強化学習

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強化学習(きょうかがくしゅう, Reinforcement Learning)とは、ある環境内におけるエージェントが、現在の状態を観測し、取るべき行動を決定する問題を扱う機械学習の一種。エージェントは行動を選択することで環境から報酬を得る。強化学習は一連の行動を通じて報酬が最も多く得られるような方策(policy)を学習する。代表的な手法としてTD学習Q学習が知られている。

最も基本的なモデルでは、ここでの環境は、有限状態数のマルコフ決定過程として定式化される。また、強化学習のアルゴリズムは動的計画法に類似したアルゴリズムである。

強化学習は、学習のための適切な入力データと出力データのペアが与えられることがない、という意味からすると、教師あり学習とは異なる学習手法である。また、未知の学習領域を開拓していく行動と、既知の学習領域を利用していく行動とをバランス良く選択することができるという特徴も持っている。その性質から未知の環境下でのロボットの行動獲得に良く用いられる。

マルコフ決定過程[編集]

マルコフ決定過程 (Markov decision process; MDP) での強化学習は以下の条件の中、学習していく。

  • 環境は状態を持ち、それは完全に正確に観測可能。
  • エージェントが行動を行うと、環境が確率的に状態遷移し、環境から確率的に報酬が得られる。その遷移確率と報酬が得られる確率は事前には与えられず、学習過程で学習していく。
  • 報酬の指数移動平均を最大化するように行動する。

環境が完全・正確には観測可能でない場合は、部分観測マルコフ決定過程 (POMDP) という。

連続空間[編集]

基本的なモデルでは、環境の状態や行動は離散であるが、連続とするモデルもある。

神経科学[編集]

ヒトを含む高等生物は強化学習を行っていると思われる。 神経科学においては、Schultzらが、黒質緻密部のドーパミン作動性ニューロンから電気記録をとり、その位相性の発火が報酬予測誤差信号をコードしていることを示唆して以来、哺乳類の脳において大脳基底核はドーパミンを介した強化学習を行う神経回路であるという仮説が有力視されている。

外部リンク[編集]