チート
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チート(cheat)とは、直訳すれば「ズル」あるいは「騙す」という意味の英単語で、日本のコンピュータゲーム用語としては、主としてメモリエリアに細工するなどの手法で、制作者の意図しない動作をさせる行為を指す。日本では一般には改造ツールなどを使用して、データを改変する行為がチートとして知られる。英語の"cheat"との違いは「チート」と"cheat"の節を参照。
「コンピュータがチートをする」などの用法についてはコンピュータ側の「チート」の節を参照。
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[編集] 概要
この操作は、コンピュータの誤動作を誘発させる行為であるため、本来は推奨されない。しかし実行中のプログラムの動作チェックを行ったり、または不正な操作を行う上で実行される。特にコンピュータゲームに関連してこの言葉が用いられる場合は主に後者を指す。
なおコンピュータが外来ノイズ等により、偶発的に誤動作を起こす事があり、確率の問題から、稀にそれが利用者にとって好ましい結果となりうるケースもあるが、これらはチート行為の範疇には含まれず、バグの一種として捉えられることもある。
[編集] 「チート」と"cheat"
英語圏では、cheatは「ズル」や「騙す」ことを意味するごく一般的な単語である。試験官を欺くカンニング(和製英語)は英語ではcheatingと表現し、ポーカーではブラフ等を含む一種のテクニックで他のプレイヤーを欺く行為をcheatと呼ぶ。ウエイトトレーニングにおいては動作に反動をつけて楽をすることで通常よりも重い負荷でトレーニングをする行為をcheatingといい、コンピュータゲームにおいては、単なるズル・裏技・隠しコマンドなどでシステムを欺く行為をcheatあるいはcheatingと呼ぶ。
当然、英語圏でも改造ツールは存在するが、「いんちき」「騙し」を強調するような場面でcheatを用いるのに対し、データを操作・改変すること自体に比重を置いて表現する場合は、MOD(modifyあるいはmodification:加減・修正)として区別する場合が多い。FPSの拡張MODや音源フォーマットとしてMODが存在するように、MODという単語自体には、ズルかどうかという意味は含まない。
日本語におけるチートは和製英語化しており、英語におけるMODまでを安直に含意して使用される場合があり、本来の意味とはやや変質(用途を限定)している点に注意する必要がある。
[編集] 技術手法
この方法は、幾つかの手法が存在するが、主なものはマルチタスクOS等で、複数のプログラムを実行できる環境で行われる物が多いとされる。
コンピュータは常に、プログラム内で一定のメモリエリアを確保して、実行に絡んで計算した結果や入力された値を、これらメモリに格納する。イメージとしては、作業の進行に従って、幾つものメモを残している状態を想像してすると分かりやすい。
チート行為では、これら実行中のプログラムが確保中のメモリエリアに他のプログラムから干渉、その内容を書き換える事で実行される。先の比喩に則れば、作業中に作られたメモに他人が改竄を加える行為に当たる。これらの行為は、広義ではクラッキングとして扱われる事もある。
このようして改竄されたメモリ内容を受け、プログラムが更に処理を続けた場合、プログラムの製作者が意図したのとは違う動作が行われる。更に先の比喩を続けるなら、メモに記載された商品発注の記載を書き換えられ、本来とは異なる商品を発注してしまったり、必要な量以上の商品を発注してしまったりという事態に繋がりかねない、という状態である。
このようにして、プログラムの動作を操ってしまうのがいわゆるチートである。
またプログラムによっては、実行結果をファイルの形でハードディスクやディスクドライブに記憶させる動作を行う物もあるが、このファイルを書き換えてしまう行為もチート行為に含まれる。通常、プログラムは様々な計算結果を、自身で利用しやすい形でファイルに出力するよう設計されているが、保存後のファイルをリバースエンジニアリング等の手法で解析、プログラムを誤動作させるべくファイルを改竄する行為も、このチート行為の範疇である。プログラム終了後の静的な状態にあるファイル(セーブデータ等)を改変する場合は、メモリのように動的に変化する物が対象では無いため、より簡単・確実に狙った動作を誘発させやすいと言える。
