学校法人明星学園

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明星学園小学校・中学校・高等学校
明星学園高等学校
地図北緯35度41分41.6秒 東経139度34分37.7秒 / 北緯35.694889度 東経139.577139度 / 35.694889; 139.577139座標: 北緯35度41分41.6秒 東経139度34分37.7秒 / 北緯35.694889度 東経139.577139度 / 35.694889; 139.577139
過去の名称 明星学園中学校(旧制)・明星学園高等女学校
国公私立の別 私立学校
設置者 学校法人明星学園
理念 個性尊重、自主自立、自由平等
設立年月日 1924年(大正13年)5月15日
創立者 赤井米吉・照井猪一郎・照井げん・山本徳行
共学・別学 男女共学
小中高一貫教育 併設型(外部混合有)
課程 全日制課程
設置学科 普通科
学期 3学期制
学校コード

B113320400017 ウィキデータを編集(小学校)
C113320400024 ウィキデータを編集(中学校)

D113320400031 ウィキデータを編集(高等学校)
高校コード 13737F
所在地 181-0001
東京都三鷹市井の頭5-7-7(事務局)
外部リンク 公式サイト
ウィキポータル 教育
ウィキプロジェクト 学校
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学校法人明星学園(がっこうほうじんみょうじょうがくえん)は、東京都三鷹市井の頭にある学校法人

概要[編集]

明星学園は、東京都三鷹市にある私立の学校法人であり、小学校、中学校、高等学校を擁する。教育理念は、「自主自立、自由平等、個性尊重」。

1924年大正デモクラシーの中で生まれた大正自由教育運動を色濃く反映する形で、成城学校に付設された小学校に籍を置いていた赤井米吉照井猪一郎照井げん山本徳行の4人が創立同人となり、赤井と同じ石川県出身の実業家である茶郷基などによる支援を得て創立。その後の学園内の整備や上級学校(旧制中学校、旧制高等女学校)の設立は、当時の父母達による働きで実現したとされている。

明星学園という校名は、創立同人の一人が、学校建設予定地を見に行った帰り道において、井の頭公園の森からふと見上げた空に輝く星の美しさに感動し、その時胸に浮かんだ「明星」の言葉に由来する。また、明星のマーク(校章)は、外側の円形が宇宙を表し、図案化した「明」の崩し文字と金色に輝く金星(明星)を配置したものである。

現在の校地は、井の頭牟礼に所在する二つのキャンパスにより構成される。井の頭キャンパスには法人事務局と明星学園小学校ならびに明星学園中学校、牟礼キャンパスには明星学園高等学校が置かれる。

なお、学校法人明星学苑(東京都日野市府中市)、学校法人明星学園 (埼玉県)明星中学校・高等学校 (大阪府)や隣接する明星台幼稚園とは別法人である。

明星学園小学校・中学校(井の頭キャンパス)エントランス
明星学園小学校・中学校(井の頭キャンパス)

沿革[編集]

キャンパス・アクセス[編集]

明星学園は、2キャンパス3校で構成されている。井の頭キャンパスは、創立100周年記念事業の一環として、2030年度までに中学校校舎ならびに管理棟の改築再編が予定されている[1]

井の頭キャンパス[編集]

牟礼キャンパス[編集]

カリキュラム・特色 [編集]

  • 一貫して自由教育に取り組む[2]
  • 教育理念を自主自立・自由平等・個性尊重とし、厳格な校則と制服を定めない(安全のため体育館シューズのみ指定)。
  • 独自に編製された教科書やノートを多用し、小学校と中学校では検定教科書を使用することは稀である。
  • 想像力、創造力、表現力の育成に力を入れ、体験学習や芸術分野、体育分野の教育が盛んである。
  • アメリカ合衆国の学制と同じく、中学1年生を7年生、高等学校1年生を10年生などと呼ぶ。
  • 中学校では、思考力、発想力の育成を目標とする。全科目で探求を重んじ、「総合探求」(図書館と情報、探求実践、卒業研究)、「哲学対話」といった独自の科目もある。そして、公式の暗記よりも本質理解を目指す。また、9年生では二年間を通して自分が気になったことや疑問に思ったことを研究し論文を作成する、「卒業研究」の授業がある。過去には、「みかんを食べ続けると手が黄色くなるのはなぜか」や、「スキー場やリフトが廃止されることが社会に与える影響」などの個性あふれる発表があった。
  • 特に小中学校の教師陣は独特で、個性あふれる教師が物事の本質を理解するための授業をそれぞれ展開している。
  • 高等学校では、自主性を重んじる。10年生の必修科目または必修選択科目中心の授業から発展し、進級するに従い選択科目の比率が増加する。11年生では、文系、理系、実技系(体育、音楽、美術、家政)のコースを選択し、12年生では約7割が選択科目となる。
  • 高等学校のクラスは習熟度別、あるいは少人数にわかれ、また学年を問わないノングレード授業、複数の教員で行うティームティーチングディベートを基本としたゼミ形式など、生徒それぞれの個性や意向に合わせて時間割を組み合わせる。
  • 成城大学との間において高大連携協定を締結しており、高校生徒に限らず中学生徒も対象となるものがある[3]
  • 卒業後は芸術やスポーツの道に進むものも多く、シンガーソングライターの幾田りらや、歌舞伎役者の中村獅童、女優の宮崎あおいなどが通っていた。近年は女子バスケットボール部の活躍も有名となり、オリンピック選手のオコエ桃仁花や、本橋菜子が卒業生である。
  • 研究者や芸術家などの子弟も多いことから、保護者を中心に「卒業研究ボランティア」が組織されている。
  • 卒業生の同窓会では、卒業回数(○回生)を用いる[4]。これは、大学等において学年を表すものとは概念が異なり、自分の生まれ年(西暦)から14を引くと、その下2桁が卒業回となる。ただし、1月1日〜4月1日生まれは15を引く。
明星学園における卒業回数(100回生の例)
卒業回数誕生年度小学校入学小学校卒業中学校入学中学校卒業高等学校入学高等学校卒業
100回生2014年度2021年4月2027年3月2027年4月2030年3月2030年4月2033年3月

