抑肝散

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抑肝散(よくかんさん)は漢方方剤の一。 初出は1556年に出版された小児医学書「保嬰撮要」(薜鎧著、薜己注釈)。

目次

[編集] 組成

蒼朮(または白朮)、茯苓川芎釣藤鈎当帰柴胡甘草

[編集] 効能・効果

虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症不眠症小児夜なき小児疳症

平肝熄風、気血双補。 やせ形でやや虚弱、腹直筋に緊張が見られる患者の痙攣、情緒不安、不眠自律神経失調症血の道症、夜泣きなどに用いる。 元来は小児向けの処方だが、(量を調節すれば)同じような症状がみられる成人が服用しても問題はない。

近年の研究から、進行した「アルツハイマー認知症」で起こる妄想や、徘徊(はいかい)、暴力などの抑制にも効能があることが知られている[1][2]

[編集] 臨床試験

認知症患者(原疾患:アルツハイマー,脳血管障害,Lewy小体病)でMini-Mental State Examination(MMSE)スコア24 未満、neuropsychiatric inventory(NPI)スコア6 より高値の52例(抑肝湯群27 例、非投与群25 例)によるランダム化比較試験において、抑肝湯は非投与群に、NPI スコア、幻覚、不安興奮などで有意な改善を認めた。[1]

[編集] 副作用・禁忌

消化器が非常に弱い患者には、慎重に用いること。 また、甘草を含有するため、偽性アルドステロン症が起こる危険がある。

[編集] 関連処方

  • 抑肝散加陳皮半夏:日本での臨床知見をもとに、抑肝散に改良を加えて開発された処方。
慢性患者や成人向けに、痰飲を除く作用が強化されている。

[編集] その他

原典「保嬰撮要」には、この方剤について「母児同服」(患児の母親もこの薬を服用すること)と書かれている。これは、当時の医学に、今日の家族療法に通じる臨床知見があったことを示すものであるとされる。

[編集] 脚注

  1. ^ Iwasaki K,et al. Journal of Clinical Psychiatry,2005,66,p248-52.