この他、プログラムの動作に強制的に介入して、設計された実行速度よりも速い速度で動作させるアクセラレーターや、一定の動作を自動的に繰り返させるマクロも、単調な所定の動作を繰り返す事で経験値等が稼げるゲーム上ではチート行為の一種とされている。
[編集] チート行為と社会現象
コンピュータが、特定のユーザーと一対一で作業している場合に於けるチート行為は、その結果(狙った結果にせよ、チート失敗によるデータ破損によるプログラムの制御不能な暴走にせよ)を含めて、ユーザー自身に責任があり、また他に迷惑が掛かる訳でも無いため、社会的な問題とは成らない。
しかしオンラインゲーム等では、ネットワークで通信中の相手にも影響が出るため、チート行為が成功している場合には不公正な状態に、失敗してプログラムの暴走が起こった場合には相手側もその異常動作のとばっちりを受ける危険を孕んでいる。
[編集] さまざまなチート
[編集] 「改造」との違い
チートとしばしば同一視されるものにプログラムの「改造」(あるいは「拡張」)がある。両者の違いは明確ではなく、ある人にとっては「改造」であるものが別の人には「チート」であるとみなされる場合もある。そもそもが排他的な概念では無いため、データなどを改造する行為を以て「チート」と呼ぶこともある。
いずれにせよ、MMORPG等のオンラインゲーム他、対戦ゲームになると不正行為として忌み嫌われている他、ゲーム提供側もこの行為を厳しく取り締まっており、発覚すればアクセス禁止やアカウント抹消の措置を受ける事もある。
しかしコンピュータゲームに関して他人との競争関係などの発生しないオフライン(=非オンライン)でのチート行為は、オンラインゲームに於けるチート行為と比較すれば、極めて私的な行為でありそこで公平性を問われることが無い、個人の裁量に委ねられる部分だとの解釈もあり、やましいことでもないとも解される。またオンラインゲームにおけるチートに厳しいゲームメーカーも、オフラインでのチートには容認、あるいは黙認していることもある。
ことパソコンゲームにおいては、リバースエンジニアリング手段が動作プラットフォームとなっているパソコンに組み込まれているため、8ビットパソコン(→8ビット御三家)の時代から改造手法などが『コンプティーク』をはじめとしたいわゆる「パソコン雑誌」に掲載されることもあった。また製作者側が拡張パックの一機能や後述の公式チートとしてデータ編集手段を提供する場合においては、チート行為との違いはメーカー公式の手段であるか否かの点くらいにしか見出せないこともある。
以上のような理由から「チート」の持つネガティブなイメージを嫌ってか「改造」の語が好まれる傾向も見られる。今日の市販パソコンゲームなどでも設定ファイルなどを改竄することでゲーム内容にそれなりの働き掛けを行うことが可能なゲームソフトも暗として存在している。ツールソフトウェア・改造ツールとも呼ばれる、そういった改造手法や改造用のプログラムを公表している個人すら見受けられる。
ただ以下に述べるように「作品として提供されているソフトウェアを部分的にせよ改竄する行為」で同一性保持権を損なうという側面もあるため、これらの改造ツールに関する議論も無い訳ではない。
[編集] シミュレーションとチート
シミュレーションゲームを含むコンピュータシミュレーションでチート行為を行った場合、当然ながら計算結果はシミュレーション制作者の意図したものと異なる。シミュレーションゲームではある仮定された現象にユーザーが特定要素を操作する形で現象に参加、その結果の変化を楽しむ性格のコンピュータゲームではあるが、シミュレーション上におけるチート行為では、本来ユーザーが変更できない要素までをも(制作者が意図した範疇を超えて)操作可能になることから、愛好者筋においては批判的に認識される。一方でシミュレーション過程が難解で、ゲーム過程よりもエンディングなど結果だけを見ることを優先する欲求も存在する。またゲームに手応えが感じられない場合に逆にプレイヤー側にあえてハンデを与えるようにチート行為を行うこともある。
オフライン(シングルプレイ)の場合は、版権元(メーカー)が告訴することは第三者などへの頒布を伴わない限りあまりない。理由としては前述の通りオフラインでならユーザーの自己責任で使って問題がないとする解釈も存在することや、自己責任で正規に使用許諾を受けたプログラムをクラッキングをしても他人に影響を与えていないことがあり、また取り締まるにも許諾元が改造の事実を知りうる可能性がまず無いことがある。さらにメーカー自身が後述のチートモード等を「お楽しみ」として実装している場合もある。
[編集] コンピュータ側の「チート」
