懸垂下降

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
Abseil rappell pano.jpg
UH-1Jヘリコプターからリペリング降下を行う陸上自衛隊レンジャー隊員
ザイルを通したエイト環

懸垂下降(けんすいかこう)は、ザイル(ロープ)を使って高所から下降する方法のことである。登山では主に急峻な斜面や岩壁、軍事活動のヘリボーンや救助においては、ヘリコプターが着陸できない状況下にてホバリング中のヘリコプターなどから降りる際、またはCQBにおいて、建物屋上から内部に進入する際にも用いられる。ドイツ語からアプザイレン(Abseilen)、英語からラッペリング(rappelling)もしくはリペリングとも言う。

概要[編集]

ロープにセットされた下降器を用い、ロープと下降器の摩擦をゆるめながら後ろ歩きの要領で下降する。オーバーハングのある岩壁やヘリコプターからの降下などではロープを一気に滑り降りる場合もあるが、訓練を積んでいない者が行うのは極めて危険である。

用具[編集]

ダブルで使用するため、一度に下降できる距離はザイルの長さの半分弱までである。
  • 支点
岩に打ち込んだハーケンや立木を利用する場合が多い。脱落などの危険も考慮し、二点以上の支点を設けることが望ましい。
  • 下降器
ロープに適度な制動力をかけるためになどを使う。軽量で操作が簡単なエイト環が一般的。また、手が離れた際に自動的に制動のかかるものもあるが、操作が複雑なうえに高価なため、レスキューや高所作業での使用が主流である。
衝撃吸収のため、腰部だけでなく大腿部までホールドするものを用いる。消防などでは「座席結び」と呼ばれる方法で体に巻いたロープを使用する場合もある。また、ハーネスに使用するカラビナは必ず安全環付きのものを使用する。
また、下降器やハーネスを用いず、「首絡み」や「肩絡み」といったロープを体に絡ませて行う方式もあるが、摩擦による擦傷など身体への負担も大きいため、応急的な手段であり一般的には用いられない。消防においても訓練は行うが、現場においてはハーネスを使用している。
  • 手袋
手に強い摩擦が生じるため、革製のものが望ましい。

関連項目[編集]