恒川光太郎

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恒川 光太郎
(つねかわ こうたろう)
誕生 (1973-08-18) 1973年8月18日(50歳)
日本の旗 日本東京都武蔵野市
職業 小説家ホラー作家
教育 学士(経済学)
最終学歴 大東文化大学経済学部卒業
活動期間 2005年 -
ジャンル ホラーファンタジー
代表作 『金色機械』(2013年)
主な受賞歴 日本ホラー小説大賞(2005年)
日本推理作家協会賞(2014年)
デビュー作 『夜市』(2005年)
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恒川 光太郎(つねかわ こうたろう、1973年8月18日[1] - )は、日本小説家ホラー作家

来歴[編集]

東京都武蔵野市出身[2]大東文化大学経済学部卒業。

29歳の頃に沖縄県に移住し、塾の講師をしながら書いた「夜市」で第12回(2005年)日本ホラー小説大賞を受賞[2]。選評で高橋克彦に「発想の転換」の才能を持つ人物だと評された[3]。受賞作と書き下ろしの「風の古道」を併録した『夜市』で小説家デビューを果たした。

「風の古道」はネモト摂(木根ヲサムの別名義)により漫画化され、2006年週刊ヤングサンデーに全5話で短期連載された。その後、2007年より同誌にて再び木根ヲサムの手によって連載漫画化、世界観や一部の登場人物を引き継いだ作品として「まつろはぬもの〜鬼の渡る古道〜」と改題し、単行本全6巻が刊行された。漫画版「風の古道」は「まつろはぬもの」単行本第5巻に収録されている[4]

「夜市」は奈々巻かなこにより漫画化され、『ミステリーボニータ』(秋田書店)2018年7月号から連載された。単行本は2018年11月16日に刊行された。

2014年、『金色機械』で第67回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞。

幻想的で精妙な作風を得意としている。

文学賞受賞・候補歴[編集]

著作[編集]

単行本[編集]

小説[編集]

  • 夜市(2005年10月 角川書店 / 2008年5月 角川ホラー文庫
    • 収録作品:夜市 / 風の古道
  • 雷の季節の終わりに(2006年10月 角川書店 / 2009年8月 角川ホラー文庫)
  • 秋の牢獄(2007年10月 角川書店 / 2008年1月 大活字文庫【上・下】 / 2010年9月 角川ホラー文庫)
    • 収録作品:秋の牢獄 / 神家没落 / 幻は夜に成長する
  • 草祭(2008年11月 新潮社 / 2011年5月 新潮文庫
    • 収録作品:けものはら / 屋根猩猩 / くさのゆめがたり / 天化の宿 / 朝の霞町
  • 南の子供が夜いくところ(2010年2月 角川書店 / 2013年2月 角川ホラー文庫)
    • 収録作品:南の子供が夜いくところ / 紫焔樹の島 / 十字路のピンクの廟 / 雲の眠る海 / 蛸漁師 / まどろみのティユルさん / 夜の果樹園
  • 竜が最後に帰る場所(2010年9月 講談社 / 2013年9月 講談社文庫
    • 収録作品:風を放つ / 迷走のオルネラ / 夜行の冬 / 鸚鵡幻想曲 / ゴロンド
  • 金色の獣、彼方に向かう(2011年11月 双葉社 / 2014年11月 双葉文庫 / 【改題】異神千夜 2018年5月 角川文庫
    • 収録作品:異神千夜 / 風天孔参り / 森の神、夢に還る / 金色の獣、彼方に向かう
  • 私はフーイー 沖縄怪談短篇集(2012年11月 メディアファクトリー / 【改題】月夜の島渡り 2014年12月 角川ホラー文庫)
    • 収録作品:弥勒節 / クームン / ニョラ穴 / 夜のパーラー / 幻灯電車 / 月夜の夢の、帰り道 / 私はフーイー
  • 金色機械(2013年10月 文藝春秋 / 2016年5月 文春文庫
  • スタープレイヤー(2014年8月 KADOKAWA / 2017年8月 角川文庫)
  • ヘブンメイカー スタープレイヤーⅡ(2015年12月 KADOKAWA / 2017年10月 角川文庫)
  • 無貌の神 (2017年1月 KADOKAWA / 2020年4月 角川文庫)
    • 収録作品:無貌の神 / 青天狗の乱 / 死神と旅する女 / 十二月の悪魔 / 廃墟団地の風人 / カイムルとラートリー
  • 滅びの園(2018年5月 KADOKAWA / 2021年5月 角川文庫)
  • 白昼夢の森の少女(2019年4月 KADOKAWA)
    • 収録作品:古入道きたりて / 焼け野原コンティニュー / 白昼夢の森の少女 / 銀の船 / 海辺の別荘で / オレンジボール / 傀儡の路地 / 平成最後のおとしあな / 布団窟 / 夕闇地蔵
  • 真夜中のたずねびと(2020年9月 新潮社)
    • 収録作品:ずっと昔、あなたと二人で / 母の肖像 / やがて夕暮れが夜に / さまよえる絵描きが、森へ / 真夜中の秘密
  • 化物園(2022年5月 中央公論新社)
    • 収録作品:窮鼠の旅/猫どろぼう猫/風のない夕暮れ、狐たちと/十字路の蛇/胡乱の山犬/日陰の鳥/音楽の子供たち
  • 箱庭の巡礼者たち(2022年7月 KADOKAWA)
    • 収録作品:箱のなかの王国 物語の断片1 吸血鬼の旅立ち/スズとギンタの銀時計 物語の断片2 静物平原/短時間接着剤 物語の断片3 海田才一郎の朝/洞察者 物語の断片4 ファンレター/ナチュラロイド/円環の夜叉 物語の断片5 最果てから未知へ