以下に述べる「コンピュータ側のチート」は、本来の意味に近い用法としてのcheat(「いんちき」「騙し」)で、プレーヤーに対して制作者側が仕掛ける「ズル」ないし「インチキ」である。
これらは他で述べる「チート」である「制作者の意図しない外部からの技術的操作」ではなく、制作者側が意図してプログラム中に組み込んでいるものである点が大きく異なる。具体的には、プレーヤーに対抗するコンピュータ側、いわば仮想プレーヤーの思考を司るアルゴリズム設計の手法がまだ確立されていなかった時代に、このアルゴリズムの「弱さ」を他で補うために行われた。
シミュレーションゲームにおいては、ゲーム内容の関係やバランス修正の目的で、コンピュータ(仮想プレーヤーの思考ルーチン)側に有利な判定をするよう補正プログラムを組み込んだり、内部数値を他要素から逸脱して設定したりするようアルゴリズムが設計されることもある。
シミュレーションゲーム以外でも、初期のコンピュータゲーム版麻雀のうち特に脱衣麻雀においては、乱数(擬似乱数)など粗雑なアルゴリズムでコンピュータ側の和了タイミングを決めるものが見られた。これは当時のハードウェアスペックや、思考アルゴリズム設計のプログラミング的な限界が原因と思われるが、作品によってはコンピューターが役満など成立しづらい役を頻繁に和了するゲームも存在したことから、脱衣麻雀ゲームのファンはこういったゲームシステムを「イカサマ」と呼ぶことも多かった。後に、ハードウェアスペックやコンピューターの思考ルーチンが向上してくると、「イカサマなし」ということを売り文句にする麻雀ゲームも登場した。
これらは比較的容易に難易度調整が可能な手段である一方で、プレイヤー側とコンピュータ側とで不公平が存在するとして、また思考ルーチンの改良などと比較すると根本的解決とは言えないとして、問題視されることもあった。
ただこれらは、実際にプログラムを解析してみないことには、コンピュータが「チート」を行っているかどうかを検証することはできない。このためたとえコンピュータ側が「チート」を行っていなくても、ユーザー側が論拠なしに「チート」が存在すると考えたり憶説が流されたりする場合もあることも、これらの問題が簡単には扱えない部分を含んでいる。
[編集] チートモード
一部のゲームにはプログラム内に一定の予定された機能として、「チートモード」と呼ばれる付加機能が追加されている場合がある。これらはプログラム制作者が、プログラムのおまけとして付加した物であるため、本来のチートとは意味が異なるが、元々のプログラムには無い使い方が提供されている。またPCゲームのコンソール画面から入力する、デバッグのために用いられるコンソールコマンドもこれに該当する。
特に遊び心のあるゲームソフトウェアメーカーは、これらチートモードをゲーム内に組み込みゲーム作品本体とは異なる楽しみ方を提供するなどしている。例えば、本来はシリアスなゲームなのに敵をコミカルなキャラクターに変更したり、主人公に着ぐるみを着せたりおかしなキャラクターに変更するといったものがある。また「ゴッドモード」や「アイテム使用無制限」、「一撃必殺」など、ゲームを非常に有利に進める条件を提供する機能の場合もある。古くは隠しコマンドとも呼ばれた。
[編集] オンラインゲームとチート
2000年代現在、一般に提供されているオンラインゲームなどでは、技術的な側面からはチート行為が可能であっても、利用規約上でチートが禁止されているのがほとんどであり、これに違反した場合は強制解約されることもある。また、オンラインゲーム以外のチートでも、後述するように著作物であるソフトウェア内容の改変とみなされるケースもあり、注意が必要である。
特にオンラインゲームを含むサーバへの接続を前提としたサービスでは、クライアントソフトウェア(→端末)の改変による不正な情報の送信を行った場合に不正アクセスとみなされる可能性もあるため、技術手法以外に法的な妥当性も留意すべきであろう。
2000年代現在ではMMORPG等の、各ユーザー間で一種の競争状態が発生し得るゲーム上にて、これらチート行為を行う事に絡む問題が発生している。もっとも判りやすい例としては、レースゲームでチート行為を行い、自分のレースカーが存在する座標を書き換えて、スタート直後にゴール直前に「置いてしまう」行為が挙げられる。こうなってしまうと、他のレース参加者は、絶対的にチート行為を行ったプレーヤーを追い抜く事は出来ない。 ゲームを提供している企業では、そのような不正行為が行えないよう、各レースカーの座標をチェックするプログラムをゲームソフトウェア内に追加したり、外部からは座標データを不正に変更できないよう、ゲームのプログラムを設計する様式が一般的となる。
