幕張 (漫画)

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幕張』(まくはり)は、『週刊少年ジャンプ』で1996年から1997年まで連載されていた木多康昭漫画作品である。

目次

[編集] 概要

千葉県幕張地区の高校の野球部を舞台としたギャグ漫画。『週刊少年ジャンプ』誌内の漫画『魁!!男塾』、『ジョジョの奇妙な冒険』、『みどりのマキバオー』、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』、『SLAM DUNK』などや担当編集者および芸能人へのパロディの他、過激な下ネタ描写や毒舌が特徴。単行本は全9巻(ガモウ編)と、加筆修正したコンビニコミックが集英社から発売されている。

野球部を舞台としているが、野球をする話はない(部室が潰される話や、新入部員を勧誘する話はある)。舞台となる幕張南高校は作者の出身校、千葉県立幕張北高校がモデル。校舎のデザインも作者が在学した当時のものとほぼ同じである。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


[編集] 物語

「バスケ部に入りたいが、ジャンプにはスラムダンクがあるし、セクシーコマンドー部には入りたくない」という理由で仕方なく幕張南高校の野球部に入部した塩田鉄人奈良重雄。やる気のない野球部マネージャー桜井美保、人数あわせで入部した叶親浩司を加え、まったく野球をしない野球部の青春(?)劇を繰り広げる。

中盤〜終盤には奈良曰く『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』が大会ネタを始めたのに影響され(単行本では台詞が変えられ、叶親以外の参加動機が不明)、「世界高校生選手権」なる大会およびテレビ番組に参加する展開になっていた。

[編集] 登場人物

[編集] 幕張南高校野球部

塩田鉄人(しおだ てつひと)
幕南高校の野球部員。メインキャラクターの一人であって、主人公ではない。
作中最強の人物で、「うるさくて受験勉強が出来ない」という理由で暴走族を壊滅させて以来、鉄人(てつじん)の異名で恐れられる。性格は傲慢で自分勝手で粗暴。稀に友情に厚い一面も見せるが、基本的に自分可愛さに友達を売る男。極度の巨乳好きであり、実はある種の病気(求乳症候群)持ち。2人兄弟。奈良を智恵子に売ったことが発端となり、数々の事件に巻き込まれる。作中後半では奈良&叶親とともに世界高校選手権に出場。エロに負けて勝機を逃すこともあったが、圧倒的なパワー[1]で大会を勝ち進んだ結果、大量の女性ファンを生む。本当は野球よりもバスケの方が好き。野球部に入部しても一度も野球の練習をせずにバスケの練習を続けた結果、「気が付いたら三井君よりも3Pシュートが上手くなった」(本人談)。
奈良重雄(なら しげお)
幕南高校の野球部員。ウド鈴木のような髪型が特徴。ある時桜井のミスで頭のちょうど中心だけを剃られた髪型になり、そこに専用のヅラを嵌める。
作中最凶の変態で、人の恋路を邪魔する殺人集団「吉六会」の元締め。重度のロリコンで塩田忍を狙っていたが、ホモの男に掘られて以降自分もホモ化し、彼女とその兄も標的に加える。粗チン[2]で包茎。身体能力は塩田と互角でありながら、喧嘩は弱い。強度の近眼で、眼鏡が無いと広末涼子と鈴木智恵子の区別がつかない。酒癖が非常に悪く、ひとたび酔っぱらうと塩田でさえ手が付けられない(チャック状態に)なる。音痴。一時は吉六会を抜け、No.2だった矢禿が暴走した。世界高校選手権決勝で、矢禿率いるかつての仲間たちと激突する。作者の高校時代の友人がモデル。
必殺技は、自身のカツラを改良して作った十字の武器「奈良カッター」と吉六会奥義「奈良づくし」。奈良づくしは「エビの脱皮」をモチーフにしており、直立した状態で腰を高速でピストン運動させることで勃たせ、その状態のまま敵に抱きつく技である。
桜井美保(さくらい みほ)
ヒロイン(?)。幕南高校の野球部マネージャー。やる気はあまり無い。三つ編みでB85cm。ワガママで暴力的かつ、かなり性格の悪い美人。塩田と奈良たちに度々貞操の危機にさらされている。実は、豊胸器具で巨乳化していた。パイパンがコンプレックス。必殺技は股間に強烈な一撃を加える「パテオ」と「ラ・ムー[3]
作者の投稿作品『惜しみなく愛は奪ふ』の主人公で、野球部の女性監督だった。月刊ジャンプに掲載された読切にも登場。その時は髪型が違い、塩田とは恋仲だった。
叶親浩司(かのおや こうじ)
幕南高校の剣道部員→野球部員。小学校の卒業式でチンチンの先が黒いことを塩田に暴露され、以降彼のあだ名が「先っちょクロマティ」(略して先マティ)となる。以来、千葉にいられなくなり中学時代を父親の単身赴任先の青森県で過ごすが、高校に入って塩田と再会。さらに奈良と智恵子に関わったばかりに彼の人生は大きく狂う。中学時代100m走で青森県記録を持っていると語るほど、人並み以上に運動神経が優れている[4]。剣道に優れている。基本的には常識人な反面、精神的揺さぶりや押しに弱いタイプ。異性に対してはあまり免疫がないため、女性関係では相手によく利用される。作中後半では智恵子の策略に嵌まり、責任を取るため優勝賞金目当てに世界高校選手権に出場。自分だけ剣道の防具を身に付けて闘うなど、世界高校選手権では手段を選ばない。同じ選手権では相手の口車に乗せられ、格闘をするはずが将棋勝負で七枚落ち(八枚ではない)で戦い、観客や弟から「恥知らず」と罵られるも、涙をこらえて奮戦した。
コンビニコミック版では、あだ名は「亀頭十段」。彼の男性器は亀頭が黒いだけでなくかなりの巨根であり、吉崎に逆切れされている。
桜井が好きで一度告白するも、髪型が理由であっけなく振られている。
吉崎哲也(よしざき てつや)
(一応)野球部のキャプテン。野球に対する興味はほとんど無いようで、一度も野球部部室に現れていない。塩田らが野球部員であったことを知ったのは、香港に渡って以降。いわゆるヤリチンで複数の女性と関係を持つほか、塩田の元彼女(中井里美)とも付き合っていて、塩田と奈良に恨まれる。トランプマンの息子で、『なるほど!ザ・ワールド』が終了し父親がほぼ無職状態になったため、貧乏暮らしをしている。本誌連載よりも早くコミックスの表紙(5巻)に登場。
彼の姉は、自宅に不法侵入した奈良にトロフィーをぶつけられ気絶させられた。
野村光男(のむら みつお)
幕南高校野球部の顧問。25歳。威厳もやる気も全く無く、野球部の部室を柔道部に明け渡すことを自ら提案した。自分の立場を利用して、野球部の元マネージャー(村社綾乃)に関係を迫ったことをなぜか塩田達が知っているため、彼らには頭が上がらない。現在、奈良の母親と付き合っている。

