大帝の剣

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大帝の剣』(たいていのけん)は、夢枕獏による長編SF伝奇小説

1985年、雑誌『野性時代』にて連載開始。「飛騨大乱編」まで書かれたところで『野性時代』が休刊となり、長らく中断していた。2005年、映画化の企画が持ち上がったことも契機となり、『週刊ファミ通』にて「天魔望郷編」の連載が開始。「幻魔落涙編」「聖魔地獄編」を経て、2011年に完結。

2007年の堤幸彦監督による映画化以降、映画脚本を担当した天沢彰によるノベライズや、渡海横山仁による漫画など、数多くのメディアミックスが行われている。

あらすじ[編集]

関ヶ原の戦いから間もない時代が舞台。異形の大剣を背負った巨漢・万源九郎を主人公に、壮大な物語が繰り広げられる。その大帝の剣は、大抵の剣をものともしない頑強さを持つ。

真田衆伊賀衆などの忍者や宮本武蔵佐々木小次郎柳生十兵衛などの歴史上の人物や宇宙から来た地球外生物らとバトルする荒唐無稽な物語。

映画[編集]

大帝の剣
監督 堤幸彦
脚本 天沢彰
原作 夢枕獏
出演者 阿部寛
長谷川京子
宮藤官九郎
遠藤憲一
黒木メイサ
音楽 見岳章
撮影 唐沢悟
製作会社 エンターブレイン
東映
東映ビデオ
スカパー・ウェルシンク
テレビ朝日
ゲオ
Yahoo! JAPAN
朝日放送
名古屋テレビ放送
広島ホームテレビ
北海道テレビ放送
九州朝日放送
コミックとらのあな
トミーウォーカー
配給 東映
公開 日本の旗 2007年4月7日
上映時間 110分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 3.0億円[1]
テンプレートを表示

製作時点では原作が未完(連載中)の状態であったため、物語展開やキャラクター造形にオリジナルの要素が多く追加されている。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

ロケ地[編集]

ゲーム[編集]

映画の公開に合わせ、同時期に新紀元社から書籍判にて発売されたテーブルトークRPG(TRPG)。ゲーム製作を担当したのは高平鳴海坂本雅之

いわゆるタイアップ企画ものであり、映画に出てくるキャラクターをプレイヤーキャラクターとして使用することで、映画の内容を追体験できる構成になっている。

19本のシナリオが収録されており、映画の名シーンを再現しているものとオリジナルのものの両方が含まれている。

ゲームシステム[編集]

ゲームシステムはベーシック・ロールプレイングを基幹システムに採用しているが戦闘アクションに特化した形に改造されており、戦闘に使える技能以外のルールは省略されている。また、ゲームマップを使用することで、戦術行動を考える楽しみが増すような工夫がされている。

キャラクターメイキングに関しては、源九郎や宮本武蔵など映画の登場人物をモチーフにしたテンプレートを使用することが前提になっている。

世界設定[編集]

映画の世界観について簡単な紹介が資料として付属している。

書籍一覧[編集]

原作小説[編集]

カドカワノベルズ[編集]

タイトル 発売日 刊行 ISBN 備考
大帝の剣 巻ノ壱 万源九郎 天魔降臨編 1986年11月 カドカワノベルズ ISBN 4047802018 『野性時代』連載分
大帝の剣 巻ノ弐 万源九郎 妖魔復活編 1988年11月 ISBN 4047802026
大帝の剣 巻ノ参 万源九郎 神魔咆哮編 1989年11月 ISBN 4047802034
大帝の剣 巻ノ四 万源九郎 凶魔襲来編 1991年11月 ISBN 4047802042
大帝の剣 巻ノ伍 万源九郎 飛騨大乱編 1992年12月 ISBN 4047802050

角川文庫[編集]

タイトル 発売日 刊行 ISBN 備考
大帝の剣 1 天魔の章 天魔降臨編 妖魔復活編 2002年11月 角川文庫 ISBN 4041626137 カドカワノベルズ版の1巻~4巻まで文庫化
大帝の剣 2 天魔の章 神魔咆哮編 凶魔襲来編 2002年11月 ISBN 4041626145

単行本[編集]

タイトル 発売日 刊行 ISBN 備考
大帝の剣 1 〈天魔降臨編〉〈妖魔復活編〉 2007年3月 エンターブレイン ISBN 9784757734098 1巻~完結編まで新装・再出版
大帝の剣 2 〈神魔咆哮編〉〈凶魔襲来編〉 2007年3月 ISBN 9784757734104
大帝の剣 3 〈飛騨大乱編〉〈天魔望郷編〉 2007年4月 ISBN 9784757734111
大帝の剣 4 〈幻魔落涙編〉 2012年6月 ISBN 9784047280892
大帝の剣 5 〈聖魔地獄編〉 2012年6月 ISBN 9784047280908

角川文庫[編集]

タイトル 発売日 刊行 ISBN 備考
大帝の剣 1 2016年1月 角川文庫 ISBN 9784041031681 単行本を元に再度文庫化
大帝の剣 2 2016年1月 ISBN 9784041031698
大帝の剣 3 2016年3月 ISBN 9784041031674
大帝の剣 4 2016年3月 ISBN 9784041031704

漫画[編集]

BEAM COMIX[編集]

タイトル 作画 発売日 刊行 ISBN
大帝の剣 1 天魔の章 天魔降臨編 渡海(ドヘ) 2008年1月 エンターブレイン ISBN 9784757739291
大帝の剣 2 天魔の章 天魔降臨編 2008年8月 ISBN 9784757743199
大帝の剣 3 天魔の章 天魔降臨編 2009年5月 ISBN 9784757748392
大帝の剣 4 天魔の章 妖魔復活編 2010年1月 ISBN 9784047262119
大帝の剣 5 天魔の章 神魔咆吼編 2010年8月 ISBN 9784047266698

バーズコミックス[編集]

タイトル 作画 発売日 刊行 ISBN
大帝の剣 1 横山仁 2013年9月 幻冬舎 ISBN 9784344829145
大帝の剣 2 2014年2月 ISBN 9784344830400
大帝の剣 3 2014年9月 ISBN 9784344832121
大帝の剣 4 2015年3月 ISBN 9784344833821

TRPG[編集]

タイトル 発売日 刊行 ISBN
大帝の剣RPG 2007年5月 新紀元社 ISBN 9784775305461

映画関連書籍[編集]

タイトル 発売日 刊行 ISBN
大帝の剣 公式ガイドブック 2007年4月 エンターブレイン ISBN 9784757735194
大帝の剣 映画ノベライズ 2007年3月 エンターブレイン ISBN 9784757735163

脚注[編集]

  1. ^ 「2007年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2008年平成20年)2月下旬号、キネマ旬報社、2008年、164頁。 
  2. ^ ロケ実績”. ふくやまフィルムコミッション. 福山観光協会. 2017年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。
  3. ^ これまでの作品”. 備後ふちゅうフィルム・コミッション. 2017年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月5日閲覧。

外部リンク[編集]