宇都宮・ジョーンズ彗星

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宇都宮・ジョーンズ彗星
C/2000 W1 (Utsunomiya-Jones)
彗星
周期彗星の一覧 / 非周期彗星の一覧
発見
発見者  宇都宮章吾アルバート・ジョーンズ(en)
発見日  2000年11月18日
符号・別名  -
軌道要素 - IAUNASA
元期 2000年12月10.0日TT
離心率 (e)  1.000001
近日点距離 (q)  0.32118 AU
軌道長半径 (a)  -
遠日点距離 (Q)  -
公転周期 (P)  -
軌道傾斜角 (i)  160.17°
近日点引数 (ω)  51.51°
昇交点黄経 (Ω)  10.77°
前回近日点通過  2000年12月26.55日TT
次回近日点通過  -

宇都宮・ジョーンズ彗星(うつのみや・ジョーンズすいせい、Comet Utsunomiya-Jones、C/2000 W1)は、2000年に発見された彗星のひとつ。

発見[編集]

宇都宮による発見[編集]

2000年11月19日早朝(JST)、熊本県のアマチュア天文家宇都宮章吾は、私設観測所にて南天に低く南中を迎えていたほ座を彗星捜索中、8.5等級・視直径5分角の彗星状天体を発見した。発見は眼視観測でフジノン15cm・25倍の大型双眼鏡が使用された。宇都宮は、この天体が1日あたり5度の速さで急速に南下していることを確認し、FAXで中野主一天文電報中央局・小惑星センターアソシエイツ)を通じて天文電報中央局に報告した。

行方不明[編集]

発見の情報はまず19日夜(JST)に日本国内の一部観測者[1]に伝えられたが、天候悪化のため翌20日早朝には確認できず、20日晩には南半球を含む日本国外の一部観測者にも伝えられた。しかし、位置推算の精度が悪く[2]、彗星は一旦行方不明となった。

ジョーンズによる発見[編集]

11月26日早朝の3時10分(NZDT、日本時間25日23時10分)、ニュージーランドネルソンのアマチュア天文家のアルバート・ジョーンズは、ふうちょう座の変光星を観測中、8等級4分角の彗星を発見した。7.8cm屈折望遠鏡30倍による眼視発見であった。直ちに31.7cm反射97倍等で確認したが、薄明が進行中で移動は確認出来なかった。ジョーンズの発見した彗星は先に宇都宮が発見した位置から46度離れていたが、2人の彗星が同一であることが判明し、26日21時(UT)にIAUC 7526で新彗星の発見が公表された。ジョーンズによる発見の頃、彗星は地球に0.28auまで最接近していた。

発見時の話題[編集]

宇都宮による彗星発見は宇都宮彗星 (C/1997 T1)以来3年ぶり。半年ぶりに彗星捜索を再開して1分も経たない中での発見であった。彗星が行方不明になった際には捜索のためにオーストラリア行きを検討したという[3]

ジョーンズは1920年生まれで発見時は80歳。数十万の観測を行っている変光星観測家で超新星SN 1987Aを独立発見したほか、ジョーンズ彗星(C/1946 P1)、ミッシェル・ジョーンズ・ゲルバー彗星(C/1967 M1)の発見者でもある。彗星捜索は50年以上行っていなかったが、発見当日は変光星観測中でふうちょう座ζからTに望遠鏡を向ける際に発見し、ふうちょう座T用の変光星図に位置を記入したという[4]

この彗星発見がきっかけで、2002年、宇都宮はジョーンズの元を表敬訪問している。

出現[編集]

発見時ほ座から急速に南下し、ふうちょう座に移動していた彗星は、12月には再び北上しいて座を移動した。12月中旬には北半球では夕方のごく低空に姿を現し、6等級で非常に中央集光の強い姿が観測された。

標準等級が暗く近日点距離が小さかったため、12月26日の近日点通過の際に消滅する可能性が指摘されていたが、翌年1月、大幅に減光し10等級で再観測された。その後彗星は精測位置測定が困難なほど拡散し、3月3日の観測を最後に消滅した。

近日点通過直後の12月28日から1月4日までは太陽観測衛星SOHOによっても観測されている。

関連項目[編集]

出典・脚注[編集]

  1. ^ 一部日本国外を含む
  2. ^ 日本国内では、21日朝には地平線下まで南下していたことが後に判明した。
  3. ^ 『月刊天文ガイド』2001年2月号 160-161ページ 誠文堂新光社
  4. ^ 『月刊天文ガイド』2001年6月号 104-108ページ 誠文堂新光社

参考文献[編集]

外部リンク[編集]