[編集] 主要人物の関係者

奈良の母親
ミイラの様な顔をしている。野村と付き合っているが、美形の男に目が無い。子離れできない性格で、息子を可愛がっていた。
塩田忍(しおだ しのぶ)
鉄人の妹。小学一年生。登場は兄や奈良の回想のみ。ロリコン属性持ちの奈良に惚れられているほか、コラージュ技術にも長けており、強かさは兄譲り。
桜井の父
奈良を変質者として忌み嫌っている。娘を溺愛していて、最終話直前にはそれにつけ込んだ塩田と奈良の策略により哀れな最後を迎えた。

[編集] 柔道部(世界高校生選手権ハゲチーム)

嶋鳥和彦(しまとり かずひこ)
幕南高校の柔道部員→野球部員。塩田達より一年先輩。実は一本も頭髪の無い若ハゲで、頭には鳥山明のサインが施されている。後に鬼瓶から催眠術を伝授され、奈良と共に桜井の家に夜這いに行くが失敗。童貞らしい。柔道黒帯の有段者。モデルは連載当時のジャンプ編集長の鳥嶋和彦
鷹橋昌俊(たかはし まさとし)
幕南高校の柔道部員→野球部員。嶋鳥とは同い年。奈良と塩田によりホモ化する。デブキャラで、チャイドル好き。後に「吉六会」のメンバーに。柔道黒帯の有段者。モデルは連載当時のジャンプ編集者の高橋俊昌。コンビニコミック版では登場シーンが一部カットされている。
植村昌人(うえむら まさと)
嶋鳥と鷹橋の仲間。実は野球部員。2m越えの長身で動きは鈍いがパワーは強い。喋り方がジャイアント馬場に似ている。温和そうに見えて、戦いにおいては容赦がない。不意打ちを仕掛けて塩田を追い詰めるが、本気になった塩田にジャイアントスイングで奈良と共に殺される。必殺技は、相手の脳天に強烈な一撃を叩き込む踵落とし。

