大型自動二輪車

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ヤマハVMAX(1679ccの大型自動二輪車)

大型自動二輪車(おおがたじどうにりんしゃ)とは、日本道路交通法によるオートバイの区分のひとつで、総排気量400ccを超えるものを指す。

目次

[編集] 概要

大型二輪免許で運転でき、高速道路も走行できる。2005年4月より、首都高速の一部を除く[1]高速道路での二人乗りが可能となった。ただし、20歳以上で免許の期間が3年以上(普通自動二輪の免許期間も合算される)などの条件がある。

オートバイにおける最高峰へ分類されるカテゴリであり、0-100km/hが2秒台と発進加速では四輪のスーパーカーやレーシングカーすら上回る市販車も多い。ゆえに大型自動二輪車の運転には、高い運転技術や安全運転、法律遵守への高い意識を持つことが求められ、運転免許教習で指導されている。

大きな排気量によりエンジンの出力は低回転から大きなトルクを発生する。そして、高い出力を受け止めるためにフレームや駆動系の構造には高い強度が求められ、車体寸法は大きく、車重は重くなる傾向にある。低回転で大きなトルクを発生するエンジンと重い車重は長距離巡航に適した特性のひとつで、ツアラーやクルーザーと呼ばれるカテゴリの車種も多く作られている。最高出力を追求して最高速性能に特化したメガスポーツと呼ばれるカテゴリも大排気量ならではの特性を活かした車種が多い。一方、大トルク、高出力による加速力や最高速度[2]といった性能は公道を走るには過剰な車種が大半であり、運転者が無謀な運転をしたときの危険性は非常に大きい。あるいは停車時に人間が車重を支えきれずに転倒する、いわゆる立ちゴケと言われる転倒も起こしやすい傾向もある。

日本では、海外に輸出された国内メーカーの車両を再度輸入した、いわゆる逆輸入車が多く流通している。かつては国内向けの車種は排気量の上限が750ccに自主規制されていたことや、出力規制を受けていた[3]ことにより、それらの規制を受けない逆輸入車を求める消費者が少なくなかったためである。出力規制は2007年7月に撤廃され100psを越える国内仕様車両も販売されるようになったが、現在も日本国外との騒音規制値の差により日本で発売されていない車両を対象とした逆輸入が行なわれている。

警視庁や道府県警などで白バイとして現在広く採用されている。日本国外においても、警察機関では大型自動二輪車相当のものが採用されている。

[編集] 法律上の定義

大型自動二輪車は、道路交通法施行規則において「総排気量0.400リットルを超える内燃機関を原動機とする二輪の自動車(側車付きのものを含む。)で、大型特殊自動車及び小型特殊自動車以外のもの」と定義されている[4]2011年現在は電動機のみを動力としている車両に対する定義がされておらず、定格出力が1kWを超えるものはすべて普通自動二輪車として扱われている。

道路運送車両法では「二輪の小型自動車」へ分類され、運輸支局への届出によりナンバープレートと自動車検査証が交付される。自家用の場合は白地に緑文字のナンバープレートで緑色の縁取がある。車検が必要で、新規登録時に新規検査、新規登録から3年目と以後2年毎に継続検査を行い、車検時には重量税を納めなければならない。左上に車検の有効期限を示す検査標章を貼付しなければ運行してはならない。

[編集] 運転免許

1960年以降、現在の大型二輪免許に相当する免許は「二輪免許」で、250ccを超えるオートバイの区分であった。また、軽免許の上位免許として、360cc以下の軽三輪車と軽四輪車を運転できた。1965年9月1日に軽免許(二輪車は250cc以下、三輪車と四輪車は360cc以下)が廃止されて二輪免許の区分が50cc超に変更されたことにともない、この時点で小型特殊免許と第一種原付免許以外の運転免許を保有していた人に付帯免許として与えられた(いわゆる「ポツダム免許」)。これにより、現在65歳以上の人の中にはオートバイの乗車経験が無くても大型二輪免許を持っている場合がある。1965年から普通免許では原動機付自転車(50cc以下)しか運転できなくなった。二輪免許の技能教習と技能試験は125ccの教習車を用いるように変更され、1972年には教習車は400ccに戻された。

1975年より運転免許試験場での技能試験または自動二輪免許(中型限定)からの限定解除審査の合格者のみに交付された(いわゆる「一発試験」)。しかし、その合格者数は全受験者の一割未満ともいわれる難関であったため、免許そのものが高嶺の花となった状況が続いた。こうした状況に対し、ハーレーダビッドソンBMWなどの国外メーカーから「大型輸入バイクが売れないのは日本の免許制度が原因で、非関税障壁となっている」といった指摘を受け、1996年9月の免許制度改正から「公認自動車教習所」で大型二輪免許の教習を受けられるようになった[5]。これによって以前よりは容易に免許を取得できるようになり、大型二輪免許の保有者数は増加した。

