教員免許更新制

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

教員免許更新制(きょういんめんきょこうしんせい)とは、教育職員となるための免許状を一定の期間ごとに更新しなければならないとする制度のことである。

概要[編集]

教育免許のありようについては国によって異なっており、終身有効である国(イギリスフランスドイツアメリカ合衆国の一部など)とそうでない国(日本(2009年 - )、アメリカ合衆国の多くの州など)がある。

教員免許更新制の主な目的としては、一定期間ごとに教員が技術や知識を獲得する機会が得られる、教員としてふさわしくないものを排除出来る等、教員の質を維持出来ることである。ただし、日本においては不適格教員を排除するための制度ではない文部科学省より示されている[1]

他方で、教員免許更新制は、更新のための講習により「教育現場の時間的な負担が増し、子どもたちに関わる時間が減ってしまう」、「受講機会の確保や講習内容についての議論も、尽くされているとは言えない」などといった指摘もある [2]

日本における教員免許更新制の経緯[編集]

導入まで[編集]

日本における教員免許更新制の議論は、1983年自民党文教制度調査会による「教員の養成、免許等に関する提言」が始まりである[3]。同提言において、教員免許状に有効期限を付し、更新研修を義務付けるための検討が求められている。

そして、教員免許更新制が具体化したのは、2000年頃からの学力低下論争や教員の質の問題(マスメディアによる報道が活発化)などを受け、以前から教育に関心のあった安倍晋三元首相が政権に就いた後、教育再生会議が教員免許更新制を提言、2007年6月の教育職員免許法の改正によって、2009年4月から導入された。

導入後[編集]

導入後、民主党2009年マニフェストで「教員の資質向上のため、教員免許制度を抜本的に見直す。」と謳い鳩山由紀夫内閣へと政権交代を果たしたものの[4]、その後も政策として進展せず、現場では混乱や困惑が起きている。

2010年11月、文部科学省は20府県の教育委員会から受講状況の抽出的な情報収集を行い、2010年8月末から9月の時点で対象教員の6%が講習を終了していない、または受講しておらず、日本全国に換算すると5100人を超える教員の免許更新が行われないとの見積を発表した[5]

日本における教員免許更新制の概要[編集]

法令上の規定[編集]

教員免許更新制については、2007年6月27日に公布された「教育職員免許法及び教育公務員特例法の一部を改正する法律」(平成19年法律第96号)[1] によって、教育職員免許法(昭和24年法律第147号)を改正施行することによって、実施。

所要資格(教員免許用単位等)の扱い
  • 別表1 - 8までの所要資格を得た日の翌日から起算して10年を経過する日の属する年度の末日までとし、これを経過した者については免許状更新講習の課程を修了しなければ普通免許状が授与されない。

(以上、改正後の「教育職員免許法」の「第9条」より抜粋・補筆・解説)

免許状の効力
  • 普通免許状(専修免許状、一種免許状、二種免許状)は、その授与の日の翌日から起算して10年を経過する日の属する年度の末日まで、すべての都道府県(中学校および高等学校の教員の宗教の教科についての免許状にあっては、国立学校または公立学校の場合を除く)において効力を有する。
  • 特別免許状は、その授与の日の翌日から起算して10年を経過する日の属する年度の末日まで、その免許状を授与した授与権者の置かれる都道府県(中学校および高等学校の教員の宗教の教科についての免許状にあっては、国立学校または公立学校の場合を除く。)においてのみ効力を有する。
  • 普通免許状又は特別免許状を二以上有する者の当該二以上の免許状の有効期間は有効期間の満了の日のうち最も遅い日までとするとされている。つまり有効期限中に新たな免許を取得した場合その有効期限となる。
  • 平成20年4月1日より以前に取得した有効期限の無いこれまでの免許状(附則では旧免許状と呼ぶ)には例外規定がある。

(以上、改正後の「教育職員免許法」の「第9条」「附則」より抜粋・補筆・解説)

免許状の失効
  • 普通免許状又は特別免許状を二以上有する者の当該二以上の免許状の有効期間は有効期間の満了の日のうち最も遅い日までとするとされている。つまり最後まで残った免許状を失効した時点で他の免許状も失効する。
免許状が失効したままでは教壇に立つことができない、よって、免許状が無効となり返還・消滅するということになるが、単位自体は消滅したわけではないため、その後に更新講習の受講義務を満たした状態になれば、回復講習を受講し免許状が新たに授与される余地は残されている。

(以上、改正後の「教育職員免許法」の「第9条」より抜粋・補筆・解説)

