怪人
怪人(かいじん)とは、単純に定義すれば怪しい人物のことである。
目次 |
[編集] 概要
素性の知れない人間・常人離れした行動力を持つ人間を指して呼ぶことがあり、博物学者の南方熊楠や雑誌編集者の大伴昌司などプライバシーを明らかにせず広範な知識と活動を行った先人で「怪人」扱いされるものも多い。
スポーツ選手で「怪人」というニックネームが付く場合もある(ランディ・バースの「怪人バース」、把瑠都凱斗の「エストニアの怪人」など)が、これも常人離れした身体能力を持つ選手や力士が対象となることが多い。少数ながら「アラビアの怪人」ザ・シークのように「怪しい人」という面に着目される例もある。
[編集] 狭義での意味
狭義では冒険活劇、特にテレビの特撮番組に登場する「特殊能力を持った悪人」を指す。
[編集] スーパーヴィラン
アメリカンコミックでは、「怪人」に当てはまる敵のことを、「スーパーヴィラン(Supervillain)」と呼ぶ。
ただし、「スーパーヴィラン」は「怪人」も指すが、もっと大きい概念と考えられる。例えば、英語圏ではスーパーヴィランにダース・ヴェイダーやメガトロンを含むが、日本語圏では彼らを怪人と呼ぶことは無いためである。つまり「悪役のキャラクター」ぐらいに広義な意味合いもある。
他にも、「きかんしゃトーマス」のディーゼル、モジョ・ジョジョ、ハンス・グルーバー、クランシー・ブラウン、ヴェルデモート、エージェント・スミス、ルネ・ベロック、モラ・ラム、イリーナ・スパルコ、カームンラー、ブッチやジョーなどのトムの仲間たち、ダフィー・ダック、シェルドン・ジェームス・プランクトン、おすましキッズ、ジェイソン・ボービーズなどといったスーパーヴィランがいる。
様々な特殊能力を持っているが、中には、肉体的には普通の人間さえ含まれる事がある。例えば、ジョーカーの前身などはジョーカーを解説する書籍などでは、通常の人間で代わりなかったマフィア時代の頃もスーパーヴィランとして扱われている。
ただし、スーパーヴィランにも元々は主人公側の味方だったが、邪悪な本性を露わにする者(フェザーズ・マッグロウ、パイエラ、モジョ・ジョジョ、ルネ・ベロック、「きかんしゃトーマス」のディーゼルとスマジャー、ラス・カーギル、ランプルスティルスキンなど)がいる。
[編集] 敗北
また、シリアス系は途中で主人公を圧倒し追い詰めるが、最後に逆転されて、スクラフィーのようにオリバーの仕返しにより破壊される、カームンラーのように闇の世界に封じ込まれる、チャーミング王子とシェン大老、ファド・ラムゼスのように倒れた塔や大砲やゴミ収集車に押し潰される、トム・リドルのように本をバジリスクの牙で串刺しにされて消滅する、ランプルスティルスキンのように竜巻に巻き込まれて消滅する、パイエラのようにワニに気球ごと食い殺される、ルネ・ベロックのように聖櫃を開けた末に神の怒りに触れ破裂する、ステュアートやグランド・モフ・ウィルハフ・ターキン提督のように爆破された飛行機やデス・スターと運命を共にする、殺し屋デニスのようにヨットの底にぶつかって圧死するといった悲惨な死に方をするパターンも多い。
一方、コミカル系は死ぬ事は無いが、フェザーズ・マッグロウのように下宿人になれなくなり動物園で暮らすことになる、ハリーとバートのようにステップニーやファーガスをスクラップにしようとするもトーマス達に救出され失敗に終わる、オーガスタス・グループのようにチョコの滝に落ちた挙句にパイプに吸い込まれチョコまみれにされる、エル・ドライバーのように目玉をくり貫かれる、バイオレッド・ボーレガードのようにガムを食べた挙句に身体が膨れ上がり体の中のジュースを搾り出されペラペラの体にされる、ベルーガ・ソルトのようにリス達にダストシュートに投げ込まれゴミまみれになる、マイク・ティービーのようにチョコレート転送機の人体実験を勝手に行った挙句に小人になり飴伸ばし機で伸ばされペラペラの飴の紙のような体にされる、ラス・カーギルのように岩石で殴られるといった無様な姿を晒し笑いものにされてしまうパターンも多い。
[編集] 怪獣・怪物との区別
怪獣や怪物と明確に区別する規定はないが、等身大であることと「獣」と「人」で表示されているように人間としての属性を保っているもの(例えば人間が姿を変えた・直立歩行する・言語を解する・明確な悪意を持つなど)を怪人と称することが多い。
しかし一部の特撮作品では怪人の種族名に「獣」と入れる場合もある(『スーパー戦隊シリーズ』など)。また逆に、『ウルトラシリーズ』に登場する宇宙人のように怪獣とまとめられているものも見られる。
