家賃保証会社

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家賃保証会社(やちんほしょうがいしゃ)とは、賃貸住宅の契約時に必要な賃借人の連帯保証人を代行する会社である。賃借人が家賃滞納などの家賃債務の債務不履行をした場合、賃借人に変わって家賃保証会社が代位弁済を賃貸人に行う。賃貸保証会社という呼称を用いることもある。

概要[編集]

元来は賃貸物件の契約時に連帯保証人を用意できない借主の為の法人保証の制度であったが、個人の連帯保証人の形骸化などの諸問題に対応し近年では貸主及び賃貸不動産管理業者の家賃回収業務のアウトソーシングとしての面が強くなってきている。 2010年頃より管理会社の入っている賃貸物件においては親族の連帯保証人がいる場合でも保証会社の追加保証を条件とする旨が浸透するに至った。火災保険同様に貸主側や仲介業者に賃貸保証会社から謝礼が支払われていることが多いため、保証会社を使いたくないことを理由に家賃1年分を敷金として貸主に支払うと提案しても断られることになる。住宅ローンなどを組む場合と違い保証会社に対して土地を担保にすることが無いため無担保ローンまたは無担保無保証(連帯保証人なし)ローンと実質同じである。信販会社も参入しておりクレジットカードの使用および家賃の引き落としを必須とする場合もある。近年の新規家賃保証会社の大参入によって賃貸物件への契約時の際に生じる費用は、敷金・礼金・仲介手数料・保証金と消毒費用(地域による)・鍵交換費用・火災保険費用・前家賃に加えて家賃保証会社費用の負担が一般的となったが、日本の各自治体やその福祉の現場では全く考慮されておらず、生活保護受給者の賃貸契約費用などは前世紀の相場のままで運用され支障が出てきている。 長引く不況や広がる非正規雇用の問題などから賃貸物件の借主側から必要とされた隙間産業であるが、貸主の不安を煽って賃貸管理会社側に寄生し本来の目的を果たさず、悪質な取立てや着服その他違法行為にまで及ぶ業者も多数混在する現状となっている。

メリット[編集]

借主にとっては、何らかの事情で連帯保証人が立てられない場合でも、保証会社を利用できれば借主の収入や社会的信用で部屋を借りられる可能性があるというメリットがある。 貸主にとっては、借主の家賃不払リスクを軽減できるメリットがある。保証会社の審査を経て保証会社が承認した場合でも貸主は自由に理由をつけて契約を断ることができるようになった。

デメリット[編集]

保証会社は本来リスク受容の対価として保証料を徴収し運営していくのだが、家賃滞納や夜逃げが多発しているため、退職者でない十分な収入がある保証人を要求することが殆どで、家賃滞納などをしたこともない人が契約を断られたり保証契約時に家賃総額の三割から十割を支払わなければならなくなった。家賃保証会社が以前には貸主に対して保証金や敷金を積めばいいだけだったが、現在では不良契約者や保証会社運営資金を善良な借主が強制的に負担することになってしまった。保証会社加入を入居の条件とすることで家賃10万円以下の所謂庶民向け物件では空室リスク増大した。家賃を保証するはずの家賃保証会社が近年数多く倒産しており、そのリスクを借主貸主ともに背負うことになった。

問題点と業界での自主対策[編集]

車や住宅ローンなどの高額なものに対して保証会社を使うことは有意義ではあるが、家電量販店の長期保証が対象を選別しているのと同様に、庶民用の賃貸に保証会社利用を必須とすることは不経済であり採算が採れない。大手の保証会社も親会社から多額の寄付を受けて存続している。年金生活の高齢者や連帯保証人を用意できない借主や収入が安定しない者や非正規社員、家賃総額が年収の36分の1を超える場合は保証会社は契約に応じることは稀となっている。家賃保証会社を必要とする者が家賃保証会社を利用できず、本来家賃保証会社を全く必要としない者が家賃保証会社の利用を強制されるという本末転倒な事態が普通になりつつある。家賃保証会社の多くが所謂サラ金闇金を親会社にもっていたり、消費者金融業界の人が設立した会社が多い。家賃滞納や貸倒が発生し保証会社が代位弁済をおこなったあと滞納家賃の回収を保証会社がおこなう際、一部の悪質な取り立てや強制退去のような自己救済が行われることが問題になっている。勤めている会社や実家に電話して家賃を払うよう説得を頼んだり、生活保護受給を強制したり、昔の借金取立てと同様の手法をそのまま使う会社があり問題となっている。家賃保証会社に関して監督官庁が無い状態であり、追い出し屋や無許可で金貸しをしてる暴力団と一緒だとの批判もある。貸主が借主に家賃保証会社利用を強制することは、「みかじめ料」徴収事案と本質的に同じだとも見做せる。監督官庁を取り決め家賃保証会社を貸金業者債権回収会社と同様に許可制ないし登録制にし悪徳業者の排除や契約時の審査基準を公表すべきだとの声もある。保証会社が加盟する業界団体の 「賃貸保証制度協議会」は、家賃債務保証業務の適正な実施について自主ルールを制定した。[1]また、業界団体は独自に、金融機関の利用する信用情報機関のような賃貸保証のデータベース機関LICC(リック)を設立、2010年2月より信用情報の登録確認を行っている。 さらに、賃貸保証のデータベース化がブラックリストにつながり、住まいの安定確保を困難にするとの批判もあり、データベース化に反対する保証会社を中心に賃貸保証機構が2009年11月9日に設立された。隙間産業としての家賃保証に関しては公的機関を設立するか公営共済などで対応して健全でスムーズな賃貸供給システムを構築すべきとの見解もある。

主な家賃保証会社と始業年[編集]

信販系家賃保証会社[編集]

関係団体[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]

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関連項目[編集]