架空の日本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(日本民主主義人民共和国 から転送)
本項目は架空の日本について述べる。
これらはフィクションの小説、特に第二次世界大戦後の冷戦初期を題材とした作品に多く登場し、日本列島・樺太・千島列島等、戦前の大日本帝国の領土を実効支配し、日本全体を領有主張する分断国家が多い。史実の朝鮮半島における米ソの対立による分断国家(北朝鮮と韓国)の成立と、代理戦争としての朝鮮戦争のイメージが念頭に作られるため、北(東)日本が共産主義、南(西)日本が資本主義を標榜するのが特徴で、朝鮮戦争と同時期に日本においても戦争が行われたとすることが多い。また同様に、ドイツのベルリンを念頭においた都市(東京や札幌が多い)の分割統治もしばしば描かれる。
しかしながら、最近ではこうした型にはまらない架空の日本が描かれる作品も多く、政治に主眼を当てた作品では太陽の黙示録はその典型。
目次 |
[編集] 日本民主主義人民共和国
日本民主主義人民共和国(にほんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)は、主に架空戦記諸作品に登場する架空の国家或いは政権。
『征途』等、日本が朝鮮半島や東西ドイツ、南北ベトナム等の様な分断国家となった状態を描く作品に於いて、その一方がソビエト連邦等社会主義国家に占領或いは統治される等して成立した、ソビエト連邦傘下の共産主義(社会主義)国家或いは傀儡政権として登場する事が多い。 また、朝鮮民主主義人民共和国に似た国家として描かれる事も多く、それに倣い北日本やDPRJ (Democratic People's Republic of Japan) が通称とされる事が多い。転じて、日本社会における社会主義・共産主義的な側面を揶揄的に表現する時に、この言葉を使う者もいる[1]。
[編集] 「日本民主主義人民共和国」が登場する作品
- 南側の国名は大和民国(だいわみんこく)。
[編集] 別名の分断国家日本が登場する作品
- 日本は対米戦争に勝利(有利な条件で講和)したが、その後の大不況で内戦となり、東日本共和国(内戦を引き起こした「平等党」独裁による社会主義国)と西日本帝国(大日本帝国の流れを汲む立憲君主国)に分裂。東京23区の真ん中を壁(国境)が走っている。東の臨時首都は新潟市、西の首都は東京(西東京)。なお皇居は京都市。両国の状況は朝鮮半島のパロディに近い。
- 『咎狗の血』(Nitro+chiral)
- 第三次世界大戦後、ニホンは東のCFCと西の日興連に分断される。
- 『RING of RED』(コナミ)
- 『凱歌の号砲-エアランドフォース-』(コーエーPCゲーム)
- 第二次大戦終結後、米ソ両国に分断される。
- 東日本帝国と西日本人民共和国で戦争が起こった後の東京が舞台。
[編集] 北海道が首都になる作品
- 正式国名不詳。日本は東(首都は札幌市)・西(首都は京都市)・中立の都市国家東京に三分割されている。
- 近未来、巨大地震と富士山噴火などにより、大阪湾から琵琶湖を経て富山湾に至る海峡が生まれ、さらに大国が災害救援という名目で進駐し日本が地理的かつ政治的に分断される。南北はイデオロギーが色濃く残る形で再建され、ノースエリアは共産主義に似た統制国家、サウスエリアはアメリカ型資本主義国家に変貌する。ノースエリアの首都は札幌市、サウスエリアの首都は福岡市。ちなみにこの作品においてノースエリアを衛星国においているのはソ連ではなく、中国である。
- 第二次世界大戦終結間際にソ連軍が北海道・東北へ侵攻、日本民主共和国(北日本)と大日本国(南日本)に分断される。当初は北緯40度に軍事境界線が設定されたが、1950年に勃発した「第1次日本戦争」により、最終的には北日本は北関東地方にまで領土を拡大、南日本は首都を京都市へ移転。北日本の首都は札幌市。ちなみに北日本軍の参謀総長は福田定一陸軍大将。
- 『スカルマン』
- 敗戦後津軽海峡を挟んで南北に日本人民共和国と大日本共和国に分断され、現在も進駐軍に占領されている。
- 『雲のむこう、約束の場所』(新海誠)
- 1945年の敗戦後、北海道がソ連の制圧下に置かれ、日本の主権回復後もソ連、及びその後継として1956年にフルシチョフが樹立した共産国家群「ユニオン」の占領下に留まり、エゾと名称を変える。その後エゾでのナショナリズム高揚を受けて1975年に国交断絶、完全に分断される。
