岡野玲子

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岡野 玲子(おかの れいこ、1960年6月24日 - )は、日本漫画家茨城県古河市出身。

夫は手塚治虫の実子でヴィジュアリスト(映像作家)の手塚眞

経歴[編集]

東洋美術学校を卒業後、1982年『エスタープリーズ』でデビューした。代表作に『ファンシィダンス』(小学館漫画賞受賞)や夢枕獏原作の『陰陽師』(手塚治虫文化賞受賞)や『陰陽師 玉手匣』が挙げられる。他の作品としては『妖魅変成夜話』『コーリン グ』など。

作品は繊細な筆致で描かれたファンタジーが多く、時に独特のユーモアも混じる。作画にはコピートーンを多用しており、オリジナルのトーンを作りながら作品を制作している。サム・ペキンパーの映画『ワイルドバンチ』の銃撃シーンに感銘を受けたことが漫画家を目指すきっかけになったという。

雅楽をはじめとして音楽にも造詣が深いとされ、漫画『陰陽師』のイメージアルバム(ブライアン・イーノ、伶楽舎)や文化勲章受章者の芝祐靖氏も演奏で参加している雅楽アルバム『喜瑞』(東儀 兼彦、日本伝統文化振興財団、ビクター)をプロデュースした。2011年3月11日東日本大震災後は、宮城県石巻市雄勝町に伝わる「雄勝法印神楽」の復興支援活動に参加した。同神楽は、2015年に完全復興している。

画業35周年記念企画として新装版で復刻した『両国花錦闘士』上下巻と、2010年より隔月刊『メロディ』誌(白泉社)に連載された『陰陽師 玉手匣』の完結の第7巻が発売された。『陰陽師』と『陰陽師 玉手匣』、『ファンシイダンス』が白泉社より電子書籍にて配信された。

受賞[編集]

作品リスト[編集]

連載作品[編集]

作品その他[編集]

  • 妙技の報酬 (2000年、小学館、プチフラワービッグコミックス 2000/11/20)
  • 妖女サイベルの呼び声 -カバー書下ろし(2009年、早川書房)

イメージアルバム[編集]

  • MACOTO TEZKA PRESENTS REIKO OKANO'S 雲遊歌舞 ファンシイダンス(1988年)
    1990年まで小学館『プチフラワー』に連載された作品『ファンシイダンス』。連載中の1988年にリリースされた手塚眞がプロデュースしたイメージアルバム。
    参加アーチストは、伊武雅刀、サエキけんぞう、バカボン鈴木、鈴木さえ子、沖山優司、BAnaNA、鴻上尚史、OTO、成田忍、土屋昌巳、仙波清彦赤城忠治、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、Phonogenix、中沢新一、橋本一子、清田益章・森本レオ。
  • コーリング 第1巻初版本の付録(1991年)
    第1巻の初版本にのみ8cmCDのイメージ音楽集が封入された。橋本一子によるピアノソロ曲を収録。
  • music for 陰陽師(2000年)
    岡野自身のプロデュース。ブライアン・イーノアンビエント・ミュージック伶楽舎雅楽というアプローチの異なる2種類の音楽で構成。

その他[編集]

  • 喜瑞 東儀兼彦/三方楽家の伝承 -CD(2002年)
    雅楽の基本となる三つの管楽器、笙・篳篥・笛の3人の現代雅楽界を代表する名人による極めつけの演奏を収録。
    岡野玲子が、平安の雅の世界をコーディネイトした雅楽のCD。
  • 芝祐靖の音楽 復元正倉院楽器のための 敦煌琵琶譜による音楽 -CD(2011年)
    笛の名手であり、雅楽の古楽曲の復興に力を注いでおられる芝祐靖先生と雅楽演奏グループ・伶楽舎がリリースしたCD。
    岡野玲子が、ブックレットに「仙人の見せる夢幻の世界」と題する解説とイラストを寄稿。

イメージアルバム以外にも、橋本一子のアルバム『ファンタスマゴリア―幻覚者たち』(2000年)のプロデュースを手がけている。

画集[編集]

参考文献[編集]

  • ティム・リーマン著『マンガマスター 12人の日本のマンガ職人たち』美術出版社、2005年
  • 仲宇佐さゆり(聞き手):「岡野玲子(漫画家)・手塚眞(ヴィジュアリスト)夫妻」、「平成 夫婦善哉」第189回、週刊朝日、2017年10月20日号、頁50ー53。

外部リンク[編集]