恐れず来たれ、聖徒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

恐れず来たれ、聖徒(おそれずきたれ、せいと。原題: Come, Come, Ye Saints)は末日聖徒イエス・キリスト教会(通称、モルモン教会)の賛美歌の一つである。現在の日本語版歌集(1989年)では17番の歌。日本基督教団の『讃美歌第二編』(1967年)では、187番「聖徒よ、よろこびもて」との題名で収録されている(後述の通り、歌詞は異なる)。

概要[編集]

「Come, Come, Ye Saints」 は1846年4月15日、モルモン開拓者の一人、ウィリアム・クレイトン(w:William Clayton (Mormon), 1814年 - 1879年)によって作詞された。作歌当初の題名は「すべては善し」(英: All is Well)であり、アメリカの既存の賛美歌曲に新しい歌詞を付けたものであった[1]

作詞当時、末日聖徒イエス・キリスト教会(以下、教団と略す)は迫害を受け、拠点だったイリノイ州ノーブー市(w:Nauvoo, Illinois)からアメリカ大陸西部(現・ユタ州)へ移動中であった。クレイトンは妻らをノーブーに残し、第1先遣隊[2]の一員として旅の途上にあり、アイオワ州ロカスト・クリーク(Locust Creek)に滞在していた。そこへ、妻の Diantha から、男児を無事出産した旨の手紙が届いた。クレイトンは大変喜び、すぐに 「Come, Come, Ye Saints」 を書き上げたという。

歌詞の要約は以下の通り。各節は「すべては善し」で締められている。

(第1節) 聖徒(教団会員のこと)よ、神の恵みを信じて、恐れずに進もう。
(第2節) 我々の運命を嘆くな。神は我々をお見捨てにならない。
(第3節) 遥か西部に、神が用意された安全な土地が見つかるだろう。
(第4節) 旅の途中で死んでも、無事に生き延びられても、「すべては善し」。

この歌はモルモン開拓者の間で広く歌われるようになり、モルモン開拓者の労苦と信仰を偲ぶ歌として、1851年以降に教団が発行したすべての賛美歌集に収録されている[3]。最新の英語版歌集(1985年版)では、30番の歌である(男声合唱版は326番)。なお、プロテスタント教会の歌集でも、歌詞から(特に第3節の)モルモン的要素を除去した上で、「Come, Come, Ye Saints」 を掲載している例がある[4]

原詞詞名(初行)
Come, come, ye Saints
曲名(チューンネーム)
ALL IS WELL
ミーター
10.6.10.6.8.8.8.6

日本語訳について[編集]

1905年明治38年)、教団による最初の日本語訳賛美歌集『末日聖徒讃美歌』が発行されたが、当初の日本語歌詞は元の曲に合わせて歌えなかったため、当時の伝道部長ホレス・S・エンサインによるオリジナル曲が付けられた(末日聖徒イエス・キリスト教会賛美歌#日本語版歌集を参照)。「Come, Come, Ye Saints」 は54番の歌として収録され、「きたれせいとよ くをおそれずに」で始まる歌詞(第1節-第3節)が付けられていた[5]

1915年大正4年)、『末日聖徒讃美歌』が改訂され、日本語歌詞が英語版と同じメロディーで歌えるようになった。「Come, Come, Ye Saints」は「恐るな、聖徒よ」との題名で収録された(82番の歌)[6]。その後、1960年の歌集で23番の歌「恐れず来たれ聖徒」(題名に読点が入らない)となり、現在の歌詞となった。現行歌集(1989年版)17番の歌との相違は、題名の読点と歌詞の漢字表記のみである。

一方、日本基督教団合同教会プロテスタント系)は各国の賛美歌を広く収録した『讃美歌第二編』を1967年に発行した。「Come, Come, Ye Saints」は福音唱歌の一つに含められ、187番の歌「聖徒よ、よろこびもて」として収録された(小林望 訳)。『讃美歌第二編略解』(1983年版)によれば、J.F.グリーン(Joseph F. Green, 1924年- )による改変歌詞を原典としており、末日聖徒イエス・キリスト教会版の歌詞とは内容がかなり異なる。グリーンによる歌詞は、例えば原作の第3節と第4節が合体しており、(西部の土地ではなく)神が用意された休息が見つかるだろう、と歌う。この歌は、日本基督教団の後継歌集『讃美歌21』(1997年)には収録されなかった。

脚注[編集]

  1. ^ 元歌は1844年発行の福音唱歌集『The Sacred Harp』所収(単に Old English Folk としている資料もある)。元歌の歌詞初行は "What's this that steals (that steals)upon my frame?" で、各節の締めはクレイトンの詞と同様、"All is Well! All is Well!" である。
  2. ^ 『讃美歌第二編略解』(1983年版) 239頁による。『Our Latter-day Hymns : The Stories and the Messages』(1988年) 58頁では 「the first company of Mormon pioneers」。
  3. ^ Our Latter-day Hymns : The Stories and the Messages』(1988年) 59頁。
  4. ^ 英語版記事では、United Church of Christ の『New Church Hymnal』(w:The New Century Hymnal のことか?)が挙げられている。ほかに、セブンスデー・アドベンチスト教会(SDA)の『The Seventh-day Adventist Hymnal』(1985年、Review and Herald Publishing Association刊。英語版記事)にも、Joseph F. Green による改変版歌詞で収録されている(622番)。
  5. ^ 『世紀を越えて ― Beyond the Century : 末日聖徒イエス・キリスト教会伝道100年のあゆみ』(2002年) 第1章、64頁。PDF版(約4.2MB)
  6. ^ 『世紀を越えて ― Beyond the Century : 末日聖徒イエス・キリスト教会伝道100年のあゆみ』(2002年) 第2章、89頁。PDF版(約4.2MB)

参考文献[編集]

関連記事[編集]

外部リンク[編集]

執筆の途中です この項目「恐れず来たれ、聖徒」は、キリスト教に関連した書きかけ項目です。加筆・訂正などをして下さる協力者を求めていますP:キリスト教/PJ:キリスト教)。