日高賞

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留守杯日高賞
開催国 日本の旗 日本
主催者 岩手県競馬組合
競馬場 水沢競馬場
第1回施行日 2001年4月29日
2024年の情報
距離 ダート1600m
格付け M1
賞金 1着賞金500万円
出走条件 サラブレッド系3歳牝馬オープン・地方競馬全国交流
負担重量 54kg
出典 [1]
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留守杯日高賞(るすはいひだかしょう)は、岩手県競馬組合水沢競馬場で施行する地方競馬重賞競走である。

競走名は毎年4月28 - 29日に行なわれる、絵巻「日高火防祭」の開催を記念し、その祭事を始めたとされる水沢城主「留守家」から。

本記事内では、現在行われている競走とは別に施行していたアラブ系競走馬による重賞競走(1969年 - 1999年)についても触れる。

概要[編集]

日高賞」という名称の競走は、アングロアラブ系4歳(現3歳)馬限定の重賞競走として1969年に創設され、同年に創設された不来方賞とともに、岩手競馬では最古の重賞競走であった。本競走はビクトリーカップ北日本アラブ優駿とともに岩手アラブ三冠を形成していた過去があり、これまでに3頭がこれを達成している。施行距離は概ね1900m前後で定着していたが、アングロアラブ系競走馬の入厩頭数が減少した事により、1999年の第31回を最後に廃止された。

その後、「日高賞」は2001年より新たにサラブレッド系3歳牝馬限定の重賞競走として再び施行されるようになったが、回次は前述のアラブ系競走から引き継がれず、新たに「第1回(留守杯)日高賞」として施行された。2004年には名称を「留守杯日高賞」に変更したほか、この年は東日本・九州地区交流競走としても施行され、北海道・北関東・南関東・九州地区の競走馬が出走可能であった。2005年からは地方競馬全国交流競走として施行されている。2010年からはGRANDAME-JAPAN・3歳シーズンに指定された。2016年、岩手競馬で重賞格付け制度が導入され、M2に格付けされる。2018年にM1に格上げされた。

本競走は2009年から2017年と2019年以後スタリオンシリーズ競走に指定されており、2009年は「アドマイヤボス賞」、2010年および2011年は「ゴールドアリュール賞」、2012年は「タニノギムレット賞」、2013年は「バトルプラン賞」、2014年は「マツリダゴッホ賞」、2015年は「スウェプトオーヴァーボード賞」、2016年と2017年は「シニスターミニスター賞」、2019年と2020年は「ダノンシャーク賞」、2021年は「グレーターロンドン賞」、2022年と2023年は「エイシンフラッシュ賞」として種牡馬の配合権利が副賞となっている。

2020年よりひまわり賞(オークス)OROオータムティアラとともに岩手3歳牝馬三冠競走が確立されることになり、本競走は三冠の第1戦として行われることとなった。

競走条件・賞金(2024年)[編集]

出走条件
サラブレッド系3歳牝馬。地方競馬全国交流。
  • あやめ賞の3着以上の馬に優先出走権がある。
負担重量
54kg。
賞金額
1着500万円、2着175万円、3着100万円、4着65万円、5着35万円で、着外手当は2万5000円[1]
副賞
留守杯、JBC協会賞、奥州市長賞、開催執務委員長賞[1]
HITスタリオンシリーズに指定されており、ビーチパトロールの配合権利が優勝馬馬主へ贈られる。
優先出走権付与
3着以上の馬にはひまわり賞の優先出走権が付与される。

トライアル競走[編集]

水沢で施行される重賞競走(2013年までは特別競走[2])「あやめ賞」がトライアル競走になっており、上位3着馬までに本競走への優先出走権が与えられる。

2008年までは「菜の花賞」がトライアル競走として施行されていた。

歴史[編集]

