日本帝国主義

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日本帝国主義(にほんていこくしゅぎ、英語: Japanese imperialism、略称:日帝)とは、明治から第二次世界大戦終結までの、いわゆる「大日本帝国」における帝国主義のこと。植民地主義覇権主義、膨張主義などの通常の帝国主義の思想・運動・政策・体制を指すが、日本に関することだけに限定した言葉。

第二次世界大戦後の日本に対しても、軍国主義と同じ意味[1]で用いられるほか、共産主義の立場から日本における帝国主義論の用語としても使われている。

概要[編集]

「帝国」の本来の意味は、複数のより小さな国や民族などを含めた広大な領域を統治する国家のこと[2]で、「帝国主義」とはそれを目指す思想・政策・体制である。またウラジーミル・レーニン帝国主義論では、「帝国主義」とは資本主義の最終段階と定義された[3]。日本は明治維新後、西欧列強に追いつくために、強引な西欧化から近代化を行い、富国強兵殖産興業を押し進め、西欧列強の植民地政策に追随した帝国主義諸政策を推進していった。

その結果として、日清戦争日露戦争韓国併合第一次世界大戦などを通じて、大陸進出を着実に進展させ、台湾朝鮮関東州南洋群島などを「外地」として支配して領土を増やした。併合した朝鮮・台湾の同化政策や、満州事変日中戦争支那事変)・太平洋戦争勃発などに前後して、大東亜共栄圏八紘一宇を掲げて皇民化教育を行った。これらの日本統治時代は、大韓民国などでは「日帝時代」とも呼ばれている[4][5]

第二次世界大戦終結後の日本に対しては、「日本帝国主義」や「日帝」との表現は、特に韓国、中国においては反日の批判が内在し、日本の軍事大国への復活の恐怖や、その戦後処理が不十分と考える立場からの批判的な意味を強く持っている。

また日本共産党などは第二次世界大戦終結までの日本を「日本帝国主義」と定義している[6]。しかし第二次世界大戦後の日本に対する現状認識は、日本のマルクス・レーニン主義党派でも分かれており、日本共産党は「アメリカへの事実上の従属国の立場になった」[6]として二段階革命論を主張するが、多くの新左翼は日本帝国主義が復活しつつあるとして一段階革命論を主張した[7]

関連書籍[編集]

  • 「日本帝国主義論」(服部之総、福村出版、1974年)
  • 「日本帝国主義 1894‐1945 ― 居留地制度と東アジア ―」(W.G.ビーズリー、岩波書店、1990年)
  • 「日本帝国主義の経済政策」(後藤靖)、柏書房、1991年)
  • 「日本帝国主義史研究」(江口圭一、青木書店、1998年)
  • 「日本帝国主義の形成」(井上清、岩波書店、2001年)
  • 「日帝時代, わが家は」(羅英均、みすず書房、2003年)
  • 「日本帝国主義下の植民地労働史」(松村高夫、不二木書店、2007年[8]

脚注[編集]

  1. ^ 本来は帝国主義と軍国主義は意味が異なるが、大日本帝国時代に対する総称として、しばしば同一視される。
  2. ^ Oxford Dictionary
  3. ^ Imperialism, the Highest Stage of Capitalism - Vladimir Ilyich Lenin(1916年)
  4. ^ 韓国野党議員「愛国歌は国歌ではない」発言(中央日報)
  5. ^ 海外主要メディアの日本関連報道(外務省、2012年07月、京郷新聞からの引用)
  6. ^ a b 日本共産党綱領(2004年改定)
  7. ^ 「新左翼三十年史」(高木正幸、土曜美術社、1998年、76p)
  8. ^ 日本帝国主義下の植民地労働史 - 不二出版

関連項目[編集]