学力に関する証明書

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学力に関する証明書(がくりょくにかんするしょうめいしょ)とは、教育職員免許状に関わる学力などについての証明書である。

概要[編集]

教職課程を設置している(文部科学省より課程認可されている)「大学短期大学および大学院を含む)」「文部科学大臣指定する教員養成機関」「教育職員免許法認定講習の開設者」「教育職員免許法認定通信教育の開設者」は、教育職員免許状の「授与」、「新教育領域の追加の定め(新特別支援教育領域の追加の定め)」、「教育職員検定による授与および新教育領域の追加の定め」を受けようとする者から請求のあったときは、その者の「学力に関する証明書」を発行しなければならない[1]

様式[編集]

「学力に関する証明書」の様式その他必要な事項は、文部科学省令で定めることになっており[2]、「学力に関する証明書」の様式は、教育職員免許法施行規則昭和29年文部省令第26号)の「別記第二の一号様式」から「別記第二の四号様式」までのとおりとされている[3]。ただし、文部科学省がホームページ上で公開している作成例(#外部リンクを参照)にそのまま従う必要はなく、記入すべき必要最小限の項目を記載し、充足していればそれ以上の部分は各課程認定大学等の判断で作成可能となっている。

この証明書では、基礎資格証明(大学・学部学科名等と学位名および在籍期間)[4]と、単位修得修了年度(「上記のすべての単位を修得した年度」)[5]、および法定に基づいた科目の習得単位等を証明するものである。

学力に関する証明書は、施行規則「別記第二の一号様式」(教育職員免許法昭和24年法律第147号)の「別表第一」から「別表二の二」)、施行規則「別記第二の二号様式」(教育職員免許法昭和24年法律第147号)「別表第三」から「別表第八」)、および、施行規則「別記第二の三号様式」[6]において使用される。施行規則「別記第二の一号様式」に基づいた「学力に関する証明書」には基礎資格[7]も記載されているため[8]、別に卒業証明書・修了証明書を用意して基礎資格を証明する必要はない[9]

都道府県教育庁により、授与申請時の厳封の要否が指定されるケースもあるが、大学の判断により、改竄防止処理がなされている場合は厳封の要否の選択が証明書申請者側で可能なケースもある。逆に、改竄防止処理がなされていない場合は厳封で発行するケースが多い。

2009年3月以前の扱いと「読替」について[編集]

以前は、免許状授与申請には、教員免許状授与申請用に規定された「単位修得証明書」と、卒業証明書等(場合によっては、さらに在籍期間証明書[10]の添付が必要)の基礎資格の証明書の両方そろえることが必要であったが、教員免許更新制導入と前後して、2009年4月より「単位修得証明書」の様式が本記事で概説している「学力に関する証明書」として法定される形[11]になったため、現在は教育職員免許状申請用としての「単位修得証明書」は事実上廃止されている(1999年度以前(1997年度以前入学者を含む)あるいは1989年度以前大学入学者についても、新法への読替実施[12]・旧法・旧々法に即したもののまま[13]の発行のいずれにかかわらず、2009年4月以降は「学力に関する証明書」となる)。

1989年度~1999年度に大学入学したものに適用される「施行規則第66条の4に定める科目[14]」に相当する科目(日本国憲法及び体育)の単位を修得しているあるいは修得していると看做される場合、読替実施に当たり、現行の「施行規則第66条の6に定める科目」の単位として当然に充足可能(教育機関により、66条の6に定める科目の前身である「施行規則第66条の5に定める科目」で新設された「外国語コミュニケーション」及び「情報機器の操作」に関する科目相当の単位を修得していると看做される場合は、これも充足しているとして証明書に記載することが可能)。

なお、2009年3月までに授与されたいわゆる「旧免許状」を授与された者が、別の免許状の授与申請をするため[15]に学力に関する証明書を発行される場合でも、基本的に「上記のすべての単位を修得した年度」の記載はなされるが、免許状の申請の上ではなくとも支障はない(2009年4月以降に初めて授与される、いわゆる「新免許状」の授与申請場合は、免許状の有効期限に関わるため、明確に記載が必要な項目となる)。

証明書上の基礎資格・在籍期間等の表示に関して[編集]

なお、基礎資格については、上述のように「別表第1」、「別表第2」、「別表第2の2」でのみ規定されているため、「別表第3」から「別表第8」および施行規則「第5条2の第3項」などによる「学力に関する証明書」の場合は、(都道府県教育庁により)免許状のコピーで基礎資格が証明できる場合[16]を除き、従来通り別途卒業証明書等の基礎資格証明の添付が必要(発行元によっては、各科目の単位修得時期や在籍期間等をつける場合もある)。

また、他大学を卒業した者が、その後別の大学(大学通信教育を含む)に編入しかつ在籍中(あるいは単位取得満期[17])に「別表第1」等で申請する場合は、学力に関する証明書上、基礎資格が成立しないため、その場合も従来通り、卒業・修了証明書(卒業・修了年月日の記載がない場合は、免許状に「卒業又は修了(の)年月日」欄の日付が記載できないケース[18]もあるため、在籍期間証明書などを別途要する場合がある)等の基礎資格証明の添付が別途必要[19]。また、複数の大学を卒業しているケースで、基礎免許状を最終の卒業学校ではないものを基礎資格としているものを使用している場合も、最終学校の卒業証明書[20]が別途必要。

