文語

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文語(ぶんご)とは、文章、特に文学で使われる言葉遣いのこと。文章語。書き言葉書記言語も参照。

言語によって口語の言葉遣いとあまり変わらなかったり、別の言語とされるほど異なったりする。差異の大きい状態はダイグロシアと呼ばれる。

日本語[編集]

日本においては、明治まで文学を含む書記言語はほぼ文語体と呼ばれる文体が使われていた。文語体は中古日本語平安時代の文語)から発達しており、それ以降は長くダイグロシアの状態にあった。

その後明治に入って言文一致運動が起き、一部の文学者が口語に沿った口語文と呼ばれる文体を使い出し、明治30年代頃から戦後まで文語体と口語文という二つの文章語が並存した。

戦後に入って日本語の書記言語を東京方言をもとにした標準語に統一する政策が行われ、現在では、新しく書かれる文学作品は定型詩等を除きほぼ標準語に近い言葉遣いで統一されている。

現代日本語の文語と口語との差異[編集]

大きくないが、以下のようなものがある。

  • 常体(だ・である体)と敬体(です・ます体)があり、文章では主に常体が用いられる。修辞的な効果を狙ってわざと口語的表現を使うこともある。
  • 文語は、規範文法に従う表現が多く使われ、ら抜き言葉などの表現を比較的避ける傾向がある。
  • 口語は、語句の省略語順倒置が頻繁に行われ、文法的には不完全であることが多い。
  • 漢語などの中には口語ではあまり用いられない語彙も用いられる。

他の言語[編集]

ラテン語[編集]

古典ラテン語ヨーロッパで長く文語として使われ、現代においても「ラテン語」として学ばれている。(当時の話し言葉は俗ラテン語と呼ばれる)。

アラビア語[編集]

アラビア語の文語はフスハーと呼ばれる。地域ごとに大きく異なる口語アラビア語に対し、クルアーンのフスハーは共通で文章語として使われている。なおフスハー自体は中東全域の共通語として話される近代共通アラビア語も含む。

関連項目[編集]