新しい女

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新しい女(あたらしいおんな、英:New Women)とは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて確立された、新しい女性像である。

地質学者フローレンス・バスカムジョンズ・ホプキンス大学から博士号 (Ph.D.) を取得した最初の女性で、アメリカのNew Womenの代表例。
"New Woman - Wash Day"と題された風刺写真。「新しい女」が男の靴磨きに靴を磨かせている(1901年)

「新しい女」とされた女性たちは男性優位社会の打破と女性の地位向上を訴え、婦人参政権運動などにも積極的に関わった。

背景としては女子教育の普及と職業婦人の増加がある。当時まだ大学以上の高等教育を受ける女性はほとんどいなかったが、中等教育を受ける女性の割合は18世紀後半から19世紀初頭にかけて大きく向上した。また、都市部で専門職に従事する女性の数も大きく向上した。

"New Women"の用語自体はヘンリー・ジェイムズある婦人の肖像』(1881年)で使われたのが最初だとされているが、このタイプの女性像を確立したのはヘンリック・イプセンの『人形の家』(1879年)だとされている。個人的・社会的・経済的に自立し、自分で行動する新しいタイプの女性を、ヴィクトリア朝時代の女性と対比して「新しい女」と呼んだ。彼女らはまた、性的・恋愛的にも自立していた。「新しい女」は当時の多くの小説に描かれ、またケイト・ショパンなど「新しい女」自身も自ら小説を書いた。

日本では1911年に『人形の家』が初演され、1912年には平塚らいてうが読売新聞紙上にて『新しい女』の連載を開始する。『青鞜』の平塚らの展開する婦人解放運動と共に、この頃より『新しい女』の語が有名になった。

時代の最先端とされる女性像は、1910年代には質素倹約を第一とする第一次世界大戦期のスタイルを経て、大戦終了後の1920年代には軽薄な都市生活を謳歌するフラッパー(日本ではモガに相当する)と呼ばれる女性像に移行した。

フェミニズム史的には、新しい女はフェミニズムの「第一波」を担ったと評価されている。

関連項目[編集]

  • ギブソン・ガール - 当時の人気イラストレーターが描いた、もうひとつの「新しい女」。女性として自立してはいるが政治には関わらず、権利を主張して男性の役割を奪うこともなかった。
  • フェミニズム