[編集] 吉六会

他人の恋愛を妨害することを目的に結成された、もてない男たちの集団。のちに奈良は彼女ができたために脱退させられるが、最優秀高校生選手権編の後は、何事もなかったかのように復帰している[5]。自主的な活動の他、第三者からの依頼によっても動く。

矢禿康介(やはげ こうすけ)
「吉六会」のNo.2。初めは髪が薄かったが、のちに植毛。後半は髪型をアフロにして登場。「奈良づくし」を会得し、広末涼子似の彼女(=智恵子)が出来た奈良に反旗を翻した。モンゴル予選を一人で勝ちぬき、「最優秀高校生選手権」において奈良と史上最低の戦いを繰り広げるも、最後は奈良の一撃によって敗れる。
必殺技は、矢禿メタン(至近距離で相手の顔面に屁を炸裂させる技)と、修行の末に会得した吉六会奥義「奈良づくし」。彼の奈良づくしは、うつぶせの状態から腰を地面に高速で打ちつける「ヘビの脱皮」を使用する。モデルは連載当時のジャンプ編集者矢作康介
鬼瓶久吉(おにへい ひさよし)
奈良とともに「吉六会」を立ち上げた最古参メンバーで、催眠術の使い手。既婚者であるも、不美人な嫁を持つため例外的に吉六会在籍を許されている。女装癖あり。吉崎とさんざん死闘を繰り広げるも、高校生でないという理由でルール違反となり敗れ去る。
家はパン屋だが、長男である彼が跡を継がなかったため、廃業した(彼が表紙を飾る単行本7巻表紙裏に「パン屋つげ!!」と殴り書きされている)。モデルは作者の担当編集者だった瓶子吉久
兵庫吉晃(ひょうご きっこう)
「吉六会」のメンバーの一人で、自称「飲み会のカメラマン」。ボクシングが好きでザーメンが非常に濃い。
モデルは作者のかつての同僚だった元アシスタントで、木多の次作『泣くようぐいす』のスタッフにも彼の名前がある。
板垣平松(いたがき ひらまつ)
「吉六会」のメンバーの一人で、自称内閣総理大臣。見た目は老年だが17歳と自称している。作中ではやたらおかしな言動が目立つが、戦闘宇宙服「ガチョビンスーツ(ガチャピンに角がついた物)」を発明するほどの天才である。小栗又一郎を愛し、彼のために性器を切除するもフラれる。塩田と死闘を繰り広げ、怒りに我を忘れ自らが抱えた爆弾によって自滅した。
苗字は『マーダーライセンス牙』の登場人物、板垣重政からで、外見もほぼそのまま。名は平松伸二から。
小栗又一郎(おぐり またかずろう)
「吉六会」の新入りメンバー。自称「小栗上野介の子孫」。板垣平松とは肉体関係あり。モデルは小栗かずまた。メンバーの中では一番まともだったが、モデルにされた本人からのクレームにより脱退する(作中で登場しなくなる)。

[編集] 世界高校生選手権出場者

マイケル
アメリカチームのリーダー格。スキンヘッドの黒人。逆ギレしやすい。キレると関西弁になる。
サム
アメリカチームの黒髪。
トム
アメリカチームの金髪。
良子(りょうこ)
芸能人のそっくりさんによる芸能チームの一員。広末涼子似。巨乳で、性格は桜井並み。扱いも理不尽なほど良い。
白柳(しろやなぎ)
芸能チームの一員。黒柳徹子似。作中ではぞんざいな扱いを受ける。本作品最強の人物の1人。
桑山(くわやま)
芸能チームの一員。加山雄三似の老けた高校生。自分だけアナウンスで「さん付け」されていることを気にしている。体毛が異様に濃い。ブラック・ジャック (実写版)がトラウマ。

[編集] 世界高校生選手権関係者

ダーマス真晃(-まさあきら)
実況アナウンサー。実はダッチワイフ所持者。元ネタはジャンプ編集者・増田真晃。
アラン
日本語バリバリの香港人。解説者。
ホリデー垣内(-かいと)
レフェリー。日曜に電話しただけでも怒る。レフェリーでありながら「勇気とど根性勝負」と称して「自らの靴の中の匂いをかがせる」「陰毛やケツ毛を剃らせる」といったマニアックな要求を突きつける。モデルは『とっても!ラッキーマン』や『ジョジョの奇妙な冒険』の担当編集者。
垣之介
第2関門に登場。日本刀を振り回す狂人として現れた。マッチ売りの少女の話を最後に赤頭巾ちゃんと言い間違え、狂人を演じていただけと自ら告白し戦意喪失。

