - Killer [3:19] ▼ 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、ヴィンセント・キュサーノ
  9. ウォー・マシーン - War Machine [4:57] ▼ 作詞/作曲:ジーン・シモンズ、ブライアン・アダムス、ジム・ヴァランス
    • ライブではドラム・ソロからの流れで演奏されていた。2004年のツアーでは、ジーンの火吹きのテーマ曲である「ファイヤーハウス」に代わって演奏された。

★・・・Lead Vo.:ポール・スタンレー、▼・・・Lead Vo.:ジーン・シモンズ

メンバー以外のレコーディング参加ミュージシャン[編集]

  • ヴィンセント・キュサーノ(後のヴィニー・ヴィンセント) – Lead G.(「セイント・アンド・シナー」,「キープ・ミー・カミン」,「勇士の叫び」,「キラー」,「ウォー・マシーン」)、Backing Vo.
  • ボブ・キューリック – Lead G.(「デインジャー」)
  • ロベン・フォード – Lead G.(「地獄のロックンロール」,「遥かなる誓い」)
  • スティーヴ・ファリス – Lead G.(「真夜中の使者」)
  • ジミー・ハスリップB.(「デインジャー」)

脚注[編集]

  1. ^ KISS | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
  2. ^ swedishcharts.com - KISS - Creatures Of The Night
  3. ^ norwegiancharts.com - KISS - Creatures Of The Night
  4. ^ dutchcharts.nl - KISS - Creatures Of The Night
  5. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.122
  6. ^ charts.de
  7. ^ Creatures of the Night - Kiss : Awards : AllMusic