摩利と新吾

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摩利と新吾』(まりとしんご)は、1977年から1984年まで『LaLa』に掲載された旧制高等学校を舞台とした木原敏江による漫画作品。現在は白泉社文庫から全8巻が刊行されている。また、タイトルの後に「ウエットでバンカラな」を意味するドイツ語風の造語「ヴェッテンベルク・バンカランゲン」が併記されることが多い。

あらすじ[編集]

幼い頃からの親友同士である鷹塔摩利と印南新吾は、16歳の春に名門旧制高校持堂院高校に入学する。眉目秀麗・文武両道の二人は入学式で四季遥・春日夢殿・大和飛竜といった個性的な先輩たちに目をつけられ、秘密裏に持堂院における生徒会機関である「全猛者連」の新会長になるためのテストを受けさせられる。そのテストに合格した二人は「全猛者連」新会長として、また持堂院の一生徒として友の死・他校との合戦など様々な印象深い思い出を作りながら、仲間たちとかけがえのない青春を過ごす。

ある時、摩利は自分が新吾に対して友愛以上の愛情を抱いていることに気付く。煩悶しながらも、開き直って新吾を思い続ける事を決めた摩利。しかし、二人が高校3年生の春、新入生として入学した滝川篝の登場により二人の関係はにわかに転換期を迎えようとしていた……。

主な登場人物[編集]

持堂院高等学校の生徒と教授[編集]

  • 鷹塔 摩利(たかとう まり)
世界的な貿易商で伯爵の父とドイツ貴族の令嬢を母にもつ混血児で、女性と見まごうばかりの美貌の持ち主。子供の頃、混血を理由に周囲から白い目で見られて避けられてたが、兄弟同様に育った新吾が常にかばってくれたおかげで、勉強も運動も頑張り、文武両道となり、次第に周りからも一目置かれる存在になった。
父親は海外(特にドイツ)で仕事をしていることが多く、母親は小さい時に亡くなり、ばあやの手で育てられるが、新吾の両親からも面倒を見てもらうこともある。
少年時代の活動の拠点は日本だが、ドイツへちょくちょく行くこともあり、そこで同性愛の公爵から手ほどきをうけ、次第に同性愛に目覚めて行き、やがて、親友の新吾を愛するようになる。
新吾と持堂院高等学校へ入学してから、その新吾への同性愛の思いに苦しむ。さらに同じ同性愛者の春日夢殿にいいよられたりする。
持堂院卒業後は帝大を新吾と共に受け見事合格するも、父親の住むドイツへ父親の事業を手伝うために留学。そこで新吾が女性に目覚め自分を恋人としては受け入れられないことを知りショックをうけるも、幼馴染のささめとの再会で、元隣家の女中のささめが海外に嫁いで離婚されて苦労しているが、めげずに強く生きていることを見て気を取り直し、新吾と親友のままでいることに同意する。
やがて、鷹塔家の女中になったささめとの間に一子をもうけるも、一生結婚しなかったため、やはり新吾への愛が一番だったと思われる。
性格はクールで冷静だが、新吾のことになるとムキになるところがあり、新吾を傷つけるものには容赦ないところがある。
  • 印南 新吾(いんなみ しんご)
摩利と生まれたときからの親友で、その天真爛漫な明るさゆえに「おひさま新吾」と言われ、皆に愛されている。摩利とは「おみきどっくり」とあだ名をつけられるぐらい一心同体の存在。
子供の頃、周囲から混血で白い目で見られていた、摩利を常にかばい、摩利と一緒に学業も運動も頑張り、文武両道になり彼も周囲から一目置かれる存在になる。
摩利と共に持堂院高等学校に入学して、一年生ながら、摩利と共に全猛者連の会長に任命される。
二年までは順風満帆だったが、三年になると、両親を事故で亡くし、転入生の滝川篝に嫌がらせをされ、さらに滝川の策略で、親友だと思っていた摩利が実は同性愛者で自分を愛していたことを知り、その思いに最初は戸惑うも、やがて摩利を恋人として受け入れようと努力をする。持ち前の親しみやすさで女性登場人物から言い寄られることが多いが、摩利のためにすべて拒否する。
持堂院を卒業後は摩利と帝大を受けて合格するも、摩利と共にドイツへ留学、目的は父親のような医者になるため。
ドイツでドリナというセルビアの女性と出会い、彼女と恋に落ちて摩利のことを同性愛者としては愛せないことを自覚して、摩利との仲が一時悪くなるも、ドリナにセルビアに一緒にきてほしいと言われ戸惑うが、「摩利の声が聞こえた」という理由で拒否。結局はドリナより摩利のそばにいることを選ぶも、同性愛者の恋人としてでなく、親友としてということを摩利に告げ、摩利を納得させる。
帰国後は父親の後を継いで日本で医者として活躍し、かねてから言い寄られていた娘、一二三と結婚し子供をもうけた。
性格は明るくお人よしで誰にでも優しいが、言うべきことは我慢せずきちんと主張するタイプで、男気がある。
  • 春日 夢殿(かすが ゆめどの)
  • 安曇 紫乃(あずみ しの)
  • 設楽 星男(しだら ほしお)
  • 牧 織笛(まき おるふえ)
  • 藤村 月夜麿(ふじむら つきよのまろ)
  • 百地 桃太郎(ももち ももたろう)
  • 大江山 将鬼(おおえやま しょうき)
  • 泉 白菊丸(いずみ しらぎくまる)
  • 麦刈 金太郎(むぎかり きんたろう)
  • 黒羽 鉄之介(くろば てつのすけ)
  • 留 三衣(とどめ みつぎぬ)
  • 鴨沢 勇(かもざわ いさむ)
  • 風魔教授(ふうまきょうじゅ):摩利と新吾の恩師。持堂院高等学校ドイツ語教師
  • 鷹塔 思音(たかとう もね):摩利の父親
  • 松平 蓉姫(まつだいら ようひめ):新吾との恋に苦悩する摩利に助言を託す品の良い老婆。作者の先行作品「天まであがれ!」のメインヒロインの後年の姿。

