存在の耐えられない軽さ (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
存在の耐えられない軽さ
The Unbearable Lightness of Being
監督 フィリップ・カウフマン
脚本 ジャン=クロード・カリエール
フィリップ・カウフマン
原作 ミラン・クンデラ
製作 ソウル・ゼインツ
製作総指揮 ベルティル・オルソン
出演者 ダニエル・デイ=ルイス
ジュリエット・ビノシュ
音楽 レオシュ・ヤナーチェク
撮影 スヴェン・ニクヴィスト
編集 ウォルター・マーチ
配給 アメリカ合衆国の旗 オライオン・ピクチャーズ
日本の旗 松竹富士
公開 アメリカ合衆国の旗 1988年2月5日
日本の旗 1988年10月29日
上映時間 171分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $17,000,000
興行収入 $10,006,806[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
テンプレートを表示

存在の耐えられない軽さ』(The Unbearable Lightness of Being)は、1988年製作のアメリカ映画冷戦下チェコスロバキアプラハの春を題材にしたミラン・クンデラ同名小説の映画化。

ストーリー[編集]

舞台は、1968年前後のチェコスロヴァキアプラハ。主人公トマシュは優秀な脳外科医だが、複数の女性と気軽に交際するプレイボーイでもあった。ある日、執刀のために小さな温泉街に行ったトマシュは、カフェのウェイトレスで、写真家の道を志すテレーザに出会う。街から逃げ出したかったテレーザは、トマシュを追ってプラハに上京してくる。うぶそうに見えたテレーザの、思いがけない情熱にほだされたトマシュは、彼女と同棲生活に入り、まもなく結婚する。

社会主義からの自由化の空気の中で、まずは幸福な新婚生活が始まったが、すぐにトマシュに女の影がちらつき始める。一度遊んだ女には見向きのしないトマシュであったが、例外的な女もいた。自由奔放な画家のサビーナである。彼女とはお互いに束縛し合わない関係が長く続いており、彼女にも別に愛人がいた。

都市プラハで孤独に苛まれたテレーザは、毎晩悪夢に苦しむようになる。それでもトマシュのもとからは去ろうとしない。結婚生活が暗礁に乗り上げた頃、1968年8月20日、ソ連軍によるチェコスロヴァキア侵攻英語版の夜が来た。 ソ連軍の戦車と、糾弾の声をあげる民衆の波に交じって、無心にカメラのシャッターを切るテレーザ。トマシュは彼女を守りつつ、群衆に交じってスローガンを叫ぶ。しかし次第に、チェコの民衆の声は弾圧され、再びソ連支配の重苦しい空気が流れていく。

トマシュはテレーザと共に、一足先に亡命していたサビーナを頼って、スイス・ジュネーブへと逃避する。テレーザはサビーナの紹介で、雑誌のカメラマンの職を得る。急速に距離を縮めるテレーザとサビーナをよそに、トマシュはサビーナとの逢瀬を続け、行きずりの女性とも関係を持つことをやめない。トマーシュの止まない女癖の悪さ、生きることへの軽薄さに疲れ果てたテレーザは、手紙を残して、愛犬を連れてひとりプラハへと帰っていく。「私にとって人生は重いものなのに、あなたにとっては軽い。私はその軽さに耐えられない。」

ようやくトマシュは失ったものの大きさに気づき、ソ連の監視の厳しいプラハへと戻る。2人はこの時はじめてお互いを理解しあった。自分の主義を曲げようとしないトマシュは医師の職を得られず、窓拭きの仕事に甘んじるようになる。やがて2人は、プラハを逃れ、地方の農村でつましくも幸福な生活を送っていたが、それも唐突に終わる―。

後日アメリカで暮らすサビーナのもとに、2人が交通事故で死んだことを知らせる手紙が届いた。三角関係の恋愛といえど、大切な2人の人間を失ったサビーナは、異郷で涙にくれるのであった。

キャスト[編集]

出典[編集]

  1. ^ The Unbearable Lightness of Being (1988)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年7月30日閲覧。

外部リンク[編集]