脚注[編集]

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  1. ^ 教育職員免許法 第7条第1項
  2. ^ 教育職員免許法 第7条第5項
  3. ^ 教育職員免許法施行規則 第70条
  4. ^ ただし、証明書発行時点で基礎資格が成立しない場合(在籍中のほか、中途退学・満期退学・単位取得満期退学・科目等履修期間終了を含む)は、「在籍期間等の証明」に置き換えられ、大学・学部学科名と在籍期間のみ表示される。在籍中に証明書を発行する場合は、「入学日から証明書発行日時点で在籍中」の表示となる。
  5. ^ 法定されているために表示が必要な項目だが、有効期限の定めのない「旧免許状」にて授与申請する場合にはあまり意味がない。有効期限のある「新免許状」の場合は、この項目に記載された年度の年度末から起算して10年後に有効期限が来るため、それを証明する不可欠な項目となるため表示がなされている。
  6. ^ いわゆる、「施行規則第五条二の第3項」のことで、特別支援学校教諭免許状の「教育領域追加」のための様式に相当。領域追加申請自体は、「教育職員検定」の必要のないものとあるものとで、申請の書類や仕方がやや異なるが、「学力に関する証明書」の様式自体は同一。
  7. ^ 入学日から卒業・修了日までの在籍期間、学位等(場合によっては、科目等履修期間を含む)が、「基礎資格」の内容に相当する。ただし、単位自体の充足の有無にかかわらず基礎資格が成立しない段階で発行されたものについては、「在学期間等」などが表示される(単位取得退学の場合は、在学期間と学校・学部・学科名、在学中の場合は、いつから在籍しているかと学校・学部・学科名が通常表示される)。
  8. ^ 教育職員免許法施行規則 別記第二の一号様式
  9. ^ ただし、すでに別の大学を卒業した上で、改めて免許取得に必要な単位を修得し、単位取得退学する場合や科目等履修生として取得する場合などは、「別の大学で学位を取得し卒業」という形で、「学力に関する証明書」上に記載される場合があるため、このケースについては「別の大学」の卒業証明書が別途必要となる。なお、基礎資格となる教育機関の卒業日が証明書上確認できない場合(学力に関する証明書では基礎資格を満たせず、別の大学の卒業証明書で基礎資格を提示する場合など)は、免許状に記載される基礎資格となる学校の卒業日・修了日が3月31日や9月30日などの学期末として扱われる場合がある(この場合は、在籍期間証明書など、別途添付書類が必要な場合もある)。
  10. ^ 在籍期間証明書については、教育機関によっては、年月までは入っているが、年月日まで入れていないケースもある。当然、これでは添付する意味がないので注意が必要。
  11. ^ ただし、記載内容について必要条件を満たしていれば、文部科学省の作成例にそのまま倣う必要はない。
  12. ^ (通信制大学を含む)他大学に編入学し、他校種・他教科の教育職員免許状の単位として流用するケースや、元の大学で修得した単位では不足し、他大学でその分を補う場合、在籍当時の法規を根拠とした証明のままでは対応できないため、新法を根拠とした科目への読替が必要になる。
  13. ^ なお、読替した証明書では、在籍当時の免許状の授与条件を満たしたものにはならない(新法で規定する単位数が充足されていない、「教職論」・「教育課程論」・「総合演習(または、教職実践演習)」が証明書上ブランクになっている、などの理由による)ため、在籍当時の授与条件を充足している証明を理由として発行する場合は、読替を実施してはならない
  14. ^ 当初は「施行規則第66条の3に定める科目」とされていたが、後に、第66条内に新たな項が新設されたことに伴い、項番繰下で「第66条の4に定める科目」と読替られることになった。
  15. ^ あるいは、基礎免許状を授与する根拠となったおおもとの基礎免許状の授与根拠を証明するために証明書を発行するケースを含む。
  16. ^ なお、基礎免許状に記載された基礎資格の成立以降に別の大学を卒業するなど、同等性を有する別の基礎資格が生じた場合は、新たな基礎資格の側を証明書として提示する必要がある。
  17. ^ 単位取得満期でない場合は、「教育終了」という語を用いることがある。いずれも、「卒業」はしていないという意味では同様。
  18. ^ あるいは、卒業月の月末付ないしは年度末付に卒業したものと看做して、機械的に同年月日で表示されるケースもある。
  19. ^ 都道府県により、卒業式(学位記授与式)の年月日が証明書上判別できないと判断された場合は、対応可能な証明書自体が提出できない以上、学位記そのものの提出(現物の場合は当然確認後に返却となる)など、確実にわかるものを提出させ、免許状に記載される「卒業又は修了(の)年月日」を厳密に記載するケースもある。
  20. ^ 2種であれば短期大学ないしは大学の学部、1種であれば大学の学部、専修であれば大学院で修士号を得ている状態(専門職学位と修士が双方ある場合は、基本は修士号が前提)のうち、それぞれの最終となるものがそれぞれの基礎資格となる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]