サブタイトル[編集]

  • 本編 - ここでは白泉社文庫を参考に、タイトル冒頭にナンバリングされているものを本編とし、「番外編」と記されているものは別項にまとめてある。
    1. 摩利と新吾(初出 LaLa1977年3月号)
    2. 頭文字(初出 LaLa1977年5月号)
    3. お花畑不知火の変(初出 LaLa1977年7月号)
    4. 題知らず(初出 LaLa1977年9月号)
    5. わっしょい!!(初出 LaLa1977年11月号)
    6. 夕日にぎんなん五目飯(初出 LaLa1978年12月号)
    7. 雪(初出 LaLa1979年1月号)
    8. 緑紅最前線(初出 LaLa1979年2月号 - 7月号)
    9. 忍ぶれど(初出 LaLa1980年2月号)
    10. 摩利と新吾(初出 LaLa1980年3月号 - 9月号)
    11. 新吾と摩利(初出 LaLa1981年5月号 - 11月号)
    12. 浪漫伝説(初出 LaLa1982年2月号)
    13. 奇々怪々(初出 LaLa1982年5月号 - 7月号)
    14. 青嵐(初出 LaLa1982年2月号 - 1983年10月号)
    15. LARGO(初出 LaLa1983年11月号 - 1984年2月号)
  • 番外編
    • 花の桜豪寮名簿(初出 LaLa1979年11月号)
    • 乱乱々(初出 LaLa1980年11月号)
    • 縞りんご通信(初出 LaLa1981年1月号 - 4月号)
      • その1 衣装持ちの摩利について
      • その2 新吾が大食いになった理由について
      • その3 与話情浮名叛乱
      • その4 続・与話情浮名叛乱
    • 縞りんごの日課表(初出 しまりんごスペシャル)
    • 欧州秘話その1 ユンター・ムアリー(初出 あすか1月号)
    • 欧州秘話その2 ローエングリン(初出 あすか5月号)
    • 欧州秘話その3 グランドロマン(初出 プチフラワー5月号)