岸見一郎

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岸見 一郎
生誕 1956年????
日本の旗 日本京都府
出身校 京都大学文学部(学士)
京都大学大学院文学研究科(修士、博士)
研究分野 ギリシャ哲学アドラー心理学
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岸見 一郎(きしみ いちろう、1956年 - )は、日本の哲学者心理学者翻訳家

経歴[編集]

京都府生まれ。洛南高等学校卒業。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。

京都教育大学教育学部、甲南大学文学部、京都府医師会看護専門学校、奈良女子大学文学部非常勤講師、前田医院精神科勤務、

京都聖カタリナ高等学校 看護科(心理学)非常勤講師。日本アドラー心理学会認定カウンセラー。日本アドラー心理学会顧問。

専門の哲学(西洋古代哲学、特にプラトン哲学)と並行して、1989年からアドラー心理学を研究[1]

大学院時代には母親の看病のために半年間学校に通うことができなかったが、その間に参加していた哲学の読書会によって、哲学の有用性を認識したと振り返っている[2]

2013年に刊行した古賀史健との共著『嫌われる勇気』が100万部を超えるベストセラーになる[3]

2015年7月、岸見は『朝鮮日報』とのインタビューで、「私の本が韓国でベストセラーになっているという現象について、日本のメディアは報じていない」と日本メディアを批判した[4]

2017年6月から講談社のウェブメディア「クーリエ・ジャポン」で「25歳からの哲学入門」[5]という連載を執筆しており、2019年5月には「アドラー心理学で人生を変える『岸見一郎の世界お悩み相談室』」という特集の責任編集を担当している[6]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために』ベストセラーズ・ワニのnew新書 1999年
  • 『不幸の心理幸福の哲学 人はなぜ苦悩するのか』唯学書房 2003年
  • 『アドラーを読む 共同体感覚の諸相』アルテ 2006年
  • 『アドラーに学ぶ 生きる勇気とは何か』アルテ 2008年
  • 『高校生のための心理学入門』アルテ 2009年
  • 『アドラー心理学シンプルな幸福論』ベスト新書 2010年
    • 改題『アドラー心理学実践入門 「生」「老」「病」「死」との向き合い方』ベストセラーズ・ワニ文庫 2014年
  • 『アドラー人生を生き抜く心理学』日本放送出版協会NHKブックス 2010年
  • 『子育てのための心理学入門』アルテ 2010年
  • 『困った時のアドラー心理学』中公新書ラクレ 2010年
  • 『介護のための心理学入門』アルテ 2011年
  • 『アドラーに学ぶ 2 (愛と結婚の諸相)』アルテ 2012年
  • 『よく生きるということ 「死」から「生」を考える』唯学書房 2012年
  • 『高校生のためのアドラー心理学入門 なぜ自分らしく生きられないのか』アルテ 2014年
  • 『子育てのためのアドラー心理学入門 どうすれば子どもとよい関係を築けるのか』アルテ 2014年
  • 『生きづらさからの脱却 アドラーに学ぶ』筑摩選書 2015年
  • 『叱らない子育て:アドラーが教える親子の関係が子どもを勇気づける!だからやる気が育つ! 』学研パブリッシング 2015年
  • 『成功ではなく、幸福について語ろう』幻冬舎 2018年
  • 『プラトン ソクラテスの弁明』角川選書<シリーズ世界の思想> 2018年
  • 『NHK 100分de名著ブックス アドラー 人生の意味の心理学 変われない?変わりたくない?』NHK出版 2018年
  • 『老いる勇気』PHP研究所 2018年
  • 『これからの哲学入門 未来を捨てて生きよ』幻冬舎 2020年
  • 『絶望から希望へ~悩める若者と哲学者の"幸福"をめぐる対話』大和書房 2022年
  • 『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』講談社講談社現代新書2687〉、2022年11月17日。ISBN 978-4-06-530069-5  (電子版あり)

講演[編集]

  • 講演CD『自由に生きるヒント:基礎編・実践編・質疑応答編』講演CD 3巻シリーズ 岸見一郎キャンペーンサイト[3] 2016年

共著[編集]

  • 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』古賀史健共著 ダイヤモンド社 2013年
  • 『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』古賀史健共著 ダイヤモンド社 2016年

連載[編集]

  • 「25歳からの哲学入門」クーリエ・ジャポン 2017年 -

翻訳[編集]

アドラーの著作[編集]

  • 『個人心理学講義 生きることの科学』一光社 1996年
  • 『子どもの教育』一光社 1998年 のちアルテ
  • 『人はなぜ神経症になるのか』春秋社 2001年 のちアルテ
  • 『生きる意味を求めて』アルテ 2007年 アドラー・セレクション
  • 『教育困難な子どもたち』アルテ 2008年 アドラー・セレクション
  • 『人間知の心理学』アルテ 2008年 アドラー・セレクション
  • 『性格の心理学』アルテ 2009年 アドラー・セレクション
  • 『人生の意味の心理学』アルテ 2010年 アドラー・セレクション
  • 『個人心理学の技術 1(伝記からライフスタイルを読み解く)』アルテ 2011年 アドラー・セレクション
  • 『個人心理学の技術 2(子どもたちの心理を読み解く)』アルテ 2012年 アドラー・セレクション
  • 『子どものライフスタイル』アルテ 2013年 アドラー・セレクション
  • 『性格はいかに選択されるのか』アルテ 2013年 アドラー・アンソロジー
  • 『勇気はいかに回復されるのか』アルテ 2014年 アドラー・アンソロジー

アドラーの伝記[編集]

  • エドワード・ホフマン『アドラーの生涯』金子書房 2005年

脚注[編集]

  1. ^ 岸見一郎×古賀史健 - 現代ビジネス[1](2014年2月)
  2. ^ #01 「出世だけが目標」の働き方に絶望する必要はない | 岸見一郎 25歳からの哲学入門”. クーリエ・ジャポン (2017年6月8日). 2019年9月13日閲覧。
  3. ^ ダイヤモンド社『嫌われる勇気』、100万部に - 新文化オンライン[2](2016年2月)
  4. ^ 李漢洙 (2015年7月19日). “韓国でベストセラー『嫌われる勇気』岸見一郎氏に聞く”. 朝鮮日報. http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/18/2015071800549.html 2015年7月19日閲覧。 
  5. ^ 25歳からの哲学入門 | クーリエ・ジャポンクーリエ・ジャポン”. クーリエ・ジャポン. 2019年9月13日閲覧。
  6. ^ アドラー心理学で人生を変える「岸見一郎の世界お悩み相談室」”. クーリエ・ジャポン (2019年5月20日). 2019年9月13日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『子育てのためのアドラー心理学入門 どうすれば子どもとよい関係を築けるのか』アルテ、2014年7月。ISBN 978-4-434-19501-3

外部リンク[編集]