  • 因みに、旧免許状の場合は「失効状態」とはなるが「消滅」するわけではないため、更新講習受講義務が発生する見通しが立った時点で受講することで、回復の余地がある。
免許状更新講習
教員免許状更新講習の幟(筑波大学
  • 免許状更新講習は、大学その他文部科学省令で定める者が、次に掲げる基準に適合することについての文部科学大臣の認定を受けて行う。
    1. 講習の内容が、教員の職務の遂行に必要なものとして文部科学省令で定める事項に関する最新の知識技能を修得させるための課程(その一部として行われるものを含む)であること。
    2. 講習の講師が、次のいずれかに該当する者であること。
      イ 文部科学大臣が中央教育審議会に諮問して免許状の授与の所要資格を得させるために適当と認める課程を有する大学において、当該課程を担当する教授、准教授または講師の職にある者
      ロ イに掲げる者に準ずるものとして文部科学省令で定める者
    3. 講習の課程の修了の認定(課程の一部の履修の認定を含む。)が適切に実施されるものであること。
    4. その他文部科学省令で定める要件に適合するものであること。
  • 免許状更新講習の時間は、30時間以上とする。
  • 免許状更新講習は、次に掲げる者に限り、受けることができる。
    1. 教育職員(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に定める幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校および特別支援学校の主幹教諭、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭および講師)、および、文部科学省令で定める教育の職にある者
    2. 教育職員(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に定める幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校および特別支援学校の主幹教諭、指導教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭および講師)に任命され、または雇用されることとなっている者、および、これに準ずるものとして文部科学省令で定める者
  • 公立学校の教員であって教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第25条の2第1項に規定する指導改善研修を命ぜられた者は、その指導改善研修が終了するまでの間は、免許状更新講習を受けることができない。
  • ほか、免許状更新講習に関し必要な事項は、文部科学省令で定められる。

(以上、改正後の「教育職員免許法」の「第9条の3」より抜粋・補筆)

免許状更新講習の対象者と受講資格の証明方法
区分 証明方法
現職の教員等 校長等の証明
内定者・
内定者に準ずる者
教員採用内定者 任用または雇用予定の者の証明
教員経験者 任用または雇用していた者の証明
認定こども園等の保育士 設置者の証明
教員となる見込の者(任用リスト搭載者) 任用または雇用する可能性がある者の証明
更新講習は上記の証明が無ければ受講できず免許状更新ができないしくみになっている。
有効期限の無い免許状所持者の扱い

有効期限の無い免許状(付則では旧免許状、以下同)所持者は、施行の日から起算して11年を経過する日までの期間内でその者の生年月日及びその者の有する免許状の授与の日に応じて文部科学省令で定める年度の末日までに免許状更新講習の課程を修了しなければ、教育職員になることができない。

  • 旧免許状による現職教員
    修了確認期限までに更新講習修了確認を受けなかった場合には、その者の有する普通免許状及び特別免許状は、その効力を失う。このときは速やかにその免許状を免許管理者に返納しなければならず、返納しない場合は10万円以下の過料となる。失効した後に普通免許状の授与を求める場合は所要資格を満たす書類と免許状更新講習の課程の修了の証明書による申請により可能(手数料3300円を収入証紙により納付)。なお、2009年度以降の時点で新たに免許状の授与を受けたものは、教育庁への申請により、最後に授与を受けた免許状に記載された授与日の翌日付から最大10年間(授与日が属する年度の末日から10年間でない点に注意)、修了確認期限を延長することができる場合がある(教育庁によっては、証明者を要さない)[6]。その際、手数料1700円(教育庁によっては2000円、3300円のところもあるなど、まちまちである)については収入証紙での納付を必要とする。
    なお、一度更新講習を受けてその確認の証明を受けたことがある者、あるいは、確認期限延長などの証明を受けている場合は、その証明書の写し(宮城県など、原本提出を求める都道府県もある)を申請書類に添付する必要がある。
  • 旧免許状所持者であって現職教員を除く者
    更新講習修了確認を受けずに修了確認期限を経過した場合には、その者の有する普通免許状及び特別免許状は、その効力を失うが返納義務は無い。また免許は返納していないので免許状更新講習の課程を修了した後に申請をすれば復活する(いわゆる回復講習)。因みに、更新講習修了確認の申請を行う際、過去に勤務していた学校の所在地が属する都道府県の教育庁ではなく、住民票上の住所地を管轄する教育庁へ申請を行う。
    現職教員同様、一度更新講習を受けてその確認の証明を受けたことがある者、あるいは、確認期限延長などの証明を受けている場合は、その証明書の写し(宮城県など、原本提出を求める都道府県もある)を申請書類に添付する必要がある。

