大西広
大西 広(おおにし ひろし、1956年7月31日 - )は、日本の経済学者。専門はマルクス経済学、統計学。京都大学上海センター副所長、同大大学院経済学研究科教授。日中友好経済懇話会顧問。日本現代中国学会理事。立命館大学経済学部元教授
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[編集] 略歴
京都市生まれ。東大寺学園を経て、京都大学経済学部卒業。 ルンペンプロレタリアートまで擁護しかねない左翼のネガティブウェルフェアの揚棄[1]を唱えており、旧ソ連や中国の「社会主義」を資本主義の前段階とし、新自由主義も共産主義の延長であると主張する徹底した史的唯物論者である。マーガレット・サッチャーを尊敬すると公言する驚くべき「マルクス主義者」である[1]。あくまで資本労働関係、そしてその土台である生産力、生産力の源泉である技術、によって分析しなければならない(生産力主義)という立場に立つ。資本主義が歴史的な経済段階を規定する一つの明確な単語であるのに対して、社会主義を指す意味が政治体制であったり、計画経済システムを指す経済システムであったりして不明瞭であり、この点をはっきり、何で一体どのように定義すべきか、改めて明確にしたのが大西広である(詳しくは、『資本主義以前の「社会主義」と資本主義後の社会主義』を参照されたい)。
大西に拠れば、産業革命以後、資本が登場し、その蓄積のために(資本の本源的蓄積過程)消費部門への著しい切りつめが行われる。現象としては、それがあらゆる資本主義国の初期段階で見られているように、労働者に対する過酷な資本の管理として現れる。しかし、資本蓄積が進むにつれて、生産部門への投資が徐々に不必要になり、多くの生産要素を消費部門に振り分けることができるようになるため、時代が進めば我々はより大きな厚生を享受できるようになる。これらの主張は、新古典派経済学から取り入れた要素が多く、マルクスの成長モデルを新古典派的に改良したモデルを大西は考案している。周辺には数理マルクス経済学や分析的マルクス主義がいる。これらに対しては「窮乏化」論から批判する意見もある。
六四天安門事件における中国政府の対応を、「鄧小平の決断によるあの弾圧がなければ現在の中国の経済発展はない」と手放しで礼賛する発言を行っている[1]。なお、日本共産党は同事件について「平和的な運動を武力行使でおさえることは、社会主義的民主主義とは両立しえない暴挙」[2]として、大西の見解とは大きく異なり厳しく批判している。少数民族の問題に関しても当該民族の自助努力の欠如に原因を求める風が強く、民族や出自など本人の努力をもってしても変えることの不可能な要素にまで自己責任論を持ち込んでいる。
[編集] 著作
- 『中国はいま何を考えているか : ナショナリズムの深層』 大月書店, 2005. ISBN 4272210858
- 『ポスト戦後体制への政治経済学』 大月書店, 2001. ISBN 427221070X
- 『資本主義以前の「社会主義」と資本主義後の社会主義 : 工業社会の成立とその終焉』 大月書店, 2005. ISBN 4272110721
- 『チベット問題とは何か―“現場”からの中国少数民族問題』かもがわ出版, 2008. ISBN 4780301947
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ a b c 新自由主義を推進する「マルクス主義」学者大西広氏の「新しい市民革命論」を批判する
- ^ どう考える 劉暁波氏へのノーベル平和賞 言論による体制批判には言論で対応を 日本共産党が中国側に提起してきたこと2010年10月15日付『しんぶん赤旗』