幸福のスイッチ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
幸福のスイッチ
監督 安田真奈
脚本 安田真奈
製作 林田洋
松下晴彦
岡林可典
製作総指揮 二宮清隆
出演者 上野樹里
本上まなみ
沢田研二
中村静香
林剛史
笠原秀幸
石坂ちなみ
新屋英子
深浦加奈子
芦屋小雁
田中要次
寿美菜子
音楽 原夕輝
撮影 中村夏葉
編集 藤沢和貴
製作会社 東北新社
東京テアトル
関西テレビ放送
配給 東京テアトル
公開 日本の旗 2006年10月14日
上映時間 105分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

幸福のスイッチ』(しあわせのスイッチ)は、安田真奈原案・監督・脚本の日本映画2006年10月14日、全国公開。和歌山県では10月7日から先行公開。田辺市にあるフィルムコミッションJTB西日本・松下電器産業(現:パナソニック)が製作に協力している。

あらすじ[編集]

「イナデン」は地域の人達に親しまれている「お客第一・儲けは二の次」がポリシーの小さな電器屋。

三姉妹の真ん中・怜(上野樹里)は、母・清子(宮田早苗)がガンで亡くなるまでも、それからも、家族よりお客からの修理依頼などのアフターサービスに尽くす父・誠一郎(沢田研二)の姿にどうしても我慢できず、反発して上京した駆け出しのイラストレーター。

肝心の仕事で上司と衝突し、1年目で会社を辞めてしまう。そんなある日、怜のもとに現在妊娠中の長女・瞳(本上まなみ)が倒れて入院したとの手紙が、三女の香(中村静香)から届く。慌てて和歌山に帰郷した怜だが、入院していたのは父だった。父は客の依頼で行なったアンテナの設置中に屋根から落ちて骨折したのだった。そんな状態でもお客と電話対応する父の姿に呆れる怜。

父が退院するまでの1か月間だけの約束で、渋々店の手伝いを始める怜。すっかり常連客の溜まり場となっている店の騒がしい日常、配達・修理作業を手伝いにきている中学時代のクラスメイト・鈴木(林剛史)のお調子ぶりにうんざりする。最悪なことに、父の過去の浮気疑惑まで再燃し、怜のイライラはピークに達する。

慣れない家業を地道に手伝っていく中、個性的なお客の依頼や、父の仕事ぶりを聞くうち、それまで意固地で頑なだった怜の心は少しずつほぐれていくのだった。

みどころ[編集]

本作品はいわゆる「ご当地映画」の一つとも呼べるが、田辺市を始めとした周辺地域のさまざまな場所でのロケ(天神崎など)や、徹底した地元の方言の再現が特色。特にこの映画では和歌山弁・とりわけ『田辺弁』を話せることが、キャスティングでの条件であった。そのため、主要なキャストは全員が関西圏出身者となっている。

またこの作品の作成に当たっては、監督でもある安田真奈が家電メーカー(松下電器産業)に勤務していた頃の体験を元に、退職後も実際に電器店(パナソニックショップ)で働いたりした経験や、綿密な取材を繰り返した成果が脚本に生かされている。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

受賞[編集]

  • 2007年 - エランドール賞 新人賞:上野樹里
  • 2007年 - 第二回 おおさかシネマフェスティバル 助演女優賞:本上まなみ
  • 2007年 - 第二回 おおさかシネマフェスティバル 脚本賞:安田真奈
  • 2007年 - 第16回 日本映画批評家大賞 主演男優賞:沢田研二
  • 2007年 - 第16回 日本映画批評家大賞 特別女性監督賞:安田真奈

その他・備考[編集]

  • 安田真奈監督原案・石崎洋司執筆による、主人公・怜の高校時代を描いたノベライゼーション『幸福のスイッチ・高校編』(ピュアフル文庫、 ISBN 4-86176-338-X)がある。
  • 2007年4月4日にDVDが発売された。
  • 上野は初共演となった沢田について音楽的なキャリアを全く知らなかったが、「G.S.I LOVE YOU」(沢田の1980年のアルバム)を聴いて「かっこいい! 」と激賞し、「こんなすごい人と一緒に仕事をしていたのか」と撮影後に悟ったそうだ。
  • 妊婦の長女役を演じた本上は撮影時、実際に妊娠しており、撮影後の2006年12月に第一子を出産している。
  • この作品を制作した安田真奈監督は、のちにパナソニックCM「パナソニックのお店・日栄電器編」の監督を務め、2015年1月より放映が開始されている。

脚注 [編集]

外部リンク[編集]