(以上、改正後の「教育職員免許法」の「附則」より抜粋・補筆)

日本における教員免許更新制の問題点[編集]

地域における職種や表彰等による不明瞭な差[編集]

更新講習は次の者は免除されることになっている。

  • 教員を指導する立場にある者
    • 校長、園長
    • 副校長、副園長
    • 教頭
    • 主幹教諭、指導教諭
    • 教育長
    • 指導主事
    • 社会教育主事
    • その他教育委員会において学校教育又は社会教育に関する指導等を行う者
    • 免許状更新講習の講師となっている者
など
  • 表彰者
    • 文部科学大臣、教育委員会等から教科指導法または生徒指導その他その者の所持する免許状に関係する知識技能優秀であることについて表彰を受けた者
上記の者でも、知識技能が不十分である場合は免除対象とはならない

教員職員免許状(普通免許状)は、全国的に効力を有する国家資格であり、更新講習の実施基準等も政府(文部科学省)が全国統一的に定めているにもかかわらず、個別地域や校内における職種、あるいは、表彰者などといった限られた範囲における地位や事情等により、講習が免除される根拠が不明瞭である。中でも「表彰を受けた者」については、基準や内容が様々で不透明でもあり、国家資格更新のための講習を免除する根拠には乏しいといえる[要出典]

また、「教員を指導する立場にある者」が更新講習を受講せず講習内容を理解していなければ、更新講習を既に受講した教員を「指導」できるはずも無く、実際問題として「教員を指導する立場」が危うくなる危険性もある。そもそも、「教員を指導する立場にある者」が組織として置かれていながら、外部の更新講習に依存しなければならないのであれば、「教員を指導する立場にある者」の存在意義が無い[要出典]

更新講習の抜け道を作ったことによる努力義務の減退[編集]

幼稚園、小学校、中学校には二種免許状があり一種免許状にしなければならない努力義務があるが、更新制になったことで、有効期間が切れそうな時期に、一種免許状の所要資格を満たすように計画的に単位を取得し上位免許状を受ければ、更新講習を受けなくて済むので、努力義務がおろそかになる[要出典]

また、中学校・高等学校では教科が複数あるので、新たに他教科や上位の免許状を取得し続けることで免許状更新講習を逃れることも可能である。教育職員検定6条別表第4の規定では、中二種の必要最低単位数として教科に関する科目が10及び教科教育法が3単位の13単位と比較的少ない。また、現教育職員免許法の別表第1で免許を取得している場合でも、同表による申請も可能で、教科に関する科目が10及び教科教育法が2単位の12単位で教職及び教科に関する科目4単位(現教育職員免許法の別表第1で一種の免許状を取得していれば教職及び教科に関する科目は取得済みなので12単位)で授与される。

例えば、社会科中一種10年→国語科中二種10年→家庭科中二種10年→英語科中一種10年というように、新たに教員免許を取得し続ければ、講習を一度も受けることなく定年退職することが可能になる。これについても前述と同様に、他教科や上位の免許などを早期に取得しようと考えていた者の意欲を失わせる可能性もあると言える[要出典]。もっとも、新たな免許状を取得する場合には失効期限までに申請しないと、免許状更新講習を修了しなければ授与されなくなること、また、30時間の受講で済む講習と比較して、大学等における正規の単位取得は難易度やコストにおいて大きな差があり、履修が計画的に進まない場合もある。本来の授業や校務への専念も考えれば、そもそも現実的ではないとも言える。

ただし、更新講習受講義務のある旧免許状授与者が別教科・校種等の免許状の授与を得た場合(専修免許状授与のために大学院に入学するなどのケースや産休・病休の期間に確認期限が到来するケースを含む)は、免許状授与申請とは別に、修了確認期限の延期の手続きを各都道府県の教育庁宛てにする必要がある(専修免許状の取得を理由とした大学院入学を理由とする場合は2年2か月延長される。これとは別に、2009年以降に新たに免許状を授与された場合は、最後に授与を受けた免許状の授与日の翌日付からちょうど10年間、修了確認期限が延長される。後者の場合、授与日が3月31日付であれば年度末となるが、3月24日付であれば翌3月25日から10年間であるため、10年後の3月24日が期限となる)。