1996年から大型二輪免許と普通二輪免許が独立した免許となったため、現在では普通二輪免許の限定を解除して大型二輪免許を取得することはできない。同じ理由により、普通二輪免許で大型自動二輪車を運転した場合、免許条件違反ではなく無免許運転となる。

2005年6月より二輪免許にもオートマチック限定免許が創設され、400ccを超えるAT自動二輪車は大型二輪免許のAT限定を取得すれば乗ることができるようになった。しかし新設当時には650ccを超えるオートマチック車両が日本国内で販売されていなかったことから、大型二輪免許のAT限定には650cc以下に排気量が限定されて現在まで至っている。現在販売されている650ccを超えるAT車のオートバイを運転するためには、AT限定を解除する限定解除審査に合格する必要がある。

公認自動車教習所で教習を受ける場合、普通自動二輪免許やその他の自動車免許を保有していなくても大型二輪免許の教習を受けられることが標準化されているが、現有免許に応じて最短教習時限数が異なる[6]。先に普通二輪免許あるいは小型限定の普通二輪免許を取得して、段階的に大型二輪免許を取得すると、技能教習については最短教習時限数の総数は少なくなる[7]一方、中途段階の卒業検定や免許取得手続きは多くなる。大型二輪の教習を受けている者が普通二輪免許の教習へ移行を希望する場合は、それまでに行った技能教習は普通自動二輪の相当する課程を修了したものとして扱われる[8]。大型二輪免許あるいは普通二輪免許を取得後に普通免許を取得するときは、一部を除く学科講習と学科試験は免除され、技能講習および技能試験のみで取得できる[9]

[編集] 750ccが特別な存在となった理由

かつては大型自動二輪車の代名詞といえば排気量750ccの、いわゆる「ナナハン」であった。これはCB750FOURが販売された時、当時の四輪車を超えるスピードで走行できたことから、国内メーカーが正規に販売できるバイクの排気量を750ccまでとする業界の自主規制が行われたためである。自主規制が撤廃されて以来、近年は排気量1,000ccを超える車種が多く発売されている。国内のフェリー運賃においてオートバイの航送料金は大きさや重量ではなく排気量で区別され、現在でも125cc以下、125cc超750cc以下、750cc超で運賃が区別されていることが多い。

[編集] 日本国外の状況

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排気量区分による免許の制度は日本のほかは、台湾とスペインが採用している。

2012年からEUの免許制度は統合され、AM免許(50cc・45km/hリミッター)、A1免許(125cc・11kw)、A2免許(35kw)、A免許(出力無制限)となり、A免許取得のためには必ず試験を受けることとなる。A免許は年齢や経験により25kw(34ps)までに制限され、免許取得後2年間は排気量にかかわらず出力が25kw以下の車両でなければ乗ることができない[10]

ニュージーランドの場合、初心者は250ccまでで、速度は70km/h(一般道路)の制限がある。

オーストラリアの場合も初心者は250ccまでで80km/hの速度制限が存在したが、現在は改訂された。最大排気量は660ccであるがパワーウェイトレシオなどの規制があるため、高出力の600ccスーパースポーツなどは乗ることができない。

タイ王国では排気量による免許区分がないため、二輪免許ですべての二輪に乗ることができる[11]。ただし、タイ国内での生産が150cc以下に限られている(一部175cc)ため、タイ国内を走る二輪車は大半が150cc以下である。大排気量の二輪車の輸入に関して規制はないものの高額の関税がかかるため日本以上に高嶺の花となっている。また、タイ国内の高速道路はすべて二輪車の走行が禁じられている。

韓国の場合、第二種小型免許で二輪車を運転することができる[12]。韓国国内の高速道路ならびに都市高速道路、自動車専用道路は二輪車の走行が禁止されている。

アメリカやカナダは州ごとに異なる。

[編集] 脚注

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  1. ^ 首都高速道路株式会社 自動二輪車の二人乗り規制
  2. ^ 現在はリミッターによって抑えられているが、最高速度が300km/hを超える車種も市販されていた。
  3. ^ 一部の例外を除いては750ccの車両において77ps、1,000cc超の車両においては100psを上限とされていた
  4. ^ 道路交通法施行規則(昭和三十五年十二月三日総理府令第六十号)
  5. ^ 実際には認可までに時間がかかり、1997年教習開始
  6. ^ 警察庁丙運発第22号「指定自動車教習所の教習の標準」, 日本: 警察庁, (2010年8月31日) 
  7. ^ 社団法人全国二輪車安全普及協会(おすすめ情報)
  8. ^ 警察庁交通局運転免許課・指定自動車教習所の教習の標準 第1一般的な教習方法の標準等 4技能教習の一般的な教習方法の標準 (6)教習の移行
  9. ^ 日本自動車工業会 二輪車に関する法律・制度「二輪免許と普通自動車免許は学科が共通」
  10. ^ JAMA特集/世界の中のわが国自動車産業-欧州をみる
  11. ^ 日本で普通二輪から取得した国際免許でも可
  12. ^ 125cc以下はすべての種類の運転免許で運転可能

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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