捜査本部

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捜査本部(そうさほんぶ)とは、日本の警察において重大(処罰が最低でも懲役5年の実刑、最高で死刑や無期懲役になる)事件などが発生した際に捜査のために警察本部または発生地を所轄する警察署に臨時で設置される組織のこと[1]

捜査本部は、事件の規模によって、殺人などのうち、特に社会的反響の大きい重要事件を扱う「特別捜査本部」(略して「特捜本部」)、警察本部と所轄警察署が共同で設置する「部長指揮の捜査本部」、所轄警察署のみで組織される「署長指揮の捜査本部」の3種類に分けられる。また、これとは別に、事件が複数の都道府県をまたぐ場合、指揮を一元化する「合同捜査本部」と一元化しない「共同捜査本部」という捜査範囲による分類がある[2]

捜査本部には警察本部から多くの刑事が派遣される。所轄警察署の刑事と合わせて数十名、重大事件では数百名という捜査人員が投入されることもある。通常、指揮を執るのは警察本部の管理官・課長や係長だが、事件の重大性によっては警察本部の部長が指揮を執ることもある[2]。捜査本部長のもとには、副本部長、事件主任官、広報担当官、捜査班運営主任官、捜査班長、捜査班員という編成で運営される。このとき、鑑識活動が重要とされた場合は、副本部長として鑑識課の課長が任命され、さらに鑑識資料分析官として鑑識課の職員が捜査本部員として加わる場合もある[3]

捜査本部が設置され、事件や事故が解決されると捜査本部はすみやかに解散するが、中には未解決のまま捜査本部を解散する場合もある。その場合は、所轄警察署長または担当課長に引き継がれ、継続して捜査が行われることになる[3]

脚注[編集]

  1. ^ 捜査本部”. コトバンク. 小学館デジタル大辞泉). 2018年10月14日閲覧。
  2. ^ a b 北芝健 『警察のしくみ』 ナツメ社、2007年12月10日、P.86-88、ISBN 978-4-81634-225-7
  3. ^ a b 警察の捜査本部、特別捜査本部の設置パブリネット

外部リンク[編集]