  • 1969年 - アングロアラブ系4歳(現3歳)馬限定の重賞競走「日高賞」として創設。水沢競馬場のダート1600mで施行。
  • 1981年 - 施行距離を1900mに変更。
  • 1997年 - 施行距離を2000mに変更。
  • 1999年 - アラブ系競走の縮小に伴い廃止。
  • 2001年 - サラブレッド系3歳牝馬限定の重賞競走「日高賞」として、新たに創設。水沢競馬場のダート1600mで施行。
  • 2004年
    • 名称を「留守杯日高賞」に変更。
    • 当年のみ、東日本・九州地区交流競走として施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳牝馬の北海道・岩手・北関東・南関東・九州所属馬」に変更。
  • 2005年 - この年から地方競馬全国交流競走として施行され、出走条件を「サラブレッド系3歳牝馬の地方所属馬」に変更。
  • 2009年 - スタリオンシリーズ競走に指定。
  • 2010年 - GRANDAME-JAPAN・3歳シーズンに指定。
  • 2011年 - 東日本大震災の影響で水沢競馬が中止されたため、施行場を盛岡競馬場に変更して施行。
  • 2012年 - 施行場を水沢競馬場に戻す。
  • 2016年 - 岩手競馬で重賞格付け制度が導入され、M2に格付けされる。
  • 2018年
    • M1に格上げ[3]
    • スタリオンシリーズから外れる。
  • 2019年 - スタリオンシリーズ競走に再度指定。

歴代優勝馬[編集]

コース種別を記載していない距離は、ダートコースを表す。

日高賞(アラブ系)[編集]

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第6回 1974年7月29日 水沢 1420m テツミヤマ 牡4 岩手 1:33.9 平澤芳三 千葉忠一
第7回 1975年12月1日 水沢 1600m タカラサンキ 牡4 岩手 1:46.7 佐藤敏彦 阿部三
第8回 1976年11月7日 水沢 1600m マイテイヤマト 牡4 岩手 1:47.4 平澤芳三 櫻田浩三
第9回 1977年12月4日 水沢 1600m マウタグリン 牡4 岩手 1:43.8 千葉四美 酒井清
第10回 1978年12月3日 水沢 1600m ブルコアニセイー 牡4 岩手 1:48.2 千葉博 熊谷春
第11回 1979年9月16日 水沢 1800m ダテフジキング 牡4 岩手 2:05.7 村上実 千葉博
第12回 1980年9月28日 水沢 1800m ボトムレス 牡4 岩手 2:00.8 佐々木陸男 大和正四郎
第13回 1981年9月27日 水沢 1900m ダイバフジ 牡4 岩手 2:06.8 村上実 千葉博
第14回 1982年9月27日 水沢 1900m マツノテンザン 牡4 岩手 2:09.5 佐々木恒 佐々木豊
第15回 1983年9月23日 水沢 1900m ローゼンガバナー 牡4 岩手 2:09.2 小竹清一 佐々木豊
第16回 1984年9月9日 水沢 1900m テツトテンプー 牡4 岩手 2:04.2 村上昌幸 城地藤男
第17回 1985年9月23日 水沢 1900m ワダリンホー 牡4 岩手 2:05.1 三野宮通 瀬戸幸次
第18回 1986年9月28日 水沢 1900m リユウリユウシユン 牡4 岩手 2:06.7 佐藤浩一 菅原初郎
第19回 1987年11月8日 水沢 1900m リツコウクラウン 牡4 岩手 2:05.1 村上昌幸 櫻田勝男
第20回 1988年11月21日 水沢 1900m テンハクリユウ 牡4 岩手 2:05.1 佐藤浩一 櫻田新一郎
第21回 1989年10月10日 水沢 1900m ナンブプレジデント 牡4 岩手 2:07.2 佐藤雅彦 櫻田勝男
第22回 1990年12月3日 水沢 1900m ナンブシユウホウ 牡4 岩手 2:05.8 佐藤雅彦 櫻田新一郎
第23回 1991年12月9日 水沢 1900m サカモトテット 牡4 岩手 2:04.7 千田知幸 佐々木恒
第24回 1992年12月7日 水沢 1900m サバンナショウリ 牡4 岩手 2:08.8 小林俊彦 小林長命
第25回 1993年12月5日 水沢 1900m エーデーワン 牡4 岩手 2:05.7 小林俊彦 佐々木恒
第26回 1994年12月4日 水沢 1900m サバンナテイオー 牡4 岩手 2:12.1 小林俊彦 小林義明
第27回 1995年12月3日 水沢 1900m ジョセツローゼン 牡4 岩手 2:10.2 菅原勲 佐藤敏彦
第28回 1996年12月22日 水沢 1900m トウホクシルバー 牡4 岩手 2:06.9 小林俊彦 佐々木由則
第29回 1997年12月21日 水沢 2000m タービュレンス 牡4 岩手 2:15.9 佐藤雅彦 櫻田浩三
第30回 1998年11月29日 水沢 2000m ライジングトウザイ 牡4 岩手 2:10.8 菅原勲 城地藤男
第31回 1999年11月28日 水沢 2000m ヒナナマーチ 牡4 岩手 2:10.9 三野宮通 小野寺三男