楽屋落ちとして語られる「全身タイツを着こんでいる」というのも人間としての属性の一つと見られる。
[編集] 特性
怪人とヒーローは、その能力においては区別されるものではない。仮面ライダーは悪の組織によって生み出された怪人が裏切ってヒーローとなり、ヴェノムはスパイダーマンの宇宙生物スーツを悪意のある人間が着用したものである。X-メンに至っては立場を異にするミュータント同士の戦いで、敵味方が入れ替わることも少なくない。
[編集] 歴史
怪人の系統的な発達は主に第二次世界大戦前~後の探偵小説ブームと、テレビ番組のヒーロー物ブーム以後のものである。戦前の昭和5年(1930年)に紙芝居で発表された『黄金バット』に登場した「ナゾー」は四つ目と鉤爪の宇宙人であった。昭和11年(1936年)に江戸川乱歩が少年向けに発表した探偵小説『怪人二十面相』では、タイトルで悪役が怪人を名乗っている。この名称は元々「怪盗」とするところを、当時の児童向け作品の倫理規定で「盗」の字を使えず「怪人」とされたのである(怪人二十面相#人物も参照)。彼は変装が得意で、他人に成りすますという技術を駆使して美術品を奪ったり愉快犯的犯罪を行う。その影響は大きく、以後の児童向け作品(映像作品も含む)における怪人という単語の定着及び、キャラクター付けの端緒となっている。また、以後には片岡千恵蔵(のちに小林旭)主演の『七つの顔の男』シリーズでは「せむし男」が、見た目の不気味さから「(謎の)怪人」と呼ばれていた。
日本最初のテレビ映画、『月光仮面』には悪役として「ドクロ仮面」や「サタンの爪」が登場している。彼らは犯罪組織の首領で普通の人間であるが、奇怪な仮面をつけていることで怪人としてのキャラクターを確立している。
昭和46年(1971年)には『仮面ライダー』が製作される。それまでのテレビ作品での怪人はいずれも「怪人二十面相」などの江戸川乱歩作品のキャラクターを踏襲し、奇怪な覆面をした(特殊な技術・武器を持ってはいるが)普通の人間であったのに対し、『仮面ライダー』では異様な容姿である理由として改造人間という要素が導入された。
以後、特殊能力の根拠として改造人間や強化服・宇宙人・魔法などさまざまな手法が語られていく。
[編集] フィクションにおける怪人
[編集] 特撮
特撮番組では前述の『仮面ライダー』のショッカーの改造人間がそのキャラクターを確立し、ヒーローに敵対する組織の配下として登場しさまざまな悪事や破壊活動を行う。人間に化けることが出来る怪人も散見される。
変身ブーム時期の作品では通常の人間がなんらかの改造手術(人間と動物の合成などがなされる)を施されて怪人となるようである。近年の作品では戦闘員が強化されたり、戦闘員の中で強いもの・成長したものが怪人化するパターンも見られるようになった。
多くはその回の放送の最後(前後編であれば後編の最後)に倒される運命にあるが、中には人気が出て複数回登場するものもある。
また、前身が人間或いは人間並みの知能を持つ存在である為、葛藤のドラマが描かれる事もあり、良心に目覚めて所属組織に離反する者も居り、そういった離反者は組織の鉄の規律で即座に処刑されるか、ヒーローによって悪の組織の手の届かぬところで平穏に暮らす場合がある(基本的に、このプロットは『隠密剣士』などの忍者物の抜け忍パターンの踏襲である)。ごく稀にヒーローの仲間になり「第二のヒーロー」的な立ち居地でレギュラー化する場合もある。
[編集] アニメ
テレビアニメでは、近年では『美少女戦士セーラームーン』に代表される変身ヒロインアニメに登場することが多い。数は少ないが『TIGER & BUNNY』や『破裏拳ポリマー』といったヒーローアニメも存在し、怪人(アンチヒーローといった形ででもあるが)は登場する。
作品にもよるが概ね特撮番組と同様のポジションを踏襲しているが、そのパターンを踏襲しない形で、常人とは言い難い、怪人としか言いようがない剣客が登場する『るろうに剣心』のような作品も存在する。
ただし、特撮作品ほど表現に技術的な制限がないため巨大なものや人型をしていない者も比較的多く見られるが、『プリキュアシリーズ』に登場するものは、幹部以外は怪人というよりは怪物といった趣もあり、『魔法少女まどか☆マギカ』の魔女は前身が人間であるものの、かなり人間離れした形態に変貌しており、『新造人間キャシャーン』においては、自らの数倍の体躯のロボットと格闘を繰り広げる。
[編集] 代表的な怪人の例