また各レースカーの性能を決定するデータが書き換えられ、本来のゲームではありえない性能のレースカーをチート行為で不正に作成した場合、やはり不公正となり、これらの行為をゲーム提供側はバージョンアップやチート防止ソフト等で防止策を組み込む事になる。実際問題としてチート行為と防止策は、一定のイタチゴッコの関係にある。
またオンラインゲーム上のアイテムを現金で売買するRMTと呼ばれる市場も発生しているが、この市場に目を付け、チート行為によって不正に入手したアイテムを販売する者もあるとされる。この場合、ある意味では誰も損をせずに、アイテムの売上だけがチート行為実行者に転がり込んでいるようにも見えるが、別の意味ではゲーム自体の信頼性を損なわせ、またゲームのバランスを壊してしまい、他のチートを行わない・それらによって作られたアイテムを購入しないプレーヤーから見て、やはり不公正な状態になる。こうなるとゲーム自体の魅力を損なう事にもなるため、ゲーム提供企業の損益にも繋がる。
こうして今日では、チート行為は不正な行為として、処罰の対象とされる。しかしその一方で、作者不詳のチートプログラムがインターネット上で流布されていたりして、これに絡む問題も少なからず発生している他、これらチートプログラムと偽ってコンピュータウイルスやスパイウェアといったマルウェアも出回っており、出所不明の噂を鵜呑みにしてこれらプログラムを実行、深刻なダメージを被るケースも聞かれる。
これらの背景から、ウイルス対策などと同じくオンラインゲームのプログラム実行中に常駐して、チートの原因となる不正行為を監視するアンチチートソフトウェア(例:PunkBuster)やメモリ上の数値を常時監視して不正が検知された場合に処理を停止させる機能を持ったゲームソフト(例:メタルギアソリッド ポータブル OPS+)が存在する。だがその一方で、これらのソフトウェアの脆弱性や欠陥を突いて、機能を無効にするなどの行為も存在する。オンラインゲーム本体同様に、不正行為を監視するソフトウェアにおいてもイタチゴッコが続いている現状にある。
なおオンラインゲームにおいてチートを行うプレイヤーやまたはその愛好家のことをチーター(cheater)、その対義語でチートを悪用せず普通にプレイする人や発見したチートをゲーム運営側に報告するプレイヤー等をレジット(legitimateの略)と呼ぶ[要出典]。
[編集] 事件となったチート行為
チートは、今日においてコンピュータゲーム全般に対して行われる不正行為を指す場合が多い。この中には、ゲーム制作側の意図した内容を著しく損なう場合もあるため、事件として係争関係にも陥り、また法的規制をも新設されることがある。
日本では以下で示すように、チート関連業者側が敗訴となった判例がある一方で、ツール類や操作手段を解説した本なども販売されている。
一方、欧米でもチートをめぐって訴訟が行われたが、チート関連ツール関係者側の勝訴が定着する傾向にあり、そのため技量の低いプレイヤーでもゲームを楽しめるようにする手段としての地位を確立している。欧米企業の販売するゲームにおいては、販売を開始して一定期間経過した後、チートが公式サイトに掲載されるケースやMODと呼ばれる簡易拡張パックの開発に必要な情報が公開されるケースすらある。
[編集] 三國志III事件
1995年、光栄(現コーエー)が技術評論社に対して起こした訴訟である。
技術評論社刊の『三國志III非公式ガイドブック』には「NBDATA」と称するプログラムを収録したフロッピーディスクが添付されており「『NBDATA』を使用するとゲーム中に登場する武将のパラメータを通常プレイ時の最大値である100よりも高く設定できるため、ゲームバランスを破壊し、同一性保持権及び翻案権を侵害する」というのが光栄側の主張であった。
これに対し、技術評論社側は
- パラメータの上限を100と定めるのはルールに過ぎず、ゲームのルールに著作物性は存在しない
- 本件のようなシミュレーションゲームではプレイヤーの裁量により幅広い展開が予定されており、その全てが著作者の想定する範囲に属するとは言えない
と反論。一審・東京地裁、二審・東京高裁とも技術評論社側の主張を全面的に認めた(2001年12月に最高裁で確定)。
2007年現在、個人が閉鎖領域内(改変結果を不特定多数人に公表しない前提)でチートを行うのは合法とする説の根拠はこの判決が基になっているが、そもそも日本の著作権法がベルヌ条約で求められている「名誉・声望を害する形での改変」以上に広汎な禁止権限を著作者に認めてしまっている為に諸外国では合法に行われている行為すら杓子定規的に違法と判断される根本的な欠陥を抱えているものであり、直ちに改正すべきだと言う声も根強い。こうした声を受けて、著作権法を所管する文化庁では2005年より著作者人格権の見直しに関する調査・研究を著作権情報センターに委託するなど現行法の見直しに向けた動きも出始めている。
