大道芸ワールドカップin静岡
大道芸ワールドカップin静岡(だいどうげいワールドカップインしずおか)は、毎年11月初旬に静岡県静岡市で開催される大道芸を中心にした日本最大の大道芸イベントである。
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[編集] 概要
1992年に始まった市民参加型イベントで、静岡市を代表する催しとなっている。日本国内で活躍する大道芸人はもとより、海外で活躍する様々な分野のストリートパフォーマーを多数招聘し、大道芸の祭典という枠を超え、パフォーミングアートの祭典になっている。近年では国内のみならず海外のパフォーマンスフェスティバル主催者などからの視察が数多く訪れており、静岡に出場したアーティストが他のイベントに招聘されるというケースも増えている。
大会に参加するパフォーマーは、オフ部門(自主参加)、オン部門(招聘による参加)、ワールドカップ部門(審査採点対象)の3カテゴリーに分かれており、いずれも実行委員会の事前審査で決定される。ワールドカップ部門は、コンペティションであり、最高得点を得た者が、その年のチャンピオンに選ばれる。以前はワールドカップ部門、ジャパンカップ部門、フリー部門、オフ部門の4カテゴリーに分けられていたが、後にワールドカップ部門とジャパンカップ部門が統合され、フリー部門がオン部門と改称された。またオン部門は後に固定された演技ポイントでパフォーマンスを披露する「カテゴリー1」、特定の場所を設けずに、決まったエリア内で周回しながら演技するロービングアーティストやフェイスペインティングのアーティストを「カテゴリー2」に細分化して現在に至る。また近年は大道芸の枠に留まらないパフォーミングアーツのイベントとしての観点と、厳しい審査を経てエントリーしたパフォーマーへの敬意を込めるという意味から、パフォーマーの呼称を「アーティスト」と称している。
開幕の前日には、出場する「ワールドカップ部門」と「オン部門」のアーティストの「顔見世興行」と呼ぶべき「プレビューショー」が開催される。この「プレビューショー」のチケットは、予めチケットが送付された「世界大道芸倶楽部」の会員(後述)及び招待客のみ入場が可能となっており、チケットの一般販売は行われない。会場は第一回は静岡市内の映画館であったが、二回目以降は静岡市民文化会館に場所を移し、現在では「グランシップ」が主な会場として使用されている。
原則的にストリートパフォーマーは事前に用意されたポイントで時間通りにパフォーマンスをする(時間規定は20分と定められている)。メイン会場となる駿府公園、呉服町商店街、七間町通り、青葉シンボルロードなどの静岡市中心部にポイントが多く設定される傾向だが、近年の再開発と旧清水市との合併の影響で郊外や旧静岡市以外の清水区や葵区での商業施設などでも「サテライト会場」として行われる場合もある。サテライト会場にはポイント運営を行う実行委員会のボランティアスタッフが派遣されないケースが多い。大掛かりなセットを用いる場合は公園を用いるが、綱渡り程度のものだと商店街でも行う。その為に人気のあるパフォーマーの時間帯は特に混雑が激しいが基本的に観覧のための設備を整えることもない(歩道があるとはいえごく普通の商店街で行うのでスペースも当然ない)。それゆえに通行客の通行が妨げられたり、店舗などの窓枠やベンチなどに土足で上がる等の不心得ものが多く居る。大道芸ならではのアクシデントではあるが通常の大道芸とは違い突発的なイベントではないので事前に場所取りをするか、会場で販売されている「パフォグラス」(ペリスコープ)を用意するのがベストである。以前は脚立を使用する来場者が多く見られたが、脚立などの台に乗る行為は周りの観覧者や通行人に対して邪魔になるだけでなく、特に人ごみの中では危険でもあるため、現在では脚立の使用は推奨されていない。脚立使用の非推奨等のマナーアップ啓発は現在公式ガイドブックにも明記されている。危険回避のためにも極力使用を避けることが望ましい。青葉シンボルロード等では道路に面したフェンスにスクリーンを設置して、道路中央の広場の中に案内している他、スタッフが危険箇所に立ち入ったりしないよう案内を行っている。
