教員の職階

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教員の職階(きょういんのしょっかい)とは、学校において具体的に教員が担当する名称のことである。

目次

[編集] 概要

教員の職階職位)については、主に学校教育法昭和22年法律第26号)によって定められている。教員の職階の体系には、大きく2種類あり、就学前教育初等教育中等教育を行う学校においての体系と、高等教育を行う学校においての体系がある。

また、学校教育法で定められた職階・職位を、さらに、学校の設置者の定め(国立大学法人公立大学法人の規程、地方公共団体条例教育委員会規則(この場合の教育委員会規則の具体的な名称例は、「学校管理規則」など)等、学校法人の就業規則など)で、分化し、具体的な呼称を設けている学校もある。また、職と教員免許状の種類には、相関関係は、ほとんどない。一度、ある免許状で就労し、勤務しながら上級免許状の授与を受けることは、難しいといわれるものの、雇用者によっては、積極的に上級免許状の授与を受けることが奨励・義務化されることもある。

[編集] 就学前教育・初等教育・中等教育

この制度がとられる学校を列記すると、幼稚園小学校中学校高等学校中等教育学校特別支援学校である。主な職階は、教頭、教諭、助教諭、講師であり、また授業を単一で行うことはないが、実習助手が含まれる場合もある。また、学校基本調査によれば、当該教員の免許状を持たない教育補助員という、教員とともに授業を補助する学校職員もいる。