仮面ライダーシリーズの怪人については仮面ライダーシリーズ登場怪人一覧を参照、スーパー戦隊シリーズの怪人についてはスーパー戦隊シリーズ登場敵対勢力一覧を参照。
- 改造人間/サイボーグ
- サイボーグ#サイボーグを主題にした作品も参照。
- 『仮面ライダー』から『仮面ライダーBLACK』・『真・仮面ライダー 序章』までの仮面ライダーシリーズの敵
- 怪人のデザインや能力は組織や作品ごとでコンセプトが異なっており、それらについては各作品を参照。また『スカイライダー』や『仮面ライダースーパー1』の敵組織の上層部は地球外生命体であり、『BLACK』の続編『BLACK RX』の敵は異次元の敵であるなど世界観が同じでもサイボーグではない敵もいる。
- 黒十字軍仮面怪人(『秘密戦隊ゴレンジャー』)
- アクマ族(『アクマイザー3』)
- 名前のモチーフは「悪魔」であり、人間からも「悪魔」と思われていたが、実は過去にサイボーグ化して地底に移り住んだ人間たち。
- 『仮面ライダー』から『仮面ライダーBLACK』・『真・仮面ライダー 序章』までの仮面ライダーシリーズの敵
- 人造人間/ロボット
- 人造人間#人造人間の登場するフィクションとロボット#ロボットが登場する作品なども参照。
- ダーク(『人造人間キカイダー』)
- シャドウ(『キカイダー01』)
- バドー犯罪シンジケート(『ロボット刑事』)
- 機械怪物/侵略ロボット(『ジャッカー電撃隊』)
- 怪魔ロボット(『仮面ライダーBLACK RX』)
- 地球外生命/宇宙人
- 宇宙人#宇宙人が登場する作品も参照。
- ジンドグマ超A級怪人(『仮面ライダースーパー1』)
- フォッグ(『仮面ライダーJ』)
- ワーム(『仮面ライダーカブト』『仮面ライダーディケイド』)
- 宇宙人(『ウルトラシリーズ』)
- 宇宙怪獣の方が代表例に出されることが多いが、その怪獣を操ったりして登場している(巨大戦が主となるため、怪人としての印象は薄い)。
- 妖怪
- 妖怪#妖怪を題材にした作品も参照。
- 西洋妖怪軍団(『変身忍者 嵐』)
- 妖怪(『超神ビビューン』)
- 妖怪軍団(『忍者戦隊カクレンジャー』) & 外道衆(『侍戦隊シンケンジャー』『仮面ライダーディケイド』)
- 等身大で登場するが、敗北後に巨大化する。
- 魔化魍(『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーディケイド』)
- 怪人のような人間大だけでなく、巨大な妖怪も存在する。
- 人類の進化形態
-
- ファントム軍団(『イナズマン』)
- デスパー軍団(『イナズマンF』)
- ファントムおよびデスパーの怪人は新人類にサイボーグ手術を施した改造人間である。
- オルフェノク(『仮面ライダー555』『仮面ライダーディケイド』)
- 邪念や欲から誕生したもの
- 特撮やアニメでは、怪人ではなく、組織の頂点に立つ者(特に上記の妖怪たちの長など)の正体として描かれることが多い。
- モンスター一族(『正義のシンボル コンドールマン』)
- 人間の欲望から生まれた怪物とされている。
- オルグ(『百獣戦隊ガオレンジャー』)
- 人間の邪念から生まれた怪物とされている。人間たちには「鬼」とも呼ばれている。
- ヤミー(『仮面ライダーオーズ/OOO』)
- 魔女(『魔法少女まどか☆マギカ』)
- 元は魔法少女(≒ヒーロー)であったものが、負の想念が限界量を超えて蓄積されたことで精神および肉体に不可逆的変化が発生し怪物化したもの。不可解かつ醜悪な外観をしており人型を保っていないものも多い。
- モンスター一族(『正義のシンボル コンドールマン』)
- 物体や他の生物への憑依・寄生
-
- 次元獣(『鳥人戦隊ジェットマン』)
- 火炎魔人(『トミカヒーロー レスキューファイアー』)
- 一般人が特殊な装置により変身
-
- ドーパント(『仮面ライダーW』)
- ゾディアーツ(『仮面ライダーフォーゼ 』)
[編集] パロディ
ヒーローと怪人は不可分の関係にあるため、ヒーローのパロディには必ず怪人のパロディが存在する。
- けっこう仮面 - サタンの足の爪
- 仮面ノリダー - 石橋貴明によるジョッカー怪人群
- タケちゃんマン - 明石家さんまによるブラックデビルを始めとする怪人群
- 県立地球防衛軍 - 悪の組織「電柱組」による改良人間群と戦闘員「下っぱ」
- まんゆうき - 秘密結社ゴッドベイダーによる妖怪化改造を受けた幹部怪人群