なお光栄が三國志IIIの次の作品三國志IVよりパワーアップキットと呼ばれるソフトを(訴訟決着前から)各作品で発売するようになったのも、この事件に背景があるとの見方もある。
また本件と直接は関係ないが、コーエーは2005年にウエストサイド社の販売していた同社作品のチートツールに対し警告を行い、オンラインゲームのもののみならず全面的に販売停止に追い込んでいる。[1]
[編集] ときめきメモリアルメモリーカード事件
2001年にコナミが、同社の販売する恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』の改変セーブデータを格納したメモリーカードを販売したスペックコンピュータに対して訴訟を起こした事件。この裁判においては、ゲームソフトが「映画の著作物」に該当するか否かが争点となった。
訴えられたスペックコンピュータは以下のように反論した。
- 単なるデータの提供であって、著作物本体(CD-ROM内のデータ)を改変していない。
- このメモリカードを使ってもプログラムは暴走や停止することなく正常に機能できるので許容範囲内のデータであり同一性保持権の侵害には当たらない。
- ゲームはプレイヤーの入力によってストーリーが変化し、ストーリーが固定されていないので「映画の著作物」に当たらない。
- 仮に侵害していたとしても、その主体はプレイヤーである。
大阪地裁での第一審では、ゲームを「映画の著作物」に準ずるものと判断した他はスペックコンピュータの主張をほぼ認めたが、コナミはこれを不服として控訴した。
大阪高裁での第二審では、ゲームを「映画の著作物」と判断し、改変セーブデータの提供はゲームソフトに対して製作者の意図した範囲外の動作を引き起こすためストーリーの改変に当たる、として同一性保持権の侵害を認め、さらに意図して侵害行為に主体的に加担しプレイヤーを介して侵害行為を行ったとして、コナミ側の請求のうち114万6000円の損害賠償を認めた。
[編集] デッドオアアライブ事件
2002年にはテクモが、同社が発売していた家庭用ゲーム機用対戦型格闘ゲーム『デッドオアアライブ2』のデータを改変し、特定の女性プレーヤーキャラクターをヌードでプレイできるチートプログラムを発売していたウエストサイド社に対し、翻案権又は同一性保持権を侵害されたとして訴える事件が起こっている。同事件では、著作物の改変が主に争われた。このプログラムは、ゲームのオープニングデモの中で演出のために一瞬登場する裸のキャラクター用に用意されていたキャラクターモデルをゲーム内で実際に使用できるようにしたものである。
ウエストサイド側は、著作物本体には何等変更は加えておらず、単にゲームソフトウェア内に元々存在していた裸のキャラクターのデータを呼び出せるようにしただけに過ぎないと反論した。
裁判は2004年に最高裁がウエストサイドの上告を棄却したことで地方裁判所の出したテクモの勝訴判決が確定した。各々のプレーヤーに、プログラムで本来提供されるべき「ゲーム」という一つの作品を、作為的に改変して提供できる行為を助長するプログラムをウエストサイド側が提供していたとして、200万円の損害賠償を命じた。
[編集] Grand Theft Auto 性的シーン問題
2005年、暴力的なゲームを非難しているアメリカの団体、NIMF(全米家族メディア研究所)が世界的に人気の高いRockstar Games社のゲーム『Grand Theft Auto: San Andreas』のパソコン版が、特定のチートコードを使うことで性的なシーンが見られるとして批判声明を発表。元々同作の暴力的な内容に批判が多かったことから、この声明をきっかけとしてマスコミで大々的に取り上げられる。
この報道がきっかけで日本でもゲームに対する規制論が高まり、チートを適用するのが不可能な家庭用ゲーム機版『Grand Theft Auto: San Andreas』の日本への移植が延期となったり、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)の暴力ゲームへの規制に伴い、「Z」区分(18才以上のみ対象)の新設で規制が強化されるなどといった影響があった。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- ネットゲーム チートRMTの教科書 ISBN 4887188242