留守杯日高賞[編集]

競走名は第1回から第3回まで「日高賞」、第4回以降は「留守杯日高賞」。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2001年4月29日 水沢 1600m セイントリーフ 牝3 岩手 1:47.1 阿部英俊 鈴木七郎 内海正章
第2回 2002年4月28日 水沢 1600m バンフレッシュ 牝3 岩手 1:47.8 畠山信一 平澤芳三 佐々木誠吾
第3回 2003年4月27日 水沢 1600m アンダーワカフジ 牝3 岩手 1:44.1 村松学 村上昌幸 日山政藏
第4回 2004年5月2日 水沢 1600m バンメガミ 牝3 岩手 1:46.4 小林俊彦 佐々木修一 佐々木誠吾
第5回 2005年4月29日 水沢 1600m トミノアッフェアー 牝3 岩手 1:46.6 菅原勲 千田知幸 大久保和夫
第6回 2006年4月29日 水沢 1600m サイレントエクセル 牝3 岩手 1:45.0 板垣吉則 千葉博 道地房男
第7回 2007年4月29日 水沢 1600m パラダイスフラワー 牝3 岩手 1:45.6 小林俊彦 櫻田浩三 山本武司
第8回 2008年4月29日 水沢 1600m カネショウプルート 牝3 岩手 1:44.5 村上忍 村上実 上村清志
第9回 2009年5月3日 水沢 1600m シルバーカテリーナ 牝3 岩手 1:44.3 菅原勲 佐藤晴記 蓑島竜一
第10回 2010年4月19日 水沢 1600m エレーヌ 牝3 笠松 1:43.2 筒井勇介 山中輝久 (有)ホースケア
第11回 2011年5月30日 盛岡 ダ1600m アンダースポット 牝3 金沢 1:41.5 葛山晃平 宗綱泰彦 大黒富美子
第12回 2012年4月30日 水沢 1600m ミスシナノ 牝3 川崎 1:43.2 佐藤博紀 高月賢一 小林勝
第13回 2013年4月29日 水沢 1600m ハードデイズナイト 牝3 川崎 1:42.9 山崎誠士 佐々木仁 (有)グランド牧場
第14回 2014年4月28日 水沢 1600m コパノバウンシ 牝3 大井 1:44.3 矢野貴之 松浦裕之 小林祥晃
第15回 2015年4月27日 水沢 1600m ホレミンサイヤ 牝3 愛知 1:43.7 安部幸夫 荒巻透 木村良明
第16回 2016年4月24日 水沢 1600m サプライズハッピー 牝3 岩手 1:47.0 山本聡哉 櫻田康二 西村專次
第17回 2017年4月23日 水沢 1600m ダンストンレガーメ 牝3 岩手 1:45.3 村上忍 畠山信一 伊藤治子
第18回 2018年4月22日 水沢 1600m エグジビッツ 牝3 北海道 1:46.0 岩橋勇二 田中淳司 西森鶴
第19回 2019年4月29日 水沢 1600m グローリアスライブ 牝3 川崎 1:40.0 村上忍 高月賢一 日下部勝徳
第20回 2020年4月26日 水沢 1600m ボンボンショコラ 牝3 浦和 1:43.8 山本聡哉 小久保智 田頭勇貴
第21回 2021年5月16日 水沢 1600m スマイルミュ 牝3 北海道 1:43.6 山本聡哉 村上正和 組)SRT
第22回 2022年5月15日 水沢 1600m グラーツィア 牝3 船橋 1:42.8 笹川翼 米谷康秀 岩山博文
第23回 2023年4月16日 水沢 1600m ワイズゴールド 牝3 大井 1:42.1 山本聡哉 市村誠 馬目卓
第24回 2024年4月21日 水沢 1600m エレノーラ 牝3 川崎 1:44.1 野畑凌 平田正一 吉岡廣樹

脚注[編集]

  1. ^ a b c 令和6年度第2回水沢競馬競走番組表(概定)” (PDF). 岩手競馬オフィシャルページ. 2024年4月19日閲覧。
  2. ^ 2014シーズン 岩手競馬の競走体系”. 岩手競馬 公式ホームページ. 2014年11月18日閲覧。
  3. ^ 2018年の競走体系”. 岩手競馬. 2018年4月3日閲覧。

各回競走結果の出典[編集]

関連項目[編集]