副校長・副園長
副校長(ふくこうちょう)とは、校長を助け、命を受けて校務をつかさどる学校職員のことである。幼稚園では、法制度上、副園長という(根拠となる法律規定は2008年4月1日から施行)。
教頭
教頭(きょうとう)とは、校長・園長(副校長・副園長を置く幼稚園、小学校、中学校、中等教育学校、高等学校または特別支援学校にあっては、校長園長および副校長・副園長)を助け、校務園務)を整理し、および必要に応じ児童生徒の教育、または、幼児保育をつかさどる学校職員のことである(副校長・副園長に関する法律規定は、2008年4月1日から施行)。
主幹教諭
主幹教諭(しゅかんきょうゆ)とは、校長・園長(副校長・副園長を置く幼稚園、小学校、中学校、中等教育学校、高等学校または特別支援学校にあっては、校長・園長および副校長・副園長)および教頭を助け、命を受けて校務・園務の一部を整理し、並びに児童・生徒の教育または幼児の保育をつかさどる学校職員のことである(根拠となる法律規定は、2008年(平成20年)4月1日から施行)。
養護をつかさどる主幹教諭
養護をつかさどる主幹教諭(ようごをつかさどるしゅかんきょうゆ)とは、学校の実情に照らし必要があると認めるときに、校長・園長(副校長・副園長を置く学校・幼稚園にあっては、校長・園長および副校長・副園長)および教頭を助け、命を受けて園務の一部を整理し、ならびに幼児・児童・生徒の養護をつかさどる学校職員のことである(根拠となる法律規定は、2008年(平成20年)4月1日から施行)。
栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭
栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭(えいようのしどうおよびかんりをつかさどるしゅかんきょうゆ)とは、学校の実情に照らし必要があると認めるときは、校長・園長(副校長・副園長を置く学校幼稚園にあっては、園長および副校長・副園長)および教頭を助け、命を受けて校務・園務の一部を整理し、ならびに幼児・児童・生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる学校職員のことである(根拠となる法律規定は、2008年(平成20年)4月1日から施行)。
指導教諭
指導教諭(しどうきょうゆ)とは、児童・生徒の教育または幼児の保育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善および充実、または、保育の改善及び充実のために必要な指導及び助言を行う学校職員のことである(根拠となる法律規定は、2008年(平成20年)4月1日から施行)。
教諭
教諭(きょうゆ)とは、児童・生徒の教育または幼児の保育をつかさどる学校職員のことである。教諭は教員採用試験合格を経て採用された正規教員であり、各学校の種別に対応する教員免許状の普通免許状または特別免許状を有していなければならない。教育や保育をつかさどることを主たる職務とし、学校の管理運営上必要とされる校務の分掌も職務としている。東京都では、「特に高度の知識又は経験を必要とする教諭の職」として「主任教諭」を制度化している。
助教諭
助教諭(じょきょうゆ)とは、教諭の職務を助ける学校職員のことである。助教諭は臨時教員であり、教員免許状の臨時免許状を有していなければならない。第二次世界大戦後間もない時期は、教員の数が足りず積極的に用いられたが、その後教員を希望する人が増えたため、現代ではほとんど見られない職階になった。
講師
講師(こうし)とは、教諭又は助教諭に準ずる職務に従事する学校職員のことである。常時勤務に服する講師(常勤講師)と常時勤務に服さない講師(非常勤講師)に分けられ、講師は一般的に臨時教員であり、公立学校の講師なら1年を超えない期間の契約で勤務する(国家公務員法第60条、地方公務員法第22条第2項の規定による)。
養護教諭
養護教諭(ようごきょうゆ)とは、幼児・児童・生徒の養護をつかさどる学校職員のことである。学校の保健室などを担当する教員である。保健主事は教諭か、養護教諭をもって充てることになっている。養護教諭は、正規教員で、教員免許状の養護教諭の普通免許状を有していなければならない。養護を特に必要とする幼稚園においては、法律で専門職である養護教諭の積極的な配置を期待しているにも拘わらず、統計調査上、ほとんど存在しない。東京都では、「特に高度の知識又は経験を必要とする養護教諭の職」として「主任養護教諭」を制度化している。
養護助教諭
養護助教諭(ようごじょきょうゆ)とは、養護教諭の職務を助ける学校職員のことである。養護助教諭は、臨時教員であり、教員免許状の養護教諭の臨時免許状を有していなければならない。これも、養護と言う専門職の配置が望ましい幼稚園において、養護助教諭制度の積極活用が望まれるが、自治体で養護助教諭を認めるところは、統計的にほとんどない。
栄養教諭
栄養教諭(えいようきょうゆ)とは、児童・生徒の栄養の指導及び管理をつかさどる学校職員のことである。栄養教諭は、正規教員であり、教員免許状の栄養教諭の普通免許状を有していなければならない。幼稚園への配置により良い教育的効果が得られると期待できる。
司書教諭
司書教諭(ししょきょうゆ)とは、学校図書館の専門的職務をつかさどる職のことである(学校図書館法第5条第1項)。司書教諭は、主幹教諭(「養護をつかさどる主幹教諭」および「栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭」を除く)、指導教諭、または、教諭をもってあてられる(充て職)。この場合、あてられた者は、大学その他教育機関で開講される司書教諭の講習を修了した者でなければならない(学校図書館法第5条第2項)。近年、幼稚園でも、絵本図書館などを設置するところが一部にあるが、司書教諭の多くは、兼務として置かれ、学校図書館専属としての司書教諭の配置までは至っていない。
実習助手
実習助手(じっしゅうじょしゅ)とは、実験または実習について、教諭の職務を助けることを職務とする学校職員のことである。実習助手の配置については、学校教育法上は任意設置であるが、文部科学省令である高等学校設置基準によればこれを置かなければならないとされている。教員免許状は必要とされないが、学校の規模や事情によって、教諭、講師らと同じく教員の一人として数えられることもある。大阪府では実習助手が職務を実施するに当たり、その連絡調整、指導及び助言に当たる「総括実習助手」を置くことができる。
教育補助員
当該教員免許を持った教員としての教育補助員と、免許を持たない学校職員としての教育補助員が存在する。幼稚園の預かり保育の定着化に伴ない、配置されることがある。ただし、認定こども園として認定を受けるには、認定こども園の設置基準に従い、必要な幼稚園の教員免許状もしくは保育士資格を持つものを配置しなくてはならない。現在は、行政が教育補助員を配置することを嫌うため、預かり保育など長時間勤務が常態となりながら、労働基準法との狭間で授業準備時間がほとんどゼロという異常な事態を招いている。

[編集] 高等教育

この制度がとられる学校は、大学大学院短期大学を含む)と高等専門学校である。他に大学共同利用機関法人の研究所や、学位を取得できる省庁大学校も該当する。主な職階は、上から「教授」、「准教授」(助教授の廃止に伴い誕生)、「講師」、「助教」、「助手」である。 これら以外に、大学によっては、「実験講師」[1]や、助手より下位に位置する補助員として「副手[2]、「教務助手」[3]、「実務助手」[4]といった名称の職員がいるところもあるが、これらの多くは学校教育法に定められている職ではない。但し、学校教育法の定める「助手」を「教務助手」と呼称する九州大学の例[5]がある。