絵本原作[編集]

アンソロジー[編集]

「」内が恒川光太郎の作品

  • きみが見つける物語 休日編(2008年7月 角川文庫)「秋の牢獄」
  • 七つの死者の囁き(2008年11月 新潮文庫)「夕闇地蔵」
  • 怪談列島ニッポン 書き下ろし諸国奇談競作集(2009年2月 MF文庫ダ・ヴィンチ)「弥勒節」
  • スタートライン―始まりをめぐる19の物語(2010年4月 幻冬舎文庫)「海辺の別荘で」
  • 怪談実話系7 書き下ろし怪談文芸競作集(2012年2月 MF文庫ダ・ヴィンチ)「布団窟」
  • 坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー(2013年1月 光文社 / 2014年6月 光文社文庫)「古入道きたりて」
  • 二十の悪夢 角川ホラー文庫創刊20周年記念アンソロジー(2013年11月 角川ホラー文庫)「銀の船」
  • 謎の放課後 学校のミステリー(2013年11月 角川文庫)「屋根猩猩」
  • 走る?(2017年8月 文春文庫)「リスタート」
  • 猫ミス!(2017年10月 中公文庫)「猫どろぼう猫」
  • ねがいごと(2018年5月 静山社)「七夕の墜落」

メディア・ミックス[編集]

ラジオドラマ
  • 夜市(2015年10月24日 午後9時~午後9時50分、全1回、NHK-FM「FMシアター」、出演:梅舟惟永他)
漫画
作画:木根ヲサム
  • まつろはぬもの1 〜鬼の渡る古道〜(2007年11月 ヤングサンデーコミックス
  • まつろはぬもの2 〜鬼の渡る古道〜(2008年3月 ヤングサンデーコミックス)
  • まつろはぬもの3 〜鬼の渡る古道〜(2008年7月 ヤングサンデーコミックス)
  • まつろはぬもの4 〜鬼の渡る古道〜(2008年9月 ヤングサンデーコミックス)
  • まつろはぬもの5 〜鬼の渡る古道〜(2008年10月 ヤングサンデーコミックス)
  • まつろはぬもの6 〜鬼の渡る古道〜(2009年2月 ヤングサンデーコミックス)
作画:奈々巻かなこ
  • 夜市(2018年11月16日 ボニータ・コミックス)

出演[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]