2004年からは、メイン会場となる駿府公園内のメインステージを有料化し、よりゆったりとパフォーマンスを楽しめるように配慮され、また特別なプログラムを設定したステージとして「プレミアムステージ」を開始した。同年は「プレミアムナイトショー」のみであったが、翌年からは日中のステージとなる「プレミアムショーケース」(午前の部、午後の部の二部構成)が開始された。また表彰式が行われる「ファイナルステージ」も有料化され、2009年からはチケットのプレイガイドでの一般先行発売も開始されたが、その名の通りにプレミアム性が一層高まり、チケットの入手が非常に難しいものとなっている。プレミアムステージでは一部の大掛かりな機材を必要とするアーティストを除いて、会期中に市民審査員によるワールドカップ部門の審査が行われる。また「ファイナルステージ」はチケットが手に入れる事が出来なかった来場者のために、プレミアムステージ横に大型のスクリーンが設置され、表彰式までの模様を全ての来場者が楽しめるように配慮されている。
駿府公園内の演技ポイントには、専属のスタッフが視覚障害者のためにパフォーマンスの内容をFMラジオによる実況中継を実施している他、公園内常設トイレの他にも仮設トイレにも車椅子対応のものを設置する、身体障害者のためのエスコートスタッフの配置や車椅子の一日レンタル、ガイドブックの点訳・音訳版の準備等、バリアフリーに対しても対応を行っている他、駿府公園内の「キッズガーデン」では授乳所やおむつ交換所が開設される等の様々な配慮がなされる。駿府公園内の他、市街地でもゴミの分別回収を実施している他、「天使の羽スタッフ」による巡回清掃などのゴミの持ち帰り・分別回収の啓蒙活動も行われている。
出演パフォーマーのプロフィールとあわせてこれらの情報は毎年10月に出版される公式ガイドブックにまとめられ、主要書店やコンビニ、開催中であれば大道芸ストア、ガイドブック販売所といった会場内でも購入が可能になる。
運営の主体はイベント会社や広告代理店、行政などではなく、大道芸ワールドカップ実行委員会及び会期中の運営を行う運営スタッフで、これらは全てボランティアによって組織され、音響や設営、ロジスティクス等の業務を除いて全ての運営を市民ボランティアの手によって行っている。期間中ワールドチャンピオンの審査を行うのも、街中を歩き回る市民クラウンも、各演技ポイントの運営も、すべて一般応募の市民ボランティアである。これも大会の大きな特色となっており、市民主導型の協働による運営形態について様々なイベントの主催者等からも注目されている。近年では静岡県外からのボランティアの応募も増えつつある。また近年では、市民ボランティアがその他の様々なイベントの運営に参加したり、市民クラウンがホスピタルクラウンを志す、あるいはサーカスや劇団に入団してパフォーミングアーツの道に進む、「いつでも大道芸を楽しめる街づくりを」との主旨でアーティスト有志と共にNPO法人を立ち上げるといった、様々な目覚ましい動きが見られる。
この他にも、市内の保育園から中学校までの児童、生徒からクラウンのデザインを募り、最優秀賞作品のデザインをまとったクラウンを実際に会場内に登場させる「クラウンスタイルコンテスト」や、「インターンシップ事業」の一環として静岡デザイン専門学校の生徒が製作したポスターやリーフレットのデザインをコンペティション形式で選ぶといった創作作業を通して、市民参加型のイベントとしてのスタイルを構築している。
なお市民ボランティアは毎年5月中旬から募集が始まり、一部年齢制限が存在するスタッフもあるが、静岡市民に限らず広く応募を受け付けている。申し込みは募集要項を実行委員会へ郵送またはFAXで送る他、大道芸ワールドカップin静岡の公式ホームページへの直接応募、静岡市役所観光シティプロモーション課(静岡市葵区役所・静岡庁舎17階)でも受け付けている。それぞれのスタッフは早いものでは7月頃から事前講習が行われ、10月中旬に全体説明会が開催される。
この「大道芸ワールドカップin静岡」のファンクラブとして、「世界大道芸倶楽部」が存在する。会員期間は毎年4月1日から翌年の3月31日までの12ヶ月となっていて、年会費は一口2,000円(一人何口でも申し込み可能)となっている。当年会員は、その年の8月31日までに入金が完了した申込者が対象となっており、9月1日以降は翌年度の会員となることが定められている。会員の種別は全ての特典を利用できる「プライベート会員」と、入会者が会費を支払い、世界大道芸倶楽部の一部特典(ガイドブック、プレビューショー招待券)は、友人や親戚等予め指定された相手に送付される「ギフト会員」に区別される。会員得点として、前述の通り「プレビューショー」の招待券送付(一口二枚)、公式ガイドブックの送付、大会情報のメールマガジン配信、会員証の発行となっている。申し込みはガイドブックの入会申込書に必要事項を記載の上「大道芸ワールドカップ実行委員会」に郵送またはFAXで送信の後、指定の銀行口座に振り込むことで入会が可能となる。
前述の通り、大会は11月初旬に行われる。集客を考慮し、原則として第一土曜日・日曜日及び文化の日が含まれるように日程が組まれる。
[編集] 過去の受賞者
