大野晋
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大野 晋(おおの すすむ、1919年(大正8年)8月23日 - 2008年(平成20年)7月14日)は、日本の国語学者。文学博士。東京府東京市深川区(現・東京都江東区)生まれ。学習院大学名誉教授。
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[編集] 事蹟
古代日本語の音韻、表記、語彙、文法、日本語の起源、日本人の思考様式など幅広い業績を残した。特に『岩波古語辞典』の編纂や、日本語の起源を古代タミル語にあるとしたクレオールタミル語説で知られる。
ほかに上代特殊仮名遣の強調、係り結びの倒置説、品詞の割合とジャンルとの関連性を指摘した大野の法則なども知られる。主著は『日本語の起源』『日本語の文法を考える』『日本語の形成』『日本語練習帳』など。
同時代の作家で親交の深かった丸谷才一は、「最高の日本語学者だった。音韻にも文法にも詳しく言語を文明全体と関連させてとらえた。日本語という謎を解く事を志し、粘り強く成果をあげた。」と評している[1]。
[編集] 経歴
- 1919年(大正8年)8月23日 、東京府東京市深川区に生まれる。
- 1943年(昭和18年)、東京帝国大学文学部国文学科卒。橋本進吉に師事する。
- 1952年(昭和27年)、学習院大学文学部助教授に就任し、1960年に教授へ昇進した。
- 1966年(昭和41年)、国語審議会委員(3年間)。
- 1990年(平成2年)
- 1994年(平成6年)『係り結びの研究』で読売文学賞受賞。
- 1999年(平成11年)、『日本語練習帳』が100万部を超えるベストセラーに。同年、井上靖文化賞受賞。
- 2008年(平成20年)7月14日、心不全の為、東京都文京区の順天堂大学医院に於いて逝去。88歳没。
[編集] 主な著作
- 『上代仮名遣の研究 日本書紀の仮名を中心として』岩波書店、1953年。復刊 1974年。
- 『日本語の起源』岩波書店(岩波新書)、1957年。ISBN 4004303400。発行部数 26刷、約35万部(2000年時点)[2]
- 『日本語の年輪』新潮社(新潮文庫) 1966年。ISBN 4101036012。
- 朝日新聞学芸欄連載(1958年秋から約2年間)の改訂版。
- 『日本語をさかのぼる』岩波書店(岩波新書)、1974年。ISBN 4004120926。
- 『日本語の文法を考える』岩波書店(岩波新書)、1978年。ISBN 4004200539
- 『日本語の成立』(日本語の世界1)、中央公論社、1980年。
- 『日本語はいかに成立したか』に改題し、中公文庫、2002年。ISBN 4122040078。
- 『日本語とタミル語』新潮社、1981年。
- 『仮名遣いと上代語』岩波書店、1982年。
- 『源氏物語』 岩波書店 (古典を読む)、1984年 岩波現代文庫、2008年
- 『日本語以前』岩波書店(岩波新書)、1987年。ISBN 4004203953。
- 『文法と語彙』岩波書店、1987年。ISBN 4000020021。
- 『日本語と世界』 講談社(講談社学術文庫893)、1989年。ISBN 4061588931。短い論文集。
- 『係り結びの研究』 岩波書店、1993年。ISBN 4000028057。代表作、読売文学賞。
- 『日本語の世界』朝日新聞出版(朝日選書484)、1993年。ISBN 4022595841。学問的随想。
- 『日本語について』岩波書店 (同時代ライブラリー201)、1994年。ISBN 400260201X。随想的論文集。旧版は角川文庫、1979年
- 『日本語の起源 新版』岩波書店(岩波新書)、1994年。ISBN 4004303400。
- 1957年の旧版とは内容がかなり異なる。発行部数 13刷、約8万部(2000年時点)[2]
- 『古典文法質問箱』角川書店(角川文庫ソフィア)、1998年。ISBN 4043260024。
- 『日本語練習帳』 岩波新書、1999年。ISBN 4004305969。発行部数 約192万部(2008年時点)[3]
- 『日本語はどこからきたのか ことばと文明のつながりを考える』中央公論新社(中公文庫)、1999年。ISBN 4122035376。
- 『日本語の形成』岩波書店、2000年。大著、日本語とタミル語との比較研究の集大成。ISBN 4000017586。
- 『日本人の神』新潮社(新潮文庫)、2001年。ISBN 4101036020。
- 『日本語の水脈 日本語の年輪 第二部』新潮社(新潮文庫)、2002年。ISBN 4101036039。
- 『日本語の教室』岩波書店(岩波新書)、2002年。ISBN 4004308003。
- 『日本語と私』朝日新聞出版、1999年。新潮文庫、2003年。ISBN 4101036047。自伝的随想。
- 『弥生文明と南インド』岩波書店、2004年。ISBN 4000023233。
- 『語学と文学の間』岩波書店(岩波現代文庫)、2006年。ISBN 4006001541。
- 『日本語の源流を求めて』岩波書店(岩波新書)、2007年。ISBN 4004310911。
[編集] 編著・校注ほか
- 『萬葉集 一〜四』岩波書店、日本古典文学大系1〜4、1957-1962年。校注者の1人。
- 『日本書紀 上・下』岩波書店、日本古典文学大系67-68、下巻1965年、上巻1967年。校注者の1人。 ISBN 4000044842。 ISBN 4000044850。
- 『日本書紀』全5巻 岩波文庫。1〜3巻。1994年。ISBN 4003000412。ISBN 4003000420。ISBN 4003000439。4〜5巻。1995年。ISBN 4003000447。ISBN 4003000455。のちワイド版、2003年。
- 『本居宣長全集』筑摩書房、1968〜1993年。編集校訂者の1人。
- 『岩波古語辞典』岩波書店、1974年。補訂版1990年。ISBN 4000800736。編者の1人。
- 『角川類語新辞典』角川書店、1981年。ISBN 404011700X。
- 『類語国語辞典』角川書店、1985年。ISBN 4040120000。
- 丸谷才一との対話、『光る源氏の物語』上下巻 中央公論社 1989年、中公文庫上・下 1994年
- 丸谷才一との対話『日本語で一番大事なもの』 中公文庫 1990年
- 『大野晋の日本語相談』 朝日文芸文庫、1995年。ISBN 4022640855。朝日新聞出版、2002年。ISBN 4022577800。
- 編著 『源氏物語のもののあはれ』 角川文庫ソフィア 角川書店 2001年
- 編著 『対談日本語を考える』中公文庫 1979年、2002年
[編集] 狭山事件脅迫状の鑑定
1963年5月に発生した、埼玉県狭山市における女子高校生誘拐殺人事件(いわゆる狭山事件)の検察側証拠として提出された脅迫状について、東京高裁控訴審と第2次再審請求の2度にわたり鑑定を行い、脅迫状の筆跡及び文章が逮捕時の被告の稚拙な日本語能力では不可能なものであると分析し、事件を冤罪であると断じた[4]。
正式には狭山事件の検察側証拠として提出された脅迫状について、東京高裁控訴審と第2次再審請求の2度にわたり鑑定を行い、脅迫状の筆跡及び文章が(逮捕時の被告の稚拙な日本語能力では不可能かも知れない)と分析、決定的に(本人ではない)と断言したものではない。

