平衡高度

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平衡高度(へいこうこうど, Equilibrium level, EL)とは、熱力学ダイアグラムにおいて、自由対流層を上昇してきた空気塊の温度と環境温度が再び一致し、それ以降は空気塊が自ら上昇できなくなる高度のこと。中立高度(NL)、浮力ゼロ高度(LNB)などともいう。

熱力学ダイアグラム上のEL(D点)。

地上付近にある(湿った)空気塊を断熱的に上昇させていくと、持ち上げ凝結高度(LCL)以降は凝結によりが成長し、湿潤断熱減率に沿って緩やかに冷やされ、やがて空気塊は周囲の空気の気温(環境温度)と一致する自由対流高度(LFC)まで達する。LFCから少し持ち上げられた空気塊は、上昇しても周囲より常に暖かい状態となるため、空気塊は自身の持つ浮力のみで勝手に上昇し続けるようになる。しかし、湿潤断熱減率は環境温度に近づき始め、やがて再び同じ温度となる。これが平衡高度である。この高度より上では、浮力がなくなるため空気塊自身の力では上昇しない。

平衡高度が低いと、より高い高度まで積雲積乱雲の成長が促されることになり、大気が不安定であることを意味する。

一般的に、平衡高度は積乱雲の雲頂高度とほぼ一致する。またこの高度は対流圏界面にも近いため、上昇気流は成層圏の強風や冷気に押し戻されて水平に広がり、かなとこ雲に変形する。上昇気流が強い場合は平衡高度を超えてさらに積乱雲が上昇し、オーバーシューティング・トップ(Overshooting top)と呼ばれるこんもりとした高まりを形成する。

自由対流高度から平衡高度までの大気層を自由対流層(FCL)という。

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