- 日本の降伏が遅れ、日本人民民主主義共和国が東北地方、北海道以北を領土に独立。1951年から内戦が始まり1954年に休戦するが緊張状態が続き、2003年に東側の人民軍が西側に侵攻するが札幌でほぼ同時にクーデターが起きる。
- 日本群島人民共和国が南千島に建国される。
- 北日本民主主義人民共和国が北海道・南千島を領土として建国される。首都は札幌市。
- 『赤い旅券』(井上淳)
- 正式国名不詳。北は北海道・東北地方を領土とし、首都は仙台市。
[編集] 日本の一部が独立する作品
- 沖縄県民が沖縄のある島の独立を図る。
- 『日本国大統領 桜坂満太郎』(日高義樹、吉田健二)
- 物語序盤、統一朝鮮軍による大規模軍事侵攻を受けた九州が、統一朝鮮とその背後にいる中国の傀儡国家『九州国』として独立(分断)させられる。九州国大統領は九州選出の元首相。ただし国家としての体裁が出来上がる前に消滅。
- 『超光戦士シャンゼリオン』(井上敏樹)
- 異世界からの侵略者の一人が「人間のルールでの征服」を目指し、東京都知事となって都民の支持を集めた後「東京国」として独立させるエピソードがある。
- 大量発生した飛蝗の襲来をきっかけに東北6県が「奥州国」として独立。しかし日本国が自衛隊を差し向けて鎮圧し、首相となった青森県知事も倒れる。
- 友人の死が国家の謀略によるものと知った高校生が、学校(人工島)に立てこもって独立を宣言し、日本政府と渡り合おうとする。「ハル」とはその友人の名。
- 円経済圏理論で、利権の分散(それで利権を失うこと)を危惧した関東の一部政財界は、その理論を歪曲し、『関東自治共和政府』として独立を宣言する。
- 『V8キッド』
- 『2025年日本の死』(水木楊)
- 2023年に沖縄が那覇に首都を置く琉球共和国として独立、続いて以下の地域も独立して日本は分裂。
- 後に日本は212か国もの共和国に分裂。
- 『人間狩り』(『二〇三〇年東北自治区』改題)(半村良)
- 白河以北、北海道を除く東北地方が独立国家となり、一見清潔な理想郷を築き上げるが、それには裏があった。
[編集] 共和制の日本が登場する作品
- 『小説「日本」人民共和国』(井沢元彦)
- 扶桑人民共和国。
- 大日本合衆国。第三次世界大戦勃発前に日本国が名称を変更したもの。道州制。南樺太には東方エルサレム共和国というユダヤ人国家がある。
- 『サモワール・メモワール』(小林信彦)
- 明確な国名は書かれていないが、「第二次世界大戦でソ連に占領された後、独立した日本(の東京)」が舞台の作品。他の作品とは異なり、パロディ色の強い内容である。
[編集] その他
- 『天外魔境』シリーズ
- ジパング。
- ジパング。
- ジパング国。
- ネオジャパン。元日本人が住むコロニー国家。
- ジャポネス。テラツーという地球ではない惑星に在る日本風の国家。
- 『メガゾーン23』
- 巨大都市型宇宙船メガゾーン23に住む人々は、ここを1980年代の日本だと思い込まされている。
- 『CASSHERN』
- 大亜細亜連邦共和国。
- ユニオン内経済特区・日本。
- 『火の鳥 未来編』
- メガロポリス「ヤマト」。
- 『家畜人ヤプー』
- 土着畜人飼育地域「邪蛮(ジヤパン)」。
- 恒星間国家未来帝国EHS(イース = 百太陽帝国、またの名を大英宇宙帝国)畜人省土着畜人局畜政課管理下、極めて限定的な原ヤプー(奴隷生物に貶められた日本人)自治国家。
- 日本合藩連合王国。徳川幕府主導で明治維新が成功した日本。
- 『五分後の世界』
- PRRS(People's Republic of the Rising Sun)。軍事クーデターにより樹立された共産主義国家。フィリピンや朝鮮半島を領土としており、東アジア各地の社会主義者によって政府が作られている。なお、この世界ではロシア内戦で他国の干渉によってロシア革命は抑えられたことになっている。ちなみに日本のほかにイギリスが社会主義国家である。
[編集] 脚注
- ^ こうした設定は全く荒唐無稽と言う訳でもなく第二次世界大戦末期に日本に影響力を残しておきたいソビエト連邦が日本の北部地域(北海道あるいは東北地方)への自軍の駐留を要求して、同じく日本における覇権を握りたいアメリカ合衆国によって拒絶されたと言われている。もしアメリカ側がこの要求を受け入れていれば、日本が南北に分割されていた可能性も否定は出来ない(詳細は日本の分割統治計画を参照)。
[編集] 関連項目
- 架空戦記
- パラレルワールド
- 本土決戦
- ダウンフォール作戦
- 冷戦 (フィクション)
- 日本人民共和国憲法草案(日本共産党)
- 高野岩三郎(日本社会党) 昭和21年『日本共和国憲法』を起草。

