山折哲雄
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山折 哲雄 (やまおり てつお、1931年5月11日- )は日本の宗教学者、評論家。専攻は宗教史。前国際日本文化研究センター所長・名誉教授、国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授、 平城遷都1300年記念事業評議員。大佛次郎賞、和辻哲郎文化賞、山本七平賞選考委員。
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[編集] 経歴
- 1931年 父が浄土真宗の布教のために赴任していたサンフランシスコに生まれる。
- 1937年 帰国して東京に転居。
- 1943年 母の故郷である岩手県花巻市に疎開(そのため、この地の出身である宮沢賢治に何度か言及している)。
- 1954年 東北大学文学部卒業。
- 1959年 東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
- 1969年 株式会社春秋社編集部入社
- 1976年 駒澤大学文学部助教授
- 1977年 東北大学文学部助教授。
- 1982年 国立歴史民俗博物館教授。
- 1988年 国際日本文化研究センター教授。
- 1997年 白鳳女子短期大学学長。
- 2000年 京都造形芸術大学大学院長。
- 2001年 国際日本文化研究センター所長。
- 2005年 日文研所長退任、名誉教授。
[編集] 人物
学生時代に十二指腸潰瘍のため大量に吐血。このとき臨死体験をし、「このまま死んでいくのも悪くない」と感じる。その後3ヶ月間入院するが、点滴を受けながら10日間くらい絶食をする。この際、5,6日目あたりから五感が非常に冴え、清澄な気持ちになることを体験。平安末期の念仏結社の人々の体験である「二十五三昧会」が脳裏をよぎる。人間は危機的な状況で、ある生命の反逆作用が起こり、超日常的なイメージを見るのではと覚り、世界観ががらりと変わる。このときから自分自身の肉体が研究対象になる。それ以前は死は無に帰するという近代ヨーロッパ的な観念的無神論者であり、死後を積極的に否定していた。しかし、その体験後は死後の世界を想定したほうが人間の生き方が豊かになると考えるようになった(立花隆対談集「臨死体験と宗教」より)。
「素粒子というものは科学的に証明できるかもしれない。けれども実感としてその存在を感じられない。魂というものは、科学的には証明できなくても、実感としては強く感じることができる」と著書に記している。
日文研教授になったあたりから人気評論家となるが、それ以後は一般向けの言説が多く、学問としての評価は低い。『愛欲の精神史』は、日本古典について碌に先行研究を参照していないと田中貴子に批判された。所長退任後は四国巡礼の旅に出ると公言していたが、実行していない。
2009年4月26日の読売新聞朝刊の「地球を読む」にて西欧社会が旧約の神と新訳の神を分離して考えてることやキリスト教が肉体の死を認めてない事を示唆するような内容を執筆しており、一般的なキリスト教の教義を理解していないことを露呈している。
[編集] 受賞歴
[編集] 主な著書
- アジアイデオロギーの発掘 ある宗教思想論の試み 勁草書房 1968
- 人間蓮如 春秋社、1970年
- 日本仏教思想論序説 三一書房、1973年・講談社学術文庫、1985年
- ガンディーとネルー-その断食と入獄 (東洋人の行動と思想)評論社、1974年
- 日本人の霊魂観 鎮魂と禁欲の精神史 河出書房新社、1976年
- 道元 清水書院、1978年
- 天皇の宗教的権威とは何か 三一書房、1978年
- 霊と肉 東京大学出版会、1979年 のち講談社学術文庫
- インド・人間 平河出版社 1980
- 日本宗教文化の構造と祖型 宗教史学序説 東京大学出版会 1980
- 「坐」の文化論 佼成出版社、1981年 のち講談社学術文庫
- 地獄と浄土 春秋社 1982 のち徳間文庫、1998
- 宗教的人間 法藏館、1982年
- 日本人の心情 その根底を探る 日本放送出版協会 NHKブックス 1982
- 神と仏-日本人の宗教観 講談社現代新書、1983年
- 神から翁へ 青土社 1984 「神と翁の民俗学」講談社学術文庫
- 宗教民俗誌 聖と俗のトポロジー 人文書院 1984 「仏教民俗学」講談社学術文庫
- 演歌と日本人 「美空ひばり」の世界を通して日本人の心性と感性を探る PHP研究所 1984 「美空ひばりと日本人」PHP文庫
- 賢治の風光(宮沢賢治童話の世界) 佼成出版社 1985
- 日本人の顔 図像から文化を読む 日本放送出版協会(NHKブックス) 1986、光文社知恵の森文庫 2008
- 仏教信仰の原点 講談社学術文庫 1986
- 日本仏教思想の源流 講談社学術文庫 1987
- 乞食の精神誌 弘文堂 1987 (シリーズにっぽん草子)
- 精神の再興 佼成出版社 1989 (仏教文化選書)
- 神秘体験 講談社現代新書 1989
- 死の民俗学 日本人の死生観と葬送儀礼 岩波書店、1990年 のち現代文庫
- みやびの深層 日本文明の創造 日本文明史第4巻 角川書店 1990
- 人間の美術5 浄土の彼方へ 平安時代 学習研究社 1990
- 宗教思想史の試み 弘文堂 1990
- ダライ・ラマ 河出書房新社 1991
- 臨死の思想 老いと死のかなた 人文書院 1991
- 聖と俗のインド 有学書林 1992
