普遍包絡代数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

普遍包絡代数(ふへんほうらくだいすう、: universal enveloping algebra, : algèbre enveloppante)あるいは(普遍展開代数とは、任意のリー代数 から構成される、ある性質を満たす単位的結合代数 と準同型写像 の組 のことをいう。

定義[編集]

を任意のリー代数とする。このとき以下の普遍性質を満たす結合代数 A とリー代数の準同型写像 の組 が存在する(A は交換子積によってリー代数とみる)。任意の結合代数 とリー代数準同型写像 に対し、結合代数の準同型写像 で、 を満たすものが唯一つ存在する。このような は同型を除いて一意的に存在し、普遍包絡代数といい、A で表す:

構成[編集]

リー代数 をそのベクトル空間としてのテンソル代数とする。また、 が生成する両側イデアルとする。これによって

とする。自然な写像 に制限して が定まり、 は普遍包絡代数になる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • Humphreys, James E. (1972). Introduction to Lie Algebras and Representation Theory. Graduate Texts in Mathematics. 9. Springer-Verlag. ISBN 978-0-387-90053-7 

外部リンク[編集]