因みに、新免許状授与者の場合は、教職経験や講師登録リスト掲載歴が一切なくとも、該当する新たな免許状のための単位取得完了の年度末から10年間、授与申請手続きのみで期限が延長される。

(根拠:改正後の「教育職員免許法」の「第9条」)

後から教職に就くことを希望しても、新免許はコストがかかる[編集]

有効期間の無い旧免許状であっても、講習を受けないと教員になる効力は失うが、これに関して文部科学省は、「履歴書などに教員免許を所持している旨の記載をしていただくことは可能ですが、更新講習を受講する必要がある旨を併記していただく必要があります」[7]などとしている。そのため、いわゆる回復講習の余地が残されている。しかし、新免許状では有効期間が明記されているため、期間を過ぎた免許は一旦失効になる(ここが旧免許状とは異なる)。ただし、教員免許取得のために修得した大学の履修単位は消滅しないため、法的には再度、免許申請が必要になる。このときに更新講習を受講する必要がある。そのため、さまざまな立場の教員志望者にとって、教員となれる可能性が残されているもののコストや手続きが多くなる。

前述のとおり、更新講習は受講資格がある。免許法第9条の3第3項は、

  • 教育職員[8]
  • 教育職員に任命され、または雇用されることとなっている者、これに準ずるもの

について、更新講習を受講できることと定めている。

ところが、文部科学省令(免許状更新講習規則第9条第2項)はこの法律を極めて排他的、かつ、具体的に定めてしまっている。現に教職員である者以外で、受講資格のある(免許状更新できる)者は次の3つのみである。

  • 学校の校長、副校長、教頭又は教育職員であった者[9]であって、教育職員となることを希望する者
  • 次に掲げる施設に勤務する保育士
    • 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律第6条第2項に規定する認定こども園
    • 児童福祉法第39条第1項に規定する保育所又は同法第59条第1項に規定する施設のうち同法第39条第1項に規定する業務を目的とするもの(いずれも幼稚園を設置する者が設置するものに限る)
  • 教育職員に任命され、又は雇用されることが見込まれる者

この省令は、教員免許更新制のための議論が行われた中央教育審議会教員養成部会での「ペーパーティーチャーは、免許状の再取得が必要となった時点で、回復講習を受講・修了することが必要」[10]とする内容や、中央教育審議会の答申の「社会人を学校教育に積極的に活用していくことが必要」[11]などとする趣旨と矛盾する可能性がある。

民間人の雇用

有効期間付きの免許状を授与された者であって、教員経験の無い民間企業等で働く社会人が、失効期限を迎えた場合、教員採用試験に合格するか、または、講師登録されなければ、更新講習を受講する資格が無い。教員採用試験の受験や講師の登録は、教員免許状を現に有していることが条件となっており、旧教員免許は応募可能であるものの新免許状では期間切れで法的に失効した場合に、応募できない可能性もある。

講師の登録自体は採用試験合格と比較して容易な方法である[12]が、当該自治体の教員採用試験の受験可能年齢の上限を超えている場合や心身状態等によっては登録そのものができないこともある。そのため、教員経験の無い社会人が取得した免許状は、一度効力を失うと、教員になりたくとも更新講習を受講することが出来ず、免許状の効力を再び回復することができなくなる可能性もある。

教員採用試験浪人

大学等に在学中に教員採用試験に合格できず、卒業後も合格を目指している、いわゆる教員採用試験浪人についても更新講習の受講資格がない。ただし、教員採用試験に合格することにより、更新講習を受講することができるようになるが、採用候補者期間中の短い期間に、自費で講習を受講しなければならない場合が多くコストがかかる。

多様な人材の雇用

地域によっては、民間の社会経験者を別枠(特別の選考方法)で採用したり、採用した教員を民間企業へ長期間に渡って研修に出したりするなど、多様な経歴のある教員のニーズが高いにもかかわらず、文部科学省が作成した省令では、教員や教員経験者以外の民間企業に勤める社会人等に対応する記載はない制度としてスタートした。

介護、育児、ボランティア等従事者を排除

諸事情から介護育児ボランティア青年海外協力隊等の国際貢献も含む)等に従事し社会的、国際的な責任を果たしているものの、教員経験の無い者についても、更新講習の受講資格が無い。旧免許状では、あくまでも、教壇に立てなくなるだけであり、免許状が無効となり消滅するわけではない。しかし、新免許状では有効期間が過ぎると法的に免許が失効するため、再度、免許申請が必要となりコストがかかる。

