小林文次
小林 文次（こばやし ぶんじ、1918年4月19日[1] - 1983年8月28日[1]）は、日本の建築史家、工学博士。福島県伊達郡桑折町生まれ[2]。兄に歴史学者・文学博士の角田文衞がいる。門下には望月照彦、近江榮、山本理顕、椎名英三などがいる。福島県のさざえ堂の実測調査を手がけた[3]。
来歴[編集]
1941年、東京帝国大学工学部建築学科卒業[1]。同大学院に進学するも1944年に退学[1]。同年慶應義塾大学予科教授[2]。大学院生時代は平等院の研究を手がける[1]。1949年日本大学助教授[1]、1952年フルブライト制度でアメリカ合衆国のオレゴン大学へ留学[1][2]。現地ではアメリカ合衆国近代建築史を研究した[1]。1960年「古代メソポタミヤ建築論」により[2]、東京大学工学博士を取得[1]。同年、『建築の誕生』により建築学会賞（論文賞）を受賞[2]。1961年日本大学教授となる[1]。
学外では、1949年日本建築学会理事[1]、1950年イコモス（国際記念物遺跡会議）理事[1]、1958年財団法人古代学協会理事[4]などをつとめた。
1983年、直腸癌のため65歳で死去[1]。従五位、勲四等旭日小綬章が追贈された[2]。
著書[編集]
- 『アメリカ建築』彰国社、1958年
- 『建築の誕生 メソポタミヤにおける古拙建築の成立と展開』相模書房、1959年
- ニコラウス・ペヴズナー『ヨーロッパ建築序説』彰国社 1954年。新版1989年（共訳）
- ウィッチャーリー『ギリシャ都市はどうつくられたか』みすず書房、1962年
- 『古代ギリシャの都市構成』相模書房、1980年
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g h i j k l m “小林文次 :: 東文研アーカイブデータベース”. www.tobunken.go.jp. 国立文化財機構 東京文化財研究所. 2023年1月14日閲覧。
- ^ a b c d e f “小林文次 年譜”. www.museum.cst.nihon-u.ac.jp. 日本大学理工学部. 2023年1月14日閲覧。
- ^ “二重螺旋の重要文化財 会津さざえ堂（福島県）｜銅屋根クロニクル”. www.kinzoku-yane.or.jp. 日本金属屋根協会. 2023年1月14日閲覧。
- ^ 近江榮『故小林文次博士の業績』建築史学会、1983年。doi:10.24574/jsahj.1.0_144。2023年1月14日閲覧。