教授
教授(きょうじゅ)とは、特に優れた知識、能力及び実績を有し、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事することを職務とする教育職員のことである。大学の教授は、法令に規定されている3種の職務のうち、1つしか担当しない場合もあれば、複数を担当する場合もある。高等教育を受けていない層には、高校までの教員は教諭、大学の教員は教授もしくは助教授であると誤解されている場合があるが、教授は地位名称であり職種名称ではない。英文表記は「professor」。
准教授
准教授(じゅんきょうじゅ)とは、優れた知識、能力及び実績を有し、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事することを職務とする教育職員のことであり、日本では平成19年4月1日より正式に導入された(改正: 平成18年(2006年6月21日法律第80号)。英文表記は「associate professor」。
講師
講師(こうし)とは、教授又は准教授に準ずる職務に従事する教育職員のことである。専任の講師と非常勤の講師の別がある。
  • 専任の講師:一般的に専任の講師(大学によっては職名「専任講師」が用いられる)は、教授、准教授に次ぐ職位であり、人事上は准教授と講師が同じカテゴリーに属する扱いとなる(職階上は差がある)。専任の講師は、通常、数年で准教授に昇格する。また、講師は、教育や研究の事情に応じて、直接、教授の職務を助ける場合もある(講座制を採る大学が少なくなった今日では表向きは稀である)。平成19年4月1日に学校教育法が一部改正される過程では、将来的に講師という職階は段階的に廃止されるべきものと位置づけられた。講師の英文表記は「lecturer」[6]、「assistant professor」[7]、あるいは「associate professor」[8](大学により異なる)。
  • 非常勤の講師:専任ではない講師は、「非常勤講師」や「兼任講師」等で呼ばれる。その授業のみを担当するパート・タイムで、基本的に年契約、賃金も専任の教員と比べると低賃金である。非常勤講師の英文表記は、「part-time lecturer」[6][7]専業非常勤講師の項をも参照のこと。
助教
助教(じょきょう)とは、学生を教授し、研究を指導し、または研究に従事する教育職員のことであり、日本の大学では平成19年4月1日より正式に導入された。
基本的には、平成19年3月31日までの学校教育法上の助手(旧助手)の中から教育・研究を主たる職務とする者を弁別することを目的として、新たに設けられた職位である。一部の学部では、助教の採用段階で博士の学位を要求されることもある(もちろん助手の段階で博士の学位を要求する学部もある)。
助教は任期のあるケースが多い。任期の定めのない場合、業績を積むことにより、講師(講師を置かない大学では准教授)以上に昇格することが多くの大学で慣例化しているが、任期付きの場合、そうなるとは限らない。また、実験をともなわない文系学部・文系研究科や、理系でも私立大学では助教が存在しない大学の方が多い[要出典]。英文表記は「research associate」[6]、あるいは「assistant professor」[9](大学により異なる)。
平成19年度以降、国立大学法人では、それまでの助手を助教に変更した事例(例えば東京外国語大学)が多い。これに対し私立大学の中には、それまでの講師の職位を助教に変更した事例(例えば城西国際大学拓殖大学)が見られ、この場合、表面的な職位は下でも実際の待遇は専任講師に準じ、任期付であってもテニュアトラックとして昇格が予定されているものもある。
助教の導入に伴い、従来の助手のうち、資格審査の結果、助教への就任が認められないが、職務の性質や不利益変更防止の観点から新助手への移行も妥当でないとされた者について、移行ポストとして学校教育法上の根拠のない「准助教」を置いた大学もある(九州大学)[5]
助手
助手(じょしゅ)とは、所属組織の教育・研究の円滑な実施に必要な業務を行う学校職員のことである。
平成19年3月31日までは、助手は、学校教育法上「教授及び助教授の職務を助ける」ことが職務であり、暗黙の了解として所属組織の運営が円滑に行われることを補佐することも業務としていた。しかし平成19年4月1日より学校教育法の一部改正(平成18年6月21日法律第80号)により、助手(新助手)と助教に分けられた。英文表記は「research associate」[9]、「research assistant」[6]、「assistant」[10]、あるいは「associate」[要出典](大学により異なる)。

[編集] 教員の職階制度の問題

[編集] 就学前教育・初等教育・中等教育

中等教育以下では、公立の場合、教員のほとんどが教諭であったため、深刻な階級問題は存在しなかったが、副校長、主幹教諭、指導教諭の職階が新設されたため、今後の学校運営については、未知な点がある。

[編集] 高等教育

高等教育での職階制度は、教育研究機関の教育組織の中に強い階級制度をもたらす。学部長などの重要な役職に就くには、ほとんどの場合教授でなければならない。

また、講座制をしいている場合は、それ以外に研究活動と教育活動の両面で教授が大きな権限を持ち、教授の能力や人格が講座の活動の成否や所属する教員と学生の人生までをも大きく左右する。教授は下位の教員に対して人事権を持つので、上司である教授との人間関係のトラブルが原因で、人事上の不当な扱いを受けるケースも数多く存在する(小説『白い巨塔』はそれを描いた小説として有名)。

[編集] 脚注

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[編集] 関連項目

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