放蕩児の遍歴

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放蕩児の遍歴』(ほうとうじのへんれき、:Похождения повесы:The Rake's Progress)は、イーゴリ・ストラヴィンスキーが作曲した3幕から成るオペラである。タイトルは『放蕩児のなりゆき』や『道楽者のなりゆき』などと称される場合がある。

オペラ第2作『マヴラ』に続く3作目のオペラで、同時に最後のオペラでもある。

概要[編集]

作曲のきっかけとなったのは、1947年5月2日にストラヴィンスキーは、シカゴのアート・インスティテュートで偶然ウィリアム・ホガース銅版画放蕩児の遍歴」を見かけ、いくつかの銅版画に描かれた一連の場面を見てストラヴィンスキーは強い霊感を受ける。ストラヴィンスキーは早速台本の依頼を始め、カリフォルニアで親交していた作家のオルダス・ハクスリーが台本作者として、イギリスの詩人W・H・オーデンを薦めた。オーデンはストラヴィンスキーと共に台本の草稿を書き終えたのち友人のコールマンの協力を得たうえで、1948年3月31日に台本を完成させた。

作曲は1948年5月に取りかかり、1951年4月7日に全曲が完成された。なおオペラの第1幕の前奏曲が作曲されたのは同年の4月7日のことであった。

初演は1951年の9月11日ヴェネツィアフェニーチェ劇場で、ストラヴィンスキー自身の指揮によって行われた。なお、ストラヴィンスキーは初演の初日のみ指揮を担当し、あとの全ての公演の指揮はフェルディナント・ライトナーを起用した。この時、アンの役を歌ったのはエリーザベト・シュヴァルツコップだった。

台本[編集]

台本はW.H.オーデンとチェスター・コールマンによる

登場人物[編集]

人物名 声域
トム・レイクウェル テノール 怠け者の青年
ニック・シャドウ バリトン 怪奇な男
トゥルーラヴ バス アンの父親
アン ソプラノ トゥルーラヴの娘。トムのかつての恋人
バーバ(ババ) メッゾ・ソプラノ トルコ人女性
ゼレム バス 競売人
管理人 バス 精神病院の管理人
マザー・グース メッゾ・ソプラノ

あらすじ[編集]

舞台は18世紀イギリス

備考[編集]

  • 1947年の12月にストラヴィンスキーはオペラの作曲を待ち切れずに、第3幕の第2場における導入の音楽(弦楽四重奏による)をすでに作曲していたという。
  • 本来初演は、ライトナーではなくイーゴリ・マルケヴィチが行う予定であった。