| 年度 | 期間 | 金賞受賞者 | 出身国 | 分野 | 銀賞 | 銅賞 | 実行委員会特別賞 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1992 | 10/31-11/3 | 雪竹太郎(唯一のジャパンカップとのダブルタイトル獲得者) | 日本 | 人間美術館(パントマイム) | ||||
| 1993 | 11/3-7 | フライング・ダッチマン | オランダ・カナダ | ジャグリング | ||||
| 1994 | 11/3-6 | スタルカー | オーストラリア・ニュージーランド | スティルト | ||||
| 1995 | 11/2-5 | スケート・ネーキッド | イギリス | コメディアクロバット | ||||
| 1996 | 11/1-4 | パウロ&ダニエラ | チェコ | 大がかりなステージマジック | ||||
| 1997 | 10/31-11/3 | 張雪&張梅 | 中国 | 双子姉妹による中国雑伎 | ||||
| 1998 | 10/31-11/4 | パントマンガ | 日本 | コンビのコミカルパントマイム | ||||
| 1999 | サンキュー手塚 | 日本 | コミカルパントマイム | ストレンジフルート (豪、空中人形劇) | サルゲイリー (ポルトガル、正統派マジック) | |||
| 2000 | 11/2-5 | リブラ | 米・露 | 男性二名のアクロバット | ストレンジフルート (豪、空中人形劇) | サルゲイリー (ポルトガル、正統派マジック) | ロマノ・カーララ (スイス、マイム&ジャグリング) | |
| 2001 | 11/1-4 | ダン・メネンデス | 米 | ジャグリングでキーボードを弾く | ロマノ・カーララ (スイス、マイム&ジャグリング) | クローム (豪、クラウン) | レレファンヴェール (仏、ストリートサウンドシアター) | |
| 2002 | 11/1-4 | ポパイ | 豪 | 男性二名の筋肉芸 | デュオ・フルハウス(米・スイス、コメディジャグリング) | サブリミット(日本、アクロバット) | ニルス(ドイツ、 ) | |
| 2003 | 10/31-11/3 | ルディ&クリスティ | 米・伊 | コミカル&アクロバット | サブリミット (日本、アクロバット) | ロマノ カーララ (マイム、ダンス、ジャグリング) | ||
| 2004 | 11/3-7 | シャルコフブラザーズ | 露・ウクライナ | 男性二名のアクロバット | レザクロスティッシュ (仏、トリオアクロバット) | アラン・シュルツ (チェコ、バウンスボールジャグリング) | アンドレイ&ナターリア (露、綱渡り&玉乗り) | |
| 2005 | 11/3-6 | トリオ・チャーサール | ハンガリー | シーソーアクロバット | ユンゲ、ユンゲ!&デルーマー(独、コメディ・マジック) | マイク・マイケル(米、マジック・メカニカルマイム) | ||
| 2006 | 11/2-5 | アラン・シュルツ | チェコ | バウンスボールジャグリング | ニーニョ・コストリーニ (アルゼンチン、クラウン&ジャグリング) | カナコフ (露、ロシアンバー) | ||
| 2007 | 11/1-4 | ニーニョ・コストリーニ | アルゼンチン | クラウン&ジャグリング | エンダックス・マラックス (ガーナ、アフリカンサーカス) | ロカシュコフ・トゥループ (露・ベラルーシ、鉄棒アクロバット) | ||
| 2008 | 10/31-11/3 | カナコフ | 露 | ロシアンバー | クラウディウス・シュペヒト (スイス、ジャグリング) | ロカシュコフ・トゥループ (露・ベラルーシ、鉄棒アクロバット) | ル・テニス (仏、コメディジャグリング) | |
| 2009 | 10/31-11/3 | プリンセス・エレイン | メキシコ | コントーション&クロスボー | デュオ・ポスペロフ (ウクライナ、目隠しエアリアル) | ル・テニス (仏、コメディジャグリング) | ゴールデンタイム (独、シンクロナイズドディアボロ) | |
| 2010 | 11/4-7 | アナスタシーニブラザーズ | 米 | イカリアンゲーム | デュオ・ジャック&セルジュ (仏、自転車&トランポリン) | デビッド&ダニア(米、マジック(早変わりイリュージョン)) | ||
| 2011 | 11/3-6 | デュオ ストラホフ | ウクライナ | アクロバット | ドルミカーズ (スイス、ホラーアクロバット) | バレエオンザショルダー(中、新バレエアクロバット) |