昼間特割きっぷ

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昼間特割きっぷ

昼間特割きっぷ(ひるまとくわりきっぷ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が発売している特別企画乗車券(トクトクきっぷ)である。「昼特」(ひるとく)または「昼特きっぷ」などと通称される。

概要[編集]

普通運賃と比較して割引率が高く設定された回数券タイプのトクトクきっぷで、12枚(12回/人の利用が可能)を一組として販売される。JRでは珍しい利用可能時間が限られた「時差回数券」である。大人用のみの設定で小児用の設定は無いが、1券片につき小児2名の乗車が可能である。

普通乗車券(普通運賃)と本きっぷ1枚当たりの価格とを比較した場合、大阪北新地 - 北伊丹間は普通運賃320円、昼間特割きっぷ160円/枚で50%、京都 - 大阪間は普通運賃560円、昼間特割きっぷ約317円/枚で約43%の割引などとなっている。

払い戻しは、全券片が未使用かつ有効期限内に限り可能だが、手数料220円が必要となる。1枚でも使用すると払い戻しできない。

設定区間と発売額[編集]

以下の路線において、複数の区間のものが設定されている。同区間の新幹線には乗車できない。※設定の詳細は、JRのウェブサイトなどを参照。

発売は設定区間の発着駅に限られており、他駅を発着する区間のきっぷは発売していない。また、旅行会社など駅以外の箇所では一切発売していない。大部分の区間は単駅の発着として設定されているが、以下のような例外がある。

  • 尼崎以遠(立花塚口方面) - 大阪または北新地間のきっぷについては、大阪・北新地のどちらの駅でも乗り降り可能である。
  • 三ノ宮と元町はひとまとめにされており、「大阪⇔三ノ宮・元町」のような区間として設定されている。

発売の経緯と利用実態[編集]

元々私鉄との競争において大きく水を開けられていた日本国有鉄道(国鉄)大阪鉄道管理局が、1983年(昭和58年)に打ち出した対抗策であり、JR西日本にも継承された。例えば、大阪(梅田) - 三ノ宮(三宮)間の運賃を比較した場合、2014年時点ではJRの通常片道運賃が410円、阪急電鉄阪神電気鉄道の通常片道運賃が320円と差があるが、この乗車券では1枚あたりの値段が約248円と大幅に安くなる。そのため、私鉄各社も時差回数券や土休日回数券などを発売しており(土曜・休日は私鉄各社の土・休日回数券などの方が割引率が高い場合がある)、関西圏におけるJRと私鉄との競争の例の一つとなっている。

上記のように通常片道運賃(普通乗車券)との金額差が大きいほか、利用する区間によっては昼間特割きっぷを2枚併用してもなお金額差が生じることから、12枚つづりより少ない需要も多くあり、主要駅の周辺などにある金券ショップの店頭ないし自動販売機においては1枚(または複数枚)ずつのバラ売りがなされている[1]ほか、前述のように普通乗車券や回数券などと組み合わせて利用することも可能であることから、昼間特割きっぷの発売区間外への利用の際に発売区間外の回数券をばら売りしたものとあわせて販売する実態もある。なお、駅前など立地条件の良い店舗では、時間帯によっては昼間特割きっぷを求める客で行列ができる光景も見られるとされる[2]。また、金券を販売する自動販売機の設置台数の6割以上が関西(滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県)に集中しており、昼間特割きっぷは、それら自動販売機の主力商品になっていると報道されている[3]

利用方法[編集]

在来線の普通・快速・新快速などに利用できる。また、別途料金券(特急券グリーン券など)を購入すれば特急列車なども利用可能である。ただし、新幹線は乗車できない(普通回数券の場合は、新幹線の利用も可能である)。

平日は、午前10時から午後5時の間に利用開始(改札を通過)する場合に限り有効である。上記の時間帯に入場すれば当日中(終電まで)有効となる。なお、平日以外については終日利用が可能である。

乗車区間の変更はできないため、券面区間外に乗り越したときは当該区間の運賃が必要となるほか、途中駅で下車すると前途は無効となる。なお、事前に乗り越し区間(昼間特割きっぷを使用する区間以外)の乗車券を所持している場合は着駅の自動改札機で同時に投入することも可能(2枚または3枚まで)であるほか、複数の昼間特割きっぷや他のトクトクきっぷとの併用も可能である。また、ICOCAとの併用も可能となっており、入場時にICOCAを使用し、降車駅の自動精算機で昼間特割きっぷを使った精算をすることができる。

脚注[編集]

  1. ^ 昼特きっぷ、駅前に自販機次々 阪神間のJR”. 朝日新聞 (2010年12月25日). 2011年1月8日閲覧。
  2. ^ 9.格安切符のからくりは? 運賃体系の“盲点”など駆使”. 神戸新聞 (2005年7月12日). 2005年10月30日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年1月8日閲覧。
  3. ^ 390円が250円 格安切符の自販機、関西になぜ多い”. 日本経済新聞 (2014年2月23日). 2014年6月13日閲覧。
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外部リンク[編集]