- 仏教とは何か ブッダ誕生から現代宗教まで 中公新書 1993
- 生と死のコスモグラフィー 法蔵館 1993
- 学問の反乱 漂泊の旅の如く 佼成出版社 1993
- 神と王権のコスモロジー 吉川弘文館 1993
- お迎えのとき 日本人の死生観 祥伝社 1994 「このへんで、お先に」祥伝社文庫
- 巡礼の思想 弘文堂 1995 「西行巡礼」新潮文庫 2003
- 死を視ること帰するがごとし 講談社 1995
- 「日本人と浄土」講談社学術文庫1995
- 宗教の行方 現代書館 1996
- 近代日本人の宗教意識 岩波書店 1996 のち現代文庫
- キーワードで読み解く最新宗教学入門 たま出版 1996
- 宗教の話 朝日新聞社 1997
- 物語の始原へ 折口信夫の方法 小学館 1997
- 悩め、人間よ 親鸞、空海、日蓮、隠された人間像 ネスコ 1997
- 蓮如と信長 PHP研究所 1997 のち文庫
- 日本人の宗教感覚 日本放送出版協会 1997 (NHKライブラリー)
- いのちの旅 対話集 現代書館 1997
- こころの旅 対話集 現代書館 1997
- 暮しのなかの祈り 岩波書店 1998 (シリーズ生きる)
- 聖と俗のインド 現代によみがえるガンディー 第三文明社 1998 (レグルス文庫)
- 仏教と音楽 作陽学園出版部 1999 (作陽ブックレット)
- 山折哲雄いまを生きる 淡交社 1999
- いのりの旅 対話集 現代書館 1999
- 宗教の力 日本人の心はどこへ行くのか PHP新書 1999
- 悪と往生 親鸞を裏切る『歎異抄』中公新書 2000
- 愛欲の精神史 小学館、2001年
- 近代日本人の美意識 岩波書店 2001
- 鎮守の森は泣いている 日本人の心を「突き動かす」もの PHP研究所 2001
- こころの作法 - 生への構え、死への構え 中公新書 2002
- 悲しみの精神史 PHP研究所 2002
- 日本人の情感はどこからくるのか 草思社 2003
- 教えること、裏切られること 師弟関係の本質 講談社現代新書 2003
- 涙と日本人 日本経済新聞社 2004
- さまよえる日本宗教 中央公論新社・叢書 2004
- 日本のこころ、日本人のこころ 日本放送出版協会 2004
- 日本文明とは何か パクス・ヤポニカの可能性 角川叢書 2004
- デクノボーになりたい 私の宮沢賢治 小学館 2005
- ブッダは、なぜ子を捨てたか 集英社新書 2006
- 「歌」の精神史 中央公論新社・叢書 2006
- 無常の風に吹かれて 小学館 2007 (山折哲雄セレクション生きる作法 1)
- 生老病死の人生八十年 小学館 2007 (山折哲雄セレクション生きる作法 2)
- 早朝坐禅 凛とした生活のすすめ 祥伝社新書 2007
- 親鸞の浄土 アートデイズ、2007 ISBN 978-4-86119-097-1
- 日本人のゆく浄土 小学館 2007 (山折哲雄セレクション生きる作法 3)
- 親鸞をよむ 岩波新書 2007
- 信ずる宗教、感ずる宗教 中央公論新社 2008
- 空海の企て 密教儀礼と国のかたち 角川選書 2008
[編集] 共編著
- オカルト・ジャパン 鎌田東二対談 平凡社 1987
- 宗教のジャパノロジー シンクレティズムの世界 川村湊対談 作品社 1988
- 日本における女性 日本思想における重層性 名著刊行会 1992
- 日本の神 1-3 平凡社 1995-96
- 宗教の自殺 日本人の新しい信仰を求めて 梅原猛 PHP研究所 1995 「さまよえる日本人の魂」祥伝社文庫
- 日本とは何かということ 宗教・歴史・文明 司馬遼太郎対談 日本放送出版協会 1997 のちNHKライブラリー
- 蓮如 転換期の宗教者 大村英昭共編 小学館 1997
- 執深くあれ 折口信夫のエロス 穂積生萩共著 小学館 1997
- アジアの環境・文明・人間 法藏館 1998
- 日本人の思想の重層性 <私>の視座から考える 筑摩書房 1998
- 民俗宗教を学ぶ人のために 川村邦光共編 世界思想社 1999
- 稲荷信仰事典 戎光祥出版 1999
- 人間の行方 二十世紀の一生、二十一世紀の一生 多田富雄対談 文春ネスコ 2000
- 本当の「癒し」って何!? ひろさちや対談 ビジネス社 2000
- 「林住期」を生きる 仕事や家を離れて第三のライフステージへ 太郎次郎社 2000
- 世紀を見抜く 未来へ向けての豊穰なる対話 加藤尚武対談 萌書房 2000
- 国際人間学入門 春風社 2000
- 仏教用語の基礎知識 角川選書 2000
- 元気に老い、自然に死ぬ 秦恒平対談 春秋社 2001
- 死を見つめて生きる ひろさちや対談 ビジネス社 2002
- 宗教を知る人間を知る 河合隼雄、加賀乙彦、合庭惇共著 講談社 2002
- 「いのち」についての60の手紙 十代の君たちへ 往復エッセイ 中村桂子 扶桑社 2002
- 「哀しみ」を語りつぐ日本人 齋藤孝対談 PHP研究所 2003
- 名僧たちの教え 日本仏教の世界 末木文美士共編著 朝日選書 2005
- 日本の精神性と宗教 河合隼雄、鎌田東二、橋本武人 創元社 2006
- 日本人の「死」はどこにいったのか 島田裕巳対談 朝日選書 2008
[編集] 翻訳
- K.M.カパディヤ『インドの婚姻と家族』未來社、1969年
- マックス・ヴェーバー、池田昭,日隈威徳共訳『アジア宗教の基本的性格』勁草書房、1970年
- スタニスラフ・グロフ、クリスティナ・グロフ著 『魂の航海術』平凡社(イメージの博物誌)1982年