[編集] その他

鈴木智恵子(すずき ちえこ)
作中で最強の破壊力を持った、一番性質の悪い女。人間よりもゴリラに近い容貌。ある切っ掛けにより、自分を広末涼子似の美人だと信じて疑わない。その衝撃的な容姿のため、彼女の登場シーンでは「ゴゴゴゴゴゴゴ」などと効果音が流れる。別名赤木キャプテン。塩田や奈良、叶親につきまとい彼らの人生を大きく狂わす。パスポートの写真を広末涼子のものにし、それが原因で空港職員に銃を向けられた。『月刊少年ジャンプ』に掲載された読切にも登場(当時は広瀬和子)。桜井美保とは同じ中学の同級生。単行本6巻は彼女が表紙。
中井里美(なかいさとみ)
塩田とは中学時代、恋仲だった女。塩田を「鉄っちゃん」と呼んでいたが、奈良の讒言によって破局。後に吉崎と付き合い始める。叶親の初恋の人。
お嬢様
香港行きへのチケットを奈良に奪われ、途方に暮れていた塩田の前に現れた女。塩田と桜井に散々やりたい放題やった後に、香港への2人分の旅費を手配した。さらに吉崎の父親の正体を見破り、生活費のためと説得して香港へ行かせた。その名前は最後まで不明だったが、正体は矢禿一人に敗れて廃人同然になった世界高校生選手権モンゴル予選の出場者の姉で、塩田達にはその復讐を強要した役どころ。
漫画家K、K康昭
木多康昭本人。後期になると作品に度々登場する。他の漫画家のサインの模写が得意[6]。また他の漫画家からもらった名刺をうまい具合にコピーして、それを使い他の漫画家の名前を騙っている。
つの丸
千葉出身の漫画家。チンピラ丸出しの風貌と態度で登場し、漫画家Kの前で「幕張ね、読んでねーよ、あんなの」と言い放った。
ガモウひろし
とっても!ラッキーマン』を代表作に持つギャグ漫画家。実は『幕張』の主人公。

[編集] エピソード

元々『幕張』には、いたる所に他の漫画作品のパロディが盛り込まれていたが、同時期に連載していた月島薫作『心理捜査官 草薙葵』に対しては特に執拗に茶化していた。月島は作者コメント欄で「木多先生へ。別に怒っていません。でも漫画の中で殺すかもね…」と述べ、実際に同作品内に「木多昭康60歳」なる人物を殺人事件の被害者として登場させ、意趣返しした。これを受け『幕張』中で、掛け軸に「死ね!」の文字と共に月島の似顔絵と木多自身が殺される絵が描かれたりした。

雑誌掲載時にタレントのヒロミを「(芸が)寒い」と皮肉るシーンがあったが、単行本では島袋光年を模した人物と吉崎との掛け合いに変更された。この話の次号では予告無く休載している。

作中のキャラクターとして出演させられたつの丸は作者コメント欄で「『幕張』には正直迷惑している。しかし怒ったら奴の思うツボなのも分かっている…」と述べている。

最終回は物語を締めくくるどころかストーリーには触れず、作者自身の「やってられっか!!」という叫びと暴露話、さらに作者コメント欄で「俺は自由だ!!」との言葉を残し幕を閉じている。この時最後に“ガモウひろしが『幕張』の真の主人公だった”とオチを付けた。ガモウは木多と作者コメント欄で活発にやり取りをしていたが、作品本編とは関連性はない。後の単行本最終巻の描き下ろしにおいて、連載終了に至った経緯を「ウンコを流すことが出来なかったから」と、説明している。

後年木多は「あのとき辞めていなければ、『幕張』の代わりに(カードゲーム路線でブレイク前の)『遊☆戯☆王』が終わっていた」と語っている。(当時の『遊☆戯☆王』担当編集者は『幕張』と同じ瓶子であった)

[編集] 脚注

  1. ^ 硬度10にまで強化された鉄格子も捻じ曲げた
  2. ^ 末なチンチンの略
  3. ^ 両方とも菊池桃子と書く
  4. ^ 塩田には遠く及ばない
  5. ^ 相手が不細工な場合は脱退の必要がなく、大会中に鈴木智恵子の正体が奈良とメンバーに露見している
  6. ^ 偽剣心サインが10枚ほど出回っていたらしい
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