大道芸
大道芸(だいどうげい)は、舞台や街頭で演じられる演芸、もしくは芸一般を指す語。一般的には、路上において不特定多数の観客に対して芸を演じ、投げ銭を取ることで生計を立てる芸を指す。また、この点、演芸自体を生計の手段としないいわゆるストリートミュージシャンは大道芸人とは呼ばないことが多い。 また、投げ銭を取らず、イベント等で芸を披露する場合も多く、芸の種類で大道芸と判断する場合がある。
目次 |
概説 [編集]
古くは江戸時代より、浅草の見世物や手品(てづま)、新潟地方の瞽女(ごぜ)、津軽地方のボサマ、その他放浪芸など、日本でも盛んに演じられていた。しかし、多くの場合宗教的なものに結びつけられるか、あるいは乞食芸として蔑まれる傾向にあった。
戦後、欧米の大道芸が入ってくるに従いショーの内容も派手に華やかになり、アートとしての側面やエンターテインメント性の高さが再認識されてきた。
隆盛 [編集]
昭和50年代より、愛知県名古屋市の大須大道町人祭、神奈川県横浜市における「野毛大道芸」など、各地でイベントとしての定着が始まった。当初は、暗黒舞踏を基調とした舞踏や、一見して素人には理解が難しい、いわゆる「アングラ」な傾向が強かった。大須では、これらアングラな系譜を長く守り続けている。
1992年、静岡県静岡市で大道芸ワールドカップが開催され、欧米型のサーカス芸を大々的に日本に紹介し、定着させる大きな役割を果たした。しかし、フランスやロシアを中心にした、大がかりなセットやクレーンを用いるサーカス芸が招聘される傾向にあり、その大半は大道芸未経験者が占める。一方で、これら大がかりなセットは日本人大道芸人は利用できないばかりか、「国内アーティスト」として一段低い扱いになっている。また、日本で行われる大会でありながら和芸が全く選出されないことなども含めて、同大会が大道芸の認知度を高めたとの評価が定着する一方で、白人崇拝のサーカスフェスティバルであるとの批判も多くある。
他、東京都がヘブンアーティストとして公認制度を始めたり、日本テレビが「日テレアート大道芸」としてライセンスを発行するなど、街の活性化やイベントなど各地で脚光を浴びつつある。若年層に根強いファンも数多く、大須大道町人祭や大道芸ワールドカップでの動員客数は数十万人を数える。
ただ、「ヘブンアーティスト」等の公認制度や、各ライセンスは合格基準をオープンにしない場合が多く、芸人の実力、種類は、かなり幅がある。
また、昨今の大道芸は欧米タイプのジャグリングやアクロバット、あるいはパントマイム等のサーカス芸一辺倒になる傾向が強く、同時に、観客側の欧米人崇拝精神も根強いと言われ、苦言を呈する者も多い。また、日本伝統の放浪芸が廃れゆくことに対する危惧も少なくない。
現在、日本で行われる大型大道芸イベントとしては、大道芸ワールドカップ(静岡市)、大須大道町人祭(名古屋市)、ヨコハマ大道芸・野毛大道芸(横浜市)などがある。
主要な大道芸 [編集]
これらのパフォーマンスは、大道芸として演じられることが多いということであって、大道芸そのものという訳ではない。ジャグリングなどは人に見せない趣味としても成立するし、これらの芸がサーカスなど別の場で演じられることもある。
- ジャグリング:玉や棍棒などをアクロバティックに操る芸。非常に愛好者が多く、また芸人も数多い。
- クラウン:一般的にはピエロとも呼ばれる。道化に扮し、コミカルなメイクと演技で笑いを取る芸。パントマイムやバルーンもこなす芸人が多い。
- パントマイム:体ひとつで、現実には存在しない器物をその場にあるかのように演技する芸。通常声を出さずに演技する。また、他の動物やロボット・糸操り人形(マリオネット)等になりきる事もある。
- アクロバット:高度な体の動きを駆使して複雑なポーズや運動を見せる芸。
- バルーン:細長いチューブ型の風船を使用し、様々なものを作る芸。
- 舞踏:舞踏家、または舞踏家の集団が独特の舞を舞う。金粉ショウ等で一部大道芸フェスティバルに定着。
- ウォーキングアクト:特殊な服装や化粧をして無言で歩き回ったり、まったく動かず彫像のように振る舞う。托鉢僧や着ぐるみに似ているが大道芸として行われる場合はかなり奇抜な格好が多い。
- スタチュー:メイクや仮装をして、スタチュー(彫像)になりきる大道芸。人のリアクションに合わせて動くことも有る。
- 香具師芸:芸は人集めの手段。啖呵口上が中心であり、目的は芸を見た(聴いた)人へ何らかの商品を売ることが目的。啖呵売。
その他、音楽芸、ワンマンバンド、マジック(奇術)、猿まわし、南京玉すだれ、蝦蟇(ガマ)の油売り、チンドン屋、人間ポンプなど、種類は非常に多い。