太平寺庭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
太平寺庭
太平寺庭の位置(秋田県内)
太平寺庭
太平寺庭
太平寺庭の位置
北緯39度45分4.49秒 東経140度13分16.86秒 / 北緯39.7512472度 東経140.2213500度 / 39.7512472; 140.2213500
日本の旗 日本
都道府県 秋田県
市町村 秋田市
人口
2016年(平成28年)10月1日現在)[1]
 • 合計 117人
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
010-1104
市外局番 018[2]
ナンバープレート 秋田

太平寺庭(たいへいてらにわ)は秋田県秋田市にある大字郵便番号は010-1104。住居表示未実施地区。

地理[編集]

秋田市の東部、太平地区の中では中部に位置する。字域は北東から南にかけての細長い形状で、太平地区の中では比較的狭い。南端付近を太平川が東西に流れ、その支流・小黒沢川(こぐろさわがわ)が南北に流れて、南東部の太平黒沢との境で合流する。太平川流域が平野部で、並行して秋田県道28号秋田岩見船岡線及びその旧道(太平街道)が走り、県道・街道の周辺に集落がある。太平川・小黒沢川の流域に農地がある他は山林地帯である。

字寺庭に阿弥陀寺がある。慈覚大師(円仁)作の本尊を祭るといい、一時衰退していたが江戸時代天徳寺閑居和尚によって再興された[3]。また神明社は、中世領主の大江広治が鎌倉からもたらした尊像を祭るという[3]

北は太平八田、東は太平黒沢、南は太平中関、西は太平目長崎に隣接する。

小字[編集]

8の小字が現存する[4]

  • 字家ノ下(いえのした)
  • 字岩井沢(いわいざわ)
  • 字魚ノ森(うおのもり)
  • 字柿木坂(かききざか)
  • 字小黒沢口(こぐろさわぐち)
  • 字土倉(つちくら)
  • 字寺庭(てらにわ)
  • 字張山(はりやま)

河川[編集]

歴史[編集]

文禄元年8月22日1592年9月27日)の「秋田家分限帳写」に館岡半兵衛代官所の中で「寺庭村 138石余」とあるのが初見資料である(秋田図書館所蔵文書)[3]。中世には33の寺院があったという[3]

江戸時代を通じて久保田藩領で、「正保国絵図」では本田当高476石余とされる[3]。「享保黒印高帳」では村高173石余に対し当高200石余(うち本田168・本田並15・新田17)となっており、山林の価値が加味されていると思われる[3]。「享保郡邑記」では31軒[3]。「寛政村附帳」では親郷目長崎村の寄郷とされ、当高173石余(うち蔵分170、給分3)[3]。「天保郷帳」では200石余で、「羽陰温故誌」によるこの頃の人口は156、馬20、牛11であった[3]

沿革[編集]

  • 1873年(明治6年)3月 - 大区小区制の改正に伴い、秋田郡寺庭村は秋田県第1大区6小区に属した[5]
  • 1884年(明治17年)頃 - 郡区町村編制法の下で、南秋田郡目長崎村・八田村・中関村・寺庭村・黒沢村・山谷村が連合。戸長役場は目長崎村に設置される[3]
  • 1887年(明治20年) - 連合6ヶ村の戸数491、人口3,095(地方行政区画便覧)[6]
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、連合6ヶ村が合併し南秋田郡太平村が発足。太平村大字寺庭となる[3]
  • 1954年(昭和29年)10月1日 - 太平村が秋田市へ編入されたことに伴い、名称に「太平」を冠した上で秋田市の大字となる[3]

字域の変遷[編集]

地区内で町名整理・住居表示実施その他に伴う区画変更は行われていない。

世帯数と人口[編集]

2016年(平成28年)10月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]

大字 世帯数 人口
太平寺庭(小字全域) 50世帯 117人

交通[編集]

鉄道[編集]

地区内に鉄道路線は無い。最寄り駅はJR東日本奥羽本線羽越本線秋田新幹線秋田駅

バス[編集]

道路[編集]

施設[編集]

字寺庭[編集]

  • 寺庭公民館
  • 阿弥陀寺

参考文献[編集]

  • 「角川日本地名大辞典 5 秋田県」1980年
  • 「秋田市史 第四巻 近現代I 通史編」秋田市編、2004年
  • 秋田市 地名小辞典

脚注[編集]

  1. ^ a b 秋田市年齢別・地区別人口(平成28年10月1日現在:平成27年国勢調査からの推計値)”. 秋田市 (2017年2月1日). 2017年7月7日閲覧。
  2. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2017年5月29日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 「角川日本地名大辞典 5 秋田県」p.444。
  4. ^ 秋田市 地名小辞典 町名一覧 タ
  5. ^ 「秋田市史 第四巻」p.18。
  6. ^ 「角川日本地名大辞典 5 秋田県」p.389。

外部リンク[編集]