クラブ・部活動[編集]

東京オリンピック出場選手を輩出した女子バスケットボール部をはじめとした運動部のほか、和太鼓部やファッション部などオリジナリティのある活動も広く知られる。また、下記以外にも生徒が自主的に活動する同好会がある。

  • 小学校:体操クラブ、ラケットクラブ、野球クラブ、サッカークラブ、ダンスクラブ、ドラマクラブ、図書クラブ、音楽クラブ、ドリカムクラブ、日本の芸能クラブ、剣道同好会、ものつくり同好会、虫同好会など
  • 中学校:バスケットボール部、バドミントン部、野球部、サッカー部、美術部、漫画研究部、書道部、木工部(ウクレレ)、囲碁将棋部、演劇部、山歩き部、合唱部、国際交流部・ディベート部
  • 中高合同:陸上部、弓道部、卓球部、器械体操部、和太鼓部、アンサンブル部、鉄道研究部
  • 高等学校:野球部、女子バスケットボール部、男子バスケットボール部、男子サッカー部、バドミントン部、剣道部、ハンドボール部、女子バレーボール部、美術部、音楽部、理科部、ファッション部、写真部、ダンス部、サンバ部、演劇部、国際交流部、料理研究部、漫画イラスト部

校歌[編集]

  • 1934年、明星学園行進歌として、運動会の後の式で初めて歌われた。作詞は、当時の父兄であった北原白秋。作曲は、細谷一郎。

PTAほか学校を支える団体[編集]

  • 創立以来、保護者による学校への関わりは積極的である。戦前は父兄会、母の会などの活動があった。1949年、PTAとして改めて設立。厚生通学安全対策部、広報編集部、文化部、公費助成推進部を置いていたが、2009年度のPTA改革の際に、これら専門部としての活動は終了した。現在は、学級代表、バザー委員、選挙管理委員などのほか各種ボランティア、サークル活動がある。
  • 「明星会」は、1935年に設立された卒業生による会。
  • 「後援会」(旧「ささえる会」)は、2017年に発足した明星学園に関心のある後援者の会。
  • 「明星学園村(明星村)」は、千葉県南房総市にある学園が管理する別荘地。卒業生や家族などの自主運営により受け継がれている。

著名な出身者[編集]

脚注及び参照[編集]

  1. ^ 明星学園100周年記念ページ、『創立100周年記念事業 募金趣意書』
  2. ^ 当校教諭であった無着成恭(1983年退職)・須田清内藤哲彦安野光雅(美術教師)らが、言語学研究会および教育科学研究会・国語部会と連携しながら、科学的・体系的な日本語指導(言語教育)のための教科書『にっぽんご』シリーズを「明星学園・国語部著」の名で刊行して国語教育や日本語教育に影響を与えた。『にっぽんご 1・もじのほん』、『にっぽんご 2・もじ、はつおん、ぶんぽう』、『にっぽんご 3の上・文法』、『にっぽんご 4の上・文法』、『にっぽんご 7・漢字』をむぎ書房が発行している。
  3. ^ 明星学園は、成城大学との高大連携協定を締結しました - トピックス(高等学校)|明星学園 高等学校 。”. 明星学園. 2023年1月31日閲覧。
  4. ^ 明星学園写真資料1-森の中の創立記念写真(002-04-1)、1924年の小学校創立時に1、2、3年生の計22名が入学した。そのうち、創立時3年生として入学した児童が1回生となった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]