斜陽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

文学
File:Lit.jpg
ポータル
各国の文学
記事総覧
出版社文芸雑誌
文学賞
作家
詩人小説家
その他作家
お知らせ
このテンプレート解説ページができました。使用されるべき記事が決まりましたので一度ご確認ください。

斜陽』(しゃよう)は、太宰治小説。『新潮』に1947年7月から10月にかけて連載。同年に新潮社から刊行され、文壇から高い評価を得て、ヒット作となった。

没落していく人々を描いた太宰治の代表作で、没落していく上流階級の人々を指す「斜陽族」という意味の言葉を生みだした。斜陽という言葉にも国語辞典で「没落」という意味が加えられた。

太宰治の生家である記念館は、この小説の名をとって「斜陽館」と名付けられた。

目次

[編集] あらすじ

戦争が終わった昭和20年。没落貴族となったうえ、当主であった父を失ったかず子とその母は、生活が苦しくなったため、家を売って伊豆で暮らすことにする。 一方、南国の戦地に赴いたまま行方不明になっていた弟の直治が帰ってくるが、家の金を持ち出し、東京の上原二郎(小説家で既婚者)の元で荒れはてた生活を送る。

直治を介したかず子と上原との運命的出会いや交際、生活が苦しくかつ自身の健康がすぐれなくなってもかず子らを暖かく見守ってくれた「最後の貴族」たる母のもと日々は穏やかに流れていたが、やがて母が結核に斃れ、無頼な生活や画家の本妻への許されぬ愛に苦悩していた直治も母の後を追うように自殺。直治の死と前後して、かず子は上原の子を妊娠したこと、それを知ってか知らずか、上原が自分から離れていこうとしていることに気付く。

かず子は「(不倫の子を生んだ)シングルマザー」として、動乱やまぬ戦後社会に腹の中の(やがて生まれてくるであろう)子と強く生きていく決意を上原宛の書簡にしたためる。

[編集] 登場人物

  • かず子
  • 直治
  • 上原二郎

[編集] 作品背景

アントン・チェーホフの戯曲『桜の園』を意識して書かれていて、日本版『桜の園』といわれている。また、『女生徒』『パンドラの匣』と同じく、かず子のモデルとなった太田静子の日記を参考にしている。

太宰はこの作品を書くにあたり、「傑作を書きます。大傑作を書きます。日本の『桜の園』を書くつもりです」と言っており、自信の深さが伺える。ただ、執筆中に静子が太宰の子を妊娠(生まれた女児が作家・太田治子である)したこともあり、終盤の展開がいささか『桜の園』から外れ、太宰・静子が実際辿った経緯が反映された感もある。また、主要登場人物四人の設定はいずれも年代別の太宰自身の投影(初期=直治、中期=かず子と母、末期=上原)が色濃い。

実際の舞台は神奈川県小田原市雄山荘といわれる。

[編集] 映像作品

[編集] テレビドラマ

[編集] 映画

『斜陽』(2009年5月9日より順次公開)

[編集] 出演

[編集] 外部リンク

他の言語