教員免許状取得時の介護体験の義務化によって、教育職員として介護やボランティア体験等の必要性が制度化されているにもかかわらず、介護、育児、ボランティア等の貴重な実践者に対応できる規定がないという矛盾が存在する。

学習塾の講師等への影響[編集]

同様に、民間の学習塾の講師や、通信添削を行う指導員、大学・短大・専門学校などの教員も、更新講習を受ける資格がないため、免許状の更新ができない。これらに従事する場合に、法的に教員免許状は必要無いが、講師等に従事しようとする者の採用・応募条件、スキル、資格手当、保護者・生徒による選択基準等に免許状の効力が影響する可能性も考えられる[12]。このことは、家庭教師フリースクールなどといった教育関連業務についても同様である。フリースクールについては、小・中学校の学校長が認定すれば児童生徒の進級や卒業を認めている場合もある。学校に準じた業務、または、学校業務を超えるような事業を行っている場合もあるため、希望する職員には現職教員と同じ更新講習を受講できる制度の方が望ましいと言える。

文部科学省の見解[編集]

2007年7月11日に発表された文部科学省による文書によると、この制度は概ね以下のような内容であるとされる[13]

  • 免許状の有効期限は10年
  • 更新講習はおよそ30時間程度
  • 費用は個人負担で3万円
  • 講座の開設は教職課程認定大学の他、各自治体の教育委員会が大学や大学院との連携によって設置することも可能。講座の設置許可は文部科学省が行う。
  • 更新講習は校内での人員配置等も考慮して、免許満了の2年前から受講可能。
  • 教員の教育実践や自主的な研鑽活動が目立って優秀であると判断される場合には、講義の一部または全部の受講を免除することも可能。
  • 更新講習を基準時間以上に受けるなどした場合、任命権者の判断で処遇にも反映させる方策を今後検討。

議論[編集]

  • 教員免許更新制導入に際しては、前述のような人員・予算上の手当てが必須であるという指摘もある[14]

脚注[編集]

  1. ^ 文部科学省「教員免許更新制の目的」
  2. ^ 「教員免許更新制」(日本教職員組合)
  3. ^ 「教員免許更新制をめぐる今日的論議」(教育経営学研究紀要・九州大学大学院)
  4. ^ マニフェスト政策各論 2.子育て・教育 (PDF)”. 民主党マニフェスト2009. 民主党. pp. 10/13ページ (2009年). 2010年11月11日閲覧。
  5. ^ 免許状更新講習の受講状況等について (PDF)”. 文部科学省. pp. 1/4ページ (2010年11月). 2010年11月11日閲覧。
  6. ^ 原則は、「更新講習を受講する義務のある者」が対象であるため、講師を含む現職教員のみが事実上可能となるため、免許状授与の時点で現場を離れている場合は、復帰した時点での申請となる。この他、確認期限の近い状態で講師登録を行った場合、講師リストに記載された場合は、更新講習の受講自体は可能だが、確認期限の延長手続きは基本的には不可能であるため、確認期限の延長手続きは、実際に講師採用されてからになる。
  7. ^ 教員免許更新制とは?-解説とQ&A-
  8. ^ 免許状を授与されている実習助手も含まれる。
  9. ^ これを証する書類は労働基準法第22条に定めのある「退職時の証明」にあたり、最低限記載すべき5項目(使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職の事由(解雇の場合は、理由を含む。))のうち、退職者が求める一部事項についての証明書にあたる。また、同証明の請求権の時効は退職してから2年となっている。しかし、免許状更新講習受講申込の時点で任用または雇用されていたことを証明できない(またはしてもらえない)場合において、労働法規上の観点からの救済の手立ては現時点では一切講じられていないことから、過去に学校法人等で雇用されていた者や(自治体に任用されていた者であっても)非正規教員であった者が「退職時の証明」を請求時効成立前に取得していない場合には、免許状更新講習の受講資格を有しているにもかかわらず、免許更新が出来ないおそれがある。
  10. ^ 2006年中央教育審議会教員養成部会「教員免許更新制の導入について」
  11. ^ 2002年中央教育審議会「今後の教員免許制度の在り方について(答申)」
  12. ^ a b 教育職員になる意志がないにも関わらず、免許状の有効期間内にどこかの自治体等へ講師登録を行うことで、脱法的ではあるが、免許状の更新を行うことは可能となり、今後その動きが出るおそれがある
  13. ^ 教員免許更新制における更新講習について
  14. ^ 陸奥新報「教員免